ダーク・ファンタジー小説

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報復の旅
日時: 2017/01/16 17:08
名前: シルバーラビット (ID: FWNZhYRN)

どうも、小説を書くのが大好きなシルバーラビットです。
昔からダーク小説に憧れ色々な発想を浮かべていました。
今日からここでお世話になるのでどうぞよろしくお願いします<(_ _)>

★はじめに★

★素人の作品です、大目に見てくれたら幸いです。

★自己紹介はこんな感じですが本編は生真面目ストーリーです。

★ダークファンタジーなんだから当然なんですがグロ要素を含みます。

★出来たら追加ストーリー(外伝)も書きたいです。


それでは始まります。
・・・・・・ですがその前にストーリーと登場人物の紹介から



Re: 報復の旅 ( No.4 )
日時: 2017/01/19 23:50
名前: そーれんか (ID: qESkNdgF)

閲覧させていただきました〜_(:3」∠)_こういう系の話私好きなんですよ。それに会話と会話の所に間が空いてるので読みやすかったです!更新頑張ってくださいね〜_(┐「ε:)_

Re: 報復の旅 ( No.5 )
日時: 2017/01/20 22:51
名前: シルバーラビット (ID: FWNZhYRN)

コメントありがとうございます!
そう言っていただけると大変光栄です(`・ω・´)ゞ
まだ未熟な身ですがこれからもよろしくお願いします<(_ _)>

Re: 報復の旅 ( No.6 )
日時: 2017/01/20 22:52
名前: シルバーラビット (ID: FWNZhYRN)


晴天が広がっていた。
雲はほとんどなく真っ青に染まっている。
白く輝いている太陽が地上を照らしていた。
誰もが今日を心地よく生活できるような美しい朝だ。

空の真下にも同じ色があった。
その正体は向こうの果てまで続く湖だった。
上空に負けないくらいの透き通った青で底が見える。
綺麗な水が溜まった大きな池で今、魚が飛び跳ね水中に戻っていった。
水面の波が丸い形に広がる。

浮かんでいた白い鳥達は水浴びをやめ群れを成して飛び立った。
翼を広げカラスに似た品のない鳴き声を上げやがてそれも聞こえなくなった。
こうして湖は一段と静かになった。
無音に等しくそよ風の音しか聞こえない。

陸地には一軒のの建物があった。
そこらじゅうに生えたススキに囲まれ岸辺の傍にぽつんと建っていた。
見た目はかなり前からあったような一階建てで外面全てが変色した木材でできていた。
雑草が取り除かれた丸い草原には出入り口の扉、湖沿いには風景を眺めるためのバルコニーが見える。
裏側には暖炉用の太い薪が大量に積まれていた。

玄関前の階段から少し離れた場所で湖の方を向く一人の人影があった。
背が高く短い髪の青年、洗濯されたばかりのような白いシャツにカーキ色の長ズボンを履いている。
足元に小型のケースを置き何かをいじっていた。

その何かとは一丁の拳銃だった。
シングルアクション式の大口径リボルバー、長い銃身が印象的だ。
バレルの下には反動軽減用のロッドが取り付けられている。使用弾薬はおそらく44口径。
旧式を思わせる構造だが手入れが施され黒光りした金属は古さを全く感じさせない。

青年は早速シリンダーを取り外し装填口が空である事を確認する。
次に脚を折り曲げ片方の膝を地面の上に乗せるようにしゃがみ込むとケースに手をやった。

まずは単純に太いドングリくらいの弾頭を六つの穴に全弾詰め込んだ。
次にドロドロとした緑の液体火薬を外側に漏らさないように慎重に流し込んでいく。
火薬を刺激しないよう最後は雷管を押し込みゆっくりとはめる。

「よし......!」

青年は結構な時間をかけた装填を終え子供のように喜んだ。
仕上げに全弾が詰まったシリンダーを元の位置に戻した。

一歩だけ前に進む。
目の前には湖の浅い域に設置された人型の的があった。
それを睨みつけ拳銃を両手でしっかりと握りしめる。
そのまま腕を上げ銃口を向こう側に向ける。

ハンマーを下ろし右目をつぶる。
全身に力を入れ狙いを安定させる。
エイムに視線を集中させながら

「エイムより少し上を狙って......」

引き金を引くプレッシャーに青年の手は震えていた。
額からは汗が滲み出て激しく動く心臓の音が体内から耳に伝わった。
重い緊張が全身を包み込む。

Re: 贖罪の旅路 ( No.7 )
日時: 2017/01/21 18:14
名前: シルバーラビット (ID: FWNZhYRN)

1度だけ目を閉じ軽く深呼吸して目蓋を開いた。

青年は力強く引き金を引いた。
同時にハンマーが雷管を叩き火薬に引火した。
シリンダーの一つの穴の中の弾丸がバレルの方へ押し出される。
銃口から火が噴き出て直後に計り知れない反動を生んだ。

撃った青年は声を上げる間もなく弾丸の真逆へ吹き飛んだ。
弾は音速のスピードで水面に小さな波を作った。
そのまま突き進み的にめがけて飛んでいく。

それは人型の腕に当たり貫通した。
小枝の塊は折れたのではなく破裂したように消し飛ぶ。
的を支えていた棒切れごと粉砕し水に沈んだ。

茂みに隠れていた小さな鳥達が銃声に驚き一斉に飛び立つ。
建物の真上は羽を羽ばたく音で賑やかになった。
しかし、数分も経たないうちにそれも聞こえなくなった。
今度こそ無音となりこれ以上の音は聞こえなかった。

「いてて......」

青年は全身の痛みに虫の声を上げた。
拳銃を握り銃口を上に向け引き金を引いた時と変わらない姿勢で。
両手は反動でしびれて指一本動かせなかった。
それでも何とか体に力を入れようとした時だった。

「また銃を勝手に持ち出したんだね......」

頭の方からまた一人誰かの声がした。
青年は後悔を抱いた表情で目線だけを上に向ける。
背が高く髪が青年より少し長い女が軽蔑の眼差しで下を見下ろしていた。
彼女は地面についた拳銃を没収すると

「これは君のじゃないでしょ?ずっと昔に貰った大事な物でもあるんだ。壊れたら大変じゃないか。」

と言って銃を短く見てシリンダーを取り外す。

「火薬の量が多すぎる。もうちょっと入れてたら君の腕ごと吹っ飛んでいた。」

「ごめんなさい......お姉ちゃ......いてて......!」

「あーあ、フレームもガタガタになっている......見事にやってくれたね。」

お姉ちゃんと呼ばれた女は不機嫌を顔に出さず拳銃を自身のホルスターにしまい込んだ。
倒れている青年をほったらかしにしてケースの中身を片付け蓋をして回収した。
大事そうに抱えながら階段を上り木製のドアを開ける。

「おいで、"レオンハルト"。薬を塗ってあげるから。それとも夜までそこで寝てるつもり?」

冷たく言い放って中に室内に入っていった。
レオンハルト呼ばれた青年は無理して体を起こしてふらふらと立ち上がる。
色々な意味を込めて残念そうにため息をつくと後を追い歩いて階段を上った。

Re: 報復の旅 ( No.8 )
日時: 2017/01/22 22:33
名前: シルバーラビット (ID: FWNZhYRN)

狭いロビーで簡単な応急処置を終え二人はバルコニーで休息を取った。
ハーブのお茶とフルーツはレオンハルトが用意した。
女が折り畳み式のナイフで林檎を剥き皿の上に置く。
それを青年がフォークを刺して頂いた。

椅子に座り淹れたばかりの薬草茶が入ったカップを手に取る。
女はすぐには飲まず湖の見えない果てを眺めた。
レオンハルトも同じ方向を見た。

水の音を聞きながら景色を見つめた。
しばらくして二人とも少し冷めたお茶を飲んだ。
そして口を静かに開く。

「あれから十年経つんだね......」

レオンハルトが遠くを見たまま言った。
少なくなった最後を飲み干して空になったカップをテーブルに置いた。

「そうだね、初めて会った時と比べて大きくなった。内面はまだ子供のまま。」

女は軽く笑って答えた。

「お姉ちゃんのお陰だよ。あんな場所で今も生活してたと思うと恐くて夜も眠れない。本当にありがとうお姉ちゃん。」

「お姉ちゃんと言っても血の繋がってない"義姉"だけどね。でも、どういたしまして。」

彼女は軽く微笑みまだ多く残ったお茶をゆっくりと啜った。

「ねえ、いつになったら銃の撃ち方を教えてくれるの?僕はもう大人だよ?」

レオンハルトはさっきの射撃で一つ減った的を指さした。
子供のように武器の魅力を語り長所だけを懸命に主張した。
今度は大事に扱うからと銃の借用を頼んだが

「それは出来ない。」

義姉は首を横に振り

「先も言ったけどあの銃は十年前に恩人から貰った大事な宝物、お守りなんだ。だからだめだ。」

「そんな......」

レオンハルトは残念そうに下を向いた。

「優しいお兄ちゃんに武器なんか必要ない。危ない物に興味を持つ君を見たら"マリア"ちゃんが悲しむよ。」

「はあ、そうかもね......」

レオンハルトは納得したように答え二杯目のお茶をカップに注いだ。
やけ食いのように果物を口に放り込み一気に飲み干した。
その様子を見て義姉はまた静かに笑った。

「こうして久しぶりに会ったわけだけどあの孤児院では楽しく生活できてる?」

今度は義姉がレオンハルトに問いかけた。
強引に銃の明るみのないテーマを逸らす。

「うん、いつもマリアちゃんと遊んでる。最近は一緒に絵を描いてるよ。」

「何の絵?」

「お花の絵。」

暇そうに背伸びをして簡単に答えた。

「レオンハルトにはそっちの方が似合ってるよ。あの頃から優しい性格だったからね。」

義姉はわざとらしい本音で変わらない人格を褒めた。
レオンハルトは照れる事はなく不機嫌そうな顔を変えない。
この時が不満に感じているのか微笑みすら浮かべなかった。

「もう少ししたら帰るんでしょ?」

「もうちょっと休んだら歩いてあそこに行くよ。みんな僕と遊びたがってるだろうから。」

レオンハルトは最後の林檎を平らげ椅子から立ち上がった。
再び湖を眺め一度だけ深呼吸して調子を整えた。
義姉の方を振り向き軽く微笑むと出した食器を片付けないで中に入っていった。

「もうちょっと成長してほしいかな。」

義姉はぼそっと呟いた。


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