ダーク・ファンタジー小説
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- Re:童話姫たちの殺し合いゲーム<鮮血に染まった頭巾の娘編>
- 日時: 2017/08/31 07:49
- 名前: 雪姫 (ID: PGYIXEPS)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode=view&no=19347
<一章から二章までのあらすじ>
竹林に着いたツギハギ少年御一行。彼らが最初に出会ったのは豚に虐められた山羊でした。
助けた御礼にと山羊は(仮免許中)の人力車でこの世の桃源郷とも称される、千年魔京へ案内してくれるそうです。
ひょんなことから城の主と生死を賭けたデスゲームをすることになりました。
生か死か 敗者(死ぬの)はどちらでしょう—か?
◇ご挨拶◇
おはこんばんわんこ(。´・ω・)
知っている人は知っているかもしれない雪姫(ユキヒメ)でございます。
最近とあるゲームにはまりまして…で、思い付きで書き始めたのがコレ。
ネットで童話の原作色々探すんですが…どれも怖いですねー( ;∀;)
そんな怖い童話をサクサクスナック菓子感覚で楽しめるようにしたのがこの作品デッス?
コメント・お友達なろう大歓迎です♪←とゆうか言われたらヒャッハー♪って大喜びです(*ノωノ)
◆attention◆
※タイトル通り、童話の登場人物の名前をした人物達が殺し合いをしています。
※グロ・残酷描写あります。スレ主がそうゆうの苦手なので軽めになってる…とは思う……ちとせとら。
※貴方様の好きな人物のイメージが崩壊するかもしれません。
基本全員 狂気に狂っています。ご了承くださいませ。
※荒らし、チェンメ、中傷はお帰りください。
※誤字、脱字、多々見受けられると思います。お知らせいただけると幸いです。
※スレ主の心はガラス製です。皆さま大切に扱いましょう笑
※スレ主は社会人なので亀さんと蝸牛さんが競争しているようなものです(つまり蝸牛並更新スピード)
※本編ではサクサク殺っていきます。物語の伏線回収など一切しません。
回収作業は番外? もう一つの作品の方からお願いします。
※両方の側面を読むことでより一層楽しめるようになっております。
◇story◇
序章<ツギハギ>>>11
■エピソードα
一章<暴食>
(ふわふわ綿あめ)お菓子な森>>03-06
(ふわふわ綿あめ)お菓子な塔>>07-10
第二章<被虐>
(ふわふわ綿あめ)竹林の豚と山羊>>15-17
(しとしとぬれ煎)竹林の賭博>>18-20
第三章<悲哀>
言えた生命…執筆中
消えた楽園
第四章<卑劣>
第五章<正義>
◆information◆
スレ設立日2017/7/26(水)
(グリム童話版)赤ずきん(アレンジ少々アリ)>>12-14
ふわふわ綿あめ…フワフワな軽めの内容(書き方)
しとしとぬれ煎…シトシトな重めの内容(修正版)
【宣伝】
Re:童話姫たちの殺し合いゲーム<群像劇>*複ファ板*
スピンオフ(番外編)作品。本編とは違う コ??レ?側視点の物語。
本編では明かされなかったあの人物の想い。群像劇(短編集)的なものです。
こちらと本編両方を読むことで物語がより一層楽しめるようになっております。
<俺のペットはアホガール>*新コメライ板*
空前絶後のアホな女の子とその友達が巻き起こすハチャメチャな事件を飼い主的存在の男の子がズバァァと解決? する日常風景を切り取った物語。
オリキャラ&リクエスト絶賛募集中でございます!
□comment□
・四季様
- お菓子な森 ( No.3 )
- 日時: 2017/07/28 10:44
- 名前: 雪姫 (ID: uCPU0kM7)
「アハハハッ♪」
『あ…ああぎゃぁぁああ』
プレートアーマー達を虐殺する赤ずきん
「ウ、エッグ、オエエエエ」
物陰で吐くピノキオ
「……仕事をするか」
俺の仕事は地べたに転がっているプレートアーマー達の死骸から心臓
彼らが着る甲冑に与えられた罪人の魂を回収すること
『ウ……グ』
微かに息があった者
『………』
もうコト切れていた者
甲冑に魂を与えられただけの彼らに肉体などない
空っぽの甲冑 = プレートアーマー
なら何故 血しぶきがあがる?
なら何故 肉を斬る音がする?
なら何故 生きた人間のような断末魔をあげる?
「アーア、終わっちゃった……」
全てのプレートアーマー達を皆殺しにした赤ずきんは残念そうにつぶやく
遊び相手が全員 コト切れてしまってつまらないようだ
「赤ずきん。飯だ」
「ゴハン? わぁ〜い やったぁ〜♪」
「ウップ……うぅ…食べないといけないです…よね…?」
飯 ご飯 食事
赤ずきんが無我夢中で食すもの
「ハグッ グシュ ブシュッ モグモグ…」
ピノキオが吐きそうになりながら食すもの
「あむっ……オエ」
それは
俺が回収した罪人の魂
ここは罪人の魂が堕ちる
死者の世界【ゲヘナ】
住人達の食料は罪人の魂
俺はここの住人ではない 魂は食べない
俺はここの住人じゃない 堕ちた罪人でもない
俺はツギハギ だらけの 肉
俺は人の形を模した ツギハギだらけの 肉塊
俺には記憶がない 全ての 記憶がない
俺は記憶の無い ツギハギの 肉だ
「美味しかった〜♪ お兄ちゃん、いつも美味しいゴハンをありがとう♪」
「……俺は仕事しているだけだ」
「アハハハッ、照れてるの♪」
「照れてはない。事実を言っただけだ」
「ふ〜ん♪」
楽しそうに笑う 赤ずきん
その頬には返り血で真っ赤だ
『ポッポッポ〜』
「な、何ですか!?」
誰かの 笑い声 歌声
『怖い〜怖い〜赤ずきんちゃん〜』
『でもぉーこの森にはもっと怖い子』
『…がいるもんね〜』
周りを見ると
お菓子な森の木々達が 歌い 踊る
綿あめで出来た 雲
キャンディーで出来た 花
クッキーで出来た 地面
ジュースで出来た 川
意思を持ち 擬人化されて動物たち
歌い 踊り 俺達を挑発する
「わぁ〜い♪」
新しい遊び相手が見つかったことがよほど嬉しかったのだろう
赤ずきんは金色の瞳を
新しい 玩具を買って貰った 子供の様に輝かせ
『ここはお菓子な森〜』
『一度迷い込んだらもう〜 二度と出られない〜』
『魔女に食べられて〜』
『オマエ達はシ——』
「え〜〜い♪」
『イ——んギャアアアアア!!』
「……ぁ、赤ずきんさん。駄目ですよ!
お花さん歌っている途中でしたのに、摘み取っちゃ…」
「え〜なんでー」
せっかく見つけた新しい玩具
遊ばないなんて勿体無い
「サァ……お菓子さん達、アソビましょう♪」
『ヒッィイ!!』
『来るなー来るんじゃねェェェ!!』
お菓子達は蜘蛛の子を散らす様に逃げていく
『や…やめろ! 殺すな! せめて…せめて…』
「えい♪」
『美味しく食べ……うわぁぁぁぁぁぁぁ!!』
元は食べ物だった彼らが望む死は
美味しく食べられること
でも魂しか食さない 赤ずきんにとっては
食材ではなく ただの遊び相手 玩具だ
ここの住人は魂を与えられ 擬人化された
お菓子 と 動物
甘ったるく 吐き気を催す 臭いが充満した
???が治める お菓子で出来た国
"ホールケーキアイランド”
- お菓子な森 ( No.4 )
- 日時: 2017/08/11 08:24
- 名前: 雪姫 (ID: syyiHjY.)
『ポッポッポ〜』
『ニゲロ〜ニゲロ〜』
「アハハハッ♪」
『怖い怖い〜赤ずきん〜』
『やってくるぞ〜』
「追いかけっこでアソブのね♪ アハハッ、マテ待て〜♪」
『ぐあああ!!』
「赤ずきんさん楽しそうですね」
「…だな」
楽しそうに森の住人を追いかけ殺していく赤ずきんの後をついて歩く。
『ポッポッポ〜』
『マヨエ』
『サソエ』
『ココはお菓子の森』
『迷いの森』
『あのお家へサソエ』
『サソエばもうオワリ』
『オワリ〜オワリ〜』
『死んでも出られない』
『『ここは〜お菓子な森〜〜〜』』
「……?」
「あれは……家でしょうか?」
住人を殺して回る赤ずきんについて行くと、お菓子で出来た家に辿り着いた
お菓子で出来た家
お菓子の家
………なにか引っかかるモノがある これはなんだ?
『ブツブツブツ…』
「あっ。あそこに誰かいますよ」
ピノキオが指さす方向には
『ブツブツブツ』
鳥籠を大事そうに抱えた少女がいた その目は虚ろでまるで生気を感じない。
「あの人もこのおかしな森の住人でしょうか?」
「だろうな。見ろ、奴らあの少女の後ろに隠れようとしている。
あの少女が此処の主のようだな」
「ええ!? 主!? それは駄目です! 危険です!
逃げましょう、ツギハギさん、赤ずきんさ……」
「ネェ? アナタ なにをしてるのですか?」
「ん!!? なぜ話しかけているんですか!!」
『ブツブツブツ』
少女は無反応
「ネェー、ネェー聞こえていますかー?」
『ブツブツブツ』
何度話しかけても少女は鳥籠になにかを語り掛けている。
「赤ずきんさん…放っておきましょうよ…その人 変ですよ…ヒッ!?」
ピノキオが小さく悲鳴を上げた 鳥籠の中身を見たからだ
中身? 鳥籠には黒い固まりが入っているのが見える
中身がなんなのかここからじゃ よく見えない
「……これは、頭部か?」
中身は頭だった
人間の頭だった
『ふふふ…兄さま…』
少女は鳥籠に入った自分とそっくりな顔に語り掛ける
『ヘンゼル兄さま……今日も日差しが暖かく、ピクニック日和ですね。
ふふふ…そんなに慌てなくても大丈夫ですよ。全部食べたりしませんから』
俺達など 見えていない/見ていない
少女には鳥籠の中身しか 見えてない/見ていない
「ネェ? それはボール? ボールでしょ?」
「あ、赤ずきんさん!? それはボールじゃないです! ……人間の…うっぷ」
人間の頭と言おうとして、吐きそうになるピノキオ。
相手をしてくれない少女が持つ ボールという玩具をみつけた赤ずきんは
「え〜〜〜い♪ お空へ飛んでゆけ〜アハハハッ♪」
"ボール”を空高く蹴り上げた
『……あ』
大事に抱えていた物が突然なくなり 少女は動揺している
『兄さま? どこへ行ったの兄さま? ヘンゼル兄さま?
兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま兄さま……ヘンゼル兄さまどこへ行かれたの?』
「あーあ…遠くへ飛んで行きすぎちゃった〜……まっいっか♪ アハハハッ♪」
『……お前が兄さまを……』
虚ろな瞳が赤ずきんをうつした
『お前がヘンゼル兄さまを……』
「ニイサマ…? それは誰ですか?
あの "ボール”のことですか?」
赤ずきんは空を指さす。 ボールは空高く飛んでいき消えたから
『許さない……魔女!!』
少女は持っていたサバイバルナイフのような小型の刃物を赤ずきんめがけて振り下ろす
「アハハハッ♪ やっとアソブ気になってくれました?
サァ思う存分、アソビましょう♪」
- お菓子な森 ( No.5 )
- 日時: 2017/08/02 18:45
- 名前: 雪姫 (ID: WRKciX17)
『魔女! 魔女っ! 魔女!!』
少女は両手で持ったナイフを一心不乱に振り回す。
「アハハハッ♪ そんなのではボクはコロセませんよ?
サァもっとアソビましょう♪」
楽しそうに
踊るように
赤ずきんはナイフを避ける
「あの人ナイフを持っていますよ!」
「そうだな」
「危ないですよ! 助けに行かないと」
「そうだな」
「ツギハギさん、なんでそんな落ち着いているんですか?
赤ずきんが殺されるかもしれないんですよ」
ガクガクと震え、杖を握り締めるピノキオ
「助けたいのなら、お前がいけばいい」
「ええ!? 僕がですか!?」
「俺の仕事は魂を回収すること。
闘うことでも赤ずきんの遊びを邪魔することでもない」
「それはそうかもしれませんが…
赤ずきんが死んだら、使徒である僕も死んでしまうんですよ?
そんなの困ります!」
別にお前が困ろうと 俺は困らない
「ドコを狙っているんです? ボクはココですよ」
赤ずきんは少女を挑発する
『許さない…よくも…兄さまを
ヘンゼル兄さまを殺したな…魔女!
魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女魔女』
あの虚ろな瞳の少女がうつす者は 赤ずきん? それとも憎き魔女?
いや——
そのどちらでもない あれがすつすモノは——
「ピノキオ」
「はい。なんですかツギハギさん」
ピノキオを 赤ずきんを助けた所で俺になんのメリットもない
ただー
『魔女!』
「アハハハッ♪」
少しだけ あの少女のことを哀れに思ったのかもしれない
「赤ずきんを助けたいのなら
自分が助かりたいのなら
"鳥籠”を探してこい」
「鳥籠……ですか?」
「赤ずきんの野郎が蹴り飛ばしたアノ鳥籠だ。 間違えるな」
「ええーーー」
露骨に嫌そうな顔をするピノキオ
鳥籠の中身の事を思い出しての顔だろう
でも今 必要なのはその中身の方だ
「赤ずきんが死んでも
自分が死んでも
いいのなら好きにしろ」
「死ぬのは嫌です!!
すぐに探して来ますから、どうか! 殺さないでください!!」
ピノキオはまるで猛獣から逃げるかのように、走り出した
「…俺は干渉しない」
必要以上にお前達に関わったりしない
俺は 俺の 仕事をするだけだ——
- お菓子な森 ( No.6 )
- 日時: 2017/08/14 07:45
- 名前: 雪姫 (ID: UISKJ4Eq)
『許さない…よくも…兄さま……兄さま……』
「アハハハッ♪ もっと もっとアソビましょう♪」
「………」
無我夢中でナイフを振り回す少女
その刃を向ける先は 赤ずきんなのか 憎き魔女なのか
「ツギハギさん! 見つけて来ました!! ハァ…ハァ…」
息を切らせながら、ピノキオが走って戻って来た その腕の中には人間の頭が入れられた鳥籠が抱えられている
『兄さま……?』
想像していたよりも早い反応だ
「ヒッ こっちを見てますよ、あの人!」
「お前がその鳥籠を持っているからな」
「ど、どうすればいいのですか!?
このままじゃ、僕があの人に殺されますよ!」
そんなの俺の知ったことではないが……
お菓子の家 迷いの森 双子
「お菓子の家の中にある パン焼きがまに投げ入れろ」
「パン焼きがまですね? わかりました!」
ピノキオはお菓子の家へ一直線に走る
「あ……待って…兄さま
どこへ行かれるの兄さま…」
虚ろな瞳の少女はそれを追いかける
「ドコへ行くのですか? もっとボクとアソボウ?」
赤ずきんは少女の腕を掴み 明後日の方向へ曲げる
腕の骨がギシギシ軋む音がする ポキッと骨が折れた音がする
虚ろな瞳の少女にはそれは見えていない
見えていないから 痛みもない
「パン焼きがま…パン焼きがま……あ、これだ」
ピノキオがパン焼きがまに鳥籠を放り込む
『兄さま!』
引き寄せられるように、少女もパン焼きがまに頭を突っ込む
「赤ずきん、今だ」
「え? よくわかんないけど〜え〜〜〜い♪」
赤ずきんに少女の背を押させ パン焼きがまの扉を閉め 栓抜きをした
『嗚呼ァァァァァァァァああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!』
パン焼きがまの中からドンドンッという音
まるで魔女のような断末魔が響いた
「火を放つぞ」
「え、この家にもですか…?」
童話ではこれで魔女は死ぬ だがなにか悪い予感する
「…念のためだ」
ジュッ ボオオォォォ
赤ずきんの持っていたマッチで家に火を放つ
お菓子で出来た家は物凄い速さで燃えて行く
辺りには
焼けるパンの香ばしい匂い
焼けたお菓子のいい匂い
焼け焦げた人間の臭い
…が充満させ 黒煙の火柱をあげ 天高くまで燃えている
「ゴウゴウゴー モエロ〜モエロ〜♪」
「うっぷ、生肉の焦げた臭い……うぅ」
あの黒煙
「髑髏マークだったらよかったのに…」
「へ? 髑髏の黒煙ですか?」
「いや。なんでもない」
「???」
何故 そんなことを言ったのか自分でもよくわからない
童話での死 とはなんだ—?
何故 俺は少女は童話の登場人物だと知っていた—?
何故—?
—To be continued−
- お菓子な塔 ( No.7 )
- 日時: 2017/08/04 09:56
- 名前: 雪姫 (ID: emO5t6i/)
「……わぁ」
「アハッたっか〜い♪」
「首が痛いな」
俺達の前には 天高くそびえ立つ塔がひとつ
「港町なんかにある 灯台のようなもの か」
「…みなとですか?」
「なんでもない。気にするな」
「あ…はい」
また…知らないはずの言葉/知識
失った記憶の残り香か 何か か?
「この塔 入り口がありません…。
どうやって入ればいいんでしょう…か?」
「壊す! 破壊する!」
「極端すぎますよ! 赤ずきんさんっ」
「えぇ〜ダメェ? ピノキオのクセにうるさいなぁ」
五月蠅いといいつつも その表情は嬉しそうだ
「塔といえば長い髪がおろされて、それを登って中に入る童話があったな」
「どうわ…?」
「気にするな。独り言だ」
「はい…」
そうだ 気にするな。 俺も 気にするな。
塔には 入口も 出口も ない
上の方に 窓らしき穴がのような物が雲に隠れて薄っすらと見えるだけ
「さて、どうやって入ったものか…」
『よっせっ』
『ほいっせ』
「あ ん?」
『早く運べ 運べ』
『また あのお方様が食いわずらいを起こして 暴れたら大変だ』
『今度こそ オラ達が喰われちまう』
『おっせ』
『ほっせ』
「あれ…プレートアーマー達ですよね?
あ! 彼らを追って行けば塔に入れるんじゃっ」
普通に 常識的範囲内で考えればそうだろう でも此処には常識者なんていない
「オメガ ドーーーーン♪」
『ふぎゃああああ!!?』
『おいっどうした! なにがあ…ボエバアアアアア!!』
「な…なんで」
「アハハハッ♪ ボールがゴロゴロ=♪」
「なんで殺しちゃっているんですか、赤ずきんさん!?」
「アハハハッ♪」
赤ずきんは悪びれない 無邪気に笑う 善悪の分からない子供の様に
赤ずきん 今のマイブームは頭部を蹴り飛ばす事
森の中で出会った少女の "大事な物”を蹴り飛ばした時の快感にハマったのだろう
『ぐほおおおっ』
『……』
ブジャアアアアアア!!!
その場にいた プレートアーマー達の頭を 悲鳴 断末魔 をあげる暇も無しに蹴り飛ばす
蹴られた本人も気がつかぬ間に 血が噴き出る死体となるのだ
「あーあ…、結局全員殺しちゃいましたよ…どうしましょう」
「ぐちゃぐちゃ♪ アハハハッ♪」
赤ずきんは プレートアーマー達の死体で 人形(したい)遊びをしている
やっていることは 主に四肢を引きちぎっているだけだが
「………? この煉瓦」
オロオロと考え込むピノキオ 四肢をもいで楽しむ赤ずきんを無視して仕事をしていると一つだけ他と違う煉瓦をみつけた。
触ってみると、押し込める 押し込んだ
ギギギギィ
ゆっくりと 大きな機械音を だしながら 塔の一部が動き 入口が現れる
「なるほど」
「さっすがお兄ちゃん♪ テンサイだね」
「さすがです、ツギハギさんっ」
「たまたまだ。行くぞ」
「あ〜い♪ 塔のうっえにはどーんな娘がいっるのかな♪」
塔の中は空洞 螺旋階段が頂上まで続く