ダーク・ファンタジー小説
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 怖色prism〈第一部〉
- 日時: 2017/08/24 14:25
- 名前: 柚乃華 (ID: W/M2HNwF)
彼女には、特別なチカラが“あった。”
─────人というのは、面白い。
チカラが自分たちを殺すと考え、彼女を塔に閉じ込めた。
而して、世の中は意外と狭い。
その塔に居たのは、チカラを持つ者たち。
「さぁ、自分たちを閉じ込めた奴らに復讐劇を見せてあげようか────」
永久にみる、醒めない劇に──────。
- Re: 怖色prism〈第一部〉 ( No.3 )
- 日時: 2017/08/24 18:01
- 名前: 柚乃華 (ID: W/M2HNwF)
東ー502号室が、俺の部屋だ。
同室者は、親友の笹川清貴。
「伊万里ちゃん、処刑しちゃった?」
「…………ああ」
コイツは女々しい顔立ちのくせに、伊万里が好きらしい。
何故かムカつく。
唇を突き出して、清貴は言った。
「オレに、伊万里ちゃん取られたくないんだろ?」
「うっさい、黙れ」
「そうなんでしょー?」
俺は腹が立ち、銃をジャキッと、清貴に向ける。
- Re: 怖色prism〈第一部〉 ( No.4 )
- 日時: 2017/08/25 06:39
- 名前: 四季 ◆7ago4vfbe2 (ID: R6.ghtp2)
初めましてだったと思います、四季といいます。おはようございます。
作品読ませていただきました。
珍しい雰囲気の作品で、今後どのように展開していくのか楽しみに思います。
これからも頑張って下さい。また読ませていただきます。
- Re: 怖色prism〈第一部〉 ( No.5 )
- 日時: 2017/08/25 11:35
- 名前: 柚乃華 (ID: W/M2HNwF)
四季様、ありがとうございます!
俺にジャキッと銃を向けられても、ムカつくことに清貴は動じない。
「それ以上言ったら、清貴いえども、殺すぞ」
「親友の手で死ねるなんて、光栄の極みだね」
清貴の返事に、俺の腕から力が抜ける。
コイツは何時もどこか抜けてるのだ。
仏頂面になったであろう、俺に清貴は笑みを浮かべて、
「それより、銃のメンテ、しなくて良いの?」
………俺はそこまで銃は使わないぞ。
「そう見えるか?」
清貴はヘラヘラと笑いながら、うなずく。
残念ながら俺は、銃は今まで使ってない。
使う機会があるとすれば、脱獄した囚人を撃つだけか。
────まあ、彼処に飛び込んだ者は帰ってこられない。
一体、何時から囚人が牢屋に入っただろう。
300人は、伊達に超えてるだろうな。
- Re: 怖色prism〈第一部〉 ( No.6 )
- 日時: 2017/08/25 16:50
- 名前: 柚乃華 (ID: W/M2HNwF)
伊万里がなんだ。
俺は伊万里を好いてなんか────多少はあったか。
「光矢、食堂行こう」
「ああ」
伊万里はもう死んだに等しいんだ、気にする事はない。
俺は割り切って、清貴と部屋を出た。
断章 別れ end
- Re: 怖色prism〈第一部〉 ( No.7 )
- 日時: 2017/08/25 16:58
- 名前: 柚乃華 (ID: W/M2HNwF)
第一章 「加賀見勇気君」
─────加賀見勇気君、貴男は私の好きな人。
叶わない、願いを神様は叶えてくれた。
私を煉獄へと遣わす、門番として。
たった少しでも、嬉しかった。
私はそんな事を思いながら、牢屋を沈んでいく。
牢屋には底がない。
永遠に沈んでいくだけ、なら────。
私は貴男を奪った、忌まわしい女を許さないでしょう。
でもそれじゃ、神様が叶えてくれた願いの意味がない。
沈みゆく意識の中、貴男の笑顔が浮かんだ。