ダーク・ファンタジー小説

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怖色prism〈第一部〉
日時: 2017/08/24 14:25
名前: 柚乃華 (ID: W/M2HNwF)



彼女には、特別なチカラが“あった。”

─────人というのは、面白い。


チカラが自分たちを殺すと考え、彼女を塔に閉じ込めた。
而して、世の中は意外と狭い。
その塔に居たのは、チカラを持つ者たち。


「さぁ、自分たちを閉じ込めた奴らに復讐劇を見せてあげようか────」


永久にみる、醒めない劇に──────。

Re: 怖色prism〈第一部〉 ( No.1 )
日時: 2017/08/24 14:33
名前: 柚乃華 (ID: W/M2HNwF)



「──────入れ」


極力、俺は感情を入れずに彼女に言う。
彼女は薄く微笑んで、

「勇気君、ありがとう。もうこれでサヨナラだ」

それだけ言って、暗闇に飛び込んだ。
彼女の残像を探しながら、戸を閉める。

何重もの鍵をかけて。
ふぅ、と息を吐く。

─────彼女はもう二度と、現世には帰って来れない。
いや、社会を見ることは出来ない。

伊万里────彼女の名だった。

Re: 怖色prism〈第一部〉 ( No.2 )
日時: 2017/08/24 14:39
名前: 柚乃華 (ID: W/M2HNwF)


───高官は何故、俺をこの仕事に就けたんだろう?


ああ……伊万里との仲を知ってて、か…。
たかが幼なじみだというのに。

高官の悪口を愚痴りながら、“牢屋”を出る。

伊万里の笑顔を、最後にみた宗教の絵に描いてあった、天使を思い出す。
馬鹿か、俺は。

牢屋の廊下を出て、高官室に滑り込む。

「加賀見。罪人15Bは?」

「処刑し終わりました」

高官は偉ぶった態度で、煙草に火をつける。

「御苦労、寮に戻れ」 


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