ダーク・ファンタジー小説

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絵空事と手首事
日時: 2018/01/20 23:15
名前: 西乃舞 (ID: fqNLaQl7)

絵空事。
大袈裟で現実には有り得ないこと、
誇張した表現。

『絵空事なのかもしれねぇな』


はじめまして、西乃舞です!
初めて小説投稿させていただきます。
誤字脱字ありましたら、コメント下さると嬉しいです。
感想・アドバイス募集中です!
ドンドン書き込んでください!

渡 運命 『運命られた無色 平等の天才』
神我 知 『探究し尽くす赤 勉学の天才』
鍛治屋目 嬉華 『渡のクラスメイト』
知天 見私 『選び出す青 選択の天才』

『0の章〜誰かが言った絵空事〜』
No.1

『1の章〜手首始まります〜』
No.2〜

Re: 絵空事と手首事 ( No.1 )
日時: 2018/01/04 15:30
名前: 西乃舞 (ID: fqNLaQl7)

『0の章 〜誰かが言った絵空事〜』

好きだよ。
嘘、大好き。
君が出した声に俺も返す。
「俺もだよ、大好き」
これ程までに何も込もっていない言葉。
嫉妬も、
愛情も、
憎悪も、
哀愁も、
悲観も、
楽観も、
苦渋も、
憤激も、
至極も、
癇癪も、
傲慢も、
色欲も、
何も込もっていない言葉だった。
しかしお前は答える。
屈託ない笑顔で答える。
君はそれしか知らないから。
「えへへ、僕もだよ」
嗚呼、解放を俺は求める。
解放は死であり、無だ。
しかし死ぬ機会が無いのが現実。
このまま俺は生きるのだろうか。
だらだらと何も感じずに生きるのだろうか。
しかしそんなこと誰も知らない。
知るわけが無い。
「絵空事なのかもしれねぇな」
全ては絵空事。
そう今一瞬も絵空事。

Re: 絵空事と手首事 ( No.2 )
日時: 2018/02/01 23:30
名前: 西乃舞 (ID: fqNLaQl7)

『1の章〜手首始まります〜』

1、「知の絵空事」


「俺は一体、何してるんだよ」
思わず俺は声に出した。
これはまるで夏休みに、俺は1日で宿題を終わらせるぜ!とほざき結局最後の1週間、宿題だらけだった小学生のような。
「いや、それも絵空事か」
だがしかし、それも現実問題今俺は何をしているのか。
事の発端は2週間前、鍛治屋目 嬉華(かじやめ うれしか)が言い出した(なんと書くのに面倒臭い名前だろうか)。
『ね、ね!渡君、一緒に旅行いかない?渡君の友達も連れてさ!』
大学のクラスメイトの嬉華が大学で俺にそう声をかけてきた。
『いいけどさ、何処へ行くんだよ』
ここでOKした俺もどうかと思う。相手は女子だった。
しかし会話は続く。
『島だよ、私の!』
そうしてその2週間後、俺はその嬉華の家の前にいるのである。
言っておくが、俺には決していやらしい思惑などありゃしない。
しかし二人きりで女子と(しかも嬉華と)旅行など非健全にも程がある。
そんな事を考えながら、嬉華が家から出てくるのを二人で待っていた。
二人で!
そう嬉華の話をあいつにしたのが間違いだった。
引きこもりのあいつが来るとは思わなかった。
想定外。
予想外。
「あー、今さっくん『夏休みに、俺は一日で宿題を終わらせるぜ!とほざき結局最後の1週間宿題だらけだった小学生』みたいだぜ。って思ったでしょ?わぁーいアッタリー!」
「なんで分かんだよ」
いつも俺が考えている事をそいつは当てる。
しかしその続きは俺にも分かる。
「それはねー、僕がてー」
「天才だから、だろ」
そいつは一瞬真顔になって、すぐに笑った。
「えへへ、当たりだよ!」
彼女は神我 知(かみが とも)。
自称天才。
評判天才。
つまりは、
「僕は自他ともに認める天才だよん!」
へーへー、知ってますよ。
俺は適当な返事をする。
彼女は、知は、全ての勉学分野においての『天才』。
有名な物理学者であり、言語学者であり、数学者であり、心理学者であり、医学者であり、考古学者であり、生物学者であり、宇宙学者であり、歴史学者であり、科学者であり、とにかく有り得ない勉学分野での『天才』なのだ。
ちなみに俺の理解者でもある。
恐らく、いや絶対にこれよりももっと多くの学者を名乗っているのだろう。
しかし全て偽名での活躍。
ま、バレないのは知の親のお陰というか、親のせいというか。
とにかく天才なのだ。
しかし極度の引きこもり。
常に家で遊んで時間を過ごしているらしい。
知にとって遊びは勉強らしいが。
「しかしお前が着いてくるとはなぁ、驚いたよ」
知は、少し考えて言った。
「うーんとね、今から行く瓦解島がかいじまには僕の遊びに必要なものがあってね、行きたいと思っていたんだー!」
「遊び、ねぇ」
絵空事だな。
そう言うと怒られるので、口には出さなかった。

Re: 絵空事と手首事 ( No.3 )
日時: 2017/12/27 15:20
名前: 西乃舞 (ID: fqNLaQl7)

2、『鍛治屋目 嬉華の絵空事』


「さっくん、家入らないの?」
「……待ってるんだよ」
知がそういうのも分かる。
何しろ嬉華は約束の時間から10分程遅れているのだから。
いや正しく言えば、11分17秒。
しかし家に入るという考えは、ここに来る前から決めていた。
そんな考えは排除していた。
なぜなら、
「分かった。嬉華ちゃん、前さっくんが来た時家に入ると有り得ない姿で出迎えたんでしょ?当たり?」
知は俺が何も言ってないのに、その考えを立てた。
知はしつこく聞いてきた。
知はその内容よりも、自分が答えに辿り着けたかどうかが問題なのだ。
ったく、正解だって分かってる癖に。
「あー、そうだよ。前に嬉華の家に行ったとき、あいつ前をタオルで隠しただけの格好で出て来たんだよ」
思い出したくも無い約1年前。
正確に言えば341日前。
『さっくん、クラスのみんなで飲み会開くからさっくんも来なよ!』
そう誘われ、いつもなら行かない俺も何故か行ってしまった。
俺の馬鹿。
テキトーに流しておけば良かったのに。
そうして、
『さっくん、私を迎えに来てね!』
まさかの俺はお迎え係。
嘘だろ?誘った方が、迎えにこさせるの?
しかしまた嬉華に押し切られ、迎えに行った。
チャイムを鳴らして、嬉華ー!と声を掛けた。
するとすぐにガチャりとドアが開いた。
ドアの向こうには、前をタオルで隠しただけの嬉華がいたのだった。
「えへへ、また当てちゃったねー、僕って本当に天才だなー」
「絵空事だろ」
「違うよー、本当に天才なんだもん!」
あー、しまった。
知に『絵空事』というと、不貞腐れる
何故かは知らない。
ただ、人から『そんなの現実には有り得ない』『誇張した表現だ』と言われるとムカつくだろう。
そんなこんなで30分。
正しく言えば41分17秒待っている。
すると唐突にドアが勢いよく開いた。
中から現れたのは……勿論、嬉華である。
「おっはよー!ごめんね、ちょっと遅れちゃった!」
「おはよう、嬉華。お前には40分がちょっとなんだな。心得ておくよ」
手には大きなスーツケースを、肩には大きなバックを。
お前まさか、今それに荷物を入れていたのか?
そう言いたい気持ちをグッと、グッと抑えてそう言った。
「ごめんって!ね?あ、その子が渡くんが連れてきた子?」
「はじめましてなんだよ。僕のことは知、と呼んでくれ!」
「私は嬉華、よろしくね!」
嬉華は両手を少し合わせた後、すぐに自己紹介し始めた。
嬉華は少しも反省していないように見えた。
しかし知とは気が合いそうな感じなので、安心した。
「じゃ、行こっか!」
嬉華を先頭に、俺達は歩き出した。
近くの船着場まで歩いていくらしい。
少し歩いていたら、知がコソッと教えてくれた。
「さっくん、40分とは実にちょっとの時間なんだよ。だって人生のうちの約1/1051920分なんだからね!」
ちっ、分かってるよ。
この絵空事野郎め。


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