ダーク・ファンタジー小説

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チェイン
日時: 2019/08/04 21:43
名前: にゃあこ (ID: xs5T8t9X)

化け物たち殺人鬼、彼らを確保し従える監察官。
突然、現れた殺人鬼たちの正体や現れた経緯を探っていく。
とある日本人監察官の話である。

Re: チェイン ( No.6 )
日時: 2019/08/06 20:32
名前: 四季 ◆7ago4vfbe2 (ID: xPtJmUl6)

こんばんは。いきなりの書き込み、失礼致します。

作品拝読致しましたが、とても面白かったです。
最初のババアというコミカルなやり取りも、出だしにスピード感を与えていて、魅力的だと思いました。
キャラクターの名前も、かっこいいものがたくさんで、素晴らしいネーミングセンスだと思います。

これからも楽しみつつ執筆なさって下さい。
応援しております!

Re: チェイン ( No.7 )
日時: 2019/08/07 10:03
名前: にゃあこ (ID: xs5T8t9X)

四季さん、ありがとうございます!そう言ってもらえると
有難いです!

*−*−*

部屋の外に出ると大柄な男が立っていた。他の狗と同じように
黒い服を着ている。ノアは170一歩手前の169㎝、一方この男は
210㎝だろう。大きい。首が痛い…。
「アンタがマスターか」
「はい。夜桜希愛です、えっとトラストさんですよね?
これからよろしくお願いします」
トラストはジッとノアを見つめる。
「…アンタに似た男を見たことがある」
「?」「マスター、兄弟がいるの?」
「え?いないよ。私、一人っ子だから。世界には自分と同じ顔の人が
三人いるって話もあるし…見間違いかもしれない」
「そうか」
部屋も少し広い部屋に移動し早速ノアはロゼリアから渡された
ノートを開く。
『まさか飼い犬に手を噛まれることになろうとは想定していなかった。
罪人扱いされているだろう。一度日本に帰国しよう。研究を始め
既に10年の時が経った。そろそろ私も結婚を考えなければ、そして
この事を子どもに伝えていかなければ内容は当然—』
『クソッ!まだ殺人鬼たちが動き回っている!全体の半分は私のせい
だがどうにかできないだろうか。生き物の能力を持った彼らから
私は無事に逃げられるのか?やるしかない故郷に戻り私は罪を
償う!』
そして最後のほうには楷書のような字が綴られている。微かな音がして
ふと我に返る。両隣にグリタールとトラストが寄りかかっていた。
「二人とも…」
「マスター、なんか暗い顔してた…大丈夫?俺マスターのために
何でもするよ?」
「そ、そっか…でも大丈夫。気にかけてくれて有難う二人とも。
明日は任務が入ってるから早く寝よっか」

Re: チェイン ( No.8 )
日時: 2019/08/07 10:33
名前: にゃあこ (ID: xs5T8t9X)

いつも通り起きたらすぐに顔を洗い服を着て髪をとかす。
「あ、おはよう二人とも」
グリタールたちも起きてきて支度をし始める。扉を開けると
待っていたかのように一人の監察官が立っていた。彼の狗も。
「予想通りですねノア。貴方に届け物です」
「アルトリアさん、グロスさんまで。…なんかズシッと
してそうな箱ですね」
「早く受け取れ。腕が取れそうだ」
アルトリアから箱を受け取り重さに驚く。一歩二歩とゆっくりと
歩いていく。箱を床に置き開いてみる。結構大きな弓だ。
これは日本の弓である。そして束になった矢。
「お前は弓を使うのか。そこまでの腕前があるとは思えないが」
「むぅ…失礼な!これでも結構得意な方なんです!だったら
朝食を食べ終えたら見せてあげますよ!」
「言ったな?言ったからには背に腹は代えられないぞ」
朝食を終え、修練所を借りる。外の、だ。そこには一頭の馬が
いた。
「あ、あれ?ヴィリアさんとリエンさんまで、どうして?それに
この馬って…」
「日本には流鏑馬っていうのがあるんだろう?見せてもらいたくてね」
成程。馬を少し撫でノアは乗った。馬が走り出しノアは弓を張る。
揺らされながらも姿勢を保ち弓矢を放つ。矢は木になっていた実を
確実に射抜いた。その様子を誰かが見ていた。

Re: チェイン ( No.9 )
日時: 2019/08/07 18:13
名前: にゃあこ (ID: xs5T8t9X)

任務内容。東の森にて暴れている殺人鬼の確保。監察官が無理だと
思い次第、殺処分をしても構わない。
「さぁて、これだけ暴れてやったんだ。ちゃんと来てくれよ…」
「来てやったぜ、殺人鬼ィ!」
鳩尾に蹴りがめり込む。
「トラスト!」
「下がっとけよ、マスター。奴さん、結構面倒くさいタイプだぜ」
トラストはパワータイプ、彼の膝蹴りを受けても余裕そうな笑みを
浮かべている辺り確かに厄介そうだ。
「トラスト、グリタール、気を付けて。私もサポートする。それと
ファーストリベレーションを許可します」
その姿は様々だ。トラストはシャチ、グリタールは狼、ファーストは
獣人のような姿、セカンドは完全にその動物の姿になる。所謂
本気モードという奴だ。セカンドは滅多に許可しない。理由は
強力だということ、そして大きさだ。
「マスターのために殺すね?アンタ」
鋭く伸びた爪での切り裂きを男は軽く躱していく。ガシッと頭を
捕まれる。そしてトラストは地面に叩き落す。一回のみならず
何度も。ふとトラストの動きが止まり彼は顔を強張らせた。
「流石ノアの狗だな。どちらもパワー型みたいだが君はかなり
パワー、攻撃特化型らしい。そっちの狼は君程じゃないけど確かに
力はあるけど…君にアドバイスをしてあげよう。状況把握は
ちゃんとしたほうが良い。さっき叫んでたじゃないかノアが…

『一旦止まって!』

ってさ!!」
頭突きをして更に姿勢を低くし、地面を蹴り上げ男はノアの
目前に現れた。弓や銃しか使っていない彼女にとってこの間合いは
不利だ。微かに痛みがしノアは意識を手放す。倒れた彼女を抱き抱え
男は脱兎の如く消えていく。

Re: チェイン ( No.10 )
日時: 2019/08/07 18:22
名前: にゃあこ (ID: xs5T8t9X)

立ち尽くす二人にリエンたちは声を掛ける。グリタールは口を
わなわなさせて涙を流している。
「マスターが…マスター、がぁァァァァァァ!!!!」
「不味いな。このままだと何をするか分からんぞ」
アルトリアは顔を顰める。まだ出会って日が浅いトラストはまだ
正気を保っているがノアに懐いていたグリタールの精神は不安定だ。
「トラスト、グリタール、一旦帰ってこのことを署長に伝えよう。
彼女は決して弱くない、心配はいらないだろう」
「トラストサンたち帰りましょう!」
ミーチェは不安そうに提案する。グリタールは一向に動こうとしない。
アルトリアは仕方なくポケットからボタンを取り出し押した。
首輪から電流が流れグリタールの悲鳴が反響した。
「苦しみたくなければ来い。俺はノアのように甘くない」
「…やっぱりだ…アンタ、俺のマスターじゃない!俺のマスターは
そんな酷いことしない!!!」
「グリタール!」
そう叫んだのは署長のロゼリアだ。
「何となく事情は分かるわ。でも一旦帰りましょう。きっとノアは
今の貴方を見たら泣いてしまうから。ちゃんと作戦は考えるわ、力を
貸しなさい大好きなマスターを取り戻したいならね」


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