ダーク・ファンタジー小説

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フォルトゥナさん
日時: 2019/09/24 14:26
名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)

これは誰かによるものなのか、それともたまたまか…そんなものは関係ない!

フォルトゥナ・リベルタスは異世界にやってきて様々な魔術を覚えた。

異世界でなんとリーダーとなってしまったり、大きな戦いに巻き込まれたり!?

Re: フォルトゥナさん ( No.2 )
日時: 2019/10/05 16:49
名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)

この国「カメリア」の王ティターニアは外に出る。

ざわつく町、不思議に思ったフォルトゥナは人混みを掻き分け前の方に立つ。

「珍しいのぅ…この国は妖精が王をしておるのか」

「妖精なの?でも妖精って羽があるんじゃ…」

その女性の背中には羽が無い。

「隠しておるだけじゃ。ふむ…少し良いか?妖精の姫よ」

シャウラはティターニアに声を掛けた。彼女は嫌な顔一つせずシャウラの方を向く。

しかし彼女の視線はすぐにフォルトゥナの方に向いた。そして彼女は一言

「懐かしい」

そう呟いた。

「貴方がフォルトゥナ・リベルタスですね?」

瞬間、周りの人々が騒ぎ出す。「リベルタスだって!?」「この子がかい!?」「そんなバカな」
「でも王が言っているのだから…」

「私は現国王ティターニア、貴方と同じリベルタスの名を持つ初代国王の恋人。
一つ、私の願いを聞いてはくれませんか?」

一つ咳払いしティターニアは誓うように宣言する。

「カメリア王国の王となってください」

「えっ!?んな無茶な!私はそんな王様の立場になんてなれません。それにここについての
知識もほとんどない…認めるはずが」

その考えが大きく覆る。周りからは賛成の拍手。だがそれでも認められない人物はいるらしい。

「…まだ全員が、とまではいきませんね。あの人と同じ名を持つのだから彼だけが
扱える纏う魔法を貴方が使えれば王手です」

ティターニアがそう告げるとフォルトゥナのみ体が浮き立方体の中に入れられた。

「フェアリーキューブ、それは結界です。万が一のための保険。そして貴女の目の前にいる
相手と戦ってもらいます。グランは、強いですよ」

目の前の男、グランは兜を脱ぎ捨て静かに剣を抜いた。フォルトゥナはゆっくり右手を
横に伸ばす。赤い宝石が飾られた剣。

Re: フォルトゥナさん ( No.3 )
日時: 2019/10/05 18:59
名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)

「これまた珍しいのぅ。あの男は魔族じゃな」

シャウラは目を細める。

「はい。彼は昔、私たちと敵対していた。ですが彼はもう敵ではありません。彼は
あの人との戦いを得て改心しました。フォルトゥナはあの人に本当に似ている…だからこそ
彼は私の要求を受けてくれたのでしょう」

追い詰められるたびにフォルトゥナの魔力が上がっていくのを感じる。彼女の握る
剣からは温かい炎が上がっていた。あの技は知っている。躱せないワケではない、だが
グランは真っ向から受ける。

「—紅玉一刀!」

大きな炎の斬撃、グランは自身の剣でそれを切り裂こうとする。ズルズルと押されていった。
結界の爆発、赤い光が煙と混ざって降り注ぐ。

「…皆さん、これで分かりましたね?あの剣も彼と同じです。王ティターニアはここに
フォルトゥナ・リベルタスを新たな王として任命します!」

ティターニアは大きな声で宣言した。

「お前は…あの男の事を本当に何も知らないのか」
「?はい、否定はしません。誰の事だかさっぱり」

グランの問いかけにフォルトゥナはそう答えた。そう答えるだろうと予測はしていただろう。

Re: フォルトゥナさん ( No.4 )
日時: 2019/10/05 21:51
名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)

正式に王になるのはもう少し後。この世界に来て最初の戦いはこの頃だ。

「ティターニア殿はもう王ではないのか?」

老人剣士、ハフリは首を傾げる。ティターニアはそうではないと否定する。

「今はまだ王の身です。ですがもうすぐ王の座を離れます。どうか私の次の王、
フォルトゥナにも尽くしていただけますか?」

「はい。我ら黒鶴隊、この国の王に尽くします。しかしその王候補とはどのような
人物なのです?」

ハフリの問いにティターニアは少し間を開けてから話す。

「貴方たちを負かした彼にとても似ています。彼女は彼の事を知りませんが…でも
とても良い王になるでしょう」

「ティターニアさん、その人物に会うことは出来ないでしょうか」

そう言いだしたのはコハク。

「会えますよ。すぐに…」

ティターニアがクスクス笑う。何やら声がした。一人の少女がティターニアの名前を叫ぶ。
フォルトゥナは…一匹のドラゴンに乗ってやって来た!?着地時に大きな突風が起こり
全員が驚く。

「フォルトゥナ、このドラゴンは…」
「アイルっていうんだけどね。仲良くなっちゃいました」

照れくさそうにフォルトゥナは簡単に話した。そのドラゴンは竜人の少年だった。
黒鶴隊の一人がスッと立ち上がり刀を抜いた。そしてフォルトゥナの前に立つ。

「アイツとそっくりって言うんだし、勿論それだけ強いってことだよね?」
「あ、ちょっと!カサネ!」

薄い桃色の髪をした女性が慌てる。

「リサ、何言っても無駄だ」
「もう!スオウは何も考えてないくせに!!」

リサと呼ばれた女性は仮面をつけた青年スオウに怒鳴る。

Re: フォルトゥナさん ( No.5 )
日時: 2019/10/05 22:22
名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)

「で?受けるのかアンタ…まぁ答えを聞く気は無いけどな!」

瞬間、フォルトゥナの目が変わる。一瞬だ。すれ違いざまに抜刀術を繰り出した。
カサネの右頬に小さな掠り傷が出来る。そしてカサネがフォルトゥナの方を向いた瞬間、
両手足それぞれ1つずつ、計4つの魔法陣。

「封術・柘榴石ノ陣」
「ッ!?いつの間に…まさか、あの一瞬でこんな強い結界を張ったのかよ!?」

フォルトゥナは笑みを浮かべた。カサネは怒りの表情を浮かべるもすぐに嬉しそうな
笑みを浮かべた。

「久々にゾクゾクしたぜ」

フォルトゥナはスッと力を抜いた。そして術を解く。

「さぁ若いの。お遊びはこれで終いじゃ」
「シャウラの言う通りですね。彼女の力は分かったはずです」
「そうですな。カサネ、お前も異論はないな?我ら黒鶴隊はこれから彼女に従うぞ。
儂はハフリ、その喧嘩っ早いのがカサネで隣がリサ、スオウ、コハク…他にも
多くいる」
「私はフォルトゥナ・リベルタスです。よろしくお願いしますね」

彼らは妖人族が主となった剣士たち、黒鶴隊。妖人といっても鬼も存在する。まぁこの中の
人物は全員角が生えているので鬼ということになるが。

Re: フォルトゥナさん ( No.6 )
日時: 2019/10/06 11:50
名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)

長い白銀の髪をした美青年、アイラス。彼を見た瞬間、シャウラは目を見開く。

「久し振りだなシャウラ」
「…アイラス!?お前さんたちまで…懐かしい」

シャウラが激しく動揺する。宝石の人型兵器、ジュエリーボックスという総称がある。
シャウラはその№3アメジストだという。その順番は上から基本は強さで決められている。
№2にアクアマリン、そして№1にダイヤモンド…。

「風の噂では聞いていたが確かに似ている。初めまして俺はアイラス、こっちは全員
俺たちの仲間、兄弟たちだ」
「お前さんたちは別の場所にそれぞれ逃げておると思うたが…何故ここに」
「そうだな。確かに俺たちは逃げて来た。地下に隠れていたんだよ。そして長い時が
過ぎて外に出るとある話が聞こえた。あの男に似た人間が新たな王の候補となった…ってな。
お前はあの男と一番縁がある、で会えると思って来た訳だが…」

さっきまでの優しい笑みが消えスッと表情を変える。

「また、皆で楽しく暮らそうじゃないかシャウラ。俺たちは彼らとは違う、分かり合うことなど
出来はしないだろう。あの男に感化されて力を無理矢理封じ込めているようだが」

険悪だ。アイラスはシャウラに手を差し出す。それにしても力、とは?シャウラは首を横に
振る。

「出会えたことは嬉しい。じゃがな、儂は彼女につくと決めておるんじゃ。お前さんたちには
悪いがここを離れるつもりは無い、すまぬのぅ」


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