ダーク・ファンタジー小説

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フォルトゥナさん、リ・スタート
日時: 2019/10/30 20:08
名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)

作り直したいのでもう一回一から…す、スミマセン‥‥。

元、平凡な女子高校生が異世界でフォルトゥナ・ルクスという中性的な少女として

異世界を冒険していく。

序章「フォルトゥナ・ルクスとしての人生」>>01
1.「ノート・ルクスに負けた魔族」>>02
2.「腕試しに来た集団」>>03
3.「魔術開花」>>04
4.「教主が見つけた希望」>>05
5.「仮面集団、襲撃」>>06
6.「仮面の裏に」>>07
7.「教会で眠る人」>>08
8.「マスカレードたち」>>09
9.「教主の姿を」>>10

10.「ジジ臭い男」>>11
11.「トランプマン」>>12
12.「

Re: フォルトゥナさん、リ・スタート ( No.8 )
日時: 2019/10/21 17:16
名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)

空を移動して数十分、小さな集落が見えた。ゆっくり降下し目の前に立つ教会を見た。

「この中ですね。ここに来るのは久しぶりです」
「そっかスコルはここの教主様に会ったことがあるんだっけ。じゃあ多分怪しまれないよね」

翼を引っ込めたスコルは笑顔で頷く。いち早く、彼女を治す必要がある。扉を開けると
目の前にはガラス張りの十字架があった。その前に立つ一人の女が振り返る。

「あ、貴方は…スコル様に…ノート、様?」
「ごめんなさい。私はフォルトゥナ・ルクス、よろしく」
「すまないがルネア殿の容態を知りたい。フォルトゥナ様はノート・ルクスと同じ術を
扱うことが出来る…フォルトゥナ様を殺せば教主は助けると言われているのだろう?だが
ディアナ、分かっているはずだ」

その先は何も言わなかった。鳥のような翼を持つ仮面の女ディアナは息を呑む。
彼女の目の前にいるのは温和で優しい神、そしてその神を守護するガーゴイル。
ディアナは端に寄った。フォルトゥナはゆっくりとルネアの元に歩み寄った。そして
片手をかざす。白い光がルネアの体を包んでいく。

「…この暖かい力…これはノート?」
「教主様、良かった意識が回復したのですね。この人はあの方と同じ名を持つ方、
フォルトゥナ様です。あの人が言った通り、我々はルクス様に救われたのです!」

感極まった様子でディアナはルネアの手を両手でギュッと握った。ルネアは体を起こし
自力で立ち上がる。そして彼女たちから今の状況を聞いた。

「そんな…こんなことになってしまうなんて」
「だが確かだ。貴方にも来てもらう、アイツらは自力じゃ止まれやしねえよ」

フォルトゥナとルネアを抱え扉を蹴破って空へ消えていく。場所は変わり、森の中
暗闇から金の仮面が浮かび上がり一瞬怯む。右肩にナイフが刺さった。

「的中しましたよ、これはラッキーですねぇ」

夢は自身の肩からナイフを抜き地面に捨てる。大柄な体格の割に存在感が薄い、この視界の
悪さの中、それはかなり手こずる原因になる。

「その構え…貴方が得意なのは抜刀術ってところですか?」
「そうなる。が、掠り傷ぐらいなら作れるだろうな」

夢が前傾姿勢でユーフォンスを見据える。そして一閃、躱したと思ったが掠った。地面に
音を立て金の仮面が落ちた。

Re: フォルトゥナさん、リ・スタート ( No.9 )
日時: 2019/10/22 10:05
名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)

仮面の奥に隠されたユーフォンスは自身の顔を片手で覆った。赤い目がギロリと
夢を睨んだ。仮面集団、隠密教団マスカレードは唯の教団ではない。彼らにはある
ルールがある。自身の仮面の下に隠された素顔を見た人物は必ず殺すということ。
沈黙の後、放たれた言葉はたった三文字だった。

魔弾を掠った右頬、傷からは煙が上がっている。前に立つジュードは未だ不気味な
笑みを浮かべている。

「やはりそうでしたか!貴方には光属性への耐性が無い!でぇ?ならないんですか?
ガーゴイルに…そうだ!私、拷問が趣味なんですよ」

ジュードは不気味な笑みを浮かべたまま剣を手に地面を蹴り上げた。

「アイツと違って確かに耐性は無い。だがその程度で怯んでいるわけにもいかないな」

ジュードより前屈みの姿勢でクロムも地面を蹴り加速する。彼の行為は自滅しようと
している風に見えた。それに違和感を覚えたジュードが目を見開く。すれ違いざまの居合が
入っていた。ジュードの扱う光属性の魔法はあまりにも脆かった。彼よりも強い光を
操る人間をクロムは知っていた。

「ここは…末恐ろしい事です」

白露の声が反響する。周りは阿鼻叫喚だった。炎が上がり次々と倒れていく柱などが
老若男女問わず押しつぶしていく。目前に立つのは懐かしい祖母。彼女の体に刀が刺さった。
その光景は白露が幼い頃に祖母の死体を見て一週間ほど見た夢、だがそれはあまりにも
辛すぎる。そこでハッと我に返る。スルスルと触手が縮まっていき微かに舌なめずりを
する音がした。

「どうだ?悪夢の感想は…お前の悪夢、あんまり美味くねえな。もっと怖がってもらわないと
困るぜ」
「そう言われましても…生ある者は多くが必ず死ぬ、それは普通なのですから仕方がないのです」
「随分と強いんだなお前」

やれやれという風にヘルムは首を振る。一方、ザンを相手する花蘭とユーフォンスを相手する
夢は偶然同じ場所に辿り着いて共闘していた。花蘭の額には脂汗が滲んでいた。

「随分と苦戦しているようですね」
「うるせぇよ、それはお互い様だろ」

Re: フォルトゥナさん、リ・スタート ( No.10 )
日時: 2019/10/22 10:39
名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)

怒り狂うユーフォンスと暴れ回るザン、理性を失えば攻撃も大振りになって隙が出来ると
予想した夢だったが予想以上にユーフォンスは冷静だった。せめてザンかユーフォンスが
気を失ってくれたら…そう考えていた時、イヴが叫んだ。

『兄さん!もう、やめて…戦わないで!!』

ザンが反応し花蘭も驚き顔を向ける。彼女の手には転がっていたユーフォンスの仮面が
あった。ユーフォンスもそっちに目が行き彼女から掠め取りつけた。

「イヴ…何故止めたんだ」
『ごめんなさい、でも嫌だったから…私は嫌よ。聞こえなかったの?あのフォルトゥナって
子は教主様が復活したって言ってたのに』

花蘭と夢は刀を納める。朝が来た。到着したルネアは全員に声を掛けた。

「ごめんなさい心配をかけてしまって…そしてフォルトゥナ、貴方に礼をしなくては」
「気にしないで。だってノートさんが言ってたんでしょ?困ったときは俺のところに来いって
私は二人の約束を守っただけだから」

仮面の奥でルネアはスッと微笑んだ。

Re: フォルトゥナさん、リ・スタート ( No.11 )
日時: 2019/10/27 12:14
名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)

「クロム様クロム様!この資料は何処に置けばいいですか?」

本や資料などが入った段ボールを持ってきたエルフの少女メニシマはクロムの部屋にやってきた。

「そこに置いておいてくれ」

メニシマは頷いて段ボールを床に置いた。彼女は弓を使った後衛での戦いを得意とする。
今、この辺りで後衛での戦闘を得意とする者は少ない。

「あの人に挨拶はしたようだな」
「勿論です!本当にびっくりしましたノート様にそっくりで」

フォルトゥナは外に出た。

「丁度いいタイミングでしたね。こんにちはフォルトゥナさん」

金色の仮面をした厚着の男ユーフォンスである。彼は両手で籠を抱えていた。

「あのユーフォンス?その籠は…」
「これですか?これは教主様から貴方への礼の品ですよ」
「成程。そんな事、しなくていいのに」

突然、空が暗くなり驚いて二人は空を見上げギョッとした。大きな動物が落ちてくる。
このまま落ちれば大惨事だ。フォルトゥナは両手を伸ばし魔法を発動する。垂直抗力を
操り落ちてくるものをゆっくりと降ろした。

「これは…珍しい!この狼の肉はとても美味しいんですよ。滅多に遭遇しないし強敵なので
S級グルメだと言われているのですが珍しいですねぇ」
「あ、そんな凄いの?私にはよく分からないけど」

斬られた傷も見当たらないとすれば魔法などを使われたか、それとも…否、何かで殴って
殺したなんて考えたくも無いけど。狼の体がくの字に曲がり地面にめり込んだ。立ち上がって
降りてきたのは筋肉質な男だった。隻腕で折れた片角がある。その男はゆっくりとフォルトゥナの
前に歩み寄って来た。

「なんじゃ随分と小柄な奴じゃな。お前さん本当にノート・ルクスか?」
「小柄って…じゃなくて!私はフォルトゥナ・ルクスですけど!」

暫くキョトンとしていたが彼は大口を開けて豪快に笑い始めた。

「がっはっはっは!!!そうじゃった、そうじゃった!悪いのぅ、お前さんがそっくりで
勘違いしてたわい」

男は何度もフォルトゥナの右肩を叩いた。それでもノートの事を知っている辺り、前から
この辺りにいたと考えられる。そしてもう一つ、彼であるだろうと分かることがある。

「この狼を殺したのって…」
「鋭いのぅお前さん。コイツはお前さんへの…まぁプレゼントのようなものじゃ」

Re: フォルトゥナさん、リ・スタート ( No.12 )
日時: 2019/10/30 19:51
名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)

竜人族でたった一つ人間によって消された名も無き部族が存在する。それに該当するのが
この男ガルガともう一人、彼の甥っ子に当たる人物。種族説明はおまけのようなもの。
その翌日からその男はこの町で暮らすようになった。何でも

「本当にお前さんがノートと同じ名を継ぐに相応しいか見極めてやる!」

だそうです。ノート・ルクスの築いたこの場所の新たな一歩。そして裏でも一歩進む
集団がいた。

「失敗ですカ?珍しいですネぇ貴方がミスを、しかも見誤るとは毒サソリさん?」

ルネアに猛毒を盛ったサソリの獣人ギランは仮面の男を見た。優し気な男を装う残忍な男、
トランプマンなどと名乗っているが唯の狂人である。

「笑いに来たのか。そんなことをするなら帰れ。俺はお前と一回の契約をした」
「そうでしたネ。さぁ料金はこれでス」

トランプマンは袋をギランに手渡した。ギランはそれを受け取り肩に担いだまま軽々
木の上に飛び乗る。去り際に彼はトランプマンに忠告した。

「人間の女は案外男よりも恐ろしいようだ」

ギランは仕事でルネアに毒を盛った。仮面隠密教団マスカレードと敵対してしまったのは
元を辿ればトランプマンのせいである。そして彼は諦めることも無く次の手を考え始めていた。
否、もう手は回していた。トランプマンは残酷な笑みを浮かべていた。トランプマンから
離れた場所でたった一人の男が死んだ。そこには赤い蝶が飛んでいる。
クロムに言われてようやく気付いたがここはとりあえず国として扱われているらしい。
この国の名を混合国家「アルコバレーノ」その同盟相手はアルコバレーノより圧倒的に
大きな力を持つ国「セラス帝国」である。今日、セラス帝国の王オルギンがここにやってきた。

「へぇ、お前がノート・ルクスの後継者か。だが随分と小さき王だな。威厳というものが
感じられないようだが…何か言いたそうだな」

クロムは相手を睨む。だが頭を下げ謝罪する。

「申し訳ございません。ですがオルギン殿、新たな王を貶す言葉は控えて頂きたい。
確かに王とは思えないでしょう。ですが我々にとってはたった一人の大切な王、彼女を
貶されるのは好ましくない」
「悪かったなガーゴイル。以後気を付けるとするよ、お前たちを敵に回したくは無いからな。
さて簡単に自己紹介をしよう。私はオルギン、よろしく頼むよ」
「フォルトゥナ・ルクスです、よろしくお願いします」


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