ダーク・ファンタジー小説
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- 探偵Yの推理
- 日時: 2019/11/21 21:43
- 名前: sushi (ID: m3TMUfpp)
こんにちは。初投稿です。今回は推理小説を書いていきたいと思います。
私は車をガレージに止め、家の玄関へ向かう。相変わらず広いガレージだ。外国車がたくさん止まっているが、もう何年も持っていないものもあるだろう。
この言い方から分かった人もいると思うが、この家は私の家ではない。私の叔父の家だ。私の叔父は元々野球選手で、大いに活躍していた。そのお金を存分に使い、この立派な豪邸を立てたのだろう。
玄関のチャイムを押すと、ドアが開き、叔父の顔が見えた。叔父はセーターとデニムを着ている。
「よく来たな。さ、上がれ上がれ。」
叔父はニコニコしながら俺と叔父はリビングに向かった。
「竜明さん、今日はいいブランデーを持ってきましたよ。」
この男は寺山 竜明。昔の野球ファンならこの男を知っているだろう。なんせ、巨人の一軍で大活躍していた選手なのだから。
ブランデーを持ってきたことを伝えると、叔父は警戒心を一層解いただろう。叔父はお酒が大好きなのだから。(元々私が積み上げてきた叔父からの信頼で警戒心なんてほぼないはずだが。)
それから2時間が経過した。叔父はソファの上で気持ちよさそうに眠っている。普段なら私も眠っているのだが、今日はほぼ酒を口にしていない。なぜなら___________________
この叔父を殺害するために私はこの豪邸に来たのだから。
私はまず鞄からロープを取り出す。割と太くて硬いものだ。
叔父の首に巻き付けてしっかりと結ぶ。まだこのときは殺さない。
叔父は壁の近くにあるソファに座っている。これはとてもことを楽に進めることができる。
叔父の重心を壁にやり、叔父を持ち上げ、壁に寄りかからせる。この時も叔父が倒れないように力をかけておく。
ブランデーを相当アルコールの強いものにしたから、叔父はぐっすり眠っている。これだけ動かされたのにも、だ。そして、天井に刺しておいたフックにロープをかける。このフックは服をかけるためとか何とかで叔父につけさせてもらった。
そしてソファを叔父の足がつかないところまで移動させる。
これで叔父の殺害が完了した。俺は第一発見者を成り済ます。そうすると、叔父は自殺、ということで事件は片付き、俺に莫大な叔父の遺産が入ってくるはずだ。
俺は叔父の家の固定電話を手に取り、1,1,0,とボタンを押した。
2コールほどで「はい、こちら○警察署です_____________________」
という声がした。俺は事前に考えていた言葉をしゃべる。
「あ、あのですね、今叔父の家に来たんですが__________________」
これで私のすべきことはあと一つ。第一発見者というフリを完璧にしなければならない・・・
- Re: 探偵Yの推理 ( No.4 )
- 日時: 2019/11/23 11:33
- 名前: sushi (ID: m3TMUfpp)
(な、なんでこいつらが来てるんだ?俺は疑われていないはずだ・・・きっとまた話を聞きに来たんだろう。)
「こんにちは。また会いましたね。寺山修二郎さん。」
羽田がそう言う。
羽田と深田の後ろには初めて見る男が立っている。警察の着ている服ではないので、警察ではなさそうだ。
「な、なんの用です、昨日話したじゃあありませんか。」
(まずい!落ち着け。落ち着かないとぼろを出してしまう。)
「まあ、ここで話すのもなんです、家に入ってもいいですよね?」
羽田はそう言いながら玄関にグイグイ入っていった。
「しかたがない。まあ、時間の無駄だと思いますけどね。ところで、そこにいる人は誰です?」
わざとらしく嫌味を言ってみる。
「ああ。この人は探偵です。」
「そうですか。まあ、どうぞ。」
にこやかな表情を浮かべながら3人をリビングに案内する。
表情はいたって普通だが、内心はものすごく焦っていた。
(探偵だって・・・そんなの聞いていないぞ・・・いや、もしかしたら私の動揺を誘っているのかもしれない)
3人と私が座ると、中年の羽田という刑事が喋りだす。
「まあ、今日来たのは分かっていますよね。あなたの叔父の寺山 竜明さんのことで伺わせてもらいました。さて、この探偵さんから話がありますので、まあ聞いてみてください。それでは、山本さん、どうぞ。」
(なんてことだ。探偵をすぐに喋らせるということはこの探偵はなにもかもわかっているのか?)
- Re: 探偵Yの推理 ( No.5 )
- 日時: 2019/11/23 11:45
- 名前: sushi (ID: m3TMUfpp)
山本がしゃべりだす。
「まあ、まずは私がなぜここに来たのかを詳しく説明しましょう。私はあなたの叔父の寺山竜明さんから依頼を受けました。どんな依頼なのかは決して言いませんが。
私は今日竜明さんと会うことになっていました。しかし、竜明さんの家に行くといたのは警察のみ。なにがあったのかと思ってみていると、旧友の深田がいるじゃありませんか。私は深田に事情を聴きました。警察は竜明さんを自殺、と思っていたらしいですが、依頼しているのにそれより前に死ぬなんておかしいですよね。」
ここで一度山本は言葉を切る。
修二郎は平気な顔で山本の話を聞いている。
「それに以前にもあったことがありますが、死にたいなんて言っていなかったですし、まだまだ人生これから、とまで言っていました。そんな人がなんで自殺したんでしょうかね?」
「それは、人生が嫌になったとかだろう。」
修二郎も負けじと反論をする。
「いいえ。彼は野球選手です。野球選手はスランプに必ず1度はなります。ならないなんて人はいません。昔の竜明さんを調べてみると、何回かスランプに陥っていました。もしも竜明さんが気が弱い人なら、もうとっくのとうに死んでいるだろうし、第一精神も強かったはずです。自殺するわけがわかりません。」
修二郎は黙っている。顔を俯かせて表情を見せまいとしている。
「本題に入ります。あなたは竜明さんを殺害しましたよね?」
山本は早くも爆弾発言をした。
- Re: 探偵Yの推理 ( No.6 )
- 日時: 2019/11/23 14:02
- 名前: sushi (ID: m3TMUfpp)
「な!なぜ、そ、そんなことを!私が叔父さんを殺すわけがない!叔父は自殺だっただろう!」
「では、私があなたを殺したと思った訳を話させてもらいましょう。」
2人の刑事は探偵と修二郎の話を聞いていた。探偵のほうが立ち位置的には有利だ。それに、修二郎は叔父を殺した、と探偵が行ってからの修二郎の焦り用は凄い。もうそろそろでボロを出すんじゃないか、という感じだ。
「あなたはまず、叔父の家に行き、叔父とお酒を飲んだ。当然、あなたは叔父を殺すためにお酒にはほとんど口をつけずに、ね。そして、叔父にはたくさん飲んでもらって、ぐっすり眠らせた。当然、睡眠薬も混ぜておいたのではないのですか?そして、叔父を壁にもたらせて椅子に立たせるような格好にした。そして、首にロープを巻き付けて天井にあるフックにかけて、椅子をどかして、殺した。そうなのではないですか?私は殺人現場を見てすぐに察しましたよ。」
修二郎は顔を青ざめて、言い訳をするために口を開いたが、すぐに口を閉じた。
「図星でしょう?おそらくあなたは遺産欲しさにしたのですよね?」
「ふう・・・わかりました。私が殺しましたよ・・・・・とでもいうと思ったのか?私が用意周到なのに、もしも殺害がばれてしまっても準備していないとでも?」
「な、なにを言っているんです。もう観念して、おとなしく逮捕されてください。逃げたらもっと罪が重くなるだけです!!!!」
探偵は少し焦ったように言う。どうやら修二郎はばれたときのために何かほかの手段を考えているのだろうか・・・
「罪が重くなる?逮捕?私は初めから捕まる気なんてさらさらありませんよ。」
- Re: 探偵Yの推理 ( No.7 )
- 日時: 2019/11/23 18:28
- 名前: sushi (ID: m3TMUfpp)
修二郎に2人の刑事がここぞとばかりにとびかかり、あっという間に手錠を両手にかけてしまった。
探偵は助けに行こうとしたが(警察を)、助けようとしたが、2人の絶妙なコンビネーションによりその必要はなくなった。
「7時16分、寺山竜明殺害の疑いで逮捕!!」
羽田が左手にはめた腕時計を見ながらそう言った。
「く・・・くそ・・・なんでこうなるんだ・・・最後に逃げるためのものを用意しておいたのに・・・」
「まあ、これで事件は解決した。困ったらまた俺の事務所に電話をかけてくれ。「山本探偵事務所」にな________________ 」
探偵がそう言うと、玄関へと向かっていった。
「今日はありがとう。助かったよ。」
「例はいいよ。依頼者が殺された憂さはらしさ・・・」
探偵は外へと出て行った・・・
「ふう、今日も働いたよ。さてと、探偵事務所に帰ろうかな・・・」
そう言って探偵は自分の事務所へと歩いて行った・・・
- Re: 探偵Yの推理 ( No.8 )
- 日時: 2019/11/24 10:18
- 名前: sushi (ID: m3TMUfpp)
こんにちわ。前回のお話で「探偵Yの推理」はおしまいです。他のエピソードなんかも作れたら作るので見つけたら読んでくださるとうれしいです。
探偵Yの推理 〈完〉
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