ダーク・ファンタジー小説

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海底のリトルボーイ
日時: 2020/05/28 20:56
名前: レオ (ID: j24nS2D/)

1920年2月9日……
 各種試験の標的となり、その任を終えた八八艦隊計画の亡霊、土佐は高知県沖の島沖に自沈となった。しかし、20年後、再び土佐が日の目を浴びることになるのは…当時の大本営には知る由もなかった…。
1945年4月7日……
 4年前に始まった米英との大戦は、当初の大進撃から一転、戦局は日々悪化していった。そんな中、沖縄島周辺の敵艦隊撃滅を目的とした、大和ら海軍の艦艇や、陸軍、海軍の航空機による特攻作戦が発令された。しかし、帰ってきたのはわずかな戦果と、それに比べて多大な被害であった。そんな状況下、大本営ではある噂が広がっていた…。

Re: 海底のリトルボーイ ( No.6 )
日時: 2020/06/03 20:41
名前: レオ (ID: j24nS2D/)

「これが濃縮ウランだとしたら…戦争も終結し、安全に必要量のウランを運べます。つまり、秘密兵器は存在する…」
「そ、そんなわけないだろ!第一私はその場に…とにかく、この話は終わりだ!」
久坂は強引に話を終わらせた。そう、実は久坂は土佐自沈の際にその場にいたのだ。当時はまだ下士官だった。自沈用発火装置の取り付けも久坂らが行った。だから、あり得ないのだ。秘密兵器が積まれていたなど…

Re: 海底のリトルボーイ ( No.7 )
日時: 2020/06/07 10:13
名前: レオ (ID: j24nS2D/)

沖縄本島に上陸した米軍は、残存する日本軍の身を捨てた攻撃を撥ねつけながら、ついに島を占領した。その頃、日本軍のある通信が司令部に広がっていた。そう、大本営で広がっているあの噂についてだ。
「仮に日本に原子爆弾が存在していたというならば大変な事態だぞ、もし設計図等が残っていれば…本体も保存状態が良いのならサルベージされ、使用される危険性がある」
ミッドウェー海戦、ガダルカナル島、といった感じに順調に勝ち進んだ米軍も手詰まりであった。
「ともかく、今後は特に大本営の暗号に気をつけねばならん。」
会議はそう締めくくられた。

Re: 海底のリトルボーイ ( No.8 )
日時: 2020/06/09 18:12
名前: レオ (ID: j24nS2D/)

1945年5月。戦艦大和沈没から約1ヶ月後、久坂は呉鎮守府に向かった。表向きは視察だが、彼にはある目的があった。土佐自沈の際の資料を探すのだ。土佐がいた呉ならば、何かヒントとなるものがあるかもしれない。   バサッ
入り口で見張りをしている下士官らが久坂を見て礼をする。軽くそれに応えると、久坂は帽子を深くかぶり直し建物内へと入っていった。

Re: 海底のリトルボーイ ( No.9 )
日時: 2020/06/11 19:45
名前: レオ (ID: j24nS2D/)

戦艦土佐が自沈されたのは1920年、当時40歳、まだ下士官だった久坂は、実際に自沈発火装置の取り付けを行った。その頃、久坂は尉官への昇進目前であり、周りを気にする余裕などなかった。
「…ん?」
久坂はある一つの資料に目をつけた。そこには…
「土佐ノ自沈発火装置ハ数人ノ海軍下士官ノ指揮ノ元執リ行ワレタシ。ソノ際、廃棄物ノ搭載モ行ワレタシ。」
「廃棄物…」
久坂はその周辺をくまなく読んだが、廃棄物についての記述はなかった。その日、ほぼ半日を使って資料を漁ったが、廃棄物を搭載した、という事実しか発見できなかった。

Re: 海底のリトルボーイ ( No.10 )
日時: 2020/06/14 19:53
名前: レオ (ID: j24nS2D/)

1945年7月、呉で空襲が相次ぎ、動くことのない防空砲台と化した艦達は被害を被った。そんな中、久坂は職務を全うしながら土佐について情報を漁っている。しかし、未だに廃棄物についての情報がない。そこで、久坂は仕事の合間にその時、実際に土佐に乗艦していた将校らに話を聞こうとした。しかし、ほとんどの物は戦死しており、生存していたのはわずか一人であった。


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