ダーク・ファンタジー小説

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死を望む人間達。
日時: 2021/09/03 19:16
名前: 鈴乃リン ◆U9PZuyjpOk (ID: 0j2IFgnm)

『死にたい』

誰もが一度は思ったことのあるこの願い。
でもその思いは______本当ですか?



こんにちは!知る人ぞ知る鈴乃リンです!
ダーファで活動するのは初めてですが、楽しんで読んで頂けると嬉しいです!(更新頑張れ私!)
コメント等もいつでも募集中っ!


《実績》
09/18/2020 作成
09/01/2021 2021夏小説大会にて管理人・副管理人賞受賞

《死の名簿》
坂元蘭 概要>>11 本編>>2-10 >>13-

Re: 死を望む人間達。 ( No.1 )
日時: 2020/09/20 22:13
名前: 鈴乃リン ◆U9PZuyjpOk (ID: rCT1hmto)

___ここは、とある街の一角にある時計屋。
何の違和感もなく、祖父と孫が二人で経営している。
この時計屋は、ただ時計の販売、修理をするだけではない。

『人間の命』の針を動作させている、時計屋である。

Re: 死を望む人間達。 ( No.2 )
日時: 2020/10/02 20:50
名前: 鈴乃リン ◆U9PZuyjpOk (ID: rCT1hmto)

第一話.坂本蘭

『うざい』『邪魔』『消えろ』
黒いマーカーで汚く書かれたこの文字も、もう見馴れた。夕日がその文字をぎらぎらと光らせている。
何も言わずに落書きされたノートをゴミ箱に投げ入れ、鞄を持って教室を出た。
自分の持ち物に落書きされても、掃除を押し付けられても、弁当をぐちゃぐちゃにされても、悪口を言われて叩かれ蹴られても、もう何も感じなかった。痛みも、悲しみも。

教室に居場所なんてもうない。

正直、もう生きることの意味がわからない。

そういう考えを持ちながら家路を辿っていた。
でも、家に帰っても何かあるのか。家路についても、何もせずに一日が終わる。
そんな憂鬱な毎日だった。

Re: 死を望む人間達。 ( No.3 )
日時: 2021/09/03 18:37
名前: 鈴乃リン ◆U9PZuyjpOk (ID: 0j2IFgnm)

今日は親が仕事だった。
それが分かったのは、帰宅中の私の鞄に入ってるスマホのバイブ音が鳴った時だった。

『ご飯、机に500円玉置いておくからそれで買って食べて』

何とも質素な文面だった。そう表示されているスマホをポケットに入れ、歩き始めた。




せっかくだし、今日は遠回りをして帰ろう。
そう考え、いつもの十字路を右に曲がらず、まっすぐ進んだ。
こっちの方から帰るのは久しぶりだ。前に通ったのは……小学生の頃だろうか。

あの頃は、私は人気者だった。
いつも私の席の周りには、友達が沢山。その友達たちと一緒に話してた。
だけれど、その友達たちは皆中学受験をした。お蔭で公立の中学校に通ってる友達はいない。
元々同じ小学校だった子とも皆、クラスが離れてしまった。だから私は今は一人。話せる友達なんて……

そんなことを考えていると、ふと脚が止まった。
それはまるで、不思議な力で私の足を引っ張っているようだった。
私は辺りを見回してみた。すると、その違和感の正体が分かった。

時計屋とけいや 沈丁花じんちょうげ

___沈丁花。昔、何処かで聞いたことのある花の名前だった。
というよりも、ここに時計屋があったことも覚えていない。
時間もたっぷりあるし、ここで少し時間を潰そう。

Re: 死を望む人間達。 ( No.4 )
日時: 2020/12/01 18:54
名前: 鈴乃リン ◆U9PZuyjpOk (ID: rCT1hmto)

『おお永太、早く手伝ってくれないか。』
『待て爺、俺今学校から帰ってきたんだよ。もうちょっと休憩ぐらいさせてくれよ!』
『……はぁ、永太はずっと怒ってばかりだな…………。』
『うるせえよ!』

店の扉を開けようと取っ手に触れた瞬間、店の中から怒声が響いた。
……誰だろう、お爺さんと孫?でも、子供といっても私と同じくらいかな?どこかで聞いたことがある声だけど………………

……店の前で止まってても、意味ない!
私は扉を開けた。


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