ダーク・ファンタジー小説

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All fantasy
日時: 2021/06/05 00:21
名前: ミニミニ (ID: SG2pzqrf)

ミニミニという者です。
初めてなので色々ご了承ください。

ストーリー
この世界には魔力や霊力、超能力などの様々な種類の能力を持つ者が存在し、関わりあう。
しかし、同じ種類を持つ者同士でないと「この人は○○力を持っている」と認識できないのだ。
つまり、自分とは違う種類の能力を持つ者たちは誰が異能力を持つ者かすらもわからない。異能力者同士は相手が異能力者だと認識しあったらどうなるか?様々な物語が繰り広げられるだろう。
日常あり、戦闘ありのファンタジー。
注記
グロ、鬱展開、胸糞展開ありです。
苦手な人はブラウザバックを推奨します。

設定

魔力系
魔女、魔法使い
遺伝によって受け継がれた魔力を持ち、動物の感情を理解することができる。長寿。吸血することで消費した魔力を蓄えることができる。総じてお金持ち。生活や感性は普通の人間とほぼ一緒。たまに人間を魔法で操ることがある。
魔法少女
元は一般人で魔女、もしくは魔法使いの恩恵によって魔力を与えてもらった少女たち。お金持ちと人間を操ること以外はほとんど同じ。ただ、一般人が各魔法少女に対する感情(興味)をもたれることによって魔力を蓄えなければいけないため、必然的に一般人を助けるか害するかのどちらかをするしかないのである。

霊力系
巫女
神に仕え、神から与えられることで霊力を持つ。霊力で邪気や穢れを浄化できる。仕えている神のレベルによって能力のレベルも比例する。生まれつき霊感を持ち、神を見れるものしか安定した霊力は与えられない。
上級霊感者
レベルの高い守護霊の守りによって生まれる。神や幽霊をはっきりみれる。一般霊感者とは違って申し訳程度の結界や足止め程度の霊力を飛ばせる。
一般霊感者
幽霊がぼんやりみえる程度の霊力を有する。人によってはぼんやりと神がみえることもある。上級霊感者の何万倍もいる。

超能力系
超能力者
生まれつき持っているものもいれば後天的に発生するものもいる。場合によっては素質ある者にはある機械を使うことで強制的に発生させることも。基本、一人につき一つしか持てない。

能力の違い
魔力系
人間や動物から発生する感情エネルギーによって感情や自然的なものなどを操れる。
霊力系
魔力とは違い、神や霊など肉体を持たない者たちから与えられ、魔力系以外の者たちは必ずと言っていいほどもち、自分から微々たる邪気や穢れをはじく。(上級霊感者や巫女はともかく、それ以下はホラースポットに行ったらほぼほぼ通用しない。最悪の場合、邪気や穢れによって身体に影響が及ぶ)
超能力
ある程度は理論で説明できる能力。能力が高く、自由自在に操れる者は化学や物理学などの知識があればあるほどもっと自由に操れる。



いまのところはこんな感じですかね。これからよろしくお願いします!気軽にコメントもしていただけるとありがたいです!

Re: ファンタジックレコード ( No.2 )
日時: 2021/04/26 22:28
名前: ミニミニ (ID: SG2pzqrf)

 本当のことを言うと、実はホラースポットに行くのは人生初である。
 人生初のホラースポット巡り(?)のために、笹倉灯台に関する情報を思い出してみる。
…笹倉灯台は元々ホラースポットだったが、ある事件で以前よりも認知度が高まっていた。とある女子高生…実菜の双子の姉である香苗由奈が自殺したのである。海辺ギリギリに立っている灯台から海へ飛び込んだ。遺体は浜辺に打ち上げられているのが見つかった。
俺は葬式には行ったが泣けなかった。
少し内容が脱線してしまったので、霊力を抑えつつ軽く霊力を飛ばす練習でもするか。

明日の8時…か…。

Re: ファンタジックレコード ( No.3 )
日時: 2021/05/15 12:33
名前: ミニミニ (ID: SG2pzqrf)

20:00 笹倉灯台


笹倉灯台に着くと、既に実菜が待っていた。
「零…遅いよ…」
珍しく実菜がしおらしい。まあ夜のホラースポットだもんな…怖いよな。
ちゃんと約束の時間には着いたが、もうちょっと早く着いてやればよかった。
「悪かった。もうちょっと早く着けばよかった。怖かったよな。さっさと済ませてさっさと帰るぞ。で、こっからどうするんだ?」
まさかとは思うが、灯台に登って一緒に入水自殺しようとか、自分が死ぬのを見届けろとかそういう類の事じゃないだろうな…?
「零。」
と俯いた実菜が俺を呼ぶ。
「由奈がここで死んだの…覚えてる…?」
素直で優しくて菓子作りが得意な由奈。あの素直さも、優しさも、甘い菓子も忘れるわけがない。
「忘れるわけ、ないだろ…。」
顔を逸らしながら呟く。逸らした瞬間、灯台の裏に黒いボブが見えた。あれは…まさか!
「由奈…!」
「ちょ、零!?」
実菜が何か言っているが気にしない。
灯台の裏側に回り込む。しかし、誰もいない。上を見ると、頂上に座っている、ボブの少女がいた。間違いない、由奈だ。
「…っ!由奈!」
由奈はピクリとも動かない。聞こえていないのか?登って近くまで行こう。
梯子に登る。
「何してんの!?危ないよ!」
由奈は止めるが、やめる訳にはいかない。言えなかったことを言わなきゃいけないんだ。言いたかったけど、ここ(笹倉灯台)に来るのを拒んでしまっただけだ。一度も訪れて花を手向けてやれなかった。一方的だけど、これで成仏してくれれば…俺の気持ちを伝えれば、苦しむこともなくなるんじゃないか、そんな気がした。俺はただ一心不乱に由奈を求めて登って頂上にたどり着く。
「由奈…!聞いてくれ!」
由奈がゆっくりと振り返るが、由奈の姿に驚愕した。
確かに髪も体も由奈そのものだが、顔に黒いモヤがかかっている。
「…っ。お前…その姿は…?」
手を伸ばし、髪に触れる。すると、頭の中に文字が浮かび上がる。
「ワタシハダレ」「ドウシテカナシイ」「アイタイヨ」「パパ…ママ…」「チカヅカナイデ」
子供の声、老人の声、若い少年少女の声…。様々な声も聞こえてくる。
「まさか…」
ここで死んだ幽霊たちが集まって、一つの塊になった…!?
一つの塊になってしまったら、成仏なんてできっこない。なんとかバラバラにならないか…!?
それに…。ちらりと下を見ると、心配そうな顔をした実菜が梯子で登ってくる。
「だめだ実菜!由奈は他の幽霊たちと融合しちまってる!」
ますます心配そうになる。
「で、でも…そしたら零が…!」
確かに今の俺は邪気に当てられて灯台にしがみつくのが精いっぱいだが…震える左手でポケットを探り、小瓶を取り出すと口で開けて軽く実菜にぶっかける。
「キャ…何を」
「今塩をかけたからある程度は幽霊から身を守れる筈だ!下で待つか、体調が悪くなったらさっさと帰れ!」
渋々と下に降りる実菜。地上に降りたのを確認すると、大分軽くなった小瓶の中身を全部口に含む。
なんとかして剥がせねえか…?このままじゃ由奈達幽霊は永遠にここに囚われたままだぞ!
ふと、ついさっき由奈の髪に触れられたことを思い出す。
普通は幽霊や神には触れられない筈だ。幽霊たちが一つの塊になったせいで物質化しているのか?そしたらどんどん取り返しがつかなくなる。考えろ、幽霊たちを解放させる方法を。
「幽霊たちの物質化…触れれる…塩…肉体…」
思いついた。由奈を苦しませたり、後遺症は残るかもしれないが、一か八かやるしかない。
由奈の背中に左手を回し、口があるだろうところに口を重ねほとんど解けかけた塩を由奈に押し付ける。
すると、由奈が前かがみになり、苦しみ始める。俺は由奈の冷たい体を抱きしめる。
「苦しむのはほんの少しだけだから頑張れ!お前を、いやお前たちをこれ以上苦しませたくないんだ。」
由奈の髪に触れたとき見えたのは言葉だけじゃななかった。幽霊たちが生前感じた感情も溢れていた。愛情、恋慕、悲しみ、喜び…最後には自分が何者なのかという恐怖が。
「由奈。お前は香苗由奈!香苗実菜の双子の姉で、素直で優しくて凄く菓子作りが上手い女だ!そして」
一瞬ためらったが、勢いで言おう。
「俺にとっての初恋で、ものすごく可愛いんだ!好きだったんだ」
そう言った瞬間、由奈の体を感じなくなってしまった。
驚いて顔を見るとたれ目で肌が真っ白な美少女が。
「…由奈、お疲れ様。」
ねぎらいの言葉をかけたにも拘わらず、ビンタをする。まあ零体だから痛みも感じないんだが。
由奈が頂上から離れて浮いたので、俺は頂上に座る。さっきよりかは大分体力消費もなくなってきた。
「バカ!下に実菜がいるのに最低!」
はぁ?と呆ける俺に説教をし始める由奈。いつもなら鬱陶しいが、今はとてつもなく嬉しい。
まあそれでも説教は嫌なので、話題をそらそうと周りに目を向けてみる。この光景は…。
「おい、由奈。周りを見てみろ。」
説教を聞いてくれないと不貞腐れる由奈は渋々周りを見る。
「わあ」
数えきれないほどの真っ白な雪が輝きながら、そして踊りながら上へ吸い込まれていく。いや、雪じゃなくて魂だ。
俺が由奈に自分自身を思い出させるヒントを与えた影響で他の幽霊たちも自分のことを思い出したのだろう。
「成仏するときはこんなに綺麗なのに、お前はさっさと成仏しなかったんだな。」
「だって」
由奈の事だ。きっとこう言いたいんだろう。
「実菜と零の事が心配だった」
由奈は目を大きく見開くと、俺を睨む。
「私ってそんなにわかりやすい?」
「ああ、少なくとも実菜よりかはな」
いい終わらないうちに下から実菜の顔が出てきた。
「由奈!?由奈がいるの!?」
こいつ…待ってろっていったのに…。
実菜は梯子にしがみついたまま話始める。
「由奈、姿は見えないけどそこにいるんだよね。ごめん、私由奈に会いたくてきちゃった。」
縮こまる実菜に対して由奈は頭をなでる。
「無事だったらそれでいいよ。ほら、今のうちに言っちゃえ。じゃ、私はこれでバイバーイ」
由奈は白い球体となり、天へ上っていく。
実菜はというと、顔を赤らめながら目を泳がせる。
「ごめん、零。こんな時にいうことじゃないんだけどさ」

「どうした?」

「私ね…」

実菜の切れ長の目から涙がひとつ零れ落ちる。

「零のこと好き…だけど…」






「ごめんね」







首元に衝撃が走り、気を失った。
「私たちの計画のために…」

Re: all fantasy ( No.4 )
日時: 2021/06/01 01:04
名前: ミニミニ (ID: SG2pzqrf)

魔力系第一話 魔法少女の選択



○○県△△市路地裏

「はぁぁぁっ!」
「ふぅっ!」
刃がぶつかり合い、火花を散らす二人の少女。片方の紫髪ショートボブの少女が薙刀で攻撃を受け流し、一回転した勢いで横へ一閃。もう片方の赤髪ポニーテールの少女は剣で受け止めるが、重すぎると判断したのか、跳んで後ろへ下がる。剣を一振りするといくつもの風の刃が紫髪少女に放たれるが、紫髪少女は薙刀を突き出し、砂埃を起こす。赤髪の少女が目に砂が入って目をこする隙をついて紫髪の少女が上から何十本もの薙刀を落とす。それに気が付いた赤髪少女は覚悟を決めて目を瞑る。
「…?」
痛みを感じないことに不思議に思った赤髪少女はそっと目を開ける。
「え…」
薙刀は赤髪少女を囲み、逃げ場をなくしている。
「トドメを刺さないの?」
紫髪の少女の姿は見えないが、嘲笑している声は伝わる。
「そうね…この戦闘で結構魔力の消費が激しくて…早く終わらせようとしたのはダメね。魔力の補給したいのよ。」
赤髪少女は怪訝な声で聞く。
「あんたは何が言いたいの?」
さきほどよりも嘲笑している声が強くなる。
「え?貴方ちゃんと頭働いてる?魔力の補給するために貴方をこうやってギリギリ生かしているのに。」
どういうことだと混乱する赤髪少女。赤髪少女が声を発さないので、紫髪少女はため息をつくと薙刀を地面にコン。と軽くつつくと紫色の魔法陣が地面に現れる。紫髪少女は魔法陣から離れ、薙刀を魔法陣に突き出す。
「ねえ、何をするつもり?」
陣魔法を展開する途中で話しかけられたため舌打ちをするが、返事をせずに突き出した薙刀を下から上へ振り上げる。
魔法陣が光ると同時に魔法陣の下から双子と思われる幼女と、小学生と思われる少年が現れた。
「あれ?僕たち車に轢かれたはずじゃ…ってお姉さんその不思議な服!もしかして魔法少女!?」
少年は目を輝かせながら紫髪少女を見上げる。
「え?まほうしょうじょ?本当だ!お姉さんが私を助けてくれたの?ありがとうございます!」
双子の姉と思われる幼女はお礼を言うと、妹と思われるほうにありがとうと言えと促され、その子もありがとうと言った。
紫髪少女は魔法陣を作る前に紫色のミリロリに身を包んでいた。
「ええ私は魔法少女。今ちょうどお姉さん困っているのちょっと助けてくれない?」
三人の子供たちは首を何度も盾に振る。
「ちょうどお礼がしたかったんです!何をすればいいんですか?」
少年がそういうと、紫髪少女は薙刀を赤髪少女を囲んだ薙刀のほうを指す。
「あそこにね、とぉっても怖い怪物がいるの。でもお姉さんこうやってとらえるのが精いっぱいで…あなたたちが私にがんばれーって励ましてくれたらお姉さん強くなれるの!だからお姉さんにがんばれーって応援してくれる?」
赤髪少女は、この魔法少女は魔力補給するために私を餌にするつもりなのだと気づいた。
「うん!お姉さんがんばれー!」「がんばれー!」
子供たちが応援をし始めた。この魔法少女の餌になってたまるかと魔力を使い果たしてでも逃げてやろうと爆風魔法で薙刀を吹き飛ばそうとしたが、魔法が発動しない。足元を見ると魔法陣があり、微かに光っていた。魔力封印!?ベテランの魔法少女の魔力が有り余っていないと使えない魔法だ。
あの戦闘でも魔力を極力抑えていたということ。要は紫髪の少女の魔力が底なしということになる。
「まさか…最初に襲ってきたのは…。…はめられた!」
あんな貪欲な魔法少女に子供たちを利用させてたまるかと、「応援しちゃダメ!」という前に薙刀が赤髪の少女に刺さり始める。
「皆ありがとう!もっと応援して!」
「魔法少女さん頑張ってー!」
大量の薙刀は一気に刺さるのではなく、少しずつ刺さっていく。
「う…ぐ…。」
苦しむ赤髪少女を前に、紫髪少女はもっと、もっとと子供たちに催促する。
赤髪少女の痛みはただ単に周りの薙刀に刺される痛みだけでなく、口以外の穴という穴に刃が入っていく。
「あ…あ…。」
刃が両耳の鼓膜を破いた瞬間
「ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!ぅぅぁぁぁぁぁ!」
赤髪少女が叫びだした。
それを聞いた子供たちは耳を塞いでしまうが、紫髪少女が優しく諭す。
「大丈夫。私があなたたちを守るから。怖くないよ。」
それを聞いた子供たちは目に涙を浮かべながら首を縦にふり、心の中で紫髪少女を応援し続けた。
「さっきより力がみなぎる…!トドメよ!」
紫髪少女は薙刀に雷を纏わせ、その雷を赤髪少女に放つ。
叫びはさらに酷くなるが、しばらくするとパッタリと止んだ。
「終わったわね…見なさい!これが怪物…いや、私のエモノよ!」
少年だけ紫髪少女の言葉遣いに違和感を覚えたが、すぐに赤髪少女のもとへ行く。
「…え?」
「このお姉ちゃん…どういうこと?」
双子の片割れの問いを聞かずにその片割れの頭をはねた。
呆気にとられると同時に恐怖でその場で固まる他の二人。
「魔力補給のご協力、ありがとう」
そういうと、二人の首も一気にはねる。
紫髪少女は変身を解く。一度変身すれば返り血はきれいさっぱりに消えるから便利だ。
紫髪少女は路地裏からでると、路地裏の惨劇の跡を前にする。自分の目の前に手をかざし、右手を左から右へ動かすと、死体も血しぶきもきれいさっぱりに消えた。

「基本的な魔法少女の活動方針は悪の道か、正義の道かを選ぶけど、私は両方だね。子供の危機を救って、正義の魔法少女を葬る。別にどっちかにしろってわけじゃないし、絶対にどっちかにしろってわけでもないし。」
スマホが突然なり始める。確認すると非通知だった。
「はい?どなたでしょう?」
「和泉留美様ですか?」
聞き覚えのない声だ。しかも私の名前を知っている?
「そうですが…」
「さようでございますか。私、異能力研究所所属のミナという者です。あなた様がこの国で指折りの魔法少女と伺っております。わが研究所の力添えになっていただきたいと思っております。」
(私が…日本で指折りの魔法少女…ね…そりゃそうよ。さっきの戦闘だってほんの少ししか使っていない程度でこの町で強いほうの魔法少女は簡単に死んだからね)
留美はユナと名乗った女性のことも研究所の事も知らないが、情報の出どころも聞きたいところ。
少しは警戒していこうと考えた。
「で?いつどこで話します?」
「そうですね…」



(異能力研究所ね…。面白いことになりそう。)

Re: All fantasy ( No.5 )
日時: 2021/06/04 23:21
名前: ミニミニ (ID: SG2pzqrf)

超能力系1話「人間」


幼い少年が目を覚ますと、無機質で真っ白な天井が飛び込んできた。
「…?」
少年は体を起こすと、周りを見渡した。家具はおろか、窓やドアすらも見当たらない。あるのは真っ白な布団だけ。
「ここ…どこ?僕…トラックに轢かれそうになった双子の女の子を助けようとして…それで…」
ズキリ、と頭痛が起こる。
痛みが治まるのを確認しポフ、とベッドに体をゆだねる。
「なんなんだよ…これ…」
少年の最後の記憶は双子の少女を突き飛ばしたところだった。
「でもそのあと酷いことが起こった…ような…」
少年は布団の心地よさに目が閉まりそうになるが、あることに気が付いた。
「って!寝てる場合じゃない!今の状況をどうにかしないと!」
少年はこの部屋に監禁されている可能性を見出した。
「まずは…自分の情報…僕は七瀬樹…11歳で水晶学園の小等部5年生…父さん、七瀬碧(ななせおおい)と母さん、七瀬稲実(ななせいなみ)と弟、七瀬卯月(ななせうづき)の4人家族…」
しかし、自分の情報を思い出しても状況が変わらないのである。
樹はとりあえず大声を出すことにしてみた。
「誰かぁぁぁぁぁぁっ!いませんかぁぁぁぁ!?」
しかし、叫んでもエコーが返ってくるだけだった。
自分があの日からどれだけ寝ていて、今はここがどこなのか、今の時間すらもわからないので、とりあえず色々なことをしようとする。
壁にドアや窓がないか、壁をくまなくさわったりノックをしたり、床も探りまくった。
「何もないなぁ…殴ったりしてみる?」
SFでは、こういう状況だと大体宇宙人に攫われて人体実験するものだ。
現実ではそんなことなど起こらないだろうが、これから何が起こるのかわからない。とりあえず脱出することだけを考える。
とりあえず壁という壁と床という床を殴ってみる。しかし、さすがに殴り続けるのは拳が痛くなる。
しかもクゥ、と小さくお腹が泣く。
「お腹…すいたなぁ」

Re: All fantasy ( No.6 )
日時: 2021/06/20 13:38
名前: ミニミニ (ID: SG2pzqrf)

樹はどうしようと思いながら布団に寝転ぶ
「このままじゃだめだしなぁ…」
チカっと何かが光るのを樹は見逃さなかった。
光った場所に目を向ける。一見何も見えないが、よく見てみると黒い点が見えた。
「まさか…監視カメラ?」
ずっとこの白い部屋に閉じ込められている自分を見ているかもしれないなんて冗談じゃない。
早くここから脱出しなければ。
「でも何もないよぉ…」
突如何もないところから水の入ったコップが現れた。
「え?え?」
樹驚きながらもコップを手に持ってみる。
一見普通の水だ。変な匂いもしない。ほんの少しだけ飲んでみても何も変化はない。
「まあ丁度喉乾いていたしいっか。」


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