ダーク・ファンタジー小説

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庭園の主
日時: 2021/05/01 17:23
名前: 望女 (ID: Ryt8vfyf)

私、レイアジーラ ナイングは、宮廷の庭園の主人をしている。
いきなりで全く申し訳ないけれど、今から始まるのは、私のささやかな仕事の物語だ。

《ご挨拶》こんにちは。あるいははじめまして。
望女です。のぞめと読みます。
読んでいただきありがとうございます!
あなたが楽しんで読めるよう、頑張りま
す。
舞台:とある王国の宮廷の庭園
主人公:レイアジーラ ナイング
名目上は庭の世話係の侍女だが、庭の管
理全般を行っている

「レター、周りをしっかり見張っているのよ」
あの方は確か王の妃の一人だったはず…。あ、カリシア様か。そんな彼女がどうして侍女のレターだけ連れて庭園へ?植物の観賞が趣味とは聞いていない。
私はそっと木の陰に隠れた。
カリシア様は、えらくこそこそと歩く。
…絶対ろくなことじゃない。
私は息をひそめた。

Re: 庭園の主 ( No.1 )
日時: 2021/05/02 18:37
名前: 望女 (ID: Ryt8vfyf)

カリシア様は周りを見回しつつ大木のそばによって行く。そして、しゃがみこんで何かを埋めた。
そして、スッと立ち上がるととんでもない早歩きで宮のほうに戻っていった。レターもそれについ
て行った。
…足はや。
いや、そうじゃなく。
私も警戒しつつ大木の下にかがみこんだ。
「…これ…は…?」
手袋をはめて土を掘り返すと、出てきたのは、何かの袋。王妃が使うにしてはぼろ布だ。
中には何かが入っているようだ。匂いは…何だろう、鉄臭い…?
もし危ない物だと困るので、広い、しかし人目に付きづらい場所に移動する。
紐をほどきそっと開けた。
血…!の、付いた、髪飾りだ。血はほぼ乾いている。小ぶりで普段使いのものだろう。動くと揺れる飾りが付いている。
何かのメッセージに使うのか、あるいは呪いか…、もしくは隠さなければならないのか…。
何もかも分からないままだが、誰かが探りを入れに来る可能性もあるので、もう一度埋め直し、もとの状態に見えるよう土をいじって、誰か来ればわかるよう細工をした。

Re: 庭園の主 ( No.2 )
日時: 2021/05/02 21:21
名前: 望女 (ID: Ryt8vfyf)

それから一週間程は特に何もなかった。城の外から潜り込んだ少年が美人の侍女にキラキラした目を向けているのを注意したり、あずまやを修理したりしたくらいだ。
「…おっと」
人影が見えた。あれ…は…、カリシア様じゃないか。レターはいない。やっときたか。と思ったら、このあいだ髪飾りを埋めたところに立って、そこから小声で歌を歌いながら壁に沿って歩きだした。
………こんな昼間に何してらっしゃるんだ?いや、まあ理屈を言えば昼の方が警備は緩いが。
この歌は…彼女の生まれた地方の古い歌だろう。少し方言がまざっている。
彼女の生まれた地方は山の方で、都にはもう残っていない風習やまじない…が、残って、いたはず…!
なるほど。了解。大体筋道は通った。何らかの目的があって、まじないをしようとしているのか。
とは言え、裏付けは必要だし、名目上一介の侍女がいきなり王妃に話しかけるわけにもいかない。
カリシア様は歌い終えた地点に今度は何かを埋めた後、その上から印を描き、去っていった。
…足はやいよな。


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