ダーク・ファンタジー小説

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僕と君の物語?いいや、これは僕だけの物語
日時: 2022/08/08 22:41
名前: Ouna (ID: ADRuIPKx)

突然だが、人間は素晴らしい生き物なのだろうか。今の世界では人間が一番の力を得ている。が、この宇宙は広い。もし、私たちの全く知らない星から生き物が攻めてきて、地球を占領されたら?私たちが生きることさえ許されなかったら?そんなことを世界各国が恐れた。だから僕を生み出した。・・・否、生み出してしまったんだ。そんな彼らは禁忌を犯した。その結末がこれだ。
これは、愚かな人間と、世界を守るために造られた少年の物語

Re: 僕と君の物語?いいや、これは僕だけの物語 ( No.1 )
日時: 2022/08/09 17:24
名前: Ouna (ID: ADRuIPKx)

  ・・・生まれたとき、一番最初に得るものはなんなのだろうか。
そんな誰もが知っているであろう疑問を、少年は考えていた。
一般的には、病院の白い風景や親の顔、泣き叫ぶ自分の声だと答えるだろう。・・・一般的には。極わずかに、そういった類ではないものを答える人もいる。特別な環境にいる人たちのことだ。
   自分はそういった類に入るのだろうか・・。
少なくとも少年は、愛されていた。決して虐待されてたわけでも、孤児院に居たわけでもない。なら、何が少年をそんな疑問に至るような思考にしたのか・・・それは、少年が生まれた・・否、造られた理由が一番だろう。彼は誰かから生まれてきたわけではなかった。人類を守るため、地球の生命を絶たないように造られた、お人形。
愛されてたではなく、望まれてた。人類の希望にすがらないものは居ないだろう。ショーケースから出てすぐに、自分の置かれている状況の把握、世の中での出来事。それをこなした少年に、期待するのは当然だろう。と、彼らは言う。今この状況こそが、とても危険だと言うことにも気づかずに、少年は自分の疑問の答えを、ずっと、ずっと、探していた。

Re: 僕と君の物語?いいや、これは僕だけの物語 ( No.2 )
日時: 2022/08/13 09:56
名前: Ouna (ID: ADRuIPKx)

少年には知性があった。それと、膨大な量の知識もあった。それも、造られたときからすでに。ただ、一つだけ誤算があった。少年は感情を持って造られてしまった。喜・怒・哀・楽。
無感情に敵を殺してほしかった制作者にとっては、唯一とも言える欠点だったはずだろう。
しかし、制作者は少年に感情があることを知らない。少年は天才だった。制作者に悟らせないことぐらい簡単なことだった。そうとは知らない制作者は、今日も今日とて少年に命令を下すのだった。

・・・今日も僕は、自分の使命のために、武器を振るう。制作者は、今の僕が全力であると信じて疑わない・・・信じざるを得ないのか?まぁいずれにせよ、彼らが僕の本当の力に築くことは絶対にないだろう。例えば、この敵。
「ごうぁごううぁうごぁごごぁごうごうごうぁごううぁうごごごうぁごうごううぁごごごうううう」
はなからみれば、何を言っているのか分からないが、此奴らはちゃんと意味があってこの言葉を発している。例えば今の言葉は、
「いやだ、やめてくれ」
となる。まあ、彼らは気づかないだろう。まあ、僕には何の影響もないのでいいんだが。そもそも彼らは、僕が監視されていることに気づいていることを知っているのだろうか。
「死ね」
どんな言葉を発しようが、僕には関係ない。ただひたすらに、敵を殺すだけ
「ごごごうぁごごぁううごううぁううごううぁううごうう・・・・」
返り血が着いてしまった・・新しいのをもらわないと
―ジ-ジジ-
『お疲れだった。次の依頼に行けるか』
聞こえてくるのは、僕を造った代表者の声
『構いませんが、新しい服をもらえますか。汚れました』
『手配しておこう。東出口に車を手配している。その中で着替えなさい』
『ありがとうございます』
そう答えて、僕は無線を切る。
「お腹がすいたな」
確か、東出口に行くまでに、屋台が何店か出ていたはずだ。そこで何か買っていこうー
そう思考を巡らせながら、東出口に向かって、歩いて行った。

Re: 僕と君の物語?いいや、これは僕だけの物語 ( No.3 )
日時: 2022/08/13 13:15
名前: Ouna (ID: ADRuIPKx)

僕の行動は、常に記録として残っている。勿論文字だけではなく、動画としても、だ。
昔、なぜそんなに監視をしているのか、聞いたことがある。
『人類最後の希望の生活記録を残しておけば、後生の役に立つ』
僕が監視されていることに気づいていることに驚いたのか、少し声が上ずっていた。
昔は何の役にも立たないと思っていたけど、今なら分かる。あの記録は、とても役に立つ物だ、と。

_______________

誰が、人類最後の希望は1体だと言ったのだろうか。
『お前の他にも成功例ができた。今日からはそいつも仕事を受け持つ。頭に入れておけ』
突然そう言われたときはとても驚いた。だけど、同時に納得もした。僕だけが地道に依頼を受理していっても、埒があかない。早く他の成功例ができないか気になってはいたから、できてよかったと思う。・・・それでも僕の、僕たちの仕事に変わりは無いのだけれど。

一度だけでいいから、もう一体の成功例に会ってみたいと思った。特に話すことはないけれど、それでも好奇心という物はなかなか抑えられない物。彼らには内緒で、こっそり任務場所に行ってみた。
「だれ?」
そこには、白髪の少女がいた
「君が、もう一人の成功例?」
「そうだよ。そのことを知ってるってことは、あなたが第一号?」
「うん。・・・そうか、君が・・・」
「なに?」
不思議そうに、首を曲げながらいう、’成功例’
「いや、何でも無いよ。それだけ。・・もう行くね」
次の任務は、ここを少し言ったところにあったはずだ。早く行かないと、怪しまれる
「わかった。またね」
またね、か・・・もう二度と、会うことは無いと思うけどね・・・
口には出さずに心の中で、そうつぶやいた。


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