ダーク・ファンタジー小説

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マリオネット
日時: 2022/12/24 11:47
名前: @いなりちゃん (ID: 8kWkLzD1)
プロフ: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=13290

これは孤児院で暮らす少女の物語。

街の闇。

少女の秘密。

全てが、解き明かされていくーー

****
低浮上な作者ですが、首を長くしてお待ちください。
語彙力無な所は申し訳ないですが、
最後まで、よろしくお願いします。

****
【目次】/table of contents

第1話 >>01
第2話 >>02
第3話 >>03
第4話 >>04
第5話 >>05
第6話 >>06
第7話 >>07
第8話 >>08
第9話 >>09

Re: マリオネット ( No.5 )
日時: 2022/11/19 10:44
名前: @いなりちゃん (ID: 8kWkLzD1)

第5話『外へ』

「さあ、いくわよー!!!」

私はリリコ。今日で13歳!!
今日は誕生日。

そしてついに、願いが叶う———

「いってらっしゃああい!!!」
リンが2階の窓から身を乗り出して手を振っている。

「いってきまーす」手を振り返すと、ブウウーーンと音がした。

「送迎の車が来たわよ。」
茶色の車が目の前で止まり、マーマードさんがドアを開けてくれた。

「さあ、いってらっしゃい。十分に楽しんでくるのよ。」

「マーマードさんは一緒に行かないんですか?」

「ええ。私は…ここのみんなのお世話があるからね。さあ、乗って。すんごいところに連れて行ってくれるわ〜。」

すんごいところ!?どこだろう…。

「楽しんで来てね。じゃあ、いってらっしゃい、リリコ、気をつけてね。」

バタンと音が鳴り、ドアが閉められる。

「行ってきまーーーす!!!」

マーマードさんに手を振ると、車は“すんごいところ”を目指して走り出した——

この時、リリコはまだ知らなかった。
今から向かう場所が自分にどんな影響をもたらすのか……

【つづく】

Re: マリオネット ( No.6 )
日時: 2022/11/23 16:45
名前: @いなりちゃん (ID: 8kWkLzD1)

第6話『涙』

車はスルスルと森の中の小道を走りだす。
孤児院が小さく、小さくなっていく。

森の中は静かで川や木でいっぱい。

“すんごいところ”ってどんな場所なんだろう。
とっても大きい街とか…??

うずうずしながら窓の外を見ていると、
薄暗い小道でブウウンと静かに車が止まった。

あれ?こんなところで止まっちゃったけど…
どうしたのかな。

「あ…あの、車止まっちゃいましたけど…?」

私が尋ねると、運転手さんは不思議な顔をして言った。

「うん?院長に言われた場所はここだよ。さあ、降りて。」

「え…」

運転手さんにうながされ、慌てて車から降りると、
目の前には、草木に囲まれた赤黒い屋根の大きな家がポツンと立っていた。

“すんごいところ”ってここ——?

周りを見渡しても豪邸以外には草と木だけ。
ええと…。マーマードさん、場所まちがえちゃったのかなぁ。
一回孤児院に戻って…。

焦って振り向くと、さっきまで乗っていた茶色い車は、
ブウウン…と小さく音を立ててUターンし、そのまま行ってしまった。

「ちょ、ちょっと待って!!」

急いで追いかけようとしたら、小石につまずいて転んでしまった。

「ぅぅ…」

地面について擦りむいた手や足が痛い。
なんで?…車はなんで、私を置いて行っちゃったんだろう…。

マーマードさんは最初から、ここに私を置いていくつもりで…??
そ、そんなこと、な…いよね…。

ポロリと涙が流れる。
私、これからどうすれば——

【つづく】

Re: マリオネット ( No.7 )
日時: 2022/11/23 16:42
名前: @いなりちゃん (ID: 8kWkLzD1)

第7話『誘拐」

「そんなところで何してるの。」

背後から透き通った綺麗な声がして、慌てて起き上がると
そこには、自分より少し背が高い少女が立っていた。

「勝手に外に出たらいけないの、忘れたの?」

少女は困った顔をして私の顔を覗く。
この人、誰だろう。

「あ、あなたは…」

「? どうしちゃったの、イバラ。…記憶喪失?」

イバラ?
私を誰かと勘違いしているのかな。

「あの、私…」

「ちょっと疲れちゃったのかしら。…さあ、早く中へ入りなさい。風邪引くわよ。」

肩を掴まれる。

「いや、あの、ちょっと…」
イバラじゃなくてリリコなんですけど!!

問答無用で少女は私を赤黒い屋根の大きな家まで連れていく。

(ここ、この人の家なの!?)

少女は、私を大きな家の中に連れ込み、ドアを閉じた。

「今日は軽くお掃除するだけでいいから、ね。」
少女はそう言った後、奥の広間へ行ってしまった。


「は…?」

【つづく】

Re: マリオネット ( No.8 )
日時: 2022/11/23 16:58
名前: @いなりちゃん (ID: 8kWkLzD1)

第8話『SOS』

謎の少女に“イバラ”さんと勘違いされてしまった私は、今——

とても大きな家の中にいます!!!

床にはフカフカのカーペット、天井にはシャンデリア。

「家具も素敵!!」

わあああ〜

…じゃなくて!!
ついつい見惚れてしまったけれど、それどころじゃない!!

こんなところにいたらダメだ!!
やっぱり、どうやってでも、孤児院に戻らないと!!
まず、ここから出ないと!

振り返って、ドアを開けようと、ドアノブを握る。

「…。」

あれ?
…開かない!!
引いてもおしてもドアが開かない!!

「あっ…!」
よく見ると、内側にも鍵穴が…!?

鍵の持ち主以外、出ることも出来ないんだ!!

「ああ…」

完全に閉じ込められた…。
ここから出られない!!どうしよう…。

誰か、助けて——

【つづく】

Re: マリオネット ( No.9 )
日時: 2022/12/24 11:46
名前: @いなりちゃん (ID: 8kWkLzD1)

第9話

「掃除、して。」

黒髪の女の子が目の前で言った。

「え…。」

この人、私と似てる。
目の色、髪の色は違うけど明らかに顔が一緒…。

「あ、は、はい…。」

小さく返事をすると、私のそっくりは奥の廊下へ行ってしまった。

はっ!ここから出ないといけないんだった。
このドアを開ける鍵を持ってそうなのは…。

さっきの綺麗な女の人だ!!
さっきの人も向こうの廊下へ行っちゃったよね。

じゃあ、追いかけないと!!

私は小走りで廊下の奥へ——

すると突然、誰かに腕を掴まれてしまった。
そしてそのままブンと横に振り回されると、頬をバチンと勢いよく叩かれた。

「痛っ…。」
腕を放されて、振り落とされ、勢いよく尻餅をついた。

頬はみるみる赤くなって、涙が出てくる。

誰…?こんな酷いことするの…。
見上げると、眉を寄せて怒っている様子の人物が。

「何やってるんだ!?廊下は走るな。忘れたのか!?決まりは守れ!!絶対だ!!」

怒鳴られて、足でガンと体を蹴られる。
「痛い…。」

わたしをひたすらにボコボコにした人は、そのままどこかへいてしまった。

「酷い…。」
いきなり引っ張られて叩かれて、蹴られて…。
ここは、ほんとに、なんなの!?

つづく




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