ダーク・ファンタジー小説

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もしも猪に襲われたら【ゲームブック】[作り方:巻末付録]
日時: 2023/12/03 21:35
名前: オコボ ◆TVCSPRoRFE (ID: GDWSGe53)

 どうも、季節きせつ晩秋ばんしゅうに至り場所によっては紅葉こうようもちらほらと見受けられるころでしょうか。
 近頃ちかごろくま頻繁ひんぱん出没しゅつぼつするとしきりにNewsなどで報道ほうどうしていますが、いのししはどうなんでしょう。
 これは、もしもいのししおそわれたら、というシチュエーションで書きました。
 書かれる内容はフィクションで実際起こったことではありません。
 
 なお、一部いちぶゲームブック形式けいしきで様々な可能性パターンんでみました。
 選択肢を交えることにより、緊迫感が演出できると思いました。
 
 
 この小説しょうせつは読み方が特殊とくしゅです。↓のガイドリンクをたどって読み進めてください。
 
 
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 大会出場を辞退いたします。どうぞよろしくお願いいたします。
 
   更新履歴
 2023.11.11 22:00:00 最終頁up時閲覧数70

目が見えていないという前提(ぜんてい)で前方へ向かって猪(い ( No.1 )
日時: 2023/11/08 21:07
名前: オコボ ◆TVCSPRoRFE (ID: GDWSGe53)

 飛び越すにはタイミングが遅すぎた。
 距離きょりが近すぎて、十分な飛距離ひきょりを得るだけのめの時間を作れなかったのだ。
 中途半端ちゅうとはんぱに空中に飛び上がったせいで、足へ牙をひっかけながら前進するいのしし作用さようで、私は不意ふい前転ぜんてんする形となり、そのまま、も取れずにいのししの上へたおれ込みつつアスファルトの地面じめんひたい上部をぶつけた。
 
 そのまま、意識いしきうしなった。
 
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一か八か車体を倒して右足で地面をけりながら曲がる ( No.2 )
日時: 2023/11/08 21:06
名前: オコボ ◆TVCSPRoRFE (ID: GDWSGe53)

 右足で地面を蹴ろうとしたが、自転車の速度のほうが圧倒的に早く、足がもつれて地面を滑るように横倒しになって、カーブ外側の左手の茂みに突っ込んでしまった。
 
 
 夏服の為むき出しの腕がきずだらけになる、右腕で地面に手をついたせいでひどくすりむいた。おそらく酷い状態であろうが、確認しているひまはない。
 右に倒れた際に体のほうが地面との抵抗が強いため支点となり、追跡者に頭を向ける形で倒れ込んだ。
 右足を自転車の下に挟まった形で直ちに動けない。
 左後ろに首をめぐらせ振り返る。
 
 
 果たして追跡者の正体はいのししであった。
 
 
 
 いのししは地面を数回前足でるしぐさをした後、私へ一直線に向かって来た。
 
「ヒィィィィィン」
 
 非常にマズイ。自転車に右足を挟まれ、猪に頭を向けた状態で倒れているのだ。
 私は猪がその硬い鼻でかちあげることを予測しあえて右腕全体を地面に付けて肘を突き出し抱えるように頭を守ることにした。
 
 突っ込んできた勢いで牙でかちあげようとするが、私が伏せたため手前で停止し、なおも鼻で頭をこずきまわした。
 やがて、あまり効果が無いと思ったのか突き出した腕にかみついた。
 左腕で猪の頭をつかみ、仰向けになって左足をバッタのように踏ん張り右足を引きぬきつつひねるように全力で背中で猪を押し込んだ。
 しかし、猪は重心が低くスルッと猪の上へ座るような形になった。
 猪はそれを嫌がり、私の右側へ踏み出した。
 私は、猪へ向き直り猪の後ろへ回り込む。
 猪はそれを素早く察して、彼から見た前方、川があるカーブの外側へ距離を取るように向かい、ガードレールに沿って小さく回って、急に反転しこちらへ振り向き、また威嚇で地面を掻き始めた。やはり、野生動物だけあって行動が行き当たりばったりだ。
 
 噛まれた右腕の痛みがマズイ感じだ。
 骨折したとき、独特の臭いを感じるのだが私だけだろうか。カルシウムが血中に溶けだして影響しているのだろうか。まったく根拠こんきょはないが、骨折しているのかもしれない。
 
 私は猪の右側に回り込むように後退しながら、ゆっくりスリ足でカーブ内側の草むらと木々の覆われた斜面の後ろへ移動してゆく。目線を読まれないよう目を細める。
 
 猪は威嚇いかくを続ける。
 
 
 
 やがて、斜面の向こうに猪が隠れて見えない位置まで後退した。地面には真っ赤な血の跡が点々と続いている。
 
 猪はこちらが見える位置まで前進して鳴き始めた。
 
「ブコ、ヒィィ、ブ」
 
 威嚇を再開する猪。
 
 
 自動車が都合よく通ってくれないものかと思いながら、なおもゆっくり後退を続ける。
 
 
「フガ、フガ」
 
 猪は、奇妙な足踏みをしたかと思うと、猪から見て左側、私から見て右の斜面に歩き出した。
 側溝を軽く飛び越えて藪の中に入った。
 
 ガサガサ
 
 音は私の右側へ回り込むように、すごいスピードで斜面を登って行くが、やがて高さに沿って移動し始めた。
 
 なお、後ろは100mほど後方の右斜面側にプレハブがある。何に使っているかはわからないが居住用ではないだろう。
 左は30〜40mで川に出る。
 
 私は猪が音を出している個所を前方に捉えつつカニ歩きをしながら、プレハブへ向かう。
 
 やがてプレハブを通り過ぎ、猪のはっきりとした気配は感じなくなったが。しばらくく後退を続けた。
 プレハブから20m後ろの道路の左側に犬を飼っている家がある。
 その犬が激しく吠え始めた。
 
 私はその家に助けを求めることにした。
 さすがに血まみれの高校生を見れば、電話くらい貸してもらえるのではないか。
 そんなことを思いつつインターホンを押すのだった。
 
 
<完>
 
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[あとがき]>>3
 
 

あとがき ( No.3 )
日時: 2023/11/11 21:30
名前: オコボ ◆TVCSPRoRFE (ID: GDWSGe53)

 拙作を最後までお読みくださり、どうもありがとうございました。
 なお、拙作は言うまでもなくフィクションです。実際猪がああいった行動に出て、ああいった結果となるかはすべて想像です。
 猪の大きさは40kg位の小型を想定して書いてます。
 
 一部実体験を含みます。
 後ろも振り返らずに逃げたので猪かどうかわかりませんが、野犬ですかね。
 草むらから出ずに自転車に追いついてきたのですが、アスファルトを嫌ったのでしょうか。
 舗装路面を嫌うのは野生動物にありがちな気がするので、やはり猪? うーむ、無難に野犬で
 草むらに隠れて完全に見えませんでした。
 人間が追いかけて来ていたのだとしたらホラーですね。
 ちなみに停車している自動車などは一切見かけませんでした。
 周りには墓が多かったので、実は幽霊だったのかもしれません。

Encount ( No.4 )
日時: 2023/11/08 21:08
名前: オコボ ◆TVCSPRoRFE (ID: GDWSGe53)

 夏服の為むき出しの腕がきずだらけになる、左腕で木との衝突を避けたのですりむいた。
 左足を自転車の下に挟まった形で直ちに動けない。
 背の低い木の枝葉で道路側とを隔ててしまっている。ちょうど嵌りこんだようになったらしい。
 
 
 果たして追跡者の正体は猪であった。
 
 
 
 いのししは地面を数回前足でるしぐさをした後、私へ一直線に向かって来た。
「ヒィィィィィン」
 避けようとするが足を牙で浅く切り裂かれ、やぶれたズボンが牙に絡まり、私の足はいいように振り回された。振り回すうち何度も牙で足を切り裂かれる。
「フガ、フガ」
 いのししの牙がズボンからはなれた。
 こしを抜かしながら上半身全体で地面を掻いて自転車から左足を引きぬく。おそらく服は土まみれだろう。
 いのししは牙でかちあげるようにかちあげながら迫る。
「プゴ」
 ギャロップで前進しながら二度空を切るが、体の上に乗ってあごをかちあげようと牙を突き出した。首をひねってかわすが左目の上を浅く切りかれた。
 何度も牙であごをかちあげようとするが上手くいかずやがて、服にかみついて顔を左右に激しく振り始めた。
 体の上であはれる度腹にひづめが食い込み非常ひじょう苦痛くつうを感じた。
 みるみるやぶけていく上着。
 手ごたえが無くなると今度は、首をひねって顔にかみついた。
 顔の丸みのおかげで、顔の皮膚ひふをややけずるだけにとどまった。
「ゴ、フゴ」
 私はとっさにいのししの顔を右手でなぐりつけたがかたく、また仰向あおむけであるためこしが入らずまったく大した打撃だげきになっていなかった。
 
 私は……
 
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 [体をひねっていのししを振り落とそうとした]へ Next>>13
 [両足を踏ん張ってこしを入れてなぐりつけた]へ Next>>10
 
 


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