二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- とある魔術と科学の二重奏
- 日時: 2010/11/09 21:10
- 名前: 泉 海斗 (ID: B240tmf4)
- こんばんは、泉海斗です。 
 これはとある魔術と科学の十字路の外伝的な作品です。舞台は学園都市で、おもに科学側の話を書いていきたいと思います。闇の書と光の書によって生まれた歪みが関係してくる話になると思います。
 いろいろありますが、最後までお付き合いしてくれれば嬉しいです。
 たくさんの閲覧・コメント待ってます。
 明日の朝から投稿開始しますのでお楽しみに??
 では!!
- Re: とある魔術と科学の二重奏 ( No.26 )
- 日時: 2010/11/28 09:03
- 名前: 泉 海斗 (ID: B240tmf4)
- 「春上さんたちが・・・誘拐された??」 
 コクリと頷く佐天。
 今しがた警備員からの通報があり、風紀委員にも協力要請が来ていた。
 「何であの子達がまた・・・」
 「お姉さま・・・」
 悔しがる美琴を気遣う白井。
 第177学区支部には重苦しい雰囲気が立ち込めていた。
 初春の検索すぴ^度も落ち、なかなか見つからないことに少しづつ焦りが募る。
 誘拐された上条の娘たちと子供たち。
 彼らを利用して一体何をしようとしているのだろうか。
 「厄介な展開になってきたな。これは一刻を争うぞ」
 「ええ、いまだあのものたちの足取りが取れないというのもヤバイというしかありませんの」
 爪をかみながら悔しがる白井。
 ほかの支部との連携も、いまだ有力な情報は入っていない。
 「あいつらとは連絡取れてないのか??美琴」
 「何回かかけてるんだけど二人とも電源切ってるみたいで・・・」
 携帯を見つめながら言う美琴。
 京介と愛かは上層部とのつながりが一番強いために色々聞きだせると思っていたのだが、こうなってしまえばどうにもならない。
 こちらでできることをやっていくしかない。
 すると初春の携帯に電話がかかってきた。
 電話先は。
 「木山先生!?」
 え??という驚きの声が上がった。
 電話に出ると確かに相手は木山春生だった。
 今は無しが死体ということでどこかで落ち合えないかというのだ。
 すぐに近くの喫茶店を指定し、電話を切る。
 「木山先生が何かを掴んだそうです、それを教えたいとどこかで落ち合えないかということでしたので、近くの喫茶店を指定しました」
 「分かりましたわ、行きましょうですわ」
 舞い込んできた情報に喰らいつくがごとく、喫茶店に直行した。
- Re: とある魔術と科学の二重奏 ( No.27 )
- 日時: 2010/11/29 01:11
- 名前: 泉 海斗 (ID: B240tmf4)
- ドガアアァァァァンという耳を劈くような爆音。 
 いきなり病院内に大きな音が響く。
 ぐっすり眠っていた一方通行だが、さすがに反射を使っていないためか、音によって目が覚めてしまった。
 「タク誰ですカァ??俺様の安眠を邪魔するヤツワァ」
 ゆっくりと起き上がる一方通行の目に映ったのは真っ赤に燃えた病院だった。
 ———一体何が起きている??
 真っ先に思ったのだそれだ。
 そしてすぐに思い出す。
 「クソガキ!!」
 バッと立ち上がり、杖を取り出して、おぼつかない足取りで病室へと向かう。
 芳川の姿がなかったことから、席をはずしていたのだろう。
 いたならきっと一方通行を起こしていただろうから。
 燃え盛る炎の熱なんぞ、彼女を失う痛みに比べたらへでもなかった。
 反射は最後までとって起きたかった。
 またバッテリー切れで危険な目にあわせるわけには行かない。
 「マッテロ・・・今行くゼェ・・・」
 カツンカツンと杖を床を叩く音が、燃え盛る炎の轟音をかき消すかのように響いていた。
- Re: とある魔術と科学の二重奏 ( No.28 )
- 日時: 2010/11/30 07:33
- 名前: 泉 海斗 (ID: B240tmf4)
- 一台の大型バイクが学園都市をものすごいスピードで走っている。 
 黒いコートを着込んだ少年と私服姿の少女。
 「これからどこに行こうとしてるの??」
 「まずは直接上のやつに聞いてみるしかないだろ」
 「上ってまさか・・・」
 「アレイスター・クロウリー・・・、あいつ以外にいるか??」
 やはりかと嘆息する愛華。
 「でもどうやってあの入り口のない建物に入るのよ。瞬間移動とか使える人いないんじゃできないでしょ」
 すっと右手を見せる。
 それだけで彼が何をしようとしているのかが分かった。
 「京介・・・あなた・・・」
 使用としていることがどれだけ危険なことか、彼女は知っていた。
 しかし止めても彼はやるだろう。
 どれほど己が傷つこうとも、それが自分の罪滅ぼしになるから。
 彼の手にはもうけしてとれることのない人の血がべっとりとこびりついている。
 それを知っている愛華。
 「死なないよね・・・」
 心配するのは幼馴染だから??
 ———ううん、もっと特別なもの。
 「当たり前だろ??俺が今まで死んだことがあったか??」
 それは知っているが、いつも付きまとう不安はどうしてもなくなってくれない。
 もしかしたらというものがあるのだから、心配になるのは当たり前である。
 ぎゅっと腕を回している腰を強く抱く。
 ヘルメットをしているから分からないが、腕越しに彼の体温が感じられる。
 あのときから長い時間がたったが、それに比例するように大きくなっていった背中。
 ———大きいな・・・。
 「これは俺が招いた結果だ・・・。おれ自身が何かをしなきゃ何も始まらないし、解決もしない」
 「そうだね」
 ただそれだけを言い、再び周りの景色を見る。
 どこも似たようなビルが立ち並び、空は蒼く、太陽がまぶしかった。
 バイクの大きなエンジン音がやや耳障りだが、それでもこれからの不安がそんなことを気にさせなかった。
 不安を和らげようと、再び彼の背中に顔をうずめた。
- Re: とある魔術と科学の二重奏 ( No.29 )
- 日時: 2010/12/01 06:16
- 名前: 泉 海斗 (ID: B240tmf4)
- 「誰だ??誰ダァ??誰ですカァ!!」 
 打ち止めを肩に担いでいる謎の人物。
 一緒にいたのだろう、冥土返しと芳川の気絶した姿があった。
 「テメエ・・・俺の知り合いに何しやがったんですカァ??」
 しかし片面しかないという奇妙な仮面をつけた人物は何も言わない。
 ただ、拳銃を一方通行に向けてきた。
 すかさずにチョーカーに触れ、スイッチを入れる。
 その瞬間に拳銃が発砲される。
 ———そんな鈍ら弾、反射で跳ね返せねえわけネエゼ。
 余裕綽々で反射を展開する一方通行。
 予定ならば反射で跳ね返るはずであった。
 「ぐあ!!」
 急に右肩に激しい焼けるような痛みを感じた。
 見るとそこには赤く染まる肩があった。
 銃傷があり、そこからどくどくと血が流れ出る。
 ———バカな!!反射を展開したはズダァ。
 まさかの展開に唖然とする一方通行。
 しかし戦いを経験している彼は顔にはそれを出さない。
 ただじっと相手を睨むだけだ。
 ぎょろぎょろと奇妙に動く仮面がついたほうの瞳。
 まるでそれだけが生きているみたいだ。
 燃え盛る炎が病院を焼き尽くす。
 スプリンクラーが作動しているがまったく消える気配がない。
 水をかぶりびしょびしょの両者。
 2人を隔てるものはなく、ただ数メートルというわずかな距離だけがあった。
 ———この距離ならあいつの首をへし折ることは簡単ダァ。
 にやりと笑う一方通行は先ほどの反射が聞かなかったことなどどこかにやってベクトル操作で一気に間合いをつめる。
 「な!?」
 先ほど立っていたところに男がいなかった。
 いたのは倒れた芳川と冥土返しのみ。
 打ち止めの姿もなかった。
 「どこにきやがったぁ!!」
 叫ぶ一方通行だが、すぐに背中に発砲を食らう。
 激しい痛みに思わずひざを折ってしまう。
 ———まただ・・・また反射がきかねぇ。
 ありえないと心の中で毒づく。
 「クソガキをはなせぇ・・・」
 しかし人物は首を振るだけで、言葉はまったく使わない。
 いい加減我慢の限界である一方通行。
 反射が効かない今、彼の武器は学園都市1の演算能力と黒い翼だけだった。
 しかしそれも通用するかは未知数。
 久しぶりに鳥肌が立つ一方通行。
 こんな戦いは久しぶりだと心の中で笑う。
 三度拳銃を構える人物に対して背中から異様な黒い物質の噴出を始める一方通行。
 それが徐々に翼を形成する。
 しかしそんな翼に対してもまったく動揺を見せない人物。
 大きく羽ばたくとそれらが無数に分裂し、男に向かってたたきとされる。
 ドガアアァァァァンっと言う大きな炸裂音が響く。
 もちろん打ち止めを避けるようにコントロールしてだが。
 激しく地面を叩く音とともに、破壊音が響き渡る。
 土煙が立ち込める。
 ただじっと相手の動きがあるかどうかを見ている一方通行。
 ガラガラと壁が崩れる音がする。
 ゆっくりとその煙がはれていく。
 そして一方通行の目が見開かれる。
 「ば・・・バカな。んなはずネェ・・・」
 煙がはれたそこにはまったく傷一つない2人がいた。
 打ち止めならまだ分かるが目の前の人物・・・おそらくは男だろうが、まったく傷がなかった。
 認めるかという気迫で次々と放つ攻撃。
 しかしいくらはなっても現れるのは無傷の男。
 ただ闇雲に病院だった建物を破壊していくだけだ。
 瓦礫を踏みつけるとベクトル操作で強化された足が粉々に砕く。
 そしてそれらを男に向かって放つ。
 ———これならやつが何をしたのかがまる見えだァ。
 しかし次に彼の目に映ったのはただ突っ立っているだけの男だった。
 つぶてたちは彼の横をただ無駄に通過していくだけだった。
 一方通行の心に広がりつつある黒いもの。
 それは・・・“恐怖”。
 自分が恐怖しているなどばかげていると自嘲する。
 しかし手が震えているのは確かだった。
 それが恐怖しているということを示しているのだとは認めたくなかったが。
 パアァンパアァンと無常にも放たれる拳銃。
 弾丸が一方通行を貫いていく。
 四肢を打たれ、立つための支えを失い、まるで操り人形が糸を切られたためのようにふらふらと倒れた。
 チョーカーの充電はまだあるが、それでも彼に勝てる気がしなかった。
 突きつけられた圧倒的な強さ。
 それよりもあれは強さなのだろうか。
 まったく見えない奇妙な力。
 「だ・・・いじょうぶ・・・ってミサカは・・・ミサカは倒れた・・・あなたをしん・・・ぱいそうに見ながら・・・言ってみる」
 霞む目に映ったのは弱弱しくも自分を見ている打ち止めだった。
 あんなになってもまだ自分のことを心配してくれる。
 ———クソガキがぁ・・・自分のこと心配しヤガレッツウの。
 悔しいが自分の今の力ではまったく歯が立たないのは明白だった。
 しかし必ず這い上がると睨みつける。
 「すまねえなぁ・・・」
 もちろん心配している打ち止めにはなった言葉だ。
 必ず助けに行くとそうこめていった言葉だった。
 「うん・・・待ってる・・・ってミサカはミサ・・・カはあなたの言葉の・・・意味を解読し・・・てみたり」
 弱弱しい笑みを見せて再び気を失う打ち止め。
 そんな打ち止めを左目がおぞましい動きをして見つめる。
 気を失う前に聞いておかなければいけないことがあった。
 「てめえ・・・名前はなんていうんダァ??」
 自分を負かしたやつに負けたままというのはどうも腹の虫が収まらないのが一方通行の性だ。
 ちらりと立ち去ろうとしていた男が一方通行を見る。
 その左目が一方通行を睨み刺す。
 あの目は闇を見てきた目だとすぐに察する。
 何かに絶望し、何かに恨みを持ち、それらを晴らそうと闇に身を投じた人間の目だった。
 そして冷たい声で一言言う。
 「コンダクター・・・」
 それを聞いて一方通行の意識は途切れた。
- Re: とある魔術と科学の二重奏 ( No.30 )
- 日時: 2010/12/05 00:07
- 名前: 泉 海斗 (ID: B240tmf4)
- 長いこと投稿していませんでした。 
 すいません!!
 これからはこちらを中心に執筆していきますので、よろしくお願いします。
 コメント・閲覧待ってます!!
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 第6章 若き風紀委員総括理事長・レベル5(超能力者)炎帝(フレイム・エンペラー)斉藤(さいとう)焔(ほむら)
 前夜に事件があった第7学区のとある病院へと来ていた風紀委員総括理事長の斉藤焔。
 彼は全風紀委員の上に立つリーダーである。
 そんな彼を見るとすぐに挨拶してくる他の風紀委員たち。
 彼がここに来たのは何より異常なまでの破壊行動、そして学園都市最強の一方通行(アクセラレータ)がぼろぼろの状態で発見されたと聞いたからだった。
 ———これまた厄介な敵が現れたようだな・・・。
 ハァっとため息をつく。
 「あら、理事長さんも来ていらしたのですの??」
 ん??と声のほうを向くとそこににはツインテールの少女が腰に手を当てて立っていた。
 常盤台中出身であり、レベル4。
 そしてここ第7学区の風紀委員でもある白井黒子だった。
 「白井君はここの管轄だったね。なにか見つかったかい??僕は今さっき来たばかりだからね」
 「残念ながらまだ何も見つかってませんわ。あの第1位が負けたくらいの力の持ち主だから、理事長さんがわざわざ出向いたというわけですの??」
 「まあ、そうなるね」
 斉藤焔の実力はバンクにも登録されていない。
 一体どうやって理事長まで上り詰めたのか、初春に頼んで調べたときはまったく見当がつかなかった。
 今でもそうである。
 人畜無害な顔をしていながら、それとは裏腹の実力を持つかもしれない。
 いつもスーツの上着を羽織った状態でいる焔。
 ルックスもいいためか、時折人気ランキングにも載っているのだ。
 彼はすでに能力開発を終えた二十歳に近い年齢である。
 大学にも行かずに就職先は風紀委員総括理事。
 そんな焔のプロフィールを思い返しながら病院の廃墟へと入っていく。
 火事によって壁全体が真っ黒にすす汚れていた。
 スプリンクラーの作動による水で水溜りもいくつかできている。
 病室には運が良かったのか逃げ遅れた人はいなかったらしく、死人はいなかった。
 「ここですわね・・・」
 白井が今いるところは最も破損が激しい一室と近くの廊下だった。
 「ここであの学園都市最強が・・・??」
 白井が立っているここで、あの一方通行が気を失った状態で発見されたのだった。
 運よく警備員が駆けつけるのが早かったことと、そこの火の回りが遅かったことが重なって大事には至らなかったのだ。
 病室内にはなにかが入っていたのか、培養気があった。
 それを見て思い出されるは自分がお姉さまと慕っている御坂美琴のことだ。
 彼女は幼い頃DNAチップを提供したことで2万人近くのクローンを作り出してしまった。
 それを利用したレベル6開発計画。
 それが何とか収縮に至ったのはいいが、彼女が大きな傷を負ったことは間違いなかったのだ。
 あの時それに気がつけなかった自分。
 最も近くにいたはずだと今でも思う。
 しかしそれでも彼女は強く生きようとしている。
 そんな彼女の妹たちも自分の人生を歩もうとしていることはかつてその事件について告白されたときに聞かされた。
 「今は過去の話しにとらわれている時間はありませんわね」
 頬を叩いて気合を入れる。
 耳についた無線で第177支部にいる初春との連絡を取る。
 「初春聞こえますの??」
 『はい、白井さん。聞こえてますよ??』
 風紀委員としての戦いは始まった。
 白井と別れた後、焔は一人病院内を回っていた。
 向こうではなにやら白井が始めたような気配がした。
 すぐにテレポートしたようだが、それは今回こちらとしては都合が良かった。
 ———彼女たちを巻き込むわけには行かないな・・・。
 “犯人は必ずもう一度犯行現場に来る”
 そのように相場は決まっていると、焔は思っていた。
 案の定、不審な男があたりをうろついていたために、あとを付けてきていたのだ。
 その男はゆっくりと白井がいた病室へと入っていく。
 一体そこに何があるというのだろうか。
 火事でほとんどが焼けてしまったために、使えるものなど皆無に近いはずだった。
 ガチャガチャとなにやら漁っているようだ。
 隠れながら、そっと中を見てみる。
 ———なんだあいつ・・・。気味悪い仮面つけてやがるな・・・。
 片面だけにつけられた不気味な仮面。
 そして左目がそれだけで生きているかのようにギョロギョロとせわしなく動いていた。
 そしてそれがひとしきり動くとぎろりと焔のほうを向いたのだ。
 まるで見透かしているかのようにじっと見ていた。
 ———なんだ??逃げられないようにがんじがらめにされたみたいだ・・・。
 金縛りにでもあったかのように動けないくなった焔。
 ゆっくりとこちらに向き直る男。
 その手に握られているのは一枚の小さなチップ。
 そして片方の手には音楽で使う指揮棒だった。
 もうバレバレだと思った焔。
 ようやく動くようになった体を動かし、正面に出る。
 俺はこういうものだ。
 懐から出したのは、手帳のようなものでそこに書かれているのは・・・。
 “風紀委員総括理事長兼現五帝部会理事長代理・・・斉藤焔”
 「あなたがここで起こしたってことはもう分かってるんですよ。だからおとなしく投降してくれませんかね??」
 しかしそういう焔に向かって棒を突きつけるとなにやら効きなれない詠唱を言う。
 ———なにかが来る!?
 経験から来る直感によって察知した焔は思わず横へと飛んで回避する。
 すると大きな音とともに先ほどいたところに壁が粉々になった。
 キーンと鼓膜が揺れる。
 それほど大きな音が鳴ったのだと感じる。
 ———あれは一体??
 立ち上がりながらその男に向き合う。
 「あなたの名前を教えてくれませんか??」
 ゆっくりと再び棒を向けながら男は言う。
 「コンダクター・・・」
 再び悪寒が焔を襲う・・・。
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