二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 学園アリス —記憶の在処—
- 日時: 2010/11/24 17:20
- 名前: 時計屋 (ID: klLmhm9D)
- はじめまして。 
 時計屋と言う者です。
 学園アリスの小説をちょこちょこ読んでいて、書きたくなりました。
 よろしくお願いします。
 オリキャラ
 木錠李麻(きじょうりお)
 年齢 11歳
 性格 人見知り
 アリス 言霊のアリス
 備考 五歳の時、親にZに売られ、それ以来レオの元で育つ。人間自体が好きでなく、近しい人としか関わらない。レオと蜜柑と彼方に懐いている。
 
 彼方(かなた)
 年齢 12歳
 性格 冷静沈着
 アリス 創造のアリス
 備考 生まれて直ぐ捨てられ、ボスに拾われる。
 その為、似たような境遇の李麻と共にいる。レオのことは、好きではないが信頼している。
 国元日下(くにもとくさか)
 年齢 15歳
 性格 お気楽
 アリス 光のアリス
 備考 李麻・彼方・蜜柑の兄役であり、リーダー。面倒見もよく信頼されている。
 (その他色々増えるかもしれません。)
 それでは、スタートです。
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- Re: 学園アリス —記憶の在処— ( No.53 )
- 日時: 2010/12/14 22:15
- 名前: あやのん ◆u4eXEPqmlc (ID: 3s//keBI)
- やっぱ思い出すのか! 
- Re: 学園アリス —記憶の在処— ( No.54 )
- 日時: 2010/12/14 22:31
- 名前: あやのん ◆u4eXEPqmlc (ID: 3s//keBI)
- え〜っと1話から読み返せるように! 
 プロローグ>>1 番外編>>48>>49
 第一話 >>4
 第二話 >>7 キャラ説明
 第三話 >>9 >>11
 第四話 >>14
 第五話 >>15
 第六話 >>16
 第七話 >>23
 第八話 >>29
 第九話 >>31
 第十話 >>34
 第十一話 >>36
 第十二話 >>39
 第十三話 >>42
 第十四話 >>45
 第十五話 >>52
- Re: 学園アリス —記憶の在処— ( No.55 )
- 日時: 2010/12/15 18:31
- 名前: 時計屋 (ID: klLmhm9D)
 第十六話 —追憶の記憶—
 全ての事に意味があるとすれば 私達が出会った意味はなんですか・・・・・・
 「嫌!!!嫌だよ!!!!棗!!棗!!!!」
 棗に駆け寄ろうとする零那を日下が抑え、李麻に預ける。大粒の涙を流し棗の名を呼び続ける零那を李麻は抱きしめるしかできない。落ち着かせようと背中をさするも効果はなく、苦しそうに零那は泣き続けた。
 零那の声が合図になったかのように、固まっていた蛍達が棗に駆け寄る。その顔は青白く、刺された場所から流れ出る血は傷の大きさを物語っていた。
 「棗!!棗!!!!!」
 流架が必死に棗を起こそうと声を荒上げ体を揺するが、棗の反応は返ってこず荒い息づかいだけが棗の生存を唯一教えてくれている。
 「流架、ナルを呼んできて。影癒しのアリスストーン持ってるでしょ。出しなさい。」
 矢次に飛ばされる蛍の指示で、流架は鳴海を探しに行き翼は任務用であるアリスストーンを首に掛けてあるネックレスから取りだし、棗の傷に近づける。
 その間に彼方は、錯乱状態に陥っている零那を落ち着かせている李麻の所に向かおうと踵を返した時、蛍がバカン砲を突きつけた。
 「動かないで。今流架がナルを呼びに行ったわ。ナル達が来るまで、ここにいなさい。」
 「無理。李麻!!零那を連れて一旦逃げろ!!!」
 振り返ることなく、彼方は李麻に命令する。蛍が彼方に攻撃するのが李麻の目に入った。
 「でも・・・・・。」
 「命令だ!!!速くしろ!!!!」
 彼方は蛍の攻撃が李麻達に流れないよう注意し受け流しながら、李麻に強い口調で命令した。
 「やら・・・せるかよ。」
 治療中の棗が李麻に向けてはなった炎を彼方がアリスで作った剣の風圧で押し返す。
 戸惑っていた李麻も、零那の状況から離れた方が懸命だと判断し、入れられていたテレポートのアリスで予定地点まで飛ぶ。
 「・・・・・・気をつけて・・・・・・ね。」
 消える間際、小さなけれど彼方に聞こえるように心配する言葉を残し、李麻は零那と共に消えていった。
 「もうこれ以上あんたらの勝手にはさせない。」
 残された彼方は悔しそうに零那達か消えていった場所を見つめる棗に剣先を向け、不敵に笑った。
 予め撤退する時の集合場所に李麻は玲奈を連れて、飛んできた。辺りには人の気配は疎か動物の気配すらもなく、安堵したように李麻は息を吐いた。
 抱きしめている零那は未だ棗が刺されたショックから抜け出せず、体が震えている。
 これは零那ではなく『蜜柑』が震えているのだろう。目の前で恋人が現在の仲間に刺されるショックを、李麻は知らない。零那は否定していたが、やはり『蜜柑』としての記憶が何処かに残っていたのだろう。玲生や彼方は平気だと言っていてもここは、アリス学園は『蜜柑』が育ち、大切な人と出会った場所。幾らレイズの暗示でも『蜜柑』の記憶は消せない。李麻はそう思っていた。だから、悲しかった。暗示のせいで戦う事を余儀なくされた『蜜柑』とそれを知っていて何も出来ない自分が。
 「・・・・彼方・・・・・・大丈夫・・・・かな・・・・・・・・。」
 『蜜柑』の大切な人達と戦って居るであろう自身の大切な人を李麻は想った。手負いの棗と訓練を受けていない蛍。工作員である翼もいるが、日下が付いている。経験と実力は彼方にも劣らない彼が居るのであれば、万が一にも負けはしないだろう。勝敗の心配をしているのではなく、李麻が心配しているのは彼方の心の方だった。
 普段きつい口調の彼方はその実力も重なり、組織内でも浮いている存在だった。しかし自分の事を犠牲にして李麻を守ったり、仲間達を気遣ったりと見た目のまま冷たい少年ではない。けれど、それを表にあまり出さない為、彼方の本来の人格を知る者は李麻達とボスぐらいしか居ない。
 李麻は思う。彼方が一番この作戦に心を痛めているのではないかと。零那と李麻をとても大切に想う彼方だからこそ、『蜜柑』と棗達が戦う状況を作らせまいとしたために敢えて棗を刺し、李麻に玲奈を連れ撤退させたのではないかと。もしそうならば、彼方は無理をしてでも李麻達の方に棗達を来させない。きっと、自分が死ぬ事になっても・・・・・。
 「・・・・彼方・・・・・・・・・・。」
 李麻の瞳から涙が一筋流れる。
 彼方が李麻を大切に想うのと同じように、李麻も彼方に傷ついて欲しくはない。そう思っているのに現実は李麻の為に彼方が傷つき戦うばかりで、自分は足枷になっているのではないかと思うようになってきていた。伝えれば、そんな事無い と彼方は言うだろう。しかし、李麻にとって彼方が自分のために自分を庇う言葉を言うのが何より悲しいものだった。
 「・・・・李・・・・・・麻・・・・・・・。」
 いつの間にか零那のふるえは消え、李麻を見上げていた。声に未だ力がないが、それでも先程よりはましになっている。
 「泣いてるよ・・・・・。李麻・・・・・。」
 「・・・・平・・・・気・・・・・。」
 李麻の頬に零那は手を当て流れる涙を拭う。
 心配させまいと必死に笑う李麻を、零那は優しく撫で今までと逆に李麻を零那が抱きしめた。安心させるように撫でる手を止めない零那に、李麻はしがみつく。涙はそれ以上流れはしなかったが、気持ちが楽になるのを感じた李麻は、零那の肩から顔を離し ありがとう と呟く。それに、笑顔を返して零那は辺りを見回し、状況を把握し始める。
 「ここって、撤退する時の集合場所ね。」
 「・・・・・彼方が・・・・・ここに行け・・・・・・って・・・・・・・。」
 「また、私混乱してたんだ・・・・・・・。」
 李麻が事情を話す間、零那は悲しそうに微笑んでいた。
 「零那、李麻。他はどうした?」
 背後から聞こえた玲生の声に李麻と零那はゆっくりと振り向く。
 「まだ・・・・戦っています・・・・。」
 「そうか。」
 玲生は彼方達の状況を確認すると徐に銃を取りだし、銃口を零那に向けた。
 「え・・・・・。」
 「悪いな。記憶が戻ったなら処分しろってボスの命令だ。」
 冷静な玲生の声に零那の思考が止まる。
 「記憶って・・・・どうゆう・・・・・。」
 「気付いてるだろ?ここに来てから何度も本当の名前を呼ばれていたんだから。」
 「蜜柑・・・・・・・。」
 「それがお前の本当の名前だよ。今まで教えたのは全て嘘だ。」
 「そん・・・・・な・・・・・・。」
 信じていたものが崩れ落ちる音がし、走馬燈のようにこれまでの思い出が駆けめぐる。全てが色褪せていき、代わりに『蜜柑』の記憶が鮮明に甦り懐かしさと喪失感が込み上げる。
 「俺が本当の事を話せば、それが鍵になり全て思い出す。そうレイズに仕掛けて貰った。これで、実験終了だ。後は・・・・・」
 零那は玲生の言葉を理解した。
 仕組まれた記憶、創られた誓い。全ては、『彼』が創った御伽噺。
 「お前を始末するだけだ。」
 玲生は躊躇うことなく零那_蜜柑に向けた銃の引き金を引いた。
 つづく
 あやのんさん。ありがとうございます。
 
- Re: 学園アリス —記憶の在処— ( No.56 )
- 日時: 2010/12/15 19:28
- 名前: あやのん ◆u4eXEPqmlc (ID: g1CGXsHm)
- 蜜柑〜!!!! 
- Re: 学園アリス —記憶の在処— ( No.57 )
- 日時: 2010/12/16 20:44
- 名前: 時計屋 (ID: klLmhm9D)
- こんばんは。 
 え〜と・・・・続きを書こうと思ったのですが、今回は李麻・彼方出会いの番外編を書こうと思います。
 以前書いた『幼き日の出会い』の李麻バージョンです。
 番外編 幼き日の出会い —神様 想いの名を教えてください—
 初めて彼に会った日、私の世界に色が付いたの。
 「ごめんなさいね。」
 大して悪びれる様子もなくただ義務のように謝る彼女の顔には、確かな安堵感があった。それを感じ、やっぱり自分は要らない人間だと再認識する。
 母に売られると知っても、私には悲しみや淋しさなど無かった。逆にもう傷つけなくて良いんだと、嬉しさの方が大きかったかもしれない。
 私がアリスだと判明した時、大半の人は賞賛の言葉をくれたが彼女だけは異物を見る目を私に向けた。それは日に日に顕著になり、彼女の精神が壊れるまで時間は掛からなかった。ある日私という存在に耐えきれなくなった彼女が、刃物を片手に襲いかかってきた。狂乱したように叫き散らしながら刃物を振り回す彼女は私がベランダまで逃げると心底嬉しそうに笑った。
 「やっと!!!やっとあの悪魔を消せる!!!私の人生をめちゃくちゃにして!!!あの人の愛情を独り占めにして!!!!」
 あぁこの人は、こんなにも優しく笑えるんだ・・・・・・・。
 「あなたなんか・・・・・・」
 そうか・・・・・私は・・・・・
 「あなたなんか生まれなければ良かったのよ!!!!!!!」
 存在してはいけなかったんだ・・・・・・・・。
 「・・・・・お母・・・・・・さん・・・・・・」
 彼女が振り上げた凶器が光に反射してするのを見て、刺されるんだと他人事のように思えた。
 刺される寸前、頬が濡れた気がした・・・・。
 「アリスの暴走ですね。」
 「そうか。ありがとう。」
 『彼』に引き取られ、Zに入った私を待っていたのは玲生という人物だった。私の資料を黒服の人物から受け取った玲生は通路を進み、廊下の一角にある部屋のドアを開ける。
 「なんなの。」
 「悪いな。」
 中にいたのは同じ位の少年。玲生に促されるまま彼の前へと進み出た。人に会う事がなかった私は、怯えながらも彼を見上げる。見下ろす彼は、何故か不機嫌そうに顔を歪めた。
 「何この子?まさかあんたついに幼児趣味に走・・・・」
 「んな訳ないだろ!!!!!」
 「冗談。本気にしないでよ。それで?俺が呼ばれた理由は?」
 「この子の世話をお前に任せる。」
 玲生の命令で更に不機嫌になりながらも、彼の言霊は優しい。
 「・・・俺彼方。あんたは?」
 「・・・・木城・・・・李麻・・・・。」
 「そ。まっよろしく。」
 言霊に気を取られていたため、反応が一瞬遅れてしまったが、彼方は気にしなかったようだ。
 余計な事を言わないように黙る私を顕現しそうな目で見る。
 やっぱり・・・・・ここもなのかな・・・・・。
 一週間も経つと、任務にもZにも慣れてきた。喋らないのは今まで道理だが、不自由はしていない。彼方とも一応意思の疎通は上手くいっているだろう。アリスの事も玲生が話しておいてくれたので、やり過ごすのは簡単だった。
 彼方は必要以上に踏み込んで来ないし、拒絶の意思を見せれば言及を諦めてくれる。それは嬉しかったが、同時に悲しくもあった。出来る事なら、全てを話したいと思う。彼方なら全てを受け入れてくれると思ったから。けれど、それは弱さに他ならない。受け入れる受け入れないの話ではなく、話してしまえば少なからず私の重荷を背負わせてしまう。そんな事は決して有ってはならない。それに、もし話してしまい受け入れられず、拒絶され離れて行かれるのはきっと私が耐えられない。
 この気持ちがどんな名前なのか私は知らなかった。
 『李麻、彼方。会議室まで来てくれ。』
 玲生の声に不安が込み上げる。
 神様 この想いの名を教えてください。
 つづく
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