二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 学園アリス —記憶の在処—
- 日時: 2010/11/24 17:20
- 名前: 時計屋 (ID: klLmhm9D)
- はじめまして。 
 時計屋と言う者です。
 学園アリスの小説をちょこちょこ読んでいて、書きたくなりました。
 よろしくお願いします。
 オリキャラ
 木錠李麻(きじょうりお)
 年齢 11歳
 性格 人見知り
 アリス 言霊のアリス
 備考 五歳の時、親にZに売られ、それ以来レオの元で育つ。人間自体が好きでなく、近しい人としか関わらない。レオと蜜柑と彼方に懐いている。
 
 彼方(かなた)
 年齢 12歳
 性格 冷静沈着
 アリス 創造のアリス
 備考 生まれて直ぐ捨てられ、ボスに拾われる。
 その為、似たような境遇の李麻と共にいる。レオのことは、好きではないが信頼している。
 国元日下(くにもとくさか)
 年齢 15歳
 性格 お気楽
 アリス 光のアリス
 備考 李麻・彼方・蜜柑の兄役であり、リーダー。面倒見もよく信頼されている。
 (その他色々増えるかもしれません。)
 それでは、スタートです。
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- Re: 学園アリス —記憶の在処— ( No.33 )
- 日時: 2010/12/06 12:06
- 名前: シオン (ID: .FzNm/TH)
- すいません・・・ 
 見に来るとか書いといてコメントしなくて・・・
 急展開でおもしろっかたです!
- Re: 学園アリス —記憶の在処— ( No.34 )
- 日時: 2010/12/06 20:32
- 名前: 時計屋 (ID: klLmhm9D)
- あやのんさん、展開急すぎませんか? 
 思ったように書けなくて・・・・少しずつ修正していこうかなぁ・・・・あぁぁぁぁ。
 ごめんなさい。愚痴っぽいですよね。
 何はともかく頑張ります。これからも、読んでいてください。
 シオンさん
 お久しぶりです。
 色々頑張って居るんですが、只今悪戦苦闘中です。
 長い目で見て頂けたら幸いです。
 第十話 —兆し—
 そこは白い世界だった。
 あの部屋と同じ色で同じ雰囲気。違うのはあの部屋のように物がなく、殺風景な空間が何処までも広がっている事だけ。
 零那はその空間を走っていた。
 ここが何処で何なのかは分からない。現実か夢なのかすら曖昧な感覚で理解できていない。
 けれど、走らなければいけない事は知っていた。探さなければならないことは分かっていた。自身がなくしたモノを。無くしたと思っているモノを。探し出さなければいけないと、焦りに似た感情が零那の心に広がる。
 『蜜柑』
 誰かが叫んだ気がした。名前を呼ばれた気がした。呼ばれた名前に心当たりはない。しかし、懐かしさが込み上げてくるのを零那は止められなかった。
 『蜜柑』
 その声に、その名に、叫ばずには居られない衝動に駆られ、声を出そうとするが音が出ない。
 自分は此処にいるのに・・・・。
 『零那』
 今までと違う声が聞こえた。
 『零那』
 その名は知っている。それは自分の名前で、大切な大好きな仲間達が呼んでくれる名前。
 ふと、体が浮き上がる。呼ばれる声の方向に自然と体が向かい温かい光に包まれ、意識が戻っていった。
 「・・・な・・・・いな・・・・れ・・・いな。」
 零那はぼんやりと自分の名前が呼ばれているが分かった。
 「零那!!!!」
 「わっ!!」
 何かで叩かれた衝撃で、零那は体を起こす。見ると彼方が何故かハリセンを片手に仁王立ちしている。
 「零那・・・平気・・・?」
 「たく・・・何やってんのさ。」
 心配している李麻の隣で彼方は持っているハリセンを零那に突きつけた。状況を飲み込めていない零那は、交互に顔を見て曖昧に微笑む。すると、彼方のハリセンが零那の頭にヒットした。
 「惚けるな。今の状況分かってないでしょ。」
 「え・・・・うん・・・」
 「何処まで覚えてる。」
 聞かれた零那は思い出そうと記憶を辿った。
 「えっと・・・学園に来て、彼方が初日早々馬鹿やるからその後始末をしたら彼方を怒鳴って・・・・。」
 「それから?」
 「その後は・・・・あれ?」
 「あれじゃねぇよ。」
 すぱーんと音が響いた。叩かれた零那は涙目になり、叩かれた場所を手で覆いながら彼方を睨む。
 「痛いわ彼方。私が何したのよ。」
 「倒れたんだよ。」
 「は?」
 「聞こえなかった?倒れたんだよ馬鹿零那。」
 呆れた声と睨むような目付きは、日下を馬鹿にしているのと酷似しているが少し違った。そこには、心配する時の彼方の表情が見えた。
 「倒れたの・・・・私が?」
 「そうだよ。何回言わすの?俺を怒鳴った後、鳴海が来たでしょ。あの後倒れたんだよ。」
 「そう・・・。」
 「大変だったんだからね。李麻は泣き出すし、鳴海はあんた運んだ後何処かに消えたし。あんたは全然目が覚めないまま夜になっちゃうし。」
 李麻は彼方に同感するように頷く。目を赤く腫らして頷く李麻に、零那は罪悪感を感じた。
 「ごめんなさい。心配掛けて。」
 「俺より李麻に謝って。」
 「うん。ごめんね李麻。」
 「ううん・・・・零那が・・・悪い訳じゃ・・・ないから。」
 目を腫らすほど心配を掛けた零那に、李麻は気にしないでと首を振った。零那はありがとうと李麻に聞こえるぐらいに呟くと、李麻を抱きしめた。
 「で、零那。何か夢でも見てた?」
 彼方が不機嫌そうに零那に聞く。
 「夢・・・?分からないわ・・・・。」
 「何言ってんの?」
 「夢なのか分からないの・・・。ただ・・・呼ばれているのよ。誰だか分からないけど・・・懐かしい声で聞いた事もない名前を。」
 「・・・・名前?」
 「えぇ・・・『蜜柑』って。」
 首をかしげる李麻に躊躇いながらも夢の中の名前を口にする。その名前を聞くと、李麻は驚き彼方は何かを考え始めた。
 「どうしたの?何か知ってるの?」
 零那が二人に問いかけても、彼方は答えず李麻は悲しそうに俯くばかりだった。
 零那達が転校してきた夜、棗は流架と蛍を自室に呼んだ。
 「進展があったのね。」
 棗が招集を掛けた理由に思い当たるのか、蛍は開口一番に棗に詰め寄った。
 「蜜柑が・・・見つかった・・・。」
 予想以上の情報に蛍と流架は目を見開き顔を見合わせてから、再び棗に目を戻す。
 「蜜柑が見つかったって・・・どこよ!!!」
 「・・・・・。」
 「棗君!!!」
 「棗・・・・?」
 流架は黙ったままの棗を不審に思い様子を探るように見る。
 「蜜柑は・・・Zに居た・・・。記憶を消され、自分は毛利零那だと名乗ってた。」
 「・・・・え・・・・」
 流石の蛍も棗が言っている事に思考が付いていかないのか、動きが止まる。
 「記憶を消されてってどういう・・・・」
 「詳しくは分からない・・・。」
 「どうして!!!あなた逢ったんでしょ?何で分からないのよ!!!」
 「今井、棗だって辛いんだ!!!」
 「そんな事知ってるわ!!でも、あの子がいないの!!いつも一緒にいたあの子がいないのよ!!!」
 今までため込んできたのが破裂したように、蛍は泣きながら大声を張り上げた。落ち着かせようと流架が抱きしめるが、泣きじゃくる蛍を止められない。
 「蜜柑は・・・俺が見つけ出す・・・。」
 棗の辛そうな声に流架と蛍は、ただ黙るしかなかった。
 つづく
 やっと書けました。最初の零那の精神状態っぽい所は書きたかった内容の一つです。あと、蛍が泣きじゃくる所もですね。普段強がっている分泣いて欲しいという自分の願望です。
- Re: 学園アリス —記憶の在処— ( No.35 )
- 日時: 2010/12/06 21:09
- 名前: あやのん ◆u4eXEPqmlc (ID: 3s//keBI)
- 更新がんばれ〜 
- Re: 学園アリス —記憶の在処— ( No.36 )
- 日時: 2010/12/07 20:52
- 名前: 時計屋 (ID: klLmhm9D)
 第十一話 —疑い—
 よく晴れた朝。三人は通学路である街路樹の中を校舎へ向かい歩いていた。
 玲奈が倒れた次の日には彼方も李麻も何事もなかったかのように零那に接していた。
 あの時二人が見せた表情の事を零那は気に掛かっていたが、聞き出せないまま二人は与えられた自室に戻ってしまった。釈然としないモノはあったが、零那自身全てを包み隠さず二人に話しているとは言えず、二人が隠している何かについては言及しない事に決め、その日は眠りに就いた。
 「零那・・・・平気・・・・?」
 朝顔を合わせた時李麻はいつも以上に零那のことを気に掛けた。初めて零那に会った時以来、常に零那の心配をし気を回していた李麻が、ここ数日の間に二度も倒れる零那を見て、しかもその原因となっている学園に潜入している零那と彼方を心配しないわけがない。
 李麻は普段全くと言っていいほど、気持ちを表に出さず、言葉を使わない。それは自分のアリスも関係するが、しかしだからといって心配しないわけではない。寧ろ相手の気持ちや考えが本人よりも正確に分かってしまうため、仲間である彼方や零那のことを人一倍気にした居るのだ。
 「平気よ。大丈夫、ありがとう李麻。」
 「なら・・・いいよ・・・・。」
 大丈夫と言っても李麻は納得しない。強がっている事を知っているから。しかし、それでも『大丈夫』と言う零那にそれ以上追及しては来ない。零那にとってそれは有難かったが、少なからず傷つけてしまう事に罪悪感が増してくる。
 「二人とも何してんの。遅刻したら零那のせいだからね。」
 「ごめんなさい、今行くわ。李麻行きましょう。」
 先を歩く彼方が遅い二人に振り向き、不満を漏らしながらも門の前で待っている。その優しさに嬉しくなりつつも、憎まれ口を叩く彼方に苦笑しながら李麻の手を引く。
 「でも、一緒に話していた李麻はお咎めなしなの?」
 「そうゆう分けじゃないよ。けど、俺が見た限りじゃ零那の話を李麻が聞かされていた風にしか見えなかったからね。」
 「あらら、見抜かれちゃってたわけね。そう言えばあなたって李麻を叱った事無いでしょ?」
 「無い訳ないじゃん。」
 「本当に?」
 「俺だって過保護って訳じゃないからね。李麻が危険な真似したら怒るよ。」
 過保護でしょ と言う零那の言葉は、彼方の鋭い睨みによって飲み込まれた。
 中等部校舎の二階に位置しているA組の教室に着いた零那達は廊下まで響く室内の声に呆れながらも教室の扉を開けた。すると、騒がしさから一変教室内は静けさと、異様な雰囲気が漂う。生徒全員が初日とは違い明らかに警戒した目で三人を見つめる。零那が目を向ければ逸らし何食わぬ顔で席に着く。ただ、棗だけが彼方を鋭い目付きで睨んでいた。
 「は〜い。授業を始めますよ〜。」
 相変わらずの空気を読まない鳴海の声ですっかり緊迫した空気が一気に緩む。
 「零那ちゃん達も速く座ってね。」
 促されるまま窓際を選び三人は並んで座る。
 「はいは〜い。今日は親睦も含めドッヂボールを行いたいと思います。」
 鳴海の提案にそこかしこからヤジが飛ぶ。それを、アリスを使い沈めた鳴海は、満面の笑みを生徒達に向けた。
 「それじゃあ、校庭に集合してね。あっと、零那ちゃん達。」
 鳴海は大人しく移動しようとした三人を呼び止め、屈んだ。声を落とし三人にしか聞こえないよう注意をはかる。
 「何企んでるか知らないけど、好き勝手しないでね。」
 驚いたように見つめる零那に、笑顔を崩さない鳴海は立ち上がり三人を見下ろした。
 「僕の大事な生徒。怪我させたら幾ら君たちでも許さないよ。」
 「許さないならどうするの?」
 負けじと張り合う零那に、う〜と考える仕草を見せてから鳴海はぽんと手を打つ。
 「君たちをアリスでメロメロにしてから、洗いざらい吐いて貰うことにしようか。」
 「それは怖いわね。でも残念でした。企んでますって素直に言う子はいないわよ。」
 「いや・・・居るよ・・・。」
 「えっ・・・・・。」
 「とっても素直で真っ直ぐな子が・・・。一人居たんだ。」
 辛そうに言う鳴海は、直ぐいつものように笑顔に戻った。
 「だからね。危ない事はなしだよ。」
 そうウィンクを付けて、鳴海はいい逃げした。
 「何だったの?」
 零那の問いに彼方は、肩を上げる仕草で答えた。
 「一応釘は刺したつもりだよ。」
 鳴海は教室を出るや否や棗達に捕まり、校庭までの道のりを歩いている。
 「あいつら何者だ。」
 「それは分からないけど、少なくとも味方ではないね。」
 「Zの奴らなのかな?」
 「口ぶりからすると可能性はあるわね。けど・・・。」
 「こんなことする意図が分からない。」
 鳴海の言葉に蛍は頷く。
 「可能性的には情報収集かしら?」
 「スパイってこと?」
 「飽くまで可能性よ。Zの奴らならやりそうじゃない?でも、何にせよ危害を及ぼすなら手加減はしないわ。」
 不敵に笑う蛍を流架と鳴海は、Zよりも恐ろしさを感じた。
 「スパイね・・・・あの子頭は悪くないようね。」
 「バレた。」
 「薄々と言った所ね。はっきりと確信は持てないって感じよ。」
 棗達の後ろ姿を零那はくすくす笑いながら眺める。
 「っかし、今回は超聴覚かよ・・・一体アリスストーン何個持ってんの?」
 「今回は特別よ。不測の事態に備えて・・ね。」
 彼方はため息を吐き、零那から棗達へと視線を移した。
 「あいつらにバレたってこと、玲生には伝えた?」
 「とっくに。彼方が馬鹿した時から疑われていたのは分かってたから、夜の内にしといたわ。」
 「で、あの人は何て?」
 「『任務継続。状況により決行日を早める。』だって。何かあれば連絡あるはずよ。」
 零那はにっこりと笑った。
 「楽しそうだね。」
 「えぇ、嬉しいわ。学園に報復できる日がやっと来るんですもの。」
 「あっそ。」
 彼方は棗達から目を離し、李麻の手を握りしめ、安心できるように微笑んだ。
 つづく
- Re: 学園アリス —記憶の在処— ( No.37 )
- 日時: 2010/12/08 18:33
- 名前: あやのん ◆u4eXEPqmlc (ID: 3s//keBI)
- おお〜 
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