二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- BLEACH 〜幻の十四番隊隊長〜
- 日時: 2010/11/25 23:10
- 名前: ゆっさー (ID: Nh/fscfw)
- ハイ!どうもこんにちは、こんばんは、ゆっさーと申します! 
 え〜…今回は大好きなBLEACHの二次創作をさせてもらいます。
 よろしくおねがいしまっす!^^!
- BLEACH 〜幻の十四番隊隊長〜 ( No.11 )
- 日時: 2010/11/29 02:28
- 名前: ゆっさー (ID: Nh/fscfw)
 目の前が真っ白になった。
 最初に腰のあたりに鈍い衝撃が来て、漫画みたいに吹っ飛ばされて、左半身から地面に激突。
 左腕がボキリと鳴って、頭を打って、一瞬痛いと感じたら、後はなにも感じなくなった。
 スローモーションのようだった。
 最期に、おれを跳ねた自動車が目前にあって、ガキがたたずんでいた。
 おれをあざ笑うかのように口元をひきつらせていた。
 すると、そのガキの影が薄くなって、代わりに白い仮面の黒い化けものが現われた。
 ああ、こいつが俗に言う死神ってやつかな…なんて、意識の足らない頭でふと思って。
 それから全てが無になった…———。
 『まだだ』
 「え…?」
 おれは、自分の声で目が覚めた。
 っていうか…おれ、生きてるのか?ちゃんと、まだ、この世界に居るのか…?
 身体が鉄の塊のように重い。指先一本も動かせられない。というか、動かそうと思っても、身体に巡る神経がそうさせない。
 おれは仕方なく、辺りを見回した。首すらも回せなかったので、目に映る視界だけをたよりに、状況だけでも確認しようとした。
 ここは、どこだ?
 おれは確かにあの車に跳ねられた。感覚も記憶も、ちゃんと覚えている。
 しかし、目を覚ましたところが…ここか?
 普通、生きていられることができたにしても、病院にいるはずじゃないか。
 しかし、ここ—…少なくともおれの視界にはこの場所が病院であると認識できるものは何一つなかった。
 それよりも、古ぼけた壁紙とアンティークな骨董品がごちゃごちゃと並べられたこの空間は、物置小屋さながらである。
 ひとまずおれは寝かされていて、毛布やらをかけてもらっていることだけはわかっていたので、微妙に安心はしたが。
 「どこなんだよここ…いったいおれはどうなって…」
 「あら、目を覚ましたの」
 「ああ、だけどここはいったい何処——って!!うわああああ」
 突如、おれの自由の利かない視覚に入って来たのは、少女だった。それも、金髪の長い髪を垂らしたフランス人形のような。
 「失礼ね。あ、だめよ安静にしてなくちゃ。まだ完全には治ってないの。この子の力でもね…」
 少女はおれの上半身をそっと起こし、おれの身体が見れるようにしてくれた。予想していたよりも不思議と痛みもなく、すんなりと身体を曲げることが出来た。
 そしておれの下半身を自然と見遣る。
 すると鉄の塊と思っていたものは、あの巴心太で、おれの太ももらへんを枕代わりにすやすやと眠っていた。
 もっと状況がつかめない。
 「なんで巴が…ってか、君だれ?ここどこなんだ?」
 起こしてもらったことで視界が広くなったが、それでもここがどういった場所なのかは把握できなかった。
 少女はおれの横にちょこんと座って、たんたんと話し始めた。
 「あなたは交通事故に遭ったの。幸い、トモエがその場に居たから助かったのよ。この子に感謝するのね。ここはトモエの家の一部よ。住んでるの」
- BLEACH 〜幻の十四番隊隊長〜 ( No.12 )
- 日時: 2010/11/29 02:29
- 名前: ゆっさー (ID: Nh/fscfw)
 必要最低限、かつ重要なことは省いたような言い方だった。少女のツンとした雰囲気は、こちら側にいっさい質問をさせないと思わせるものだ。
 でも、そういうわけにはいかないだろ。
 「こいつには感謝するよ、一応…。でも、どういうことだ?助けたって、どうやって?なんで病院じゃねえの?肝心なことは聞いてない…」
 「あなたには関係ないもの。…いえ、関係しちゃいけないって言う方が正しいかしら?とにかく、あなたは生きてるの。その結果だけ呑み込んであとは聞かないことね。問うことは、時に自分の立場を危うくするものよ」
 この少女はいったい何者だ?この達者な話し方も、凛とする声音も、容姿に合わない。
 まるで年上の女性と会話しているようだった。
 だが、本当に口を割らないと決め込んでいるのは確かであり、それは変えられないだろう。
 幼いが、美しいと思う、その整った顔にある唇は頑固そうに閉じられている。
 おれはすんなり諦めた。
 諦めちゃいけないんだろうけど、他にどうすることもできなかったし。
 とりあえずこいつらはおれをどうこうするつもりもないらしい。
 おれの目の前でぐーすかと眠っている巴の、のんきな寝顔を見ていて少し安心した、っていうのも原因かもしれない。
 「わかったよ。今は、聞かない。あんたから聞けないんなら、こいつから聞き出す。それでいいよな」
 「なっ……」
 「さあ、おれも無事生きてたことだし、もうひと眠りしようかなー。あ、今何時だっけ?ってか、夕方くらいには起こしてくれよ。親がうるさいから。じゃーおやすみ!」
 「ちょっと!あなた……」
 少女が何か言いたそうな顔をしていたが、おれは知らんふりを決め込んで、そのままもとの位置にもどって毛布をかぶった。
 さっきから高圧的に一方的な話をすすめていたあの少女へのささやかな仕返しだ。
 そして、おれはなぜだかこんな意味不明の状況でこんなに冷静…というか、普通な考えごとをしている。
 自分がおかしいというのは百も承知だ。
 きっと、頭を打った瞬間に何個かネジが吹っ飛んだか、緩まったんだろう。
 それでもいいか…また、起きたらいろいろ考えよう。
 今は…とてつもなく眠い。
 おやすみ。
 おれは本日二度目の意識を離した。
 「ツクモ。あの子生意気よ。わたし好きじゃないわ」
 「はははは!なんだそのふくれっ面…大福みたいだな」
 「わ、笑ってないで聞いてちょうだい」
 「聞いてるさ。…つまり、おまえ好みなんだろ?幽花」
 「何言ってるの?ばかじゃないの?ああ、それとも耳が遠くなったのかしら。あなた人間で言えばおじいさんですものね」
 「まあまあ、冗談じゃねぇか。…ってかじいさんて、結構ひでえ事言うなぁ……オレ、地味にヘコむんだけど」
 「本当のことでしょう」
 「おまえがあの人間がモロタイプなのも事実だろ?」
 「まだ言いますか!」
 「おー、おー、そんなおっかない顔で怒るなよ、恐いなぁ」
 「コホン。…もういいわ、とりあえず、あの人間にはまだ何も話してない。これからの選択はあなたに任せるわ。ツクモ」
 「はいはい、りょーかい」
 「ほんとに……。あなたは、変わったわ」
 「過去は捨てたんだ」
 「もうその言葉は何回も聞いたわよ。……変わることは、良いことだわ。でも、変わったからこそ失うものもある」
 「わーってるよ。……だから変わった」
 「失うために?」
 「……まあ、手放したくなかったもんは、少なくなかったけどなぁ」
 「……」
 「でも、いいんだよ。オレみたいなやつはこうして、のんびりぐーたらのびのびと生きていければ。ただそれだけで十分だ」
 「…そう」
 「おまえがそんな顔すんな。ぜーんぶ、オレのせいだから、いいんだよ。…てか、メシにしよう!腹減った!」
 「……しょうがないわね。なにか作るわ」
 「ああ、よろしく〜。あ、それと、まだ心太は起こしてやるな。あいつも相当がんばったからな」
 「わかってるわ。じゃあ」
 「うん」
 少女は青年に背を向けると、泡沫のように消え去った。
 後に残った青年は、独り、煙草に火をつける。
 煙草ぼ紫煙がゆらゆらと寂しく空に舞った。
- BLEACH 〜幻の十四番隊隊長〜 ( No.13 )
- 日時: 2010/11/29 22:15
- 名前: ゆっさー (ID: Nh/fscfw)
- 「やあ、おはよう神凪メイカ君。僕は九十九ハジメといいます。なにとぞヨロシクね」 
 ピースを両手で作りながら満面の笑みでおれの眠りを妨げたのは、二十歳は超えているだろう青年だった。
 少女が去ってから30分も経っていないだろう。おれはこれからが睡眠の本番だってのに、無理やり起こされたのだ。
 今度は自力で上体を起こし、男と目線を合わせる。
 巴はいなくなっていて、この空間にはおれとこの男だけしかいない。とても静かだ。
 男はさきほど少女が座っていた場所—おれの布団の横で、片膝を立てながら向かい合う。
 視界がはっきりして最初に驚いたのは、その髪の色だ。
 銀色。白色。水色。…確定された色ではなく、ただいろんな色が混ざり合っているようだった。
 好奇心とその色の不思議さにおれは気付かないうちに凝視してしまい、男が「この髪、地毛なんよ」と苦笑して言うまで、目を離せなかった。
 「え…と、なんでおれの名前…」
 「あー名前ね、シンタから聞いたんよ。他にも色々。キミ自分から車道に飛び出したんだって?勇気あるねぇ〜」
 男—…九十九という奴がけらけらと笑う。
 勇気がある?いや、おれだってガキがあんな状況じゃなかったらフツウ渡んねえし。
 「ガキ…じゃなくて、男の子が。立ってたんだ。おれは助けようとして…」
 「でも、目撃してた人はみんな、キミが一人でに走って、車に当てられに行ったと見ているようやけどね」
 「え…どういうことだよ、ソレ…。おれが?自分から当てられに行く?ばからしい…」
 だっておれはちゃんと、あのガキを掴んで……—
 「それに、車道にいたのはキミだけやったみたいやね。キミの言う男の子なんて、あの場所にはいなかった」
 「な…!なんなんだよ、あんた。おれはちゃんと、この目で見たんだ!あんたは見てないんだろう?なんでそう断言できんだよ」
 「まあ、そうやねぇ〜。断言した言い方はだめやね、確かに。僕は『この目』で見てないから」
 意味深そうに笑う九十九という男は、細めた眼を指差した。
 「ねえ、ほんとにその男の子は居たかな?思い出してみなよ。キミは、ちゃんと、その男の子を、見た?」
 九十九は眼をじょじょに開いていく。おれは、なにか暗示にかけられているように、その目から視線を外せなかった。
 深い灰色の瞳が完全に現れ、おれはその瞳の奥に吸い込まれるような気さえした。
 なんかキモチワルイ。頭がぐるぐるしているような感覚…。
 「見たよ。見てなかったら…行ってない」
 口を開くのがだるくなってくる。それでも事実は言わなければと、反射的に呟いた。
 「そうか。…じゃあ、その男の子に触れられたかな?その手で、力を込めて、掴めた?」
 「おれは…掴んだ。でも…」
 「でも…?」
 「もしかしたら、違うかも、しれない…」
 あれ?おれは何を言っているんだろう。意識とは別に、唇が勝っ手に動いていく。
 「触れてはないんやね」
 「掴もうとしたけど………できな、かった…ような気が…」
 本当にどうしたんだ、おれ!意味分かんない。おれはちゃんと掴んだ。あのガキを掴んで運ぼうと…
 …した?
 「え…そんな、はず。だって、おれはちゃんとあのガキを引っ張ってって行こうと…!」
 「キミの頭な、少しコントロールされるようや。ドンマイドンマイ。他には異常はないから大丈夫や、良かったなぁ」
 九十九が再び笑い、その瞳が閉じられて、おれはようやく解放された。
 さっきのあれはなんだったんだ。まるでおれの体がだれかのものになってしまったように、自分で口を動かせなくなった。
 「ああ、ごめんなぁ。キミの頭に訊いてもしゃあないから、キミの『身体』の『五感』に聞いたんよ」
 男は、不気味なほど爽快に、またけらけらと笑った。
- Re: BLEACH 〜幻の十四番隊隊長〜 ( No.14 )
- 日時: 2010/11/29 18:58
- 名前: 風 (ID: 9hpsnfBu)
- 読んでくださったんですかぁ!? 
 有難う御座います!!
 本当ちょいじゃないよファンにとっては!!
 ジオ君最高に可愛かった^^猫にしたい!!
 ジオ「止せ………止すんだ(涙」
 僕も人生思い通りに行かないから主人公は思い通りにいかせ無いよ?
 って言うか主人公が思い通りになる人生歩める筈ないじゃんって感じですが^^
 有難う御座います!
 おぉ,何だか霊花さんが意外と可愛らしい性格で★
 身体の五感に訊くというのが何ともBLEACHらしくて良いです!!
 って言うか…鼻血が(妄想乙!
 所でゆっさー様はWJ毎週読んでる方でしょうか??
 ちょっと,気になって(汗
- Re: BLEACH 〜幻の十四番隊隊長〜 ( No.15 )
- 日時: 2010/12/21 21:55
- 名前: 夢 (ID: 5iKNjYYF)
- 初めまして,風の友人の夢と申します。 
 メイカ君の可哀想体質が素敵です^^
 まだ,殆ど読んでないので言えることが是位しかないですね(汗
 更新頑張って下さい!!
 BLEACH大好きだから……BLEACHの小説が少しでも多いと嬉しいから………
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