二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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とある魔術と科学の二重奏
日時: 2010/11/09 21:10
名前: 泉 海斗 (ID: B240tmf4)

こんばんは、泉海斗です。
これはとある魔術と科学の十字路の外伝的な作品です。舞台は学園都市で、おもに科学側の話を書いていきたいと思います。闇の書と光の書によって生まれた歪みが関係してくる話になると思います。
いろいろありますが、最後までお付き合いしてくれれば嬉しいです。
たくさんの閲覧・コメント待ってます。
明日の朝から投稿開始しますのでお楽しみに??
では!!

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Re: とある魔術と科学の二重奏 ( No.16 )
日時: 2010/11/19 06:56
名前: 泉 海斗 (ID: B240tmf4)

おはようございます、泉海斗です。
次話投稿しますので、たくさんの閲覧・コメント待ってます!!
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神々しく光り輝く腕を持つ男性を前にしてひるむアイテム。
自らの拳を止められた絹旗最愛。
窒素装甲で強化した拳が・・・否拳の周りの窒素装甲が男性の右腕に破壊されたのだ。
ならば右手以外を狙えばいいと思うが、右腕を見ただけでそれができるかどうかと迷いが生じていた。
アームを受け止められた麦野静利。
どの方向から攻撃してもかわされ、命中したはずのものはその右手で無効化された。
その神々しさに見入ってしまい勝てる気がなくなっていた。
しかし暗部組織として成功しなければ消されてしまう危険がある。
なんとしてもここで阻止しなければいけないと思っていた。
爆弾を食らってもほぼ無傷で立っている男性に驚くフレンダ。
仕掛けておいたトラップの爆発の中、的確に脱出経路を見出したその観察眼と冷静さ。
時限爆弾もすべて回避されるなど、まさかの事態に内心慌てていた。
「これは超やばいんじゃないですか??」
「なにいってんのよ絹旗。私たちが負けると思ってるの??レベル5と4がいるんだから何とかなるわよ」
「そうですね、まだ仕掛けているものがありますので。特大の花火を打ち上げてあげます」
まだ手はいくらでもあるという彼女たち。
したでは上条と美琴が見上げていた。
美琴自身上条の腕を見て、何が起きているのかわからないという心境だ。
後姿はさっきのものとはまったく別物。
一気に手の届かないところにいってしまったような気がした。
手を伸ばせば触れられるのに、それができない。
まるで触れてはいけないかのように。
「美琴・・・ここは俺に任せろ」
上条が振り返らずに言う。
美琴に自分の娘たちを任せるというのだ。
「ここに来る前に決めたよな。暗部の相手は俺がやるって。お前は最下層にいるあいつらを助けてきてほしい」
それは信じているからこそたくせることだった。
赤の他人に誰が自分の娘を任せるだろうか。
美琴だから・・・未来では自分の愛する妻だから。
そんな美琴だからお願いできることだった。
「俺は大丈夫だから」
今とまったく変わらない笑顔で、そしてけして約束は破らないというその強い意志の宿る瞳で。
美琴に語りかけていた。
「分かった!!」
そう言って背中を見せ、走り出す。
「行かせるかっての!!」
再び麦野のアームが発せられた。
しかし上条は右腕を前に突き出し。
「遮断!!」
それだけで目の前でアームが何かに阻まれ、霧散した。
一体何が起きているのか分からないアイテム。
しかし時限爆弾がゼロを刻む。
にやりと笑うフレンダとそれを見て目を見開く上条。足元に現れた人形たち。
どこからわいてきたのかと思うと同時にそれが閃光を放つ。
ドガアアァァァァァンという爆発音。
量が量なだけに、二階まで風が押し寄せる。
これならひとたまりもないだろうと思う。
そして煙が消えていく。
そしてそこに立っているのは無傷の上条だった。
「そ・・・そんな」
驚愕するフレンダ。
確かに体制を整える前に爆発したはずなのだ。
そして確実の捉えたはずだった。
しかしそんな彼はまだ無傷で立っているのだ。
「どうした??もうおしまいか??」
明らかに挑発している上条。
それに切れた麦野は怒涛のアームを発する。
しかしそれらすべて上条には届くことなく、何かに阻まれるかのように霧散する。
絹旗もまた、上条に向かって窒素装甲で強化された腕力で重いものを投げつける。
超能力がだめなら物理攻撃しかないと思った。
「幻想・現実を遮断する!!」
すると絹旗の投げたものもまた、アーム同様に霧散した。
もはや化け物を相手にしているのと同じだった。
物理も超能力もだめ。
自分たちの攻撃は通用しないと感じ取っていた。
「隙だらけだぜ!!」
いきなり現れた少年。
ライフルを片手に上条に向かって発砲する。
「ちっ!!」
舌打ちをした上条は人間離れした跳躍を見せ、二階へと上がる。
現れた少年・・・浜面はそれを追いかけるかのようにライフルを発砲する。
しかしあまりの速さに発砲したときにはすでに別の場所に移っているといういたちごっこの繰り返しだ。
いつの間にかたまが切れていて、急いで補充する。
それを見計らったかのように上条は再び右腕を突き出す。
「幻想は現実に。現実は幻想に。あるものはなく。なきものはある」
ブシュアアァッァァっと上条の右腕をどす黒い何かが覆っていく。
さらに後ろ・・・さらに背中からも黒い何かが噴出している。
空間もねじれていた。
そして瞳には血が走ったかのように真っ赤に染まったものとなっていた。
からだは何やら漆黒に染まりつつあり、もはやその姿は人間ではなかった。
人ならざるもの。
背中からは漆黒の両翼・・・竜王の両翼(ドラゴン・ウィング)。
右腕には竜王の顎(ドラゴン・アギト)。
からだは漆黒・・・竜王の皮膚(ドラゴン・アーマー)。
瞳は心を見透かす真っ赤な・・・竜王の瞳(ドラゴン・アイ)。
片付近から捻じ曲がった空間から現れているのは第3の腕・・・竜王の爪(ドラゴン・クロー)。
「ついてねえよ・・・お前ら。ホントついてねえ」
両翼は勢いよく羽ばたく。
爪はおぞましい動きをしながら彼らに近づく。
瞳は彼らの心を見透かす。
皮膚は反撃の攻撃に傷一つつかない。
もはや防ぐ必要がないと言っていい。
アイテム全員は逃げなければいけないと本能的に感じていた。
しかし足が動かない。
まるでのりでくっつけられたかのように。
竜王の顎の奥には白い光が集められていた。
それはあらゆるものを無に返す光。
“竜王の殺息”
それを知らないアイテムのメンバー。
一体何が起きようとしているのか分からないという顔だ。
心に流れ込んでくる感情。
恐怖恐怖恐怖。
そして分かることは一つ・・・自分たちはここで死ぬということ。
「ちょっと眠っててもらうぜ??」
竜王(かみじょうとうま)が微笑んだとき、アイテムのメンバーの視界が真っ白に染まった。

Re: とある魔術と科学の二重奏 ( No.17 )
日時: 2010/11/20 07:20
名前: 泉 海斗 (ID: B240tmf4)

おはようございます、泉海斗です。
次話投稿しましたので、たくさんのコメント・閲覧待ってます。
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第4章 立ちはだかる煉獄の執行人
 美琴は上条から2人の娘をまかされて、その場所に向かって走っていた。
 最下層にいるということで向かう方向は大体分かっていた。
 ここはかつて尊が妹たちに関して探りを入れたときに潜り込んだところだったからだ。
「まったく、さっきからものすごい音立ててるわね。これじゃあ静かに走ってる意味ないじゃない」
上条の相変わらずの自重のない戦い方に少し不満を向けつつも、走っている美琴。
暗い廊下を懐中電灯で照らしながら走る。
階段を駆け足でおり、ようやく目的の場所に着いた。
「何よ・・・これ??」
目の前に現れたのは娘らしき子供2人が入った培養液だった。
彼女たちにはチューブが何本も通されており、もはや手術中であるかのように見えた。
チューブから何かが彼女たちに流し込まれているのが見えた。
一体何の実験をしているのか分からないが、一刻も早く助け出さなければいけないと思った。
「あれをいじればいいのね!!」
近くにあったコンピュータの前に立つ。
難解なコードなどが、所狭しと記入されていて、さらに記録を取られていた。
一体どれをどうすればいいのか分からない美琴。
電流流してどうにかしようとしたが、彼女たちに万が一のこともあると思い、やめておいた。
仕方ないと、何か使えるものはないかと回りをっさがし始める。
さらに何か止めるための装置、またはスイッチがないかも探していた。
ふと後ろに人の視線を感じたために振り返る。
しかし虚空が続くだけで、人っ子一人いなかった。
勘違いだっただろうかと思いつつ、探し物を続ける。
上ではまだ大きな爆発音やら建物がきしむ音、そして揺れが続いていた。
今まさに上では上上がアイテムにたった1人で立ち向かっているのだ。
本当のことなら自分だって戦いたい。
しかしそれよりも大切なことを、重要なことを頼まれた。
娘たちを助けてほしいという頼みだ。
今は自分にしかできないこと。
いつもならパソコンのことは初春に任せれば簡単に解決してくれるのだが、今は深夜を回ったところ。
もう眠っているであろう時間だ。
まさか起こすわけにも行かない。
というよりも彼女を巻き込むわけには行かなかった。
「何とかしなきゃ・・・」
暗い部屋を懐中電灯で照らし、小さな光であたりを詮索する。
ふと上を見れば娘たちが穏やかな表情で眠っている。
しかしそんな今でも彼女たちに何かが施されているのだ。
妹たちみたいにはさせない。
そう思いながら探し続けていた。
そしてようやく見つけた何や怪しげなディスク。
それを入れて進めると研究データにたどり着いたのだった。
良かったと安堵する美琴。
指示に従って展開させようと作業を進める。
しかし途中で大きな壁にぶつかったのだ。
「パスワードと・・・記録用ディスク??そんなのあとないわよ」
ようやく見つけたディスクでさえ厳重に保管されていたのに、そんなものは見当たらなかった。
見つけたディスクは同じくパスワードを入録して取り出す、電子ロックだったのだ。
しかしそんなものはあとどこにもなく。
ましてやパスワードなどは知らない。
もはや万事休すかと、心に諦めが広がり始めた。
バサッというコートがなびく音がした。
はっと振り向くとそこにはしっこくのコートを着込んだ少年がいた。
下には何やら軍事服を着ている少年。
前の革命で共闘した仲間だった。
「京介・・・あんた何してんの??そんなところで」
「それはこっちの台詞だ。お前のような一般学生がもぐりこんでいいところではないだろう??」
「私は関係者!!だからここにいるの」
「この少女2人にか??彼女たちが何に使われるかは知らないが、俺は上から彼女たちを守るようにいわれている」
「だったら私たちに協力してもいいんでしょ??」
それを聞いて美琴は思わず聞いてしまう。
上と内通している彼なら何か知っているかもしれないという期待があったのだ。
「これにパスワードと記録用もディスクが必要なの。でもいくら探しても見つからないから、もし何か知ってたら教えてくれない??」
すっとコートの中に手を入れる京介。
そして何かを取り出した。
その黒い手袋の先にはディスクと何かが書かれた紙があった。
まさしく美琴が探しているものに違いないと思った。
「それを頂戴。それがあれば彼女たちを守れるの」
しかし何も言わない京介。
ひらひらとそれらを見せ付けているだけだ。
だんだんイラついてきた美琴。
いくら仲間だからといってやっていいこととそうでないことがある。
それに今は一刻を争う事態である。
遊んでいる暇などなかった。
「いいからそれをよこしなさいいてばあぁぁっぁ!!」
怒りに任せて電撃を足元に放つ。
しかし一から避けるつもりがなかったのか、はたまたはずすのを知っていたのか。
まったく微動だにしない。
「ああ!!もうまったく聞く耳あるの??」
もはや待っていても仕方がないと思った美琴はつかつかと近づき、ふんどってらろうとした。
しかし。
ドガアアァァァァン!!という大きな音が背中の向こうでした。
振り返ってみると、先ほどまであったはずの書類の並んだ棚が燃えていたのだ。
京介の右腕には真っ赤な炎の灯ったアーチェリーがあった。
それはなにかの羽でできているようで、離れていても熱気を感じるくらいだった。
「フェニックス・・・浄化の炎で、邪を払う・・・」
再び狙いを定める京介。
今度は自分に向けられているのだと感じ取り、慌てて避ける。先ほどまでいたところが赤々と燃え上がっている。
何するのよと叫びたかったがそれを言わせない速さで攻撃してくる。
避けきれないと判断した美琴は、矢に向かって電気で防御する。
大きく爆発した爆風によって後方に飛ばされる。
運よく距離をとることができた。
「何・・・するのよいきなり!!」
叫ぶ美琴。
しかし対する京介の瞳は冷たいものだった。
そして京介から言い渡された審判に、美琴は愕然とするしかなかった。
「排除する」

Re: とある魔術と科学の二重奏 ( No.18 )
日時: 2010/11/21 01:38
名前: 泉 海斗 (ID: B240tmf4)

おはようございます、たった今バイトから帰ってきた泉海斗です。
次話投稿しましたので、コメント・閲覧たくさんお待ちしております。
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美琴はその言葉は嘘ではないかと思った。
しかし自分に向けられている矢を見る限り、それは嘘ではない。
現れた京介は美琴たちの味方ではなく・・・上条が言っていた厄介な敵だったのだ。
「排除する。上にいるもう1人も逃がすわけにはいかないな」
「いいからそれを渡して!!それがあればもうここには用はないから」
「お前らがここに来た時点で問題ありなんだよ」
そういうと矢が次々と美琴に向かって放たれる。
わからずやと叫びながらかわす。
かわして体制を整えると、すぐさま電気の槍を投げる。
それに向かって矢を放つ京介。
空中で大きく爆発する。
お互いが遠距離方であるためになかなかダメージをお互い与えられていなかった。
しかし、尊には大きな武器があった。
距離がだめなら時間である。
「音速を超えた攻撃を喰らいなさい!!」
そう言ってコインを苦衷に上げ、親指で弾く。
それは音速の3倍の速さで京介を打ち抜いた。
「ぐふはぁ!!」
威力そのままで後方の壁に叩きつけられる。
まだ何かあるかもしれないと警戒し、コインを構える。
ばらばらと壁が崩れ、そこには打ち付けられた京介がいた。
しかし強化コートのおかげで感電どころかかすり傷一つなかった。
「このやろう・・・アバラ何本か逝っちまったじゃねえか」
痛みで苦悶の表情の京介。
口からは血が流れていた。
ぶわっと黒い光が右腕を覆っていた。
黒紅色の光が覆っていた。
魔術と科学が合わさった力。
ふっと姿が消えた京介。
ゾクっと背中に悪寒が走った。
反射的に横に逃げた。
すると先ほどまで尊がいたところが大きく穴が開いていた。
ドガアァァァンという音がした。
そこには床に腕を突っ込ませた恭介が美琴を睨みつけていた。
氷のような瞳。
心が貫かれたような痛みが走る。
まるでツララが何本も刺さったかのように。
「く!!これでも喰らいなさい!!」
電気を京介に向かって放つ。
しかし闇の力で、電気が飲み込まれる。
至近距離でも完全に見切られていた。
さらにこの距離では超電磁砲が放てない。
それを知っているからこそ、接近戦で望んでくる京介。
再びアーチェリーの矢が美琴を掠めた。
切り傷にさらに火傷の痛み。
血が完全に蒸発してしまい、一滴も出ていなかった。
「ぐふ!!」
京介の拳が腹に入った。
一気に肺の空気が吐き出される。
動きが止まったところに連続で叩き込まれる拳や蹴り。
女だからといって容赦は無しだった。
字だらけの美琴はその場に崩れるように倒れた。
そんな美琴を見下しながら京介は言う。
「所詮お前の力はこんなものだ。守る力もないのに乗り込んでくるな」
びくっとからだが震える。
自分は結局何もできないのか。
役に立たないのかと悲しくなった。
きっと上では自分が娘たちを助けてくれると信じて戦っている上条がいる。
そんな彼の期待を裏切ってしまうことが悲しかった。
こんな自分では彼の傍にいる資格などないのではないかと思ってしまった。
「ぐぅ!!」
背中を靴で踏まれ、苦悶の声をあげる。
ぎりぎりと踏みつけてくる彼は情けなど皆無だった。
「隙だらけよ!!」
一気に電気を放ってやった。
しかし電気を食らっているはずなのにまったく倒れる気配がない。
それどころかまったく表情が変わっていないのだ。
「残念だったな。こいつは絶縁体でできていて電気は通さないんだ。耐熱性、耐久性にも優れていてな、右腕以外は無防備な俺にはもってこいのアイテムなんだ」
絶望を突きつけられた美琴。
奥からは研究員らしきものたちがやってきた。
彼らは急いで培養液の入った装置を運び出していく。
待ちなさいといいつつ手を伸ばすもその手を京介に踏みつけられる。
「ぐぅ・・・」
眼をつぶり、涙が出るのを必死に我慢する。
「あらー??超電磁砲のお嬢ちゃんじゃない。こんなところでおねんねとは意外な趣味を持ってるのね」
憎たらしい口調で話しかけてきた女性。
必死に霞む目を開けてみる。
そこにいたのは尊に知っている女性だった。
かつて乱雑解放事件を起こし、捕まっていたはずの・・・テレスティーナ・木原・ライフライン。
「あんた・・・なんでこんなところに??」
まだ解放されるまで時間があるはずの彼女が何故またここにいるのか理解できなかった。
しかしにやりと悪魔の笑みを見せた彼女がいう言葉に唖然とした。
「私もこの計画を執行する研究員の1人なのよ。またたくさんの子供たちが犠牲になるかもね」
それを聞いた尊だけではなく、尊を捕らえていた京介もまたあわてた。
「どういうことだ。俺はまだ何も知らされていないぞ!!」
「当たり前でしょ??あなたに知らせたらこの計画を潰そうとするでしょ??なんたって子の計画の発端者はあなたのお父さんなんだから」
「なに!!」
「嘘じゃないわよ??真実はあなた自身で見つけるのね」
そう言いの懲りて歩き去るテレスティーナ。
待ちやがれと掴みかかる京介だが自らが操縦する巨大ロボのアームを発射し、京介はそれにつかまれたまま、研究所の壁を何枚も突き破る。
戻ってきたアームには赤々とした血痕だけが残っていた。
「あら??殺しちゃったかしら??まあいいわ、お金は前払いしてあるから彼女が後は好きに使うかもしれないわね。彼が死んだと知るまでは」
「ふざけないで!!ぐぅぅ・・・」
今すぐ助けに行きたい気持ちでいっぱいだった。
かつての敵がまた現れたのだ。
それもまた関係のない子どもたちを実験道具に使おうとしている彼女が。
そして遣われるのは自分の娘。
「返して・・・私の子供を返して!!」
「あっはっはっはっはっは!!これは傑作だね!!まさかの次のモルモットが御坂美琴の子供だなんて!!キット上等な実験道具なんでしょうね!!」
「返して!!あの子たちはそんなことに使わせない!!」
「うるさい女だね!!どうせあんたの男だってうるさいやつなんだろうけどね!!」
そんなことないといいたかった。
しかし上からアームが背中に叩きつけられ、あまりの痛みに言葉が出てこなかったのだ。
助けてと叫びたかった。
来てくれるかもしれない上条当麻(ヒーロー)の名前を。
「助けて当麻!!」
どがああぁぁっぁぁんという大きな音とともに天井から青白い光が床に突き刺さった。

Re: とある魔術と科学の二重奏 ( No.19 )
日時: 2010/11/21 01:39
名前: 泉 海斗 (ID: B240tmf4)

爆風で後方へ抵抗もなく吹き飛ばされる。
後ろには壁があり、叩きつけられると覚悟して目をつぶり、からだに力を入れる。
しかし一向に衝撃はなく、むしろ暖かい何かに包まれている感じがあった。
おそるおそる目を開けてみるとそこには自身が呼んだ名前の人物(ヒーロー)だった。
走ってきたのだろう、額には汗が見え、右腕は異形のもの・・・竜王の顎であった。
おそらく上から竜王の殺息を放ってきたのだろうと思われた。
テレスティーナはいきなり現れた男性に驚いていた。
さらに人間のものではない右腕に畏怖していた。
さらに男性の瞳は真っ赤でまるで自分の心を見透かされているかのような気がした。
「お前が美琴たちを傷つけたのか??」
「ほとんどはそっちでくたばっているガキがやったものさ。私はほとんど何もしてないさ」
「娘たちをどこにやった??」
「あんたが御坂美琴の男かい??以外とイケメンじゃないか??」
「あんたにだけは言われたくないな・・・テレスティーナ・木原・ライフライン。お前も計画に加担しているのか??」
「その答えはイエスさ。こんなすばらしいことができるだなんてめったにないからね。珍しいモルモットも手に入ったしね」
「モルモット・・・だと??」
上条の顔が怒りの色で染まった。
空間が歪み、そこから第3の腕が現れた。
後ろのほうでは研究者たちが悲鳴を上げていた。
さすがのテレスティーナもまたこれには叶わないと感じたのか、急いで退散を始めた。
美琴は手っきり上条が追いかけると思った。
しかし彼女たちがいなくなったあと、上条はガクッとひざを折り崩れ落ちた。
慌てて美琴は上条に近づく。
ゴフっという咳き込みとともに口から出てきたのは真っ赤な血だった。
「ちょっとあんた大丈夫なの??」
「あぁ・・・これは仕方ないんだ。ちょっと力を使いすぎたからかな」
力の使いすぎ・・・それは竜王の力であると美琴は思った。
人ならざる力を人のからだで使うのだからそれ相応の負担がかかる。
それを上条はたった一人で背負っている。
未来の自分はそのことを知っているのだろうか。
知らないなんていったらぶん殴ってやろうと思った。
「美琴も・・・この事を知っている。いつも彼女には心配ばかりかけている気がする。何かあって帰ってくると大体は病院だからな」
あきれて何もいえなかった。
上条当麻は今も昔も誰かのために走り回り、そして病院送りになっているのだ。
それならば未来の自分の心労は計り知れないと思った。
いくら上条がお金を稼いで生活が裕福だからといってそれはないと思った。
好きな相手がいつも傍にいてくれるだけでお金など関係ないのだ。
「少しは傍にいなきゃいけないんだ・・・今度四つ子が生まれるかな」
「よよよよ四つ子??あんた何人私に生ませるつもりなのよ!!」
「んー・・・目標は10人って決めてるんだけどな」
「私を殺すきか!!」
アハハと笑う上条。
ごろんと寝転がり、美琴のひざを枕代わりにして横になる。
ひゃあと驚いてしまう。
顔を覗き込むとすでに眠っているらしかった。
かなりからだを酷使してしまったらしい。ちょうど美琴の背中は壁に寄りかかっていたために美琴も重いまぶたを下ろすことにした。
明日からはきっと彼女を含めたたくさんの敵との戦いになると思った。
そのためにはまずは仲間を集めなければいけなかった。
「申し訳ないけど・・・黒子・初春さん・佐天さんにお願いしよう。いいよね、当麻」
愛華と京介にもお願いしようと思った。
京介には今日やってくれた分の働きをしてもらわなければ困ると思った。
今頃伸びているが、命には別状はないだろうと重い、意識を手放した美琴だった。

Re: とある魔術と科学の二重奏 ( No.20 )
日時: 2010/11/22 01:47
名前: 泉 海斗 (ID: B240tmf4)

おはようございます、泉海斗です。
次話投稿しましたので、たくさんの閲覧・コメント待ってます!!
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第6章 光臨する白き最強(アクセラレータ)
 一方通行は隣からなにやら呟く声で目を覚ましていた。
隣のベッドには打ち止めが眠っているはずだが、こんな時間に何をしているのかと思い、聞き耳を立てる。
「シリアルコード999を受けつけました。これより緊急コード777を全固体に発信、機能の制御を打ち止めの制御下に起きます」
いつもと様子がおかしいことに気づく。
口調もおかしい。
バッと起き上がるとそこには、上半身だけをお子明日状態で虚空を見つめ、ただしゃべっているだけの打ち止めがいた。
さっと血の気が引いたのを感じた。
またエイワスみたいなものが現れたのかと。
「おい!!クソガキどうした!?」
一方通行の怒声にもまったく反応しない打ち止め。
口から出てくるのは意味をまったく持たない言葉の羅列ばかり。
目も虚ろで、これは本格的にヤバイと思った。
「芳川ぁ!!」
ドアの向こうにある別の部屋で寝ているだろう芳川に向かって叫ぶ。
ベクトル操作でドアを開けたために響くだろう。
向こうから眠い目をこすりながらボサボサとした紙を整えながら芳川があくびを一つしながら入ってきた。
「どうしたの一方通行??こんな夜中にいきなり叫んじゃって」
「どう下もこうしたもネエ!!クソガキの様子がオカシンダよぉ!!」
一方通行の取り乱しように驚きながら打ち止めを見る。
そしてその瞬間に表情が変わった。
「すぐに例の医者のところに行くわよ!!一方通行!!打ち止めを連れて車に乗って」
「医者って冥土返しカァ??まさかあそこにいるほかの奴らもおかしくなってるっテコトカ??」
最悪の場合はねと歯噛みしながら言ってくる。
制御をこの小さな女の子が持つということは彼女たちが何者かに操られるということだ。
見えない敵に対して怒りを覚える一方通行。
着替えを簡単に済ませると打ち止めを抱っこして下へと降りる。
途中黄泉川とあったが行って来い問いわれ多だけで送られた。
しかしその言葉には必ず打ち止めを救ってこいという意味が込められていたの違いないと思った。


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