二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 夢の中の俺はモンスターハンター 21話更新
- 日時: 2010/07/22 17:41
- 名前: アビス (ID: 4K4kypxE)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode=view&no=11283
消えてしまったんで、復活させます。
初めての人は初めまして、他の作品を見てくれている人は、
こんにちは、アビスです。
新しい小説が頭の中に浮かんだので、書いてみる事にしました。
どうぞよろしくお願いします。
〜人物紹介〜
☆現実人物☆
霧崎 竜人(キリザキ リュウト)♂ 16歳
モンハンが超大好きな普通の高校生。
だからと言って決して顔は悪くなく、むしろイケメンの長身。
男友達も多く(90%は狩友だが)女友達(やはり90%は狩友)も多い。
告られることも多いがモンハン以外に興味ほとんどなし!
ということで、すべてふっている。
ちなみに、中学1年のころ『俺はハンターの様な強い体を身につける!』
とかいって、フルコンタクト空手を習い始め中学3年には全国大会で優勝。
モンハンが生んだ天才である。
愛用武器:太刀
草薙 暮羽(くさなぎ くれは)♀ 16歳
竜人と同じくらいモンハンが大好きな、超〜〜〜可愛い女の子。
明るい性格で、とにかく可愛い。竜人とは会った瞬間から大の仲良し。
学校では既に噂になっているほどの、この二人の関係である。
愛用武器:オール
和也(カズヤ)♂ 16歳
竜人の友達。
女ったらし
愛用武器:ハンマー
洸矢(こうや)♂ 16歳
竜人の友達。
冷静沈着、密かに女子に人気がある。
愛用武器:へビィボウガン
安藤 刹那(あんどう せつな)♂ 21歳
竜人たちの前に突然現れた哲学者。小さいときから研究員として働いている天才だが、
そのせいか常識を知らない事が多く、日常生活で困る事が多々ある。
世界の異常にいち早く気付いたり、言葉に悟りを感じさせたりと妙な力が備わっているのは確か。
★夢世界★
テンマ
通称:韋駄天のテンマ
雪山で倒れている竜人を運んできた人。面倒見がよく、何かと竜人たちに声をかけている。
今は教官をしているが、現役時代はすごいハンターだった。
あることがきっかけでハンターを止める
スイ
竜人たちがある村で出会った謎の少女。白い肌にはやけに目立つ深紅の瞳をもつ。
独特な雰囲気や感情表現を持っていて、ちょっと外れている。
記憶がかなり曖昧で、大抵の事はわかるが、自分の事や大切な事は全然覚えていない。
彼女が旅をしている理由は母親探しなのだが、母親の顔も覚えていない。
プロローグ>>1
1話>>2 2話>>3 3話>>4 4話>>5 5話>>6
6話>>7 7話>>8 8話>>9 9話>>10 10話>>11
11話>>14 12話>>17 13話>>18 14話>>19 15話>>20
16話>>25 17話>>29 18話>>34 19話>>35 20話>>36
21話>>37
- Re: 夢の中の俺はモンスターハンター 17話更新 ( No.33 )
- 日時: 2010/06/11 23:01
- 名前: 零十 (ID: a2q.HxrZ)
風に激しく同感。
フルフルたん…ハァハァ(蹴
あ、でも亜種の方は勘弁ね。赤いから(何故
- Re: 夢の中の俺はモンスターハンター 17話更新 ( No.34 )
- 日時: 2010/06/13 14:31
- 名前: アビス (ID: 4K4kypxE)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode
>>32-33
フルフルですか・・・自分は苦手です、見た目・・・。
自分が一番好きなのはキリンですw
18話
情報は探すより待ってた方が良いことが多い
二人が状況を理解できない間にも顔が二つになったガノトトスは
二人に向かってブレスを仕掛けてくる。しかも顔が二つだからブレスも二つで。
「っつ!くそ!!」
二人はなんとか緊急回避でブレスをかわすと、考えるのは後にして
目の前のモンスターを倒すことに集中した。
二人が駆け出す。ガノトトスは体を地面に這ってクネクネと近づいて来る。
それをかわすと、隙だらけの横に攻撃を仕掛けようとする。が・・・
「なに!?ぐおっ!!!」
ガノトトスが突然その場で暴れだしだしたのだ。ガードの出来ない竜人は
そのまま吹き飛ばされてしまう。
「竜人!」
ガノトトスの予想外の動きに驚きつつも、竜人に駆け寄る暮羽。
そんな暮羽目掛けてブレスをしてくる。
暮羽はそれを避けるが、ガノトトスは暮羽の後を追うように
首を曲げてくる。それと同時にブレスも暮羽に向かっていく。
「きゃあっ!」
向かってくるブレスを避け切れず直撃をくらう暮羽。
何とか直ぐに態勢を立て直すが、痛みで肩膝を着いてしまう。
「なんなのこれ。これじゃあまるで別のモンスターじゃない」
「案外、それって合ってるかもな」
近くに竜人が近づいてきて呟いた。
「竜人・・・」
「話は後。くるぜ」
ガノトトスは追尾型のブレスをしてくる。二人は走りながらガノトトスに近づいていき、
足もとに連撃を入れる。ガノトトスはそれに耐えかね転倒する。
「はあああ!」
転倒した隙に気刃斬りを叩きこむ。ガノトトスは何とか立ち上がると、回転攻撃に入る。
二人はそれを冷静にかわしてさらに攻撃を重ねる。
そこでガノトトスはまた新たなアクションを出してきた。足もとにいる竜人と暮羽を
踏みつぶすかのように、その場でジャンプを繰り返す。
ガノトトスの巨体の踏みつぶされたら一発でお陀仏になる。二人は距離を置き
ガノトトスが大人しくなるのを待つ。だが何時まで経っても大人しくなる気配がない。
むしろ、激しさが増していく。
「もしかして目が見えてないのかな?」
「と言うより、興奮して周りが見えてないような感じだな」
しばらくすると、二人がそこにいないことも気づいたのか、暴れるのを止めて
お目当ての二人を見つけると、こちらに突進してくる。
「強くなっても頭に血を上らせて周りが見えてないんじゃ、雑魚とおなじだな」
向かってくるガノトトスに言うように竜人が呟いた。それに暮羽が笑顔で
「本当だね」
と、言った。ガノトトスはというと、二人の目の前に仕掛けてあったシビレ罠に引っ掛かり
動けないでいる。二人はガノトトスに向かっていき止めを刺した。
〜村〜
依頼をクリアして帰ってきた2人を迎えたのは予想外の人物だった。
「え、ギルドナイトの人が?」
「ああ、どうやら君たちに用があるらしい。村長の所にいるから行ってみるといい」
二人が村長のもとに向かうと、確かにそこにはギルドナイトの服装をした人物が村長と共にいた。
村長が二人の帰還に気づき手を振ってくる。
「あなたたちがこの町で活動しているというハンターたちですね?」
ギルドナイトの人が柔らかな口調でそう言った。
「そうだけど、俺たちに何か用?」
竜人がそう言うとギルドナイトの人は竜人の方に向き
「先日、見たこともない姿の龍が発見されました。おそらく新種のモンスターです。
そして、そのモンスターは可笑しなことに背に二人のハンターが乗っていたのです」
「それが、俺たちだと?」
竜人が睨むとギルドナイトの人は首を横に振り
「いえ、そのハンターの素性は分かりませんが、去り際にこういったのです。
『この村にいる異世界のハンターに伝えろ。元に戻したければ俺たちの元に来い』と。
正直なんのことだかわからない私たちでしたが、この村を調べたらあなたたち存在が出てきました。
名前、性別、年齢以外は全て不明。どこ出身なのか、どうして雪山で
倒れていたのか。そして、あなたたちの親の存在すら掴めませんでした。
だからこちらに足を運び直接会いに来たのです。あなたたちが何者なのか。
龍を操る彼らと何か関係があるのではないかと」
ギルドナイトの人はそこまで話すとこちらの言葉を聞くために黙り込んだ。
二人はお互いの顔を見合う。
突拍子に進んだ展開もそうだが、それ以上にどう自分たちのことを説明すればいいのかが
わからず、言葉が出ない。
「話さないということは何か知っているということですね?」
「いや、そうじゃないんだ。その龍使いのハンターってのは全く知らない。
俺らの事も雪山から落ちたせいで記憶障害が起きて前の事は覚えてないんだ」
竜人がそう言うと、そうですかとため息をはく。
「それは失礼しました。・・・それでは、一応彼らと会った場所を教えておきます。それでは」
小さな紙を渡すとギルドナイトの人はそのまま去って行った。
紙には地図のような絵が書いてあった。場所はここから結構遠いところの平原だった。
「どうする、暮羽。行ってみるか?」
「うん、他に当てもないしね。行ってみる価値はあるんじゃないかな」
- Re: 夢の中の俺はモンスターハンター 18話更新 ( No.35 )
- 日時: 2010/07/08 14:14
- 名前: アビス (ID: 4K4kypxE)
19話
酔いどれ爺と危なげな少女
「船なんて初めて」
「俺もだ。潮風が心地良い」
竜人と暮羽は今、船の上にいた。理由はもちろん、龍使いのハンターが
現れたという平地、通称『ゲヘナの奥地』。
ここは危険モンスターが多すぎて、一般には進入禁止となっている所だ。
とりあえず2人はその近くの村まで行こうと、船に乗ったのだ。
「それにしても、その龍使いのハンターてのは何で俺らのこと知ってんだろうな?
異世界のハンター・・・か。確かに俺たちはこの世界の人間じゃないしな」
「ん〜〜。知ってたんじゃなくて、もしかしたらその人たちも私たちと同じなのかもね」
「・・・ありえなくもないけど、無理やり過ぎじゃないか?それ・・・」
「うるせえぞ!!餓鬼ども!!!」
二人の会話に酒を飲んでいた上半身ほぼ裸の酔っ払いが口を差す。
「こちとら、二日酔いで頭が痛いんじゃ!!!静かにしねえと海に落とすぞ!!!」
「・・・・!!じいさん、後ろ!!」
酔っ払いに一瞬眼を付けたが、すぐ後ろに海から現れた小型のガノトトスに目を移す。
ガノトトスは船に向かってブレスを吐く。そのブレスが酔っ払いを捉える。
「じいさん!!!」
竜人が叫ぶが間に合わず、酔っ払いに直撃する。・・・したのだが
「痛いの〜、青いの!」
酔っ払いは平然と立っていた。腹が部分には僅かに流血していただけで、その他は無事だった。
「今ので酔いがすっかり醒めてしまったわい!この落し前・・・」
すると突然酔っ払いが走り出した。さっきまでの酔っ払いとは別人の動きをでガノトトスの
いる水上までジャンプすると拳を固める。
「その命で払ってもらうぞ。・・・・紛!!!」
酔っ払いがガノトトスの頭を殴りつける。たったそれだけで、ガノトトスは巨大なハンマーに
殴られたような衝撃が走り、たったそれだけでガノトトスは絶命してしまった。
だが絶命する寸前、最後の悪あがきで酔っ払いに猛タックルした。
酔っ払いはその勢いで甲板に激突する。ガノトトスはもう動かないが、酔っ払いはすぐに起き上がる。
「たっく、あの青いの!最後にやってくれよって!!」
「おいおい、拳骨一発でモンスター倒しちまったよ」
竜人たちが目を丸くしていると、酔っ払いはこちらを見た
「なんだ、小僧も喰らいたいのか?ワシの鉄拳を・・・」
竜人が一瞬慄くのを見て、酔っ払いはガハハハ!、と笑った。
「冗談じゃ、ワシの鉄拳を喰らったらいくら防具を身に付けてようが脳天かち割っちまうからな!!」
酔っ払いはよいしょと立ち上がると、二人に歩みよる。そこにいるのは先ほどまでの
酔っ払いではなく、一人の強者が立っていた。
「ワシの名はガント。ただの旅人じゃ!餓鬼ども、何故それほどの重荷を背負っている?
止めとけ、餓鬼が背負うにゃ重すぎじゃ」
ガントと言う男はまるで、自分たちがどんな境遇にいるのか知っているような口振りで言う。
「人には言えないことだ。ただ、俺たちはその重荷とかのを降ろすつもりはない」
暮羽も同意するように頷く。ガントは酒を飲みながら二人を見つめる。
「なるほどな、お前たちはゲヘナの奥地に行きたいんじゃな?」
「!!!。なんでそれを!?」
竜人が驚き尋ねるが、それを無視しガントはさらに続けた。
「あそこは未開地。新種のモンスターはもちろん、ただの雑魚モンスターもあそこじゃあ
飛竜種と同等の力をもつと言われる。まあ人間が踏み込んでいい領域じゃねえなぁ」
「・・・何であんたはそんなに詳しいんだ?
さっきの超人離れした動きといい、あんた一体何者だ?」
竜人の問い詰めにガントはふ〜、と大きくため息をつくと
「あそこに詳しいには当たり前じゃろう。あそこはワシの生まれ故郷じゃからな。
これぐらい動けんとあそこで生きてくには厳しいからの。
・・・いいか、最後の忠告じゃ。あそこには絶対入っちゃならんぞい。
ギルドの阿呆共はズカズカ入ってきとるが、あんな奴らもう知らん。
とっととモンスターに食われちまえばいいんじゃ」
最後の言葉を吐き捨てるように言うと、男は去って行った。
と、いうのも竜人たちが話している間に船はすでに港に着いていたのだからである。
——————————
「とりあえず、情報収集からだな。別れてやったほうが効率いいだろ」
「うん、そうだね。それじゃあ三時間後、集会場に集合ってことでいい?」
「ああ、わかった」
村に着いた二人はとりあえず、龍使いのハンターに関する情報を探ることにした。
ここはゲヘナに二番目に近い村なので、それなりに情報が集まるのではと考えていた。
「とりあえず、集会場で情報集めしてみるか。あそこならハンターたちからいろんな情報が聞けそうだしな」
竜人はそう呟くと歩き出した。だが、すぐにその足を止めた。
「おい、なんだこの餓鬼は?」
先ほどまでガントに餓鬼餓鬼言われてたので餓鬼という言葉が耳に敏感に入ってくる。
見ると男二人の前に小柄の水色の髪にショートカット。大きなマントで体を包んだ何者かが、目の前に立っていた。
「お兄ちゃん達、誰?」
声がやけに高い。まだ年端のいかない女の子であることがわかった。
「誰って、おい餓鬼!普通は自分から名を名乗るものだろう!?」
大人気もなく男が女の子に詰め寄る。それでも女の子はまったく動じず、男を見つめ続ける。
「自分?自分は・・・誰?」
「はあ?」
女の子の不可思議な回答に男が漏らす。
「お・・おい。もうこいつに関わるのよそうぜ」
「あ・・ああ。そうだな。なんだか気味悪いしな」
男二人はそそくさとその女の子のそばから離れる。それをみた女の子は手を伸ばし
「待って、待ってよ!置いてかないで、置いてかれるのは・・もうやだ!!」
「大丈夫だよ。俺がここにいてやるから」
突然の後ろからの声に女の子が振り向く。そこで初めて女の子の外見が見れた。
異常に白い肌に今にも折れてしまいそうな細い体。
白い肌には目立つ深紅な瞳は混沌と純粋の両者を見据えているようだった。
「あなた・・誰?」
女の子が先ほどの男たちと同じ質問をする。その質問に竜人は出来る限り丁寧に答える。
「俺の名前は霧崎 竜人。ちょっと訳合ってこの村に立ち寄ったハンターだ。君の名前は?」
「はんたー?」
竜人の質問に答えず、女の子はさらに質問を重ねる。
「ああ、ハンターだ」
真面目に答える竜人だったが、次の女の子の言葉でこの女の子に訝しげな表情を見せる。
「ママが言ってた。ハンターはママたちの敵だって。ハンターはママたちを殺す。
だからママたちも殺さなきゃならない対象だって」
- Re: 夢の中の俺はモンスターハンター 19話更新 ( No.36 )
- 日時: 2010/07/08 15:58
- 名前: アビス (ID: 4K4kypxE)
20話
旅は道連れ
「で、その子誰なの?竜人」
あれから3時間後。集会場に来た暮羽を待っていたのは竜人ともう一人。
「あ・・ああ。実は・・・・」
—————3時間前—————
「何で着いてくるんだよ?」
あれから一応別れた竜人だったが、何故か女の子は竜人の後を着いてきていた。
竜人が振り返ると女の子は笑顔を返してくる。そんなやり取りを何回か続けた後竜人が尋ねた。
「何でって、置いてかれるのが嫌だから」
女の子は寂しげに言う。そういえば、さっきも男二人組が離れていくときに、
置いてかれるのは嫌だとか言っていた。
「昔に誰かに置いてかれたのか?」
「・・・ママに。朝起きたらいなかった。それっからずっとママいない」
女の子の目に涙が溜まっていく。竜人が困ったといった感じで頭を掻く。
「俺は別にお前の母さんを探してやってもいいんだが、暮羽がな〜〜」
そう一人で呟くが答えてくれるものは一人もいない。本人に聞いて
見るのが一番早いと思った竜人は女の子の頭に手を置くと
「確証は出来ないがお前の母さん探し、手伝ってやってもいいぞ」
「・・・本当?」
「絶対!・・・とは言い切れないけどな」
そういうと女の子は竜人に抱きついた。
「ありがとう!」
——————————
「・・・て、ことなんだが」
竜人の一覧の流れを聞いた暮羽が困ったようにため息をつく。正直、竜人もつきたいところだった。
「お母さんの事以外、何も覚えてないなんて」
「だけど、嘘を付いてるようには全然みえないんだよな」
うん、と暮羽も同意する。女の子はというと、珍しそうに周りの人や目の前の料理を観察している。
「私も別にいいよ。このままこの子をほっとく事も出来ないし。旅をしてる内にお母さん会えるかもしれないし」
「・・・!!本当か!!?」
女の子が叫ぶ。それに暮羽は笑顔で
「うん、本当」
と、いう。女の子はぴょんぴょん跳ねながら嬉しさを表現する。
「だったらまず、名前を付けてあげないとね」
「名前か・・・なあ、何がいい?」
「何でも良い!!二人の付けたのなら、なんでも嬉しい!」
そう言われても名前はその人の存在を表すようなものだから、適当には選べない。
「・・・スイってのはどうだ?」
「お〜〜〜〜」
竜人が出した名前に女の子は口を大きく開けて言う。
「いいんじゃない?可愛らしくて。ね、スイ」
「スイ、その名前気に入った〜〜」
とりあえずこの女の子の名前はスイと決まった。後はスイの母親の事だが本人も
母親の事は覚えていても、顔は全然覚えていないらしい。
けど、近くに母親がいれば絶対に気づくらしいので、とりあえずそこはパス。
「じゃあ、本題入るか。こっちはいろいろ会ったから情報はなし」
「こっちは少しあったよ。龍使いのハンターじゃないけど、龍を操る事が出来る
部族がいるらしいの。ゲヘナの奥地にね」
龍を操る事が出来る部族。普通なら信じられないところだが、
ガントの存在を知っている二人には夢幻には聞えなかった。
「確かめるにはゲヘナの奥地に行くしかなさそうだけど、あそこはやばそうだしな。
出来れば行かずに龍使いに会いたいんだがな」
「龍に乗ったハンターなら、スイ知ってるよ」
「!!!!」
スイの突然の言葉に二人は驚愕した。
「本当か!?スイ」
「うん、とっても大きい龍に乗ったハンターに会ったことあるよ」
「それどこでだ」
「ん〜〜〜〜、あっちのほう。結構最近会ったよ」
スイの指さす方はゲヘナの奥地から北西の方角だった。地図で見るとそっちの方角には
『龍骨の峡谷』と呼ばれる、ゲヘナの奥地ほどではないにしろ、危険地のため立ち入り禁止のエリアだった。
そこよりさらに進むともうそこは海であり、陸地はまったくない。
そう考えると、龍骨の峡谷に何らかの痕跡はありそうだった。
「じゃあ、まずはゲヘナの奥地にすぐ傍の村によってもっと情報を集めて、
そこから龍骨の峡谷を目指すってことでいいか?」
「うん」
「出発するの?」
スイが体をそわそわさせがら言った。今すぐにでも出発したいのだろうか。
「ま、今日はゆっくりこの村で休んでそれからだな、出発するのは」
- Re: 夢の中の俺はモンスターハンター 20話更新 ( No.37 )
- 日時: 2010/07/22 17:35
- 名前: アビス (ID: 4K4kypxE)
21話
見える過去と繋ぐ未来
「さてと。忘れもんはないか?暮羽、スイ」
「うん、大丈夫」
「は〜い」
「じゃ、行くか」
——————————
「ところで思ったんだが、スイ」
「ん〜?な〜に?」
「そのマント、暑くないのか?」
スイが全身を包むように羽織ってるマントはどう見ても暑そうだった。
でもスイは、平然としている。
「暑くない。これ、風が通って気持ちいい!」
「風?通気性が良さそうにも見えないけど・・・」
竜人がスイのマントをよく見ようと、スイのマントを掴む。
だが、直ぐに勢いよくマントを元に戻す。
「お・・お前・・・」
「??竜人、どうしたの?」
暮羽が竜人の様子が可笑しいのを見て、尋ねる。竜人は依然として可笑しい。
「お前、どうしてマントの下何も着てねーんだよ・・・」
「ええ!!!??」
「?????」
つまりはそういうこと。竜人がスイのマントを掴んで見た時、
マントの下がスイの裸体である事に気づき、すぐさま戻したという事。
「スイ、洋服はどうしたの?」
「あれ、体チクチクで痒くなるからやだ!」
「そのマントは平気なのか?」
「そう、これは全然平気。痒くもない、着心地良い!」
ランラン♪とくるくる回りながら言うスイ。よくはしゃぐスイだが、
マントの下が裸と知ると、見えそうで何故か冷や汗をかく。
この後、スイを落ち着かせるのに10分はかかった。
——————————
ようやく、ゲヘナの奥地に一番近い村にたどり着いた一向が目にしたのは信じられないものだった。
「村が・・・壊滅している?」
村の建物は全て灰となって崩れており、辺りからは人の気配が全くしなかった。
ただ、物が焼けた臭いと飛び散る炭の臭いで満たされる空間になっていた。
「どうなってるの?」
焦げた村の中を歩き回りながら人はいないかと探す。よく見ると辺りには人の残骸の他に
モンスターの死体もそこらに落ちていた。
「モンスターが村を襲ったのかな?」
「いや、違うな。村人はともかくモンスターも人と同じような焼かれ方で死んでいる。
・・・モンスターと人が何かの生物によって殺された?」
死体となっているモンスターに竜人が触れる。すると、竜人の頭の中に何か映像が流れ込んできた。
場所はおそらくこの町。人がまだたくさん賑わっている。そこに現れた一匹の巨龍。
それが全てを焼いた。人を焼き、建物を焼いた。
町が死んだ後、町に住みつたモンスターも同じ巨龍に焼かれていく。
巨龍は全てを焼いた後、大空へと飛んで行った。そこだけなら、天空に舞う天龍にも見える神々しさだった。
そこで映像が終わった。自分は知らず内に蹲っていたようだった。
隣りを見ると暮羽も同じように蹲っていた。
「暮羽、もしかしてお前も見えたのか?」
「う・・うん。今の何かな、・・・過去?」
すると、そこで近くにスイがいないことに気がついた。辺りを探すと、スイは空を見上げながら突っ立っていた。
声を掛けるとこちらを向くが、その場から動かない。
「この町からママの匂いがした。でもその匂い、ここで途切れてる」
スイが独り言のように語る。
「どっちの方角にお母さんの匂いがするかわかるか?」
「あっち・・・のような気がするけど、分からない」
スイが指さした方角は龍骨の渓谷の方角と、そして巨龍が飛んで行った方角と一致していた。
「・・・とりあえず、この村の皆を供養させよう。そしたら、龍骨の渓谷に向かってみよう」
3時間くらいかけて皆を一つのお墓に埋葬させた。そして十字架にはこう刻んだ。
『偶然か必然か 邪悪なる巨龍に葬むられし人々よ せめてあの世では幸有らん人生を』