二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- けいおん! 卒業!
- 日時: 2010/02/15 21:30
- 名前: サバイヴ ◆u8da6hjvyw (ID: t18iQb5n)
VOL.1
その日、武道館には楽器を持った五人の少女たちがいた。彼女らは桜高軽音楽部、その名も「放課後ティータイム」である。
「夢は武道館ライヴ!」
三年前の春、そう言ったのは大雑把な性格ながらも放課後ティータイムのリーダーである田井中律だ。
あのときの彼女の発言が単なるノリだったのか本気であったのかは定かではないが、実現してしまったのである。
「今日は私たち放課後ティータイムのライヴに来てくれて本当にありがとうございました!」
そして巻き起こる歓声とともにライヴは無事終了した。
それから数日が過ぎた。今朝はとくに冷え込んでいる。
「お姉ちゃん!遅刻するよ!」
妹にたたき起こされたのは放課後ティータイムのギター担当の平沢唯だ。妹の憂とは正反対でなまけものだが、軽音部での活動を通じ、成長を見せている。
「今行くう〜」とだらしない返事をした。
「今日は特に寒いよね、憂」 「そうだね」
朝の人通りの少ない通学路を二人が歩いていると身長百五十センチほどの小柄な女子高生の背中が見えた。
「あ。あずにゃんだ〜。おはよう!」
すると少女は振り返り、
「あ。唯先輩、おはようございます。憂もおはよう」
「おはよう。梓ちゃん。」
彼女は唯と同じく放課後ティータイムのギタリスト、中野梓だ。先輩達にふりまわされながらも、軽音部を愛する二年生だ。
今回はここまで。いっぺんに書けませんからね。乞うご期待。
- Re: けいおん! 卒業! ( No.1 )
- 日時: 2010/02/16 00:23
- 名前: サバイヴ ◆u8da6hjvyw (ID: t18iQb5n)
前回のは読みづらいので、書き方を改めます。
VOL.2
「この間のライヴ、最高でしたね!」
「うん。すっごくよかったね」
(唯先輩たち・・もうすぐ卒業しちゃうんだよね)
梓は寂しさと同時に不安を感じていた。唯たちが卒業したら部員は自分ひとりだ。後輩たちをうまく引っ張っていけるか、それ以前に新入部員を確保しなければ軽音部は廃部だ。
「よっしゃ、授業終わり。今日も練習だ」
部長の律が部室へやって来た。部室には唯、梓、そして恥ずかしがりのベーシスト、秋山澪とキーボード担当のお嬢様、琴吹紬がすでに来ていた。
幸い、四人ともすでに進路は決まっており、部活に顔を出すことはできるのだ。
「みんなはえーな」
「もうすぐ卒業だから。少しでも長くここにいたくて」
「なに暗いこと言ってんだよ、ムギ。そうだ、お茶にしようぜ」
「ちょっと律先輩!まだぜんぜん練習してないじゃないですか!」
梓が怒ると、「まあいいじゃないか」と澪が説得する。
「澪先輩がそう言うなら・・・」
「わーい。お菓子だー」唯が子供のようにはしゃいでいる。
To be continued.
- Re: けいおん! 卒業! ( No.2 )
- 日時: 2010/02/16 09:09
- 名前: サバイヴ ◆u8da6hjvyw (ID: t18iQb5n)
VOL.3
お嬢様ゆえに軽音部に入るまでは「普通の女の子」としてあまりはしゃいだことのない紬にとって、軽音部を離れることは他の三人にもまして寂しいことであった。
「今日のケーキもすっごくおいしいよ!」
いつもと変わらぬ唯の無垢な発言に紬もようやく笑みを見せた。
「そうだ!卒業ライヴやろうぜ!」と律が突然叫んだ。
「卒業式の前日にでもやるのか?」
澪が聞き返した。以前の澪なら「ライヴをやる」と聞いただけで緊張のあまり倒れていた。彼女もこの三年間で立派に成長した一人だ。
「違うよ。卒業式中にやるんだよ」
「は?何言ってんだよ、律。卒業式ってのは厳かにやるもんだよ。式中にライヴなんて・・・」
「いい考えだと思うわ〜」
紬が賛成した。
「私もやりた〜い」
続いて唯も賛成した。
「わ、私もやりたいです。先輩方が卒業するまでにもう一度一緒にライヴ出たいです」
梓も同意した。
「まったく。じゃあ、さわ子先生に相談してみるか」 To be continued
- Re: けいおん! 卒業! ( No.3 )
- 日時: 2010/02/16 17:13
- 名前: サバイヴ ◆u8da6hjvyw (ID: t18iQb5n)
VOL.4
一同は職員室へやって来た。
「失礼しまーす」
「あら、貴方たち。どうしたの?」
パソコンのキーボードを打つ手を止めて唯たちのほうを向いたのはさわちゃんこと山中さわ子先生だ。
彼女は吹奏楽部顧問兼、軽音部顧問の音楽教師だ。
表向きは若くて優しい先生だが、ときに別人格が顔を出す少し怖い先生だ。ちなみに桜高軽音部のOGでもあり、ヘビメタをやっていたという黒歴史を持つ。
「実は、さわちゃんにお願いがあるんだけど・・」
「ちょっと!せめて他の先生や生徒たちの前では山中先生って呼びなさい!」
「いいじゃん、別に。で、本題は・・・」
律が先生にあらましを話した。さわ子は初めはいい加減に聞いていたが、次第に真剣な面持ちに変わっていった。律が話し終わると、目をつむり、腕組みをして黙ってしまった。
To be continued.
- Re: けいおん! 卒業! ( No.4 )
- 日時: 2010/02/16 20:35
- 名前: サバイヴ ◆u8da6hjvyw (ID: t18iQb5n)
VOL.5
「やっぱり、だめですか?」紬が不安そうに聞く。
「いや、面白そうじゃない。校長先生に相談してみるわ」
「えっ、でもさわ子先生、本当に大丈夫なんですか?」
「いざとなったら校長を脅して・・ククク」
「それはまずいってさわちゃん・・・」
とりあえず話を受け入れてもらえた一同は学校を跡にした。時刻はもう五時を回っている。運動部の掛け声が校内に響き渡っている。
「いやーさわちゃんすんなり聞き入れてくれてよかったな—」
「まだ決まったわけじゃないぞ。校長先生に理解してもらわないと」
「きっと大丈夫だよ〜。ね、ムギちゃん、あずにゃん」
「ええ」にっこりと紬が返事をした。
「はい」梓が元気よく返答した。
曲がり角に差し掛かり、5人はここで別れることになった。
「私は澪と帰る。唯は梓と一緒か。ムギ、一人だけど大丈夫か?」
「大丈夫よりっちゃん。なにかあったら父の警備会社の人たちがすぐ駆けつけるから」
「それはそれは頼もしいですわね・・・」
「じゃーね。また明日」
To be continued.
- Re: けいおん! 卒業! ( No.5 )
- 日時: 2010/02/17 09:06
- 名前: サバイヴ ◆u8da6hjvyw (ID: t18iQb5n)
VOL.6
「あずにゃ〜ん、アイス食べてこうよ。おごってあげるからさ」
「えっ、でも悪いですよ。ていうかこの季節にアイスですか!?」
「いいじゃん。アイスはいつ食べてもおいしいよ?」
(唯先輩って本当にアイスが好きなんだな)
「それじゃ、お言葉に甘えて」
梓はストロベリー、唯はストロベリー、バニラ、チョコレートの三段重ねを注文した。
「おーいーしーい!」
唯がこの上なく幸せそうな表情でアイスを食べていたが、梓は浮かない顔をしていた。
「唯先輩・・・」
「ほえ」
「唯先輩たちが卒業したら残るは私だけですよね。私だけの力で新入部員を確保して、私が部をまとめなきゃいけないんですよね。そんなことが私にできるかどうか不安で・・」
「大丈夫だよあずにゃん。私たち、卒業したって放課後ティータイムの一員だよ?困ったことがあったらまかせなさい!えっへん」
唯の発言は頼もしく先輩らしい発言だったが、普段とのギャップがおかしかったのか梓は少し吹き出してしまった。
「ありがとうございます。唯先輩」
To be continued.
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