二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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人柱アリスと五番目アリス
日時: 2010/03/31 16:54
名前: 咲八 ◆rhFJh.Bm02 (ID: bTobmB5Q)

こんにちは、咲八といいます。一応♀(女)です。
腐女子ですけどね(笑)

今回は、人柱アリスに五番目をつけてみようという事でこの作品を作る事にしました。至らない部分もありますが、アドバイス等をどしどし送信してくだされば、改善させていただきます!(コメントも受け付けます♪)

*注意*

・荒らしする方お断りッ!
・挫折の危険アリ
・アドバイス・コメント受け付けます!
・最初からタメでOKです!

以上の注意が守れる人は、どうぞ先にお進みください♪

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Re: 人柱アリスと五番目アリス ( No.4 )
日時: 2010/04/02 14:02
名前: 咲八 ◆rhFJh.Bm02 (ID: bTobmB5Q)

 第二章 森の奥に潜む者

「ここはどこだろう?」

五人のアリスたちを見つけるべく、フィンは森の中に入って行った。が、案の定この場所がどこだかわからなくなってしまい、森を彷徨い続けていた。

——カァカァ

遠くでカラスのような鳴き声が聞こえてくる。気味が悪い。

「……ふぇーん。ここどこなの?」

辺りはどんどん暗くなっていく。そんな時

「一番目アリスは勇ましく、剣を片手に不思議の国」

勇ましい女の人の声が聞こえてきた。どこにいるのかわからない。でもとりあえず茂みの中に隠れてみた。

「あっあの人だ……。」

ショートカットの栗色をした髪に、167cmほどある身長。かなり大人びている勇ましそうな女のひとだった。

——カサッ

少し動いたときに茂みが音を出してしまった。

「誰だ?」

一番目アリス……咲音メイコさんだと思われる人物は少しずつ茂みに歩み寄ってくる。

「は……初めまして。あなたが一番目アリスさんですか?……私は五番目アリスのフィン・フィーユドと言います。」

茂みから飛び出し軽く挨拶をする。

「五番目アリス……。そうか君もこの世界に……。」

「この世界に?」

「いや、何でもない。私はメイコ。君は……確かフィンといったね?よろしく、フィン。」

メイコは大人びた笑顔でニコリと微笑む。

「あ……こちらこそよろしくお願いします。」

「早速だけどフィン。ここにいない方がいい。森の奥に潜む者に見つかると、自分が自分ではなくなってしまうから……。」

「自分ではなくなる?」

意味がわからなかったのでそのまま聞き返す。

「そう。……兎の形をした何か……。その何かに取りつかれたが最後、自分は理性を失い、この世から追放される。」

「……」

「驚かせてしまったね?私の前にも零番目アリスという者がいたんだが、その兎に取りつかれて……。」

「零番目アリス……。」

「そう、優しい男の人だった……。歌がすべて完成すれば、兎は我々を見つけに森の外に出てくる。それ以前に、森の中で見つかってしまえば、そのまま……。」

「零番目アリスさんの歌は完成してしまったんですか?」

「そう。『零番目アリスは温厚で、夢の中から不思議の国、いろんな道を駆け抜けて、帰る導を探していた、そんなアリスは花の道、黒い兎に取りつかれて、花の道から遠ざかり、闇の方へと消えていく。』歌が完成してしまったから兎に取りつかれ、そして……。とにかく逃げなさい。アリスたちを探しているのなら、二番目アリスが薔薇の園の方にいるはずだから……。」

メイコの目には薄らと涙の幕が張っていた。

「分かりました。ありがとうございます。メイコさんもお気を付けて……。」

私はその場をゆっくりと離れた。

この時と同じメイコさんにはもう会えない。それはもう少し後のお話……。

Re: 人柱アリスと五番目アリス ( No.5 )
日時: 2010/04/02 17:14
名前: 咲八 ◆rhFJh.Bm02 (ID: bTobmB5Q)

 第三章 薔薇の園

「ここかな?」

フィンは辺りを見回しながら薔薇の園の方へと進んでいた。

「お姉ちゃん誰?」

「ひゃッ!」

後ろから声がして驚く。

「驚かせてしまってすみません。僕はレン。こっちは双子の姉リンです。あなたはもしかして五番目アリスさんですか?」

淡々と自己紹介する男の子……レン。たぶんこの子達は……。

「そうよ、私は五番目アリスのフィン・フィーユド。あなた達は四番目アリスさんね?」

「そうだよッ!リンとレンはね、四番目アリスなの!」

「リン、はしゃぎ過ぎない……。」

「だって……。」

まるでレンが兄でリンが妹ではないか……。

「リン、フィンさんが困ってるから喧嘩は終わり。」

「はぁい。」

喧嘩……だったのだろうか?

「フィンさん、あなたはこれからどこへ?」

レンが不思議そうに聞いてくる。

「私は、この世界にいるアリスさん達を探しているの。一人じゃやっぱり怖くてね……。今から二番目アリスさんを探しに薔薇の園へ行くところよ。」

「そうなの〜?リン達は、今、薔薇の樹の下でお茶会をしてきたところなのぉ!おいしかったぁ♪」

「カイトさん……二番目アリスさんはこの中にいますよ?行ってみてください。」

「ありがとう。あっ、ねぇ!三番目アリスさんってどんな人?」

行ってしまおうとする二人を引きとめて聞いてみる。

「三番目アリスさんは、この国の女王です。」

「リン達ねぇ、招待されたからぁ〜、これからお城に行くんだよ〜」

「そうなんだ、ありがとう。それと、森の兎には気を付けて……。」

先ほど聞いた話を思い出し、忠告する。

「大丈夫ですよ……。ほら、リン行こう。」

「あっ、うん。ばいばいフィンさん♪」

「うん、ばいばい……。」

フィンは、遠ざかっていく双子を見届けた後、薔薇の園の入り口と思われる場所に入って行った。

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一端切ります^^;

Re: 人柱アリスと五番目アリス ( No.6 )
日時: 2010/04/02 21:48
名前: 咲八 ◆rhFJh.Bm02 (ID: bTobmB5Q)

 続きから
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「こんにちは……」

フィンは恐る恐る薔薇の園に入る。

「だ……誰かいませんかぁ?」

誰の返答も帰ってこない。

——カサカサッ

茂みが動いて音を鳴らす。

「え…嫌……助けてぇッ!誰かぁ!」

「えっ?ちょっと待って?」

悲鳴を上げるフィンに対して、声の主は動揺しているようだった。

「ふぇ?」

間抜けな返事をして声の主を見ると、そこには、綺麗な青髪をした長身の男の人が立っていた。

「驚かせてしまったのなら申し訳ない。僕はカイト。またの名を二番目アリス。……君は?」

綺麗で落ち着いたその声は私に問いかける。

「いいえ、大丈夫です。こちらこそ勝手に入ってしまって申し訳ありません。私はフィン・フィーユド。またの名を五番目アリス……。」

「そうか、君が五番目アリスか。あっ、こんなところで立ち話もなんだから、お茶しないかい?」

カイトが優しい笑みで問いかけてくる。

「迷惑でなければ喜んで……。」

「そうか、それじゃあ大丈夫だ!こっちに来てくれる?」

「はい。」

私はカイトさんについて行った。ついて言ったその先に広がった空間は、おとぎ話の世界のようだった。白の丸いテーブルに、椅子が三脚。たぶんリン・レンの二人とお茶をしていたから。テーブルの上には、クッキーとキャンディーの詰まった入れ物が置いてあった。

「そこに座っていて?」

カイトさんの申し出に甘えさせてもらった。

「どうぞ。ここで取れた薔薇の紅茶。四番目アリスの二人が喜んで飲んで行ってくれたよ……。あっ、二人の事は知ってる?」

「はい、知っています。さっきそこで会いました。」

カイトさんはそうかと言って紅茶を一口飲む。

「ところで、フィンさんはどうしてこの世界に?」

カイトさんは分からないという風に眉を寄せ、困った顔をした。

「実は、私がここに来た理由は、自分でそれを望んだからなんです。私、今の家の本当の子じゃないんですよね……。みんな良くしてくれるんですけど、なんだか居心地が悪くて……。だから、月にお願いしたんです。ここではないどこか遠くの世界に行きたいって。その夜眠りについて起きた時にはもうこの世界にいたんです。」

「そうだったんだ……。嫌なこと話させちゃってごめんね?僕は歌を歌ってたらいつの間にか……ねっ?」

カイトさんは笑う。

「そうなんですか?……あっ!そろそろ行かなくちゃ!三番目アリスさんを探しに……。」

「三番目アリス……ミクの事か……。あぁ、ミクはよくここに来ていてね?……あぁぁぁぁ!」

悲鳴に近い声で絶叫するカイトさん。

「どうかしましたか?」

「いやぁ、忘れるところだったよ!君が五番目アリスだってことを……。これ、ミクからの招待状!」

渡してきたのは十字架のマークが入った封筒。

「なんで十字架?」

「えっ?なんでって、フィンさんの左手の甲見てよ?」

そう言われて初めて気が付く。

「なにコレ?ピンクの十字架?」

「そう、この世界には人をマークでわけている習慣があるみたいなんだ。夢が言っていた。ちなみに僕はダイヤ。」

そう言って青いダイヤを見せるカイト。

「本当だ……。カイトさん、なんかいろいろとありがとうございました。さっそくお城に行ってみますね!……あっ、森の兎には気を付けて……。」

「そう、お役にたててうれしいよ。森の兎……正式な名前は『神判兎』と言うんだよ?この世にふさわしいアリスかどか見極めるためにいるんだ……。フィンさんも気を付けて……。」

「はい、ありがとうございました!」

フィンは薔薇の園を抜けて、上に見えるお城を目指した。

Re: 人柱アリスと五番目アリス ( No.7 )
日時: 2010/04/26 10:22
名前: 咲八 ◆rhFJh.Bm02 (ID: bTobmB5Q)

 第四章 審判兎

私はカイトさんから受け取った薔薇の香りがする封筒を開けた。

「五番目アリス様 このような手紙をいきなりさしだすこと、お許しください。この封筒をお受け取りいただけましたら、私、三番目アリスこと『ミク』のところまでお越しください。お待ちしてります。お城は、霧の森を抜けた丘の上にあります。直、審判兎にはお気をつけて……。では……。 三番目アリス ミク」

——霧の森か……『審判兎』のいるっていうあの森の事かな?

私は森の方を見る。森の奥に見えるのは、お城だと思われる豪華な装飾の施された建物だった。

——あれが霧の森だわ……。

身震いがしたのを抑え、私は霧の森へ向かった。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「ふう、やっとここまでたどり着けたわ……。」

私が今いる場所は、一番目アリスさんと合った場所。

「一番目アリスさん、大丈夫かな?」

私は一番目アリスさんの心配をした。すると……

「止めろッ!来るなぁッ!」

返り血を浴びた一番目アリスのメイコさんが何かから必死に逃げている。

——どうしたんだろう?

私はメイコさんが逃げている方とは逆の方向を向く。するとそこには……。

——ピョンピョン

黒い兎……審判兎がいた。

「来るなぁッ!」

叫ぶメイコさんをよそに、審判兎はどんどん近付いて行く。そして、メイコさんに追いついたかと思ったら、

「お前は人を殺めすぎた……よって我が手により牢獄への追放を命じる。」

審判兎はメイコさんに追いつき、叫ぶメイコさんを檻の中に閉じ込めた。

「我が手により、一番目アリスを追放の刑と処す。」

審判兎はその檻をどこかに……消した。

——えっ?嘘!?メイコさんは!?

私はみつからないように辺りを見回す。

メイコさんの姿は無い。審判兎だけがその場にいた。

「ふぅ……。駄目だったか……。メイコならやってくれるって信じてたのに。」

審判兎は呟いてからスッと瞳を閉じた。

「なにしてるんだろ?」

私はその光景に見入ってしまっていた。

「そろそろ時間だ……。」

——パァ

光が審判兎の体を包む。そして、光が消えたと思ったら

「やっと戻れたよ……。」

人間の姿に……なった。髪は紫色。古風な衣装に身を包んだ、長身の男性だった。見入ってしまっていた私はつい、木の棒を踏んでしまった。すると

——パキ

音を立てて木の棒が折れた。

その音が聞こえていたようで、

「誰だ」

声がした。私の心臓は大きな音を立てている。

——ガサガサ……。

少しずつ近づいてくる足音に震えながら身をかがめていた。

「見つけた」

私は審判兎に見つかってしまった——……。

Re: 人柱アリスと五番目アリス ( No.8 )
日時: 2010/04/26 13:46
名前: 咲八 ◆rhFJh.Bm02 (ID: bTobmB5Q)

続kカラwww

「ひ…」

私は声も出なかった。

「……そこまで怖がる必要はない。我は今、『零番目アリス』だからな……。」

審判兎から聞いたのは意味不明な事だった。

「零番目アリスさんは審判兎に連れていかれて……。」

「そう。我は審判兎につかまり、消えた……はずだった。」

「だったってどういうことですか?」

「我はこの世界の事を歪んでいると思った。確かに自分だけの世界を作り上げられるかもしれない。けど、それじゃ意味が無いんだって……。そういう気持ちを残したまま消えたら、いつの間にかこうなってた。」

「そう…なんですか……。」

「この姿でいられるのもあとわずかの時間しか残っていない。逃げなさい。我が審判兎になってしまったら、理性が無くなり、君の事を……。そうなる前に、さぁ早く。」

「あ…あの……。二つお聞きしてもいいですか?」

「なんだい?」

「あなたのお名前と、……その…メイコさんの居場所……。」

「我の名は『ガクポ』。……メイコは……歌のもとを辿ればいずれわかるさ……。ごめんな。回答になってないや……。さぁ、そろそろ『奴』が来る。」

私はガクポさんに頭を下げ大急ぎで森を抜けた。

森を抜けた先に広がっていたのは広大な黄色い花畑と、豪華な装飾が施されたお城。

「あれが…お城ね……。」

私は花畑を通り、お城の前まで行く。

「すみません……。五番目アリスと申します」

門の前で大声を出す。すると

——ギギー

重たそうな門が開いていく。

私はお城への一歩を踏み出した。


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