二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 唄い鳥 〜桜蘭高校ホスト部〜
- 日時: 2010/06/16 17:03
- 名前: さくら (ID: 50PasCpc)
皆さんは、イナズマイレブンやポケモンなどの小説を書いている人が多いと思いますが、私は違う小説をかきます!
〜〜〜〜メニュー〜〜〜〜
●オリキャラ紹介・・・>>01
●本編
ep01「出会いの唄」>>02 >>03 >>04 >>05 >>06
ep02「藤岡ハルヒ」>>07 >>08 >>09 >>10
ep03「両手に美男子」>>11
- Re: 唄い鳥 〜桜蘭高校ホスト部〜 ( No.8 )
- 日時: 2010/06/15 19:16
- 名前: さくら (ID: 50PasCpc)
そう、
わたしは人が来ると逃げてしまうから、わたしの声は幽霊扱い。
影では“美声の君”なんて呼ばれているらしい。
桜蘭は楽しい。
楽しいけど、これじゃあわたしの目的が果たされない。
そう思いながらも、今日もわたしは歌うしかない…
—————…
(ヤバ……)
鞄の中を探してみても、今必要な辞書が見つからない。
(どうしよう…)
転入して日も浅い。
早く授業にも追い付かなくてはいけないのに、こんなミスばかり。
鞄の中に突っ込んでいた手を戻し、調べることをメモしようとシャーペンを握った。帰ってから調べようと思ったのだ。
「高村さん」
「あ…なに??」
斜め前の席にいる藤岡ハルヒは、サクラの方に顔を向けていた。
「辞書ないの??」
キョトンとした顔のまま、彼はそう言った。
「あ…う、うん…」
「これ使っていいよ」
そう言った彼の手には、ずっしりと重たそうな辞書。
そんな中、教師の声は途切れない。
「い、いいよ…!藤岡さんも辞書ないと大変だろうし…!」
「自分なら大丈夫だよ。大体は昨日のうちに調べてあるから」
だから、と彼は更に手を伸ばした。
- Re: 唄い鳥 〜桜蘭高校ホスト部〜 ( No.9 )
- 日時: 2010/06/15 19:17
- 名前: さくら (ID: 50PasCpc)
この重い辞書を彼の細い腕が支えていると思うと、サクラは物凄く申し訳なくなった。
「…ごめんね」
「うん、気にしないで」
微笑む彼の左右にいる常陸院兄弟が視界に入ると、やっぱり俯いてしまう。
「…あんまりハルヒに迷惑かけないでよねー」
「う、うん…ごめんね…」
「ちょっと光…!」
「ハルヒ、僕の辞書貸してあげるよ」
「馨のより僕の貸してやるよ」
「あーもうわかったから!」
結局ハルヒを中心に、三人は机をくっ付けた。
その間にハルヒも小言を言っていたけれど、楽しそうな二人に挟まれて何も言えなくなっていた。
(仲良しだなぁ…羨ましい…)
ぼーっと三人を見つめたあと、はっと我にかえって辞書を捲った。
—————…
6限目が終わり、HRも滞りなく終わる。
「ハルヒっ!!部活行こ!!」
「うん…ちょっと待って」
「遅れたら鏡夜先輩に怒られるんだから早く行こうよ!!」
「ゆっくり行っても間に合うから大丈夫だよ」
ハルヒを急かすものの、ちゃんとハルヒの準備が終わるのを待つ二人。
そんな二人の優しさにも気付き始めたサクラも、帰る準備を始める。
「ハルヒくん、光くん、馨くん、また明日」
「うん、また明日」
「「じゃーねー」」
みんなに手を振りながら、三人は教室を出て行った。
- Re: 唄い鳥 〜桜蘭高校ホスト部〜 ( No.10 )
- 日時: 2010/06/15 19:18
- 名前: さくら (ID: 50PasCpc)
「……あれ??」
机の中に忍ばせた指先に当たった辞書。
先程ハルヒから借りた物だ。
「………」
「どうかなさったの??高村くん」
「あ、あの…藤岡さんは…」
「ハルヒくんなら部活へ向かいましたわよ」
「高村は行ったことないだろうけど、この時間藤岡は南校舎の最上階の、北側廊下のつきあたりにいるよ」
「南校舎の…北側廊下…??」
「第三音楽室ですわ!高村くん!」
(第三…音楽室?)
「あ、でも今向かったばかりですし、急いだら追い付くと思いますわ」
教室中が「高村くん頑張って!!」の雰囲気。
明日の朝に渡す手もあるが、相手は特待生。日頃の積み重ねが大事なのだろう。
「…じゃあ、行ってきます」
両手に辞書を抱えながら、サクラは廊下を走る。
まず南校舎…
南校舎の最上階
北側廊下つきあたり
“第三音楽室”…
そこに何があるのか、何が行われているのか、
サクラは何も、
予想出来ずに走り続けた。
- Re: 唄い鳥 〜桜蘭高校ホスト部〜 ( No.11 )
- 日時: 2010/06/16 17:02
- 名前: さくら (ID: 50PasCpc)
タタタタタ…
「………」
南校舎の最上階へ上がる。
「次は…………」
サクラはピタリと立ち止まる。
(南校舎の最上階………)
「あれ…?」
(…北校舎だっけ……??)
ここは南校舎の最上階。
北側廊下のつきあたりへ行くだけな筈なのに、彼女は第三音楽室までの道のりを忘れてしまっていた。
(えーと…どこだっけ……北…北……北ー………??)
北側廊下がどうしても出てこない。階段のすぐ上でぼーっとしていると、
「北側階段だ!!」
間違った答えを作り出し、足を踏み出そうとした。
「痛…っわ……!」
中途半端に階段に上げた足を捻り、階段へ真っ逆さま。
スローモーションで今まで自分がいた階段上を眺める。
(ごめんなさい、藤岡さん…あなたにちゃんと辞書返したかったけど、わたしこのままじゃ頭を打って死んじゃう…!!)
天井を見つめながら、サクラはハルヒに詫びる。
辞書を持つ手の力が弛んで、つい辞書を手放してしまった。
(ああ…ごめんなさい、藤岡さん。あなたに借りた辞書なのに、放り投げてしまいました…)
ハルヒの笑顔が天井に浮かんで消えた。
…ような気がした。
涙がぶわっと溢れてきて、思わず目を瞑った。
(もっと歌うたえば良かった…っ)
「危ない!!崇っ!!」
誰かの声がしたかと思うと、背中に強い衝撃。それと同時に体を包まれる。
「…大丈夫か?」
後ろから低い男の人の声。
床についている足。
立ったまま、誰かに背中を預けていることがわかる。
「大丈夫ー??」
子供の声が聞こえて、ギョッとして振り返る。
高い身長の主の顔を見ると、無表情だった。そのわりに綺麗な顔立ちで、つい見入ってしまっていると
「大丈夫ー??どこか痛いのー??」
肩からひょっこり現れた男の子の姿に驚いて、しりもちをつく。
この体勢だと男の身長が際立って、かなりの大男に見える。
つい体を縮込ませてしまう。
「僕、3-Aの埴之塚光邦!!こっちは銛之塚崇!!君は??」
「い、1-Aの高村サクラ…です…」
(この二人同い年なんだ…)
小学生にしか見えないこの少年を見ながらサクラはそう述べた。
「そんな所に座っていたら、体が冷える」
崇が手を差し出すと、「す…すみません…」と言いながら手を重ねた。
「ここに何か用事があったの??」
「あ!辞書を返したくて…」
慌てて辞書を探すと、光邦が「はい」と辞書を差し出してくれた。
「ありがとうございます」
「良かったら一緒にケーキ食べようよ!!」
「……へ??ケーキ…??」
突然のお誘いに驚きつつも、自分にはハルヒに辞書を返すという使命があるのだ。
「すみません、すぐ返しに行きたいので…」
「ちょーっとだけ遊んで、すぐ帰ったらいいんだよ!!ねっ??」
う…、とサクラは困り顔をする。
(か…可愛い…!!…この人ほんとに3年生なのかな…??)
そんなことを思っていると、光邦は崇に優しく叱られていた。
「あまりしつこくするな。困っている」
「うん…ごめんね…」
うるうるした瞳で見つめられ、サクラの決意が揺らぐ。
(助けてもらったのに泣かせるなんて…)
サクラの胸が痛む。
「ほ、ほんとに少しなら……」
「ほんとう!!?じゃあ行こーっ!!」
花をぱやぱやと飛ばしながら、光邦はサクラの左手を握って歩き出す。
「崇はサクちゃんの右手だよっ」
「わかった」
左手に光邦。右手に崇。両手に美男子。
なんとも不思議な光景だと思いながら、光邦に引かれて足を進めた。
その先は、
第三音楽室。
- Re: 唄い鳥 〜桜蘭高校ホスト部〜 ( No.12 )
- 日時: 2010/08/16 18:43
- 名前: 樹 (ID: 2cRnojto)
初めまして。自分は桜蘭大好きです。ついでに、自分も桜蘭の小説かいてます(ちゃっかり宣伝)面白いですよね。桜蘭高校ホスト部って!応援してます!