二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 魔眼の刀鍛冶(ブラック・スミス)
- 日時: 2010/11/24 19:37
- 名前: 泉 海斗 (ID: B240tmf4)
こんばんは、泉海斗です。
またもや勢いで書いてしまった、聖剣の刀鍛冶の二次です。
執筆はゆっくりだとは思います。
それでも皆さんに読んでいただき、コメントをいただければ嬉しいです。
それではよろしくお願いします。
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第1章 出会い〜MEETING〜
春の温かな風が吹く、ここ独立貿易都市。周りには帝国・聖都・聖国・天都があり、それらとの貿易によってここは多いに成り立っていた。
とはいえ貿易都市もまた、それら以外の国からの旅人たちを受け入れ、ひと時の急速を与えるところとして、旅人たちにとっては天国だった。
「今日も平和でいい天気」
1人の女の子が春の香りをいっぱいに吸い込み、伸びをする。年に比べるとは対句法で、燃えるような赤い髪が特徴的な女の子。腰に派遣があり、どうやら貿易都市を守護する騎士団のようだった。
彼女の名前はレイナー・フロスト。貿易都市にある、とある貴族の家柄のものだ。そしてその腰にある剣はその家に伝わる剣であり、彼女の父親もまたこの剣で幾多の戦いを繰りぬけてきた。
しかし今は亡き父。彼から受け取ったこの県でここを守り抜いてみせるというのが彼女の夢だった。
町の中を歩いていると知り合いの皆から声をかけられる。いつも買い物に行くお店の若夫婦からはそろそろ殿方を見つけたほうがいいのではないかと茶化される。年も17になるレイナー。彼女に言い寄る男性も多いが、なかなか踏み出せないでいた。恋愛経験のない彼女だから不安なのであった。それに彼らに対して好意があるというわけでもない。ため息をつきつつ恋愛は難しいと元気がとりえの彼女に似合わない沈んだ表情になっていた。いつも騎士団に剣を配給している工房では工房長が外でタバコをふかしていた。
「こんなところでサボりですか??工房長さん」
「レイナーか、仕事の合間の一服ってもんだ。タバコを吸わないお前にはわからんだろうな」
そんな健康を害するものはやらないと舌を出して笑うレイナー。まるで子供のような行動である。ここ貿易都市にはたくさんの武器用の材料や各国の職人が来ることもあり、そのとき珍しい武器が手に入るということで、それ目当てで来るものも少なからずいた。それの監視として彼女も参加することもあり、ついこの間もそれに参加したばかりであった。
彼女には今立派な剣があるが、それもまた何代も使われていたためか刃こぼれがひどかった。研ぐことも欠かさなかったがそれでも時間に勝てないこともあった。脆くなっていたのだった。
「そろそろその剣もお役目ごめんてもんじゃねえか??いくら名剣だからといって時間には勝てねえよ」
「確かにそうかもしれないが、私にとってはこれが父からの唯一の遺品なんだ。それにわが家ではこの剣で多くの戦いに勝利してきたのだ。私もまた・・・この剣でこの都市を守りたい」
「お前ならそういうと思ったさ。でもな、もう一本持っててもおかしくはないぞ??どうせなら俺達が造ってるものもって行くか??万が一ってこともある」
「そのときはよろしく頼む」
そう言い残し、レイナーは再び巡回へと向かった。
「これは一体どういうことなんだ??」
レイナーが呆気にとられてみているのは、今まさに目の前で行われている喧嘩だった。1人の旅人らしき青年を囲んで男たち4人が喧嘩をふっかけていた。足元には何やら酒こぼれだしているこっぽがあることから口論から発展したのだろうと思われた。
「テメエ・・・もう一度言ってみろ!!」
男が青年の胸倉を掴んで引き寄せる。対格差があるためか、青年はぶらぶらと持ち上げられた状態である。
「ああ・・・大丈夫でしょうか」
レイナーの隣では、さらりと栗色のロングヘアーの少女が肩を震わせて心配そうに見ていた。神は地面につかんと刷るくらいの長さで、どことなく貿易都市の人間ではないと感じていた。青年を心配していることから、つれであろうかとも思った。
「俺達はな!!幾多もの戦いを生き抜いてきた猛者なんだよ!!それを馬鹿にしやがって」
「俺は事実を言ったまでだが??図星だからと逆切れか??小さい器の人外が・・・」
人外という言葉に違和感を感じたレイナー。それを聞いたのはそう多くなく、騒ぎになることはない。しかし今にも男たちは青年に襲いかかろうとしている。
「死ねやこのガキ!!」
理不尽な男たちの攻撃が降りかかる。大きな剣が次々と降りかかる。それを鼻先数ミリ前でかわす青年。キャーという女性の悲鳴を含めたたくさんの声が聞こえてきた。それでも平然としたかお持ちで攻撃をかわす。しかし青年はまだ腰にある武器に手をつけていなかった。よく見ると自分が使っているような剣とはまた違った形。反りのある武器がそこにあった。
「すばしっこいガキだ!!」
- Re: 魔眼の刀鍛冶(ブラック・スミス) ( No.1 )
- 日時: 2010/11/24 19:38
- 名前: 泉 海斗 (ID: B240tmf4)
頭に地が上っているために簡単なフェイントにも引っかかる男たち。転んで店のものに突っ込み、勝手に気絶していた。残った1人の男。きょろきょろと何かを探している。何をしているのだろうかと思ったレイナーだが、次の瞬間ぎょっとしてしまった。
いきなり男がこちらに向かって走ってきたのだ。
「あのチビはさっきテメエといたやつだな!!どうせ連れなんだろ??」
「きゃあああ!!」
女の子は悲鳴を上げる。そのこの前にレイナーが剣を構えて立つ。
「これ以上近づくな!!貿易都市騎士団のレイナー・フロストがお前を連行する!!」
そう勇ましく言ってみたものの、実際のところ、ようやく今出て行こうと決心が決まったのだった。実践と訓練の違いに多いに戸惑っていた。足ががくがくと震え、腕に力がうまく入らず剣の位置が低い。歯ががちがちと小さな音を立て、心臓は今のも飛び出そうだった。
「邪魔するならお前ごとぶっ殺す!!」
そういって思い剣が振り下ろされる。はっと気がついたときには降り始めがおくれ、一気に件を押され、ものすごい力で地面に叩きつけられた。バギンという音とともに、構えていた形見の剣が真っ二つに折られていた。
「そんな・・・、私の剣が・・・」
呆然として折れた剣を見ているレイナー。そんな彼女は大きな手によってつかまれる。グイッと足がつかないくらいの位置まで持ち上げられた。バタバタと暴れてみてもまったく意味がない。残った刃の部分でつきたてようとするも簡単に腕を掴まれ、地面に落ちる。男の視線は発育のいいレイナーのからだに突き刺さっていた。思わずぞっとしてしまうレイナー。
やめろという声も上がるがまったく意に返さない男。いつの間にか少女はいなくなっていた。後ろの青年の元に言っていた。胸の中でおお泣きしていることから相当怖かったらしい。レイナー自身、初めて人を守れたことに安堵していた。しかし今は自分が危険な状態だった。
「いい体してるじゃねえか・・・」
からだに触れるたびにぞわぞわという嫌な感じがした。
「やめろ!!貴様、どうなるか分かっているのか!!」
「わかっててもやるのさ。どうせ見つからなければいいだけだろ??」
そういうと男はレイナーを方に担ぎながら剣を持ち、振り回して観衆を蹴散らすように歩いていく。観衆は恐ろしさにたじろぎ、道を作る。皆レイナーをそっているが、自分が傷つくのが嫌で何も使用としない。それが当たり前であることはレイナーにも分かっているが、それでもこんな男に何をされるのは嫌だった。
「おい、どこに行くんだ??」
「ああ??まだいたのかクソガキ」
そこには女の子を連れていた青年だった。後ろには女の子が恐る恐る顔を覗かせ、心配していた。青年は整った顔をしているが眠そうな目つきで、漆黒の髪の毛は無造作ヘアーというよりもまったく手入れの行き届いていないボサボサとした寝癖のような髪型だった。光の届くことのない海の底みたいに真っ黒な瞳。どことなく東国から来た感じのする青年だ。嘆息して言う。
「単刀直入に言う・・・その女を離せっとこいつが言っている」
「ちょちょちょちょっとアリア何を言うんですか!!確かに私はそう言いましたが、伝えろとは言ってないです、ハイ」
「なんだ??この子はお前のなんだ??まさか彼女とか言うんじゃないだろうな??」
ニヤニヤとした気味悪い笑みを浮かべる男。フット鼻で笑うアリアという青年。
「まさか・・・そんなやつが俺の彼女だって??ごめん被る」
「おい!!」
確かにそうかもしれないが、そこまではっきりといわれるとこちらも女として文句の一つも言いたくなる。自分もそんな嫌味たらしな男は勘弁だと思うレイナー。
「ならどうして助けようとする??命が惜しくないのか??」
「助けるのに理由は要るのか??それにお前に負けるほど俺は腕は悪くない・・・」
はっきりといってやったアリア。その言葉に一気に逆上した男はレイナーを地面に叩き捨てると持っていた権を一気に振り下ろした。捨てられたレイナーは激しい衝撃で痛みを覚える。
「大丈夫ですか!?」
心配そうに言ってきたのは先ほどの少女だった。大丈夫だというレイナーだが、からだを強く打ち付けすぎたためか半身が激しい激痛が襲った。
「うああぁぁっぁぁ!!」
怒りに任せた力任せの攻撃。その剣に向かってついに抜刀される腰の武器。レイナーの瞳に移ったそれはまったく見たこともない剣だった。しかしあれを剣と呼べるのだろうかと思う。刀身は剣よりも細く、それでいて反りがある。
- Re: 魔眼の刀鍛冶(ブラック・スミス) ( No.2 )
- 日時: 2010/11/24 19:38
- 名前: 泉 海斗 (ID: B240tmf4)
しかし穢れ一つないその銀色の刀身にひきつけられ、見入ってしまうほどの業物だった。二つの剣がぶつかり合う。はじきアウト思われたが、次の瞬間観衆とレイナーの目にはまったく予想外の光景が映る。滑らかに男の剣のはをまるで布を切るかのように真っ二つに叩ききったのだった。折られた部分は空中に飛ばされ、重力に従って落ちてきて、男の目の前をすれすれで通過し、地面に突き刺さった。
「うあああぁぁっぁあ!!」
逃げ出す男。しかしその男を簡単に逃がすはずもないアリアは一瞬にして間合いをなくす。瞬間移動でもしたのではないかという錯覚を覚えた男。恐怖に顔が引きつる。しかしそんな顔めがけて柄が叩きつけられた。
鮮血が飛ぶ。男はひくひくと痙攣した上体で倒れている。すぐに来た騎士団たちに捕まり、連行されているところだ。ようやく終わったのかと首をぱきぱきと鳴らす。そんなアリアに向かっていくの治療を終えたレイナー。
「助けてくれてありがとう。私はレイナー・フロスト。ここの騎士団の1人だ」
「・・・」
一瞥してあくびをするアリア。それを見てむっと来たレイナーは両手で顔を自分にグリンと向けさせる。
「何しやがる!!」
「それが人のしゃべるときの態度なのか??そういう時は目線を合わせるのが常識なのだ」
急に首を動かされたために首をさすっているアリア。
「大丈夫ですかアリア??」
少女がタタタとアリアに近づく。ああとそっけない返事をするアリア。
「アリアというのか??まるで女の名前だな」
「ほっとけ・・・」
一瞬思いっきり睨みつけられたレイナーは思わずその迫力に押されてしまう。
「テレテマス、テレテマス」
なにやら嬉しそうに口を手のひらで隠しながら言う少女。
「うるさい!!」
「ごめんなさい、ハイ」
怒鳴るアリアにびくっとさせて謝る少女。そんなアリアにレイナーは文句を言うが、大丈夫だという少女。くるりと背を向けて歩き去ろうとするアリア。レイナーはどこに行くのかと聞くと。
「何でお前なんかに言う必要がある??」
確かにそうだが、それに何故自分は聞いてしまったのかと、悔しさと後悔の両方を感じていた。そんなレイナーに対して少女は。
「あまり気にしないでくださいね??アリアはああ見えて表現が苦手なんですよ。ツン・・・ツン・・・ツンドラでしたっけ??」
「ツンデレか??あんな男がデレることはあるのか??」
なんとなく聞いてみたレイナー。しかしそれに対しての返答はなかなか来なかった。何かいえない理由があるのだろうか。そして彼女はありあとどんな関係なのだろうか。
「私はアリアの妹です。クリス・ブラックスと言います。たぶんアリアは宿泊するところを探しに行ったのでしょう」
それにアリアが使っていた武器についても聞いてみることにした。
「あれはなんという剣なのだ??鉄を切ってしまう剣など聞いたことがない」
「あれは剣ではありません。刀というものです」
「刀??それは一体??」
クリスの説明によればとうこくにある小さな島国で作られている武器らしく、彼らが旅で身につけ、完成させたものらしい。あれでもまだガラクタらしいが。レイナーにはとてもそうは思えなかった。一度あんなすばらしいものを見てしまったら、配給されている件がそれこそガラクタに見えてしまいそうだ。さすがにそんなことは言えないが。
「刀は邪な力をなぎ払い、浄化します、ハイ。アリアが身に付けたあれはきっと・・・」
そこまで言うととたんに口をつぐむ。
「すいません、私も急がなければいけないので」
ぺこりと頭を下げるとタタタッと走り去ってしまうクリス。レイナーはただクリスを見送ることしかできなかった。
- Re: 魔眼の刀鍛冶(ブラック・スミス) ( No.3 )
- 日時: 2010/11/26 11:40
- 名前: 泉 海斗 (ID: B240tmf4)
おはようございます、泉海斗です。
執筆が完了しましたので投稿します。
それでは今日も元気に学校に行きますか!!
いってきまーす!!
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第2章 約束〜PROMISE〜
「無理だな」
「そんな・・・」
レイナーはがくんと頭を垂れる。
折れてしまった剣を直してもらおうと工房をたずねてみたのだがはっきりと無理だといわれてしまった。
貿易都市には数多くの工房があるが、ここが最後だった。
どこに行ってもここまで壊されると直しようがなく、さらに剣自体も寿命だといっていた。
確かにずっと昔から使われていた剣である、時という敵にはさすがに勝てないわけである。
「だが私にはこの剣が必要なんだ・・・」
「何故この剣にこだわるんだ??確かにこの剣は名剣とは見るが、それも昔の話。今となってはどこにでもある剣だよ」
そういわれてムカッと来るレイナーだが確かにこの剣よりも優れた剣はずっと多く生み出されている。
過去の遺物にこだわる自分はおかしいだろうか。
そうだとは思わないが、はたから見ればどうだろうか。
「これからの任務にも支障が出るだろう。支給してやるから好きなの選びな」
結局レイナーはしぶしぶ剣を鞘に収め、似ている形の剣を選んだ。
そういえば昨日あった青年・アリアの武器は見たことのない形をしていたことを思い出した。
“刀”
聞いたことのない名の剣。
「工房長、アリアという青年を知ってるか??」
「アリア??・・・しらねえな。知り合いか??」
「昨日の喧嘩で私を助けてくれた青年なのだが、見たことのない剣を使っていてな。確か刀といっていた」
「刀ね・・・聞いたことねえな」
どうやら工房長も知らないという。
もしかしたら彼は旅人なのかもしれない。
東国といっていたから偶然の出会いだったのだろう。
「もしかしたら宿に泊まってるやつじゃねえか??」
突然奥からすすで顔を黒くした男が言ってきた。
「昨日宿月の酒場に行ったらそんな名前の男がいたな」
「本当か??」
「ああ、でも結構な女に囲まれてたな。面がいいのかね・・・」
俺もあんなハーレムを作りたいなといっていたのはレイナーは無視した。
「そいつがどうしたんだレイナー。まさか一目ぼれってやつか??」
「馬鹿いうな工房長!!私があんなふざけた男になんでほれなければいけないのだ!!」
「ということはもう会っているのか。会ってどうするんだ??」
「あの男が持っていた剣・・・刀を譲ってもらいたいと思っている。うまくいくかはわからないが、昨日のあれはすごかった」
そう、剣を叩き折るのではなく、滑らかに切って見せたのだ。
あんなすばらしい切れ味の武器は見たことがなかった。
———欲しい、あの剣が欲しい。
純粋にも思ってしまった。
しかし彼がどんな職業なのか、もしかしたらただの旅人なのかもしれない。
そんな無力なものから武器を取り上げることはしたくない。
しかし今は物欲に負けていた。
工房長たちにお礼を言って、手軽な剣をもらってそれを腰に指し、アリアがいるという宿屋に走った。
目の前に昨日会ったかもしれない美少女がいた。
視線が合い、さらに距離が近すぎる。
「・・・何のようだ??」
眠い目をこすりながらアリアは言う。
慌てて離れる少女・・・レイナー。
その後ろではニヤニヤと笑っている妹のクリス。
———まったく、不愉快だ・・・。
「もう一度問う・・・ここに何しに来た。回答しだいでは不法侵入でたたき出すぞ」
「私はこの子にちゃんと許可を取って入れてもらった。だから不法侵入ではない」
「俺は許可していない」
「いいじゃないですかアリア。いい目覚めになったんじゃないですか??」
———何をふざけたことを・・・。最悪の目覚めだ・・・。
口には出さないが、顔にはっきりと出ていたようだ。
「悪いことをしたなら謝る。すまない」
「当たり前だ、まったく朝っぱらからめんどくさい・・・」
そこまで言わなくてもいいのではないかと思うレイナー。
しかしここで文句を言っては何も始まらない。
「私がここに来たのはあなたにお願いがあってだ」
「・・・俺に??お前が??・・・お願い??」
何でそんなことをという顔だ。
確かにそうかも知らないが、レイナーにとってはとても大切なことだった。
レイナーは壁に立てかけてある刀を指差し言う。
「もしよければだが・・・その刀というものを私に譲ってもらえないだろうか」
ブフッというアリアがコップの水を噴出す音がした。
ゴホゴホと咳き込みながらレイナーを睨みつける。
「どういう風の吹き回しだ??なぜ俺が大切な武器をお前なんかのへっぴり騎士にやらなければいけない??」
「その刀のすばらしさにほれてしまったからだ。剣をきってしまうなんて見たことがない」
興奮するように一気に言っていた。
拳に汗があった。
そんなレイナーの気におされ気味のアリア。
嘆息していった。
「だめだ」
「え??」
ありえる答えだったが、こうもあっさりといわれるとは思わなかった。
刀を鞘から出しながらアリアは言う。
「これは絶対に渡せないものだ・・・。命に変えてもな」
「それは・・・」
どういう意味だと聞こうとしたがぎろりと睨まれて口をつぐんでしまった。
「でもアリアは鍛冶師だから1本くらいは打ってあげてもいいのではないですか??ハイ」
「鍛冶師なのか??そういうことなら早く言ってくれ。そうすればそれを譲ってくれなどとは言わなかったのに」
「俺はお前から言えとなど聞いていない」
確かにそうだがそこまで言わなくてもいいのではないかと思う。
それよりも彼が鍛冶師名のならば同じものが手に入る。
その高揚感が高鳴る。
「だが、お前のようなへっぴり騎士には打たない主義なんだ」
「アリア・・・そんなこと言わないでくださいよ。そんなこといってもう何人も断ってるじゃないですか」
「あいつらが俺の目に留まらないだけだ。そんなやつらに俺の刀を使わせるわけには行かない」
「そこまで自分の刀に自信があるのか??」
「そういう意味じゃない。鍛冶師としての信念だ。そういうことも分からない騎士だということは今までと同じだな」
はっきりと覚悟のある目で言ってきたアリア。
半端な覚悟できてしまった自分が恥ずかしくなった。
「どうすれば・・・私に刀を打ってくれるだろうか??アリア・ブラックス」
しばしの沈黙が流れる。
ぴりぴりとした空気を放つアリア。
それが鍛冶師としての雰囲気なのだと痛いほど感じているレイナー。
そんな2人をおろおろと見ているクリス。
「分かった・・・ならば」
アリアの口から出された言葉。
“覚悟を見せてみろ・・・”
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