二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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モンスターハンター*無音旋風*
日時: 2011/01/03 11:39
名前: リリア♪♯ (ID: CA3ig4y.)

始めまして。リリアと申します。
今年初めてモンハンをやって、小説を作りたくなりました。

3rdの設定を使います。コメント(辛口も)待ってます。

〜登場人物〜

主人公・アルン(女)大剣

昔、狩りの途中に乱入されたモンスターに目をやられ、両目とも失明した。
モンスター並みの嗅覚と聴力で一瞬でモンスターを識別する。

難しい依頼も一人でこなし、あまりチームは組まない。

意外に大食いで、携帯食料もすぐ無くなる。

オトモのサイカはいつも頼っている親友だ。
過去や身内については話さず、謎のハンターとも言われている。


オトモ・サイカ(メス)

アルンのオトモ。目の見えないアルンの手となり、足となっている。

家の家計や財産はすべてサイカに渡っている。

パニックは少なく、爆弾や、ブーメランもアルンに当てた事は無い。


このコンビで村を転々としている。
ユクモは温泉の村なので、結構気に入っている。

ハンター・イクス

ユクモでしばらく狩りを続けているハンター。
太刀と片手剣を使う。

アルイと合ってからは、少しボウガンにも興味を持ち始めた。


次から始まります。暖かく見守ってください。

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Re: モンスターハンター*無音旋風* ( No.5 )
日時: 2011/01/04 12:00
名前: リリア♪# (ID: CA3ig4y.)

〜第2話 嘘〜

ジンオウガ討伐に出たアルン。

アルンは前を行くサイカの足音だけを頼りに進んで行く。

「イクス…だっけ?」

「そうだ。何だよ。」

「君、狩りを見てるの?」

「そりゃあ昨日行ったばっかだし。」

「じゃあ離れててよ。ジンオウガの標的にならないでよ。」

「わ…分かってるよ!そんな事くらい!!」

「静かに!」

二人の激化した言い合いに釘を差したのはサイカ。

前方には、辺りをうろつくジンオウガ。

「居たのか…!」

「ここに居てよ。」

アルンは最後の忠告をし、サイカと別の方向へ向かう。

使っている大剣はカタラクトソード。

水属性の大剣。攻撃力は低いものの、水属性の中ではかなりの物だ。

最初の合図を出し、一発目。

「はぁぁっ!!!」

振り下ろした大剣は、ジンオウガの後ろ足に命中し、ジンオウガが振り向く。

「グオオオオッ!!!!!」

そのタイミングを見て、サイカは爆弾を投げる。
死角からの攻撃に驚き、標的はサイカに移る。

すると、アルンが大剣をしまい、音だけを頼りにジンオウガの後ろへと逃げる。

「グガァァッ!!!!!」

その先には罠。落とし穴が置いてあった。

アルンが攻撃した時にサイカが掘っていた物だった。

「グワァァァッ!!?」

振り下ろし、打撃、そして溜め切り。

そして、罠の拘束が解けた。

「アルン!!」

アルンはジンオウガの攻撃を前転してよけ、また走る。

「アルン!帯電状態よ!!」

ジンオウガ帯電状態が始まり、アルンは頭を中心に狙う。

サイカは閃光玉を投げ、ジンオウガは帯電状態を止める。

「アルン!よけて!」

前足の攻撃に気づかず、そのまま攻撃を受けてしまう。

「うぐっ…」

前足が足に直撃する。
次の攻撃をジンオウガがした時だった。

「アルン!」

思わず叫んでしまったイクス。

ジンオウガはそれに気づき、イクスの方へと走る。

「あいつ…!あれほど言ったのに!!」

アルンは前足の攻撃を受けた足を引きずりながらも、サイカはこやし玉を投げ、ベースキャンプへと戻って行った。

〜ベースキャンプ〜

足を見ると、インゴットシリーズの防具を突き破り、爪跡が付いていた。

回復薬を飲むと、イクスの方を向く。

「ね?目が見えないって不便でしょ?」

静かに笑ったが、その顔はすぐに曇った。

「今30分。5分…なんて無理。1時間かかる時もあれば、すぐ終わる時もある。それに、こんなに傷も負う。普通の人の三倍はね。」

「…じゃあ、何でジンオウガ狩りなんて…」

「思ってもみてよ。凄腕のハンターが居る。そのハンターは、どんなモンスターでも倒してしまう。それを信じたままだったら、どんなに嘘でも、それを確信してしまう。」

「じゃあ、俺を連れて来たのは…」

「…あんたなら分かってくれると思った。目が見えないハンターが、簡単に大型モンスターを倒す事は無理だと。」

「じゃあジンオウガなんて倒すの無理じゃ…」

「ジンオウガは倒す。倒せるけど、あんたまでかばうのは無理になって来る。だから…」

イクスの方を向き、真剣な顔になる。

「イクスも、一緒に戦ってほしいんだ。」

「俺も?」

「それの方が早く終わるし、それに素材も手に入るんじゃない?」

サイカが話に割って入る。

武器屋のジンオウガ系の武具を見ていたのを知っていたのだ。

「見てたのか…」

「ええ。ついでに、そこのオトモも武具が欲しいらしいわね。」

イクスは少し考えて、アルンに向き直った。

「…分かった。行く。」

「ありがとう。」

すると、サイカが時計を見る。

「今もう1時間を超えたわ。」

出発する時間が遅かったため、日暮れも近かった。

「早めに終わらせないと、闇に飲まれて圧倒的に不利になる。」

「分かった。」

アルンは脱いでいたヘルムを被ると、ベースキャンプを出る。

アルンの防具が、一瞬、音を立てる。

動いたからでは無い。何かが違う音だった。

アルンはそれに気づき、揺れている右手を抑える。

「早く終わらせないと…」

西の空が茜色に染まり始め、更にアルンの気持ちを動かしていた。

Re: モンスターハンター*無音旋風* ( No.6 )
日時: 2011/01/04 13:10
名前: アビス (ID: U3CBWc3a)

こっちでは初めまして。フェアリーテイル書いてるリリアsでよろしいですよね?
モンハンの小説も書いてたんですね。モンハン小説を書く人が増えて嬉しい限りです。
更新楽しみに待っています。

Re: モンスターハンター*無音旋風* ( No.7 )
日時: 2011/01/07 11:36
名前: リリア♪# (ID: CA3ig4y.)

アビスさん、コメントありがとうございます!
そうです。フェアリーテイルも書いてます。
勿論この小説も頑張ります♪

〜第3話 砥石〜

ペイントの臭いを頼りに、次はアルンが先頭を行く。

辿り着いたのは、視界が開けているエリア5。
ジンオウガは、超帯電状態になっていた。

「(イクス。裏に回って。)」

「(分かった。)」

足音を立てないように、そっと回って行く。

アルンも所定の位置に付き、イクス・アルン・サイカを繋ぐと三角形になり、袋叩きにする作作戦だ。

そしてサイカが角笛を吹き鳴らす。
そして、角笛を吹いた後、素早く隠れる。

角笛の音でジンオウガはサイカの方を向くが、“気のせい”と判断したのか、またの歩き始める。


すると、高周波の甲高い音がする。

サイカが投げた攻撃の合図の音爆弾だ。

その音爆弾と共に、イクスとアルンは走り出す。

「やああっ!!!!」

「おりゃあっ!!!!」

ジンオウガの標的はサイカだった。

二人の攻撃は完全にジンオウガは予想のつかない攻撃だった。

アルンが最初に後ろ足に喰らわせていた攻撃は、ダメージとなってまだ残っていた。

ダウンしてからも、イクスは気刃切り、アルンは溜め切りを続けた。

しかし、ジンオウガは前足を振り、イクスは避けたが、アルンは避けきれず脇腹に攻撃を受け、飛ばされる。

サイカが少し青ざめる。

「イクス!アルンを助けて!!」

「何!?」

「アルンは今意識が飛んでる!!」

「嘘だろ!?」

「とにかく助けて!!アルンの戦力が消えたら…!」

イクスは閃光玉を投げ、アルンの方へ走る。

「クソ…!間に合えよ!!」

ジンオウガは閃光玉の威力が解け、イクスを標的に定めた。

「グァァァッ!!!!!!」

「げ…」

アルンは草がクッションになり、大した怪我は無かったが、ジンオウガは落ちて来たアルンと共に二人を標的に定める。

「グァァァッ!!!!」

強靭な前足がまた振り下ろされる。

イクスは太刀を抜き、攻撃を受ける。

疲労やダメージのせいもあって少し弱かったが、それでも破壊力はかなりあった。

太刀が今にも折れそうだった。

「アルン…!」

ジンオウガの後ろで溜め切りをしているアルンが見えた。

見事に入った溜め切りは、とどめの一撃にもなった。

倒れて行く巨体は、もう起き上がっては来なかった。

==========================

翌日。無事ユクモ村に生還した二人は、帰って来たのは夜の日暮れの後だった。

疲労もあり、二人は翌日また会う事にした。

アルンは、帰る道中サイカと話していた。

「ねぇ、また相手は見つかったの?」

「イクスの事…?」

「そうよ。あの人と同じ、太刀使いじゃない。」

「…そうね…でも、まだ3年も経ってない。それに、また悲しい思いをするだけだから…」

「お兄さん達からも希望をかけられてハンターになったんでしょ?」

「……でも……」

話している二人の首には、羽の形に削られた、砥石があった。

世間に出る事の無かった、三人の勇者の物語を、サイカとアルンだけが知っていた。

Re: モンスターハンター*無音旋風* ( No.8 )
日時: 2011/01/06 08:59
名前: リリア♪# (ID: CA3ig4y.)

〜第4話 ハンターの誇り〜

翌日、アルンとイクスは集会浴場で待ち合わせた。

朝のせいか、人はあまり居なかった。

隅の机に居たイクスも今回は休みとあって、軽装だった。

「受け取っといたぞ。報酬素材と金。」

一つの小包みを渡され、アルンはその場を立ち去ろうとした時、イクスに振り向く。

「私、今日にも此処を出る。」

==========================

住宅地とは少し離れた所、そこにアルンの借屋があった。

一人と一匹で暮らすには十分の広さだったが、実際使うのは二部屋だけだった。

リビングと武器庫。リビングはかなり広く、隅にベッドが置いてあった。

「本気?」

「何時もそうじゃない。」

「…あのイクスに情が移らない為?」

サイカが腕組みをして、少し怒りの籠もった声で言う。

「情なんか、そもそも持っちゃいけないの。私はね。」

「まーたそんな事言ってる。」

「ほら。分かったら支度する!」

「いつ出るつもり?」

少しの沈黙が流れる。

「今日か明日。」

「そう。」

サイカは呆れたような声で、別の部屋へと行った。

アルンの胸元の羽形の砥石は、傷が付き、今までの過去を語っていた。

==========================

名も知られていない村、シリフ村。
そこに住んでいたのがアルンの家族。

両親と兄三人とアルンの六人家族。

両親と兄はハンターで、ハンマー使いのクウマ、ボウガン使いのフウマ。太刀使いのテンマ。
三人は、腕の立つハンターだった。
アルンは三人の兄を、尊敬し、将来も自分はハンターになりたいと思っていた。

ある日。偶然にも両親と兄達の狩りが重なり、アルンは一人にされた。

たまにあるが、慣れては居なかった。

「テン兄、遊んでくれるって…約束…」

「ごめんな。用事が出来たんだ。」

アルンの目に、涙が溜まっていく。

「もういいもん!!!」

アルンは家に帰って行った。
兄のいつもこう言う所が嫌いだ、と。

「「あーあ。」」

「…しょうがねぇさ。」

アイルー達に留守番を頼み、兄達は狩りに出て行った。


その夜。
アルンの気分は浮かず、アイルー達も戸惑っていた。

その時、外が騒がしくなっていた。

「渓流に、リオレイアが…!!!」

「けい…りゅう…」

   “テン兄、どこに行くの?”

  “渓流さ。すぐ帰って来れるから。”

「兄ちゃん…!」

   “お母さん達も渓流なのよ。”

      “偶然だな。”

「お母さん…お父さん…!!!」

居ても立っても居られず、近くにあったコートを着て、家を飛び出す。

「ニャッ!!ニャアア…」

「アイルーちゃん!私行くから!!」

「ニャニャ!!!!」

行った事も無い場所。恐怖もあった。
でも、家族を失いたくない。

小さな少女の運命は、もうこの時始まっていた。

Re: モンスターハンター*無音旋風* ( No.9 )
日時: 2011/01/06 17:26
名前: リリア♪♯ (ID: CA3ig4y.)

〜第5話 運命の歯車は回る〜

「はあ…はあ…」

家を飛び出し、村の大人達にも止められたが、アルンの足は止まらなかった。
リオレイアと言う聞いた事のある“女王”の名だったが、兄達の無事が先だった。

「ニ…ニャアニャア!!」

アイルーが足に纏わり付き、止めるのを試みたが、いつしか辞めていた。


アルンの目には、決意があった。

「アイルーちゃん。止めたければここで止めて!!」

「…ニャウ…」

アイルー達も、止めるのを辞めた。

そして、アルンはまた走り出した。

〜渓流〜

「おいテン、蜂蜜取りだけが目的じゃなかったか…?」

「これが人里に出たらどうなる。俺達がここで止めねぇでどうする。」

テンマ達は、アルンの好物のハチミツを取りがてらにロイヤルハニー取りのクエストへと出ていた。

“狩猟環境不安定”と記載されていたにも関わらず今出ているのはこのクエストだけだから、と、そのクエストに出たのだ。

     “すべてはアルンの為。”

それだけだった。

「もう少しだ!!耐えるんだ!!!」

「そのつもりだっ!!!」

両者とも、戦い続けだった。
弾は切れ、切れ味も落ちていた。でも、ベースキャンプへ戻っても、物資は足りず、その間にも回復されてしまう。

ギリギリの戦いだった。

「兄ちゃん!!」

アルンは、声と共に弾や砥石、回復薬を投げる。

「アルン…!?」

「兄ちゃん!!!負けないでよ!!帰って来てよ!!」

アルンの言葉を言うや否やリオレイアの叫び声が聞こえ、高く跳躍する。
クウマは狙いを定め、弾を打つ。

リオレイアが落ち、テンマとフウマは斬り付け、叩く。

リオレイアも負けてはいなかった。

強靭な足で地面を蹴り、狙いを定めた先は、


アルンだった。


「ひっ…」


硬直して動けなかった。



強靭な前足は、アルンの両目を切り裂いた。

アルンは突然の攻撃に倒れ込む。

「アルン!!」

「テンマ!アルンを連れて行け!!ここは任せろ!!」

「頼んだ!!」

アルンの小さな体を抱え、走り出した。

===============

アルンは意識は取り戻したが、その目に、二度と光が映る事は無かった。

アルンの目には、リオレイアの爪跡が残された。

アルンは、絶望した。

悲しませてしまった。






そして、兄達と同じような道を歩けないのか。

===============

ある日、いつものように過ごしていた時だった。

「アルン。」

後ろから、テンマの声がした。
そして、何かが首にかかる。

「何?」

「砥石さ。」

「目なんか見えなくても、ハンターなんか出来るさ。」

羽の形に作られていた。

「目指せ。ハンターを。俺達もサポートするから。」

「兄ちゃん…!」

その日から、訓練を始めた。
山を駆け上がり、遠くの音を聞き分けたり、足音でどのモンスターかを判断したり、空気の匂いで何処か、どんな所かを判断したりした。

絶望は微塵にも感じなかった。

目の見えるハンターより、強くなってやる。
それだけが目標になり、そして村を出た。


その最初の村で始まりを告げたのは、

幸福ではなかった。


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