二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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D,Gray-man×NARUTO
日時: 2011/01/05 11:14
名前: 五月雨 (ID: sMZBR2Q8)

 はじめまして、五月雨です。宜しくお願いします。

〈勝手に作った設定〉
・14番目になりつつあるアレン・ウォーカーのことを知ったデイダラが、ペインによる転生術で一回死んでもう一度生き返らせて内にいる14番目を消す、という取引を持ち込む。

・カカシは任務で一時期黒の教団でアレンと共にイノセンス回収に行ったことが何度かある。しかし、ワイズリーの能力で黒の教団にいた頃の記憶を失っているため、現在は木の葉の里にいる。

・暁のデイダラや飛段などのメンバーは幹部で、幹部の下には下っ端である「渚」とよばれる集団がある。人数は少ない。幹部メンバーは渚から自由に自分の部下として側近におくことが出来る。なお、渚で実力をあげ、認められている者は幹部メンバー死後の後釜となっている。

・実力をペインに認めてもらえないと、転生術をかけてもらうことは不可能なので、渚で実力をつけることになる。

〈渚と側近の設定(オリキャラ含む)〉
 デイダラ→ツバメ(アレン・ウォーカー)
 サソリ →ユズ
 イタチ →サン
 ペイン →シグレ

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そしてアレンは去っていった ( No.3 )
日時: 2011/01/05 14:06
名前: 五月雨 (ID: sMZBR2Q8)

「ア・・・アレン!?」
 クロウリーがアレンに駆け寄る。
 アレンの様子がおかしい。
「ぐぅ・・ぁああ!!」
 アレンの体が徐々にノアのように染め上がっていく。
「まさかっ・・・14番目が覚醒しつつあるのか!?」
 リンクはすぐに戦闘態勢に入る。
 相手は———アレン・ウォーカーだとしても。
「やめるである!!アレンはっ・・・仲間なのだぞ!!」
「しかし14番目になりつつあるこの状態・・・彼方はこのままウォーカーを、14番目にするつもりですか!?」
「しかしっ・・・アレンは・・・」
「彼方にも無期限の任務を言い渡されたはずです。14番目にアレン・ウォーカーがなったとき、殺すと。」
 リンクの言葉に唇をかんで涙を流すクロウリー。
「だ・・・いじょ・・ぶ・・・」
 アレンは苦し紛れに言葉を残した。
「ア、アレン!?14番目になってはだめである!!」
「だ・・・じょ・・ぶ・・・絶対・・・ならない・・・か・・ら・・」
 アレンは強がって、ニコリと笑う。
「僕は・・・アレン・ウォーカーだ・・エクソシスト・・・だから・・絶対・・・に・・14番目に・・なる・・もんか・・。」
「ウォーカー・・・」
 アレンは、神ノ道化を発動した。
 白い道化がアレンを包む。
「アレン・・・!?何をするつもりであるかっ・・!!」
「だから・・・安心し・・て・・・。ぜった・・い・・・教団・・に戻る・・から・・僕は・・・だいじょう・・ぶ・・・」
 アレンは、退魔の剣を構えると、微笑んだ。
「あり・・・がと・・・待って・・て・・」
 ドスッ・・・・
「ア・・・レン・・・・」
 アレンは自分の腹に、深々と剣をさした。
 スローモーションに倒れる。
 そして————
 パァァァァァンンン・・・・
 灰になって、剣もろとも消えていった。
「アレン・・・!!アレン!!アレン!!」
「そんなっ・・・ウォーカー!!」
 そしてアレンは———去っていった。


 教団内。
「嘘でしょ・・・アレン君っ・・・そん・・な・・・」
「アレン・・・」
「アレンさん・・・」
 思い思いの言葉。
 教団内は悲しみの渦に包まれていた。
「アレン・ウォーカーは14番目になることを恐れ、自らの剣で・・・自害しました・・・。」
 リンクの報告が終わる。
 そんなリンクにつかみよる。
「デタラメ言ってんじゃねぇ!!アレンはッ・・・どっかにいるんだろうが!!お前ら中央庁がどっかに隠しているんじゃねぇのか!?なぁ、そうだろ!?そうだと言ってくれよ!!なあ!!」
 ラビがリンクの襟首をつかんで怒鳴る。
「デタラメじゃありません!!ウォーカーは・・・っ・・・」
 リンクのつらそうな表情に、ラビも気付いたのか、そっと襟首を離した。
「アレン・・・バカヤロ・・・なんでっ・・・なんでだよぉ!!!」


 ス・・・
「最後まで見なくて良いのか?うん。」
 とある洞窟の中。
 アレンとデイダラは水に浮かぶ教団の様子を見ていた。
 教団の様子を見て、アレンは泣いていた。
「見れるわけっ・・・ないじゃないですかっ・・・!!僕は皆を騙して生きている・・・僕はっ・・・・!!」
 デイダラは呆れたように、ため息をついた。
「覚悟があったんじゃないのか、うん?それに、絶対に戻るって決めたんだろ?」
「・・・っ!!」
 そう。決めた。決めたのに、なんでこんなにも悔しいんだ。
「分からないんだ・・・悔しくて悔しくて仕方ない・・・。決めたのにどうしてっ・・・」
「・・・オイラに聞かれても困るな、うん。」
 デイダラは、水の中の映像を消し去る。
「でも、お前の道はもうここしかないんだ。」
 パサ・・・
 デイダラに、暁の服を渡される。
「覚悟決めていけよ、うん。ハンパな覚悟じゃ乗り切るなんて不可能だからな。その服に誓え。お前の覚悟を。」
 渡された服をじっと見つめる。
 赤い雲模様。これが何を意味するのか。
 暁———人殺しを平気で行う犯罪集団。
「僕は暁になる。だけど———!!」
 ぎゅっと握り締めた。
「エクソシストとして教団に帰るために暁になるんだ!!絶対に自分を見失わない!!僕は・・・アレン・ウォーカーだ!!」

暁へ ( No.4 )
日時: 2011/01/05 14:58
名前: 五月雨 (ID: sMZBR2Q8)

「オイラと二人組を組んでるのがサソリの旦那なんだけどな、怒らせるとメンドーだから気をつけろ、うん。それからうちはイタチっていう写輪眼使いのー・・・」
 先ほどからデイダラに暁の説明をしてもらっている。
「・・・おい、きいてんのか、うん?」
「えっ?聞いてますよ。」
「ったく。そうボーっとしてられんのも今のうちだぜ、うん。暁に入ったら、とりあえず術を磨かなきゃな。」
「え?神ノ道化はだめなんですか?」
 アレンが少し驚いて聞き返す。
「いいけど、忍術が一つも使えなかったら怪しまれんだろ、うん。とりあえず、教科書の術と土遁位は覚えてもらわねーとな、うん。」
 にやりと笑うデイダラ。
「さっき渡したかばんの中に術の基本が書いてある本があるから、しばらくそれを見て覚えろ、うん。」
 やけに重いと思っていたがそういうことか。
「・・・やっぱり変ですよ。」
「あ?」
「なんでここまでしてくれるんですか?そりゃ嬉しいですけど、ここまでする義理が彼方にはない。ティムが、本当に目的なんですか?」
 デイダラは、「今更かよ」と愚痴をこぼしながら教える。
「前にも言っただろ。芸術家ってのは刺激を求めるもんだ、うん。その刺激を求めているだけだ、オイラは。」
「・・・刺激のためだけに、ここまでするんですか・・?」
「ああ。そうじゃなきゃやってらんねーっての、うん。」
 まだ納得できない。 
 しかしこれがデイダラのやり方ならついていくしかない。
 まだ、デイダラの全てを知ったわけでもないのだから。
「・・・と、そうだ、お前名前を決めてなかったな、うん。」
「名前?アレンですけど。」
「違う、偽名だ。アレン、なんて名乗ったら承知しねぇぞ、うん。」
「ええー?なんでですかー?」
 そんなアレンの講義をスルーしながら考える。
 空にはツバメが高らかに飛んでいた。
「・・・!よし、じゃあお前の名前はツバメな、うん。」
「今、すっごく適当に考えたでしょ!!」
「我ながらいいネーミングセンスだ。よし、お前はツバメだ。」
 物凄く勝手だがこちらからは反論できないのでしぶしぶ従った。
「よし。———今から暁のアジトに入る。気を引き締めろ、うん。」
「ここが・・・アジト・・・」
 物々しいオーラが漂い、ここに在るだけでとてつもない威圧感を覚える。そしてこのゴツゴツした表面は———
「ただの崖じゃないですか。」
「崖とか言うな!うん・・・。まあそうだけどな、見てろ。」
 目の前で印を結ぶデイダラ。
 すると崖から入り口が出現した。
「ええ!!ど、どうなってんですか?」
「シッ!静かにしろ、うん。」
 目の前に現れるのはモニター越しに映るような人影。
 その人影は———9つ。
(もしかして、この9つの影が暁の幹部メンバー・・・)
 ドキドキしながら、デイダラの後を歩く。
「デイダラ・・・誰だ、そいつ。」
 大きな人影が睨むように言った。
 いや、瞳だけは分かる。より鮮明に映し出されている。
「オイラの側近。渚んなかでイイ奴見つけたんだ、うん。」
「フン・・・また芸術で共感してもらった奴か?」
「まあ、そんなところだ、うん。」
 そしてニヤリと笑う。
「コイツは強いぜ、うん。幹部入りすんのも遠くはないな。」
(は!?ちょ、この人何を言って・・・)
「なんだと!?テメ、俺らをナメてんのか!?」
「デイダラがそこまで言うとはな・・・。」
「オイ。お前、なんて名前だ。」
 完全に敵意むき出しの幹部メンバー。
 しかし、アレンはギュッと拳を握り締める。
「ツバメです。僕の名前は、ツバメです。」
 そして一番ににらみを利かせたのは———
「・・・・・。」
 暁の中心人物である、ペイン。
 薄い紫色の、波紋のような瞳。
 この男こそが、アレンがここに来た理由だ。
「ツバメェ?貧弱そうな名前だな。」
(嫌味ならデイダラに言えっての!!)
 この名前を名づけたのはデイダラだ。
 しかもたまたま通ったツバメを見て名づけたスーパー適当なネーミングだ。
「まあ、いい。各々と実力を見させてもらおう・・・。」
 意外にすんなりと味方と思ってもらったようだ。
 見方からの推薦のだからだろうか。
 フッ・・・
 次々に消えていく人影。
「解散だ。行くぞ。」

サソリの側近1 ( No.5 )
日時: 2011/01/05 15:33
名前: 五月雨 (ID: sMZBR2Q8)

「ていうか、なんであんなこと言ったんですか!?」
「いーじゃんか、注目されたんだし。」
 解散早々デイダラに噛み付くアレン。
「おい、デイダラ。」
 不意に背後から話しかけられる。
 先ほどの巨体の人影だ。
 しかし今回は人影ではなく、れっきとした形として現れた。
「俺に相談もなしに側近を入れるとはどういうことだ。」
「それは悪かったと思ってる、うん。ただ全員の前で見せびらかすことがオイラらしいって旦那もわかっているはずだ、うん。」
(旦那・・・じゃあ、このひとが二人組を組んでいる、サソリ・・・)
 サソリはしばらく無言だったが、フンと鼻で笑う。
「こいつがそんなに強いとは思えねーけどな。」
 コイツとはアレンのことだ。
「ま、ひょろひょろしててモヤシみてーだけど、やる時はやる、うん。そこんとこはオイラが保証する。」
 絶対の自信を持つデイダラを横目に見るサソリ。
「・・・だったら実力を見せてもらおうか。」
「え?まさか旦那、闘んのか?」
 少し驚いたように言うデイダラ。
「俺じゃねぇ。俺の側近だ。」
「側近って・・・」
 すると、サソリの背後から人影が出てきた。
 そして—————
———アレン君と私は、すぐに会えるような気がしてね。
 なんでだろう。
 どうして今、リナリーの言葉が頭をよぎるのだろう。
 答えはすぐに出た。
———おはよう、アレン君。
 艶やかな黒髪。大きな瞳。
 そんなことあるはずがないと思ったが、今目の前にいるのは———
「———リナリー・・・!?」
 アレンは目を見開いて、彼女を見る。
「どうしてここにっ・・・君はっ・・なんで・・・」
「・・・は?」
 彼女が顔をしかめる。
 そして———
 ボカンッ!!
 デイダラが背後から殴る。
「イッ・・タぁ・・・」
「何やってんだ、ボケ。しっかりしろ、うん。」
「い、いや、だってリナリーが・・!!」
「別人だ。リナリー・リーとコイツ———ユズは別人だ。ホントそっくりだけどな、うん。」
 もう一度彼女———ユズを見る。
 どう見てもリナリーだ。
 声も、顔も、身長も、全部同じだ。
「・・・本当に、別人なんですか・・・?」
「だからそういってんだろ、うん。」
「おい、何の話をしてやがる。」
 サソリに話を打ち切られた。
「・・・今からユズと闘りあってもらう。そしたら俺に黙って側近を置いたことは許してやるよ。いいな?」
「っええー!?ちょ、ちょっと待ってください!!で、できません!僕は彼女とは戦いたくない!」
「バカヤロ!お前逃げんのか!!男ならビシッとやれ!!うん。」
「あ、あんた人事だと思ってぇええ!!」

サソリの側近2 ( No.6 )
日時: 2011/01/05 16:15
名前: 五月雨 (ID: sMZBR2Q8)

 結局反論する暇も与えられず、戦闘態勢に入ってしまう。
 できればユズとは戦いたくない。
 というよりリナリーに似すぎだろ。
 というより、暁の幹部ってどうしてこんなにも勝手なんだ。
 と、様々な疑問や怒りがこみ上げてくるが、今となってはどうでもよくなっていた。
 ユズとどう戦えばいいものか。
「・・・ツバメ君だっけ?」
 不意に呼ばれてビクリと反応する。
「はっはい!?」
「あの・・・本気で闘ってね?私は女だけど、手加減できないし。」
(本気で戦うなんて無理だし・・・ていうか声なんてそっくりすぎ。)
 すると、ユズは20cm程度の針を何本も手に持ち、こちらに向かってすばやく投げてきた。
「うわわわわわ!!」
 アレンは器用によけながら、岩の陰に隠れる。
(どうしよう・・・ついに始まってしまった・・・。)
「おい・・・なんだ、あのド素人丸出しの逃げ方は。」
「・・・アレだ、まだ本気を出してないだけだ、うん。」
 サソリは早くもアレンを「ザコ」と頭の中で認定した。
———口寄せの術、「怒鬼」!!
 ドドドドド・・・
「・・・!!あれは・・・」
 ユズの口寄せで5体の巨大な鬼が出てきた。
 ♪・・・♪・・・
 笛で鬼を操るユズ。
 その音楽に乗せて、鬼たちがアレンを襲い掛かる。
 そのうちの一体が、アレンを見つけて殴りかかった。
「くっ・・・!!」
 俊敏によけ、体勢を整える。
「バカが・・・今のは変わり身の術でよけりゃいいものを・・・」
 サソリがそういうが、アレンは一つも忍術を覚えていない。
 つまり、エクソシストとして、ユズを倒すしか手段はない。
 ガシ・・
「!!うわぁっ」
 ついに左足を捕まえられてしまう。
 ボガッ!!
「ぐぅ・・・」
 腹を思い切り殴られてしまう。
 しかし、鬼はアレンの左足を離そうとしない。
 容赦ない攻撃が、アレンを襲った。
「・・・なんでアイツは忍術を使おうとしないんだ。」
「・・・まあ、気分なんじゃないのか?うん。」
(バカが!!はやくイノセンスを使わねぇか、うん・・)
「げふっ・・・う・・・」
 かなりパンチを食らってしまったアレン。
 ゆっくりとユズが近付いてきた。
「・・・どうして戦わないの・・・?」
 悲しそうな目で見るユズ。
 その表情は、世界が滅ぶ夢を見た、と告白していたリナリーの顔を思い出させた。
———ヒドイやつでしょ?世界より、仲間の命のほうが大切なんて。でも、私にとって仲間が一人死ぬと言うことは、世界の一部が滅ぶことと同じなの。
「・・・そんな顔しないでくださいよ・・・。悲しい思い出が蘇っちゃいました・・・」
「悲しい・・・思い出?」
 アレンはニコリと笑った。
「君にそっくりな人が、仲間のために足を犠牲にした思い出です。アクマと戦って・・・傷ついて・・・」
 そして、生きることを誓った。
 皆で方舟から脱出して、教団に帰ることを誓った。
「その人のお兄さんが、シスコンで本当に困った人なんですよ。彼女はいっつも困らされているけど、お兄さんをすごく大切にしていて。そして仲間を、誰よりも大事に思っていて。」
 クスリ、と笑うアレン。
 ユズは黙って聞いている。
「僕は彼女に魅入られて、仲間を大事にしようと思ったくらいです。だから———そんな彼女にそっくりなあなたと戦うなんて、僕にはできません。」
 ユズは目を伏せると、笛で鬼を操った。
 鬼の腕からは、鋭い刃物が覗いている。
「例えそうだとしても、私はその人とは別人。そっくりってだけで、自分が殺される状況でも、あなたは私と戦おうとはしないの?」
 静かにそう言うユズ。
「・・・どうでしょうね・・・。でも、戦えないのが現状ですから。本当、ちっぽけな人間ですよね。」
「・・・!!」
「このッ・・・ドアホーーーー!!」
 デイダラがついにキレた。
 ビクッとして、デイダラを見るアレン。
「さっきは騙したとか言って泣いてたくせに、何やってんだ、うん?覚悟決めたんだろ!ここで死んでもいいなんて言えるんなら、お前の涙は全部嘘だったのか、うん!?」
「・・・っ!!」
———アレン!!なんでっ・・・
———ウォーカー・・・。
———そんなっ・・・アレン君!
———アレンっ・・バカヤロ・・なんでっ、なんでだよぉ!!
 嘘の死に悲しんだ教団の仲間。
 自分の死の偽りが、とても悔しかった。
 なのに———死んでもいいなんて———勝手すぎる。
(そうだ・・・僕は、誓ったんだ。絶対に、エクソシストとして教団に帰るって・・・・!!)
「ごめんなさい。前言撤回です。」
 アレンは—————イノセンスを発動した。
 白い道化がアレンを包む。
「僕は、その人に誓ったんです。」
———神ノ道化!!
「絶対に戻ると、その人に、自分に、誓ったんです!ここで終わることは出来ません!!」

サソリの側近3 ( No.7 )
日時: 2011/01/05 16:43
名前: 五月雨 (ID: sMZBR2Q8)

 ドガァァァァァン!!
 一気に鬼を吹き飛ばす。
「おい、デイダラ・・・今の言葉はなんだ・・・」
「別に?あのバカを起こす魔法の言葉だ、うん。」
 ユズも、戦闘意思を感じ取ったのか、すぐに間合いを取る。
「やっとやる気になったね。」
 ユズがニコリと笑って見せた。
 アレンは悲しそうにユズを見た。
「・・・そうですね。でも——叶うならこれが全て夢だったらなって思いますよ。」
 アレンは退魔の剣を構える。
 ユズも笛で鬼を操り始めた。
 ドガガガガガガガ!!!
 アレンと鬼との激しい攻防。
 ドガッ・・・
 鬼の一体が、胸を退魔の剣で貫かれて倒れた。
———道化ノ帯!!
 ブシャアアア!!
 マントから伸びた糸が次々と鬼の身体を貫いていく。
 あと3体。
———破壊咆哮!!
 ドガァァァアン!
 衝撃波が鬼を襲う。
 威力が強く、次々に倒れていった。
「なんだ、あの術は・・・見たことがねぇ・・・」
 それもそのはず、あれはイノセンスだ。
 ブスッ!
「ぐあっ・・・」
 ユズはアレンが鬼に集中している間に、針を5本アレンの身体に命中させる。
「つ・・・毒か・・!!」
 体がだんだん麻痺していく。
 視界がぼやける。
(・・・イノセンスよ・・・!!)
 ヴヴヴ・・・
 毒を体の中で浄化させる。
 視界がはっきりしてきた。
 見ると彼女がすぐそこまでクナイをもって、迫ってきていた。
 スッ・・・
「・・・え・・・」
 ユズの体に深々と、退魔ノ剣が突き刺さる。
 完全に毒でやられていると思ったのであろう。ユズは驚愕の表情でアレンを見ている。
「・・・最後まで油断しちゃダメですよ。———ボクの勝ちです。」
 退魔ノ剣は人間にはダメージを与えず透過するだけ。
 しかしそれを知らない彼女は、自分が死んだと思ったのか、力なく倒れてしまった。
 スッと退魔ノ剣を引き抜くアレン。同時に神ノ道化も解く。
 ユズを抱きかかえて、デイダラたちの元へと行った。
「・・・死んだか?」
「いえ。気絶しているだけです。」
「・・・だろうな。出血していなかった。」
 サソリは落ち着いた口調でそういった。
「お前の勝ちだ。それは認める。だが何故殺さなかった?少なくともユズはお前を殺す気でいた。」
「・・・。」
 アレンはその問いには答えなかった。
 その甘さのことは、自分でも重々に理解している。
「俺はお前の強さは認めねぇな。その甘さは自分をいつか殺すぜ?」
「・・・分かってます・・・。でも、もうこの性分は直せないんだと思います。」


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