二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 炎神暴君★リシタニア-銀魂×戦国BASARA-無事完結
- 日時: 2011/06/02 18:32
- 名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
初めましてー、ここでは本当に初めましてです。
ダメ作者の、山下愁です。
今回はですね。私の好きな銀魂と戦国BASARA3をごっちゃにした小説を書きたいと思います。
ハイ、注意!!
その1→キャラが完全崩壊。
その2→銀魂のストーリーを選び抜いてやりますから、ストーリーも崩壊。
その3→オリキャラが大暴走。
その4→何か……くそい。
その5→山下愁無理、神文読みたいな人は今すぐUターンをして、原作を読んでいてください。
その6→荒らし、誹謗中傷なコメは、強制的に無視します☆
……残った? 残りました?
では、残った人だけ、読んでください!!
ご訪問者 ありがとうございました!!
かにゅ様 野宮詩織様 ロン様 如月葵様 柚莉様 ああ様 ★ジャスタウェイ★様
お知らせ系列
オリキャラ募集>>24 募集終了!!
何のお話が好きですか? >>39
目次
登場人物>>01
プロローグ『何やかんやで、降ってきちゃったんだよなこれが』>>02
第1話『とりあえず、郷に入っては郷に従っとけ。大丈夫だから』
>>05 >>07 >>12 >>14 >>15
第2話『薬とかヤバいものあるけど、皆注意してね、街で海が見えるから』
>>16 >>17 >>18 >>19
第3話『機械? あれだろ、何か……うん。あれだよ』
>>20 >>21 >>22 >>23
第4話『ほくろに毛があると幸せになれるって本当ですか?』
>>27 >>31 >>32
第5話『下着泥棒って居るじゃん。あれって、何が楽しいの?』
>>33 >>38 >>44
第5.5話『怖い話って案外怖くないんだよ』
>>55 >>58 >>60 >>61
第6話『海の家に売っている焼きそばは、大体もっさりしている』
>>62 >>63 >>64
第6,5話『恋っていいよね』
>>68 >>71 >>72 >>73 >>74
第7話『記憶喪失に負けず、叩けば直る』
>>78 >>81 >>82 >>84
第8話『お花見は大体理性を飛ばしやすい』
>>100 >>101 >>108
第9話『忍者? うちにも居るでしょーが!』
>>111 >>112 >>113 >>114
第10話『紅桜ってさ、ある意味怖い桜だよね。だって赤いもん』
>>115 >>116 >>117 >>118 >>119 >>120 >>121 >>122
第11話『動物は最期まで大切にしてあげなさい』
>>125 >>126 >>127 >>128
第12話『ロボットは怖い、バグが怖い』
>>131 >>132 >>137 >>139 >>141 >>142 >>145 >>146 >>147
第13話『雨は必ず上がる』
>>148 >>149 >>150 >>151 >>152 >>153 >>154 >>155
第14話『鎖で縛られて喜ぶのはただのM』
>>157 >>158 >>159 >>160 >>161 >>163
第15話『夢の中が自分で彩れたら最高じゃね?』
>>164 >>165 >>166
第16話『空を見上げて歩こうか』
>>167 >>168 >>169 >>170
エピローグ『炎神暴君☆リシタニア』
>>171 >>172 >>173
あとがき>>174
質問大会
東翔>>51
椎名昴>>54
山本雫>>59
篠宮優奈>>65
月読怜悟>>95
王良空華>>156
スカイ・エルクラシス>>162
作者の裏設定情報ー☆
その1>>75
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- Re: 炎神暴君★リシタニア-銀魂×戦国BASARA-質問大会中 ( No.155 )
- 日時: 2011/05/01 17:17
- 名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
第13話 雨は必ず上がる。
翔の叫びが聞こえたと同時に、晴明は動いていた。
星を描き、闇天丸を調伏しようとしていたが吹っ飛ばされてしまう。
「チィッ! お前ら下がれ、奴を焼き切る!」
「無茶な?! 相手は邪神だよ。翔が死神だからって、簡単に切れる相手じゃな——!」
佐助が呼びとめようとしたが、翔は観客席から飛び上がっていた。ついでに言うと、シノとミウも。
「何してんのーッ!」と佐助は叫んだ。
シノとミウはにっこりとした笑みを浮かべると、Vサインを作った。
「いや、Vサインじゃなくて!」
「あはは。これでもアタシらは最強の戦闘民族だしぃ? やらなきゃ菜が廃るってもんよ!」
シノはそう言うなり、闇天丸に向かって行く。
その光景を武将2人と従士2人は黙って見ていた。とてつもなくブルーな気分……?
「ねぇ、あれをどうしろって言うんだよ……」
「某に訊くな」
青ざめた表情で幸村は言う。闇天丸(邪神)なんかでも生身の人間はやっぱり敵わないから。
佐助は「あはは、ですよねー」と棒読みで言った。
闇天丸は口から闇を吐き出しながら、晴明を握りつぶしていた。
その時である。
「まだ、この男が残っているでやんす」
外道丸の声が聞こえた。
リングにはフラフラとした足取りで立ち上がり、木刀を構える銀時の姿が確認できた。
「鬼とランデブー決め込んでくらぁ」
「よ、万事屋の旦那! 無茶だ、あんたはまだ完治していないだろ!」
大事な部分が。
しかし、それでも銀時は闇天丸の方へ走って行ってしまった。
一体何がしたいのだろうか。彼は勝てない相手と戦って、何を得たいのだろうか。
答えを考えるよりか先に、彼らは動いた。
政宗は6爪を、幸村は2槍を、小十郎は刀を、佐助は手裏剣を構えて観客席から飛び出す。
「「「「だったら最後までやったらぁぁあああああ!!!」」」」
4人一斉に、織田を討伐した時と同じような感じで闇天丸に攻撃を叩きこんだ。
翔はフッと口元を上へ持ち上げ、闇天丸に向かって走る銀時に手をかざす。
明るい炎が翔の掌に宿り、光となして銀時の木刀に吸い込まれた。
同じように外道丸も葛の葉も自分の力を木刀へ注ぎこむ。
明るい金色の光を帯びた木刀を掲げ、銀時は闇天丸へ向かって行った。
「まだ足りねぇぞ!! もっと寄こせぇぇ!!」
闇天丸の頭上で木刀を掲げ、銀時は叫ぶ。
政宗、幸村、小十郎、佐助も翔を見習い、同じように自分の力を銀時の木刀へ注ぎこんで行った。
「猪口才な! そんな力が我に効くとでも——うぅ?!」
闇天丸は突然、苦しみ出した。
どうやら、彼の中で道満が暴れ回っているようだ。暴れ回っていると言うよりか、抵抗していると言った方がよさそうだ。
「おのれ、道満んんんんんん!!!!」
咆哮と共に、銀時は闇天丸の頭上に木刀を突き刺した。
すると、声を取り戻したであろう道満が細々と言葉を紡ぐ。
「せ、いめい……。お前だけに、格好つけさせてなるものか。最後くらい、俺に格好をつけさせろ」
「道満……!」
闇天丸は辺りをぐるりと見渡し、そして仲間に向かって叫んだ。
「やれぇぇぇぇえ!! 1000年の時を経て、結野衆と巳厘野衆が1つになる時が来たのだ! 一族の力、とくと見せてやろうぞ!」
道満が叫ぶ。
その声で、彼らは互いを見合い銀時の木刀へ力を注ぐ。
金色の光がさらに増していく。
「晴明……俺は分かったぞ。仲直りの仕方を」
闇天丸がほほ笑んだ。
その表情はまさに、道満の顔。
「共に、江戸を守ってくれ」
「道満————ッ!!!」
瞳に涙を浮かべ、晴明は力を木刀へ向けた。
空をも貫かんとばかりに大きくなった木刀を振り上げ、銀時は闇天丸目掛けて走る。
そして————
「「「「「あ〜した天気にな〜〜〜〜〜れぇぇぇぇえええ!!!!」」」」」
闇天丸をぶっ飛ばした。
***** ***** *****
2人が戦ったおかげで、屋敷が半壊した。
なので、全部の式神を総出で屋敷を直していると言う状態だ。
「まったく。どうしたものかね」
白と黒が互いに協力をしあいながら屋敷を直す姿を見て、翔はため息をついた。
自分は陰陽師が嫌いだ。なのに、陰陽師達に力を貸したも同然の事をした。これは完全に人間に干渉をしている。
「どうして死神という物は、陰陽師が嫌いなんでござるか?」
幸村が首を傾げながら、翔に訊いてきた。
当たり前の事を訊かれたようなそんな感じがして、翔はまたため息をつく。
「調伏されるのが嫌なんだよ。誰かの配下につくってのが、俺らは嫌いなんさ」
「そんな物でござるか? しかし、翔殿は——」
銀時殿の下についている、と言おうとした時点で、翔に炎神を突き付けられた。
「言うなよ」
翔は短く言葉を紡ぎ、幸村を睨みつけた。
一方——銀時は。
何も言わず、結野衆の門を出た。
「で? お前さんは酒宴には不参加ですかー、そうですかー」
そんな哀愁漂う銀時の背中に、翔はニヤニヤしながら言葉を浴びせた。
銀時は面倒くさそうに舌打ちをして、翔を睨みつける。
「ただのファンだからな」
「そうですか、まぁいいや」
でもよ、と翔が言葉を続ける。
辺りには鬼が提灯を持って、道に沿いながら立っていた。
「え、何これ?」
「道満の仕業ー」
翔がそう言って、後ろを指差すと——道満が、げらげらと笑いながら立っていた。
「あはは、生き返ったんだねー」
「うぉ?! シノまで居るのかよ、その肉はどうした」
シノとミウは手に持った肉にかぶりつきながら、「気にするな」と言った。
「甘いぞ道満! 見よ、この華麗なる美技を!」
「フッ、何を言うか晴明! このスーパー華麗なる美技を!」
そんな事を言いながら、2人は不死鳥だとか妖怪だとかを召喚する。
政宗達も後から出てきて、神楽や新八も門を出てくる。
「綺麗な百鬼夜行だなー」
「そうアル。翔も百鬼夜行ぐらい出せヨ」
「無理だって」
万事屋一行は、夕日が差す道を歩いて行った。
- Re: 炎神暴君★リシタニア-銀魂×戦国BASARA-質問大会中 ( No.156 )
- 日時: 2011/05/02 19:07
- 名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
質問大会 王良空華
空華「ふーん、次は俺様って訳ね」
そうらしいな。まぁ、読者なんてお前の情報を知ったところで何の利益もないが。
どうせなら適当に質問して適当に帰るから、俺。
空華「ちょっとちょっと、翔さん。流石にそれはないんじゃない?」
うるせぇな、寝ていたところを叩き起こされて機嫌が悪いんだ。
さっさと行くぞ。
Q1 名前を教えろ。
空華「王良空華です☆」
Q2 誕生日、血液型は決まっているのか?
空華「8月6日。血液型はOだよ?」
Q3 意外だな。
空華「そうかねー。雫ちゃんと似たようなもんでしょ?」
Q4 趣味、特技は?
空華「趣味は色々あるけど、最近は作曲かな? 特技は忍術を作る事!」
Q5 作る? 何で?
空華「俺様は我流忍者なのよ。自分で技を作ってナンボなの」
Q6 他にも色々と小説に登場しているらしいな。
空華「にのくえ(オリジナルの小説)では、大地の暗殺者の役をやったよ?」
Q7 女好きなのか?
空華「そうとも言う。俺様、女の子に目がないから^^」
Q8 そのうち毒殺されるんじゃねぇのか?
空華「平気平気。俺様、毒だけは強いから」
Q9 じゃぁ毒を盛って殺してやろうか?
空華「勘弁して〜」
Q10 昔はそんなキャラだったか?
空華「こんなキャラだったっけ? 設定時は大人しい設定だったけど」
Q11 今は?
空華「飄々としていて掴めない、女の子大好きな王良家当主」
Q12 モデルとか居るらしいじゃねぇか。
空華「うん。D灰のラビだよ」
Q13 姿とか似てるしなww
空華「そこは言わないの〜」
Q14 未来から来たとか言ってるけど、何してるんだ?
空華「んとね、俺様はこれでも先生なのよ? 数学と理科を教えてるの」
Q15 ……背ぇ高いな。
空華「ありがとう。これでもね181センチはあるんだ。銀さんより高いよ?」
Q16 家族とか居るのか?
空華「居る居る。弟が4人、妹が3人」
Q17 全員、何か使えるのか?
空華「2番目が呪術使いで3番目は体術。4、5番目は魔法陣。6番目はダイナマイト。7番目は変身術で最後が水みたいに溶けちゃう子」
Q18 お前は?
空華「空系の技を作ります」
Q19 俺の事、どう思う?
空華「孤高で孤独な死神。でも仲間思いで感情的な一面もあり。あとツンデレww」
Q20 殺す。
空華「我流忍術『空華ノ術』奥義——涙雨(なみだあめ)」
Q21 くそ、炎を消したか!
空華「ふふん。俺様は水も使えるのー」
Q22 好きなタイプとか居るのか?
空華「スタイルがいい子。昴と同じ意見かもね、でも俺は外人さんが好きかも。ミウちゃんが好み☆」
Q23 殺されるぞ、シノに。
空華「やだなー、タイプでしょ? 別に狙ってる訳じゃないもん」
Q24 名前の由来とかあるのか?
空華「んー、『良』っていう漢字が使いたかったらしいね。名前は適当?」
Q25 馬鹿なのか?
空華「失礼な。これでも大学は出てるんですー」
Q26 眼帯してるけど、その下はどうなってるんだ?
空華「えっとね、秘密〜。誰にも言えません〜」
Q27 見せろ。
空華「止めろ少女容姿が。俺に触るな」
Q28 性格変わったな。
空華「そうかね〜?」
Q29 もう終わるな。
空華「そうだね〜」
Q30 最後に一言、あるか?
空華「ここまで読んでくれてありがとう☆ もうすぐクライマックスだから〜」
ありがとうございました。
空華「いえいえ♪ 楽しかった」
次はスカイらしいな。
面倒な事にならないといいが。
空華「あ、そうなんだ。じゃぁ俺様は三成に任せちゃおう♪」
ずるいな。
- Re: 炎神暴君★リシタニア-銀魂×戦国BASARA-質問大会中 ( No.157 )
- 日時: 2011/05/02 21:56
- 名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
- 参照: 参照を600突破してたww でもこれでクライマックスなのだ。
第14話 鎖で縛られて喜ぶのはただのM
闇の中。
どこまでも、どこまでも深い闇の中。何もかもを吸い込んで、そして無に帰すようなそんな闇。
その世界に佇んでいたのは、1人の少女だった。
歳は10代前半を予想できる程に小さく、そして若い。闇に浮かび上がる妖艶で艶のある灰色の髪。瞳の色は紺碧の空をくり抜いたかのような藍色をして、片方の瞳は包帯で覆われていた。
少女の瞳が、真っ直ぐに闇を映し出す。そして色白な肌で構成された小顔に存在する桜色の唇を三日月形に歪める。
彼女が見た物、それは闇に浮かぶ1つの炎。まるでシャボン玉のようにふわふわと浮いている。
「やっと見つけたぁ」
他にも邪魔なシャボン玉——黒い風の色や海のような色、自分の髪と同じような銀色、そして1番彼女が嫌う空色のシャボン玉を取っ払い、少女は炎に手を伸ばす。
シャボン玉の向こうに居たのは、1人の青年だった。
黒い髪に黒い装束。小柄な体に不釣り合いな鎌を持ち、『武将』という連中と絡む彼——。
「炎の暴君……」
少女は炎を愛おしそうに、愛おしそうに撫でると辺りを見回した。
いつの間にか沢山のシャボン玉に囲まれていた。赤もあれば黄色も、緑も紫も金も銀も茶色もある。
少女の瞳が、まるでうっとおしそうな物を見るかのように細められた。
白魚のような指を闇に滑らせ、少女の唇が言葉を紡ぐ。
「『縛れ』」
どこかの国の言葉を吐き出した途端、指の先から鎖が飛び出す。
鎖は辺りのシャボン玉を全て縛りつける。蜘蛛の巣のように張り巡らされた鎖から逃げるように、いくつかのシャボン玉が闇へと浮かびあがった。
少女は舌打ちをして、シャボン玉を睨みつける。
「『無駄な事。でも、私は——』」
そこまで少女は言葉を紡ぎ、口を閉じる。
ふと背後にある炎を見れば、少年が人を助けている光景だった。
「ダメじゃないか。君は人を助けてはいけないんだ」
炎に手を伸ばして、またひっこめる。
今の自分では、彼に会う事は出来ない。だとすれば、自分から仕掛けるしかないのだ。
そう。江戸の全ての人を眠らせよう。
彼も、彼の周りに居る人も。そして自分もいっそ、彼の隣で眠ってしまおう。
少女はそんな事を思い、また笑う。
藍色の瞳が上を向き、鎖に縛られたシャボン玉を映しだした。
何個かは生き残っている。だったら、生き残った彼らには最高の舞台を用意しよう。
彼も、自分と踊ってくれるだろう。
「ねぇ。炎の暴君。君はどうして、人と一緒に居る事が出来るの?」
愛おしそうに瞳を細め、少女は問う。
シャボン玉の向こうに居る青年は、少女の問いは聞こえていない。変わらずに『青い眼帯の野郎』と『赤いハチマキの野郎』と絡んでいる。
「ねぇ、炎の暴君。君はどうして、明るい世界に居る事が出来るの?」
少女の指が炎をなぞる。
シャボン玉の向こうに映った景色は、青年と他にも『赤髪のチャイナ娘』と『眼鏡の地味男子』が増えていた。
その光景を見て、少女は嫉妬に燃える女のような表情を作った。
「私だけの炎の暴君に、近付かないで……ッ!」
拳を作った手が震える。
歯がギリッと音を立てる。
少女の心は、まるでマグマが吹き上げるかのような怒りで溢れていた。
「私だけの、死神に」
「東翔————」
シャボン玉の向こうに映った青年、東翔はうっとおしそうに空を見上げていた。
- Re: 炎神暴君★リシタニア-銀魂×戦国BASARA-質問大会中 ( No.158 )
- 日時: 2011/05/03 14:20
- 名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
第14話 鎖で縛られて喜ぶのはただのM
翔はふと、空を見上げた。
何かおかしな感じがしたのだ。誰かに見られているような、そんな感じが。
空をじーっと凝視している翔を見て、幸村は首を傾げた。
「空に何か居るでござるか?」
「あ、いや……うるせぇな。少しあの鳩が美味そうだなんて考えていたんだよ」
「いくら毎日山菜だからって、鳩を食おうとするなよ」
政宗が冗談を言うようにけらけら笑っていたが、その笑顔が翔の癪に障ったようだ。
神の速さで炎神を抜くと、そのまま政宗の首筋にピタリと当てる。
翔はにっこりと笑みを浮かべると、ドスのきいた声で、
「そんなに死にたいなら彼岸とお別れしなよ?」
優しい優しい口調で「殺してやる」と言いました。
政宗は「sorry」と謝り、翔から離れる。背中に般若が見えたのは気のせいにしておこう。
殺しそびれた翔は、チッと舌打ちをして炎神をしまう。そしてまた、空を見上げた。
本当に、誰かに見られている気がするのだが——。
「気のせい、か」
そうつぶやいた瞬間、その場に居る翔と新八、神楽、幸村、政宗除く全ての人が一斉に倒れた。
翔は辺りを見回す。
まるで死んだように倒れた人々。死神の仕業かと思ったが、死神の気配はしない。人々を調べるとすぅすぅと寝息を立てて寝ていた。
「どういう事なんだ?! 人々が寝てるんだけど、一斉に寝るって……!」
新八がパニックを起こしたように叫んでいる。
翔は1度、新八を殴って黙らせ考えた。
一体どうして人々が眠るのか? というか、一斉ってどんな? おいおい、皆して不眠症ですかなんて事を考えていたら、声がかかった。
空から降って来た気の抜けた声。そしてその空と同じような髪の色、まさしくスカイだった。
「スカイ、どうしたんだ?」
「えーとね。まぁ、お話があるんで、万事屋に帰りません?」
えへっとスカイは笑って、帰り道を指した。
***** ***** *****
万事屋は眠りの被害に遭わなかった奴らがやって来ていた。
昴は首を傾げて、翔に訊く。
「見周りから帰ったら局長も副長も隊長も寝てるんだもん。びっくりして起こそうと思ったけど起きないんだ。副長に至っては春夜と俺で蹴ったり斬ったりして希実ちゃんに回復させたけど」
起きないんだ、と笑顔で言う昴。春夜も希実もしゅん、とした表情でソファに座っていた。
幸い、生き残っていた銀時は鼻をほじりながら、適当に言葉を返す。
「どうせ後で起きるだろ。ほっとけ」
「あら、それはどうかしら」
凜が嘲笑を浮かべて、壁にもたれて立っていた。
「江戸の人々が寝ちゃったのは、精神を縛りつけられたからよ」
「縛りつけるとは、一体どういう事なんだ?」
家康が清々しいほどにキラキラした瞳を凜に向けた。
凜は呆れたようにため息をつき、説明し始める。
「人々の精神はシャボン玉のような感じなの。それを絡め取って世界に縛りつける事で人々は眠ってしまうわ。その鎖を解き放てばいいんだけど、解き放てないならこのまま永遠に」
にっこりと笑う凜は、どこか怖い感じがした。
その説明を聞いた武将達は訳が分からないのか、はたまた想像がつかないのか首を傾げていた。
「まぁつまりだな、体から精神が切り離されればそのまま眠っていると。寝たまま死んだという感じだ」
空華は燐の説明よりか分かりやすく、要約して説明すると武将達も分かったようだ。
「じゃぁその鎖とやらを解き放てば、人々は目覚めるって訳だな!」
慶次はポンと手を打ったが、翔の「無理だな」という嘲笑で一蹴されえしまう。
「どうしてだよー」と慶次は反論すると、翔は
「甘い考えはよせ。精神世界にどうやって行けと言うんだ? まずはそこからだろうが」
「えー、それがあったのー? 普通に行けるんじゃない?」
普通に行けると思っていたらしい燐菜はぶーたれた。
そこへ、「待って」とストップがかかる。ストップをかけたのは、もちろん凜だ。
「凜殿、何があったでござるか? せいしんせかいという所に行けなければ話は始まらないんでござるよ」
「違うわ熱血野郎め。話はそこじゃないの。翔、あなた忘れていない?」
凜は無表情で涼しげな表情をしたまま、翔に言う。
「あなたはこの世界、この世の中で唯一、精神世界に行く事を許されているはずよ?」
- Re: 炎神暴君★リシタニア-銀魂×戦国BASARA-質問大会中 ( No.159 )
- 日時: 2011/05/03 14:54
- 名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
第14話 鎖で縛られて喜ぶのはただのM
「俺が、精神世界へ行ける——?」
翔は首を傾げた。
言葉の意味が分からない。何故自分だけが精神世界に行けるのだ?
精神世界に行く事は至難の業とされている。資格を持つ者だけが入れる闇の世界なのだ。
では、どうして翔は行けると言うのだろうか?
「翔。あなたは忘れているようだから教えてあげるけど。あなたは精神世界の姫、鎖姫に魅入られた死神なの」
「くさり、ひめ?」
精神世界に君臨する姫君、鎖姫。それぐらいなら翔も知っていた。
人の精神を操り、縛りつける事が出来る奴だと。
「そ、それが翔と何の関係があるんだよ?」
昴が凜に言った。
魅入られた、の意味も分からないの? と思った凜はため息をつく。
「そこの少女容姿死神は鎖姫が狂ったように愛されている人なの。要は鎖姫の好きな人ね」
「ハァ?! おい、翔。聞いてねぇぞ!」
慶次は翔の肩を掴んで、思い切り前後へ振る。
いきなり脳をシェイクされた翔は、慶次の顔面へ飛び蹴りを叩きいれた。
「身に覚えがないな、鎖姫? 何故俺がそんな奴に愛されなきゃいけないんだ」
「そりゃ、あなたが世界を崩壊させる力を持つからでしょ?」
凜は平然と言ってのけた。
皆の視線が、翔へと集中する。
「あなたのその炎神。あなたは平然として振るっているけど、それはあなた以外の人が素手で触れると呪いに犯されて死んでしまう代物なの。精神を操り人を眠らせる鎖姫、物理的に世界を崩壊させる事の出来る炎の死神、まさしく2人がタッグなんか組んだら私達まで死んじゃうわよ」
「いや、死ぬだろ。翔は死神なんだし」
佐助は苦笑をしながら凜に言った。
「でもぉ、何で鎖姫が出てくるの? そんな力を持っているなら、封印されてもおかしくない?」
燐菜が挙手で訊いた。
空華は「あー、それねー」と軽い言葉を返す。何か知っているのだろうか。
「多分、俺様とスカイがいけないんじゃないかなー」
全員の空気が固まった。
空華とスカイがいけない? 空華は分かるけど、スカイはどこがいけないのだろうか。
すると、スカイもハッとしたような表情を浮かべてポン、と手を叩いた。
「だって、あれは人間がいけないんだよ! 俺を封印して、一体何になるのさ。俺は何もしてないじゃんー!」
「翔が精神世界へ行ける唯一の『人』ならば、スカイは精神世界へ導く『鍵』だな」
空華は真面目な表情を、スカイに向ける。
スカイは何も言えなくなり、ただ黙ってうつむいていた。
「んで、俺様は鎖姫の『刀』ってトコ? 実は未来からリンクされてね、依頼でこの世界に来たんだけどさ」
「じゃぁ翔とスカイと空華は敵って事アルか?」
神楽が番傘を翔に叩き付けんとばかりに振り上げながら空華に訊いた。
空華は笑いながら「翔とスカイは違うんじゃないかなー」と言った。
「俺様は分からないけど、翔とスカイは精神世界へ行けるんだから良ければ止められるし悪ければそのまま俺様らもお陀仏。嫌なら君らもついて行ったらいいじゃない」
「ついて行く? そんな簡単な事が出来るのか?」
三成が怪訝そうに空華へ質問する。
「出来るよー」と笑顔で言った空華は、スカイに視線を送る。
チッと舌打ちをしたスカイは、手を捻った。
ガチャリと鍵が開くような音がして、空気中に亀裂が入る。そこから空気が開いていき、世界が見えた。
雷が今にもなりそうな灰色の空。その中心にそびえ立つ、ボロボロの塔。
「さぁ行きましょうか? 鎖姫との対決に」
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