二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- マリア様が見てる 色々修正しました
- 日時: 2012/04/25 06:30
- 名前: 甘夏 ◆/jSdQ8DCuQ (ID: zJO5nSPV)
ぼろぼろと矛盾点等ありましたので修正中…。
ただいま>>6まで修正完了
<理沙目線>
それは、体育祭が終わりもうすぐ学園祭という時期で
山百合会の仕事もなく、過ごしやすい秋の日の事だった
「ロザリオを、返してほしいの」
お姉さまは、眉を下げながらもハッキリとあたしにこう言った。
お姉さまは紅薔薇さま(ロサ・キネンシス)。
全校生徒からのあこがれの的である薔薇さまがこんな事をして、
どうなるのかも考えてていないような、少し焦っているような瞳。
「…そうですか」
あたしは首にかけていたロザリオを外す。
お姉さまから貰った、グリーンの色石が付いたロザリオ。
どうして、とか嫌だ。とかは言わない。
お姉さまがこんなことする理由もない、あたしがお姉さまに逆らってまで妹でいる理由も無いからだ。
お姉さまにロザリオを差しだすと
少し戸惑うような…そう、思いのほかあたしが普通にしていたからか。
そんなそぶりを見せつつロザリオを制服のポケットに入れた。
これで、もう、戻れない。
紅薔薇さまは、きっとあたしを捨ててあの子を妹にするのだろう。
その子の名前は国枝小町。
今は山百合会のボランティア…そして、もうすぐ紅薔薇のつぼみとなる子。
- Re: マリア様が見てる ( No.3 )
- 日時: 2012/04/25 05:46
- 名前: 甘夏 ◆/jSdQ8DCuQ (ID: zJO5nSPV)
<沙夜華目線>
「明日香と蛍ちゃん、よりによって一番いて欲しい人達が遅れるってどういうことなのかしら」
頬杖をついて溜息をつく白薔薇さまこと優菜さま。
「そうね、確かにそろそろ来てくれないとあのことについての話し合いが出来ない。
でもこれは私らだけで話し合っても意味無いしなぁ。あ、沙夜華、紅茶おかわり」
暇つぶしに宿題を広げて紅茶のお代わりを要求する、黄薔薇さまことお姉さまの月姫。
「あ、沙夜華ちゃん私も貰おうかしら。ホットミルクが飲みたいわ、最近冷えて来たし」
「だめ〜私の妹の入れたお茶は私だけのものだもの」
…お姉さまったら。
「あーら、随分と独占欲が強いのね。良いじゃない、お茶じゃなくてミルクよ」
「お茶もミルクも似たようなものよ。
ふふん、何よ羨ましい訳?そうよね、薔薇さまにもなって妹の居ないあなたなんて
私の沙夜華のお茶を飲む資格なんてない!」
そう、3年生の優菜さまには妹が居ない。だから白薔薇一家は薔薇さま一人だけである。
ついでに黄薔薇一家は、お姉さまの月姫が薔薇さま。私がつぼみ。妹はいない。
で、紅薔薇一家は、明日香さまが薔薇さま。つぼみは理沙。つぼみの妹は蛍ちゃん。
そして、別枠の小町ちゃん。
山百合会の正式メンバーはただいま六人。少し人手が足りなかった。
だから、五月の終わりごろ唯一の一年の蛍ちゃんが、数名お手伝いさんをつれて来たのだ。
でも、日が経つにつれて一人、二人と減っていき最後には小町ちゃん一人に。
リリアンかわら版じゃ、私か優菜さまどちらの妹になるか!?と、紙面を騒がしている。
…と、いっても面白いネタがない時に「んじゃこれでも取り上げとくか〜」みたいな感じでネタにされているので
本気にしている人は多分いない。それに私と小町ちゃんは性格的に合わないし。
そんな小町ちゃんは、山百合会メンバーじゃ紅薔薇さまが好きだそうで、明日香さまも良く可愛がっていた。
…そりゃ、3年生は1年生に甘いものよ。いつの時代だってそう。
でも、理沙がいるときにそういう風にしてる明日香さまは嫌だった。
そんなことを、お姉さまの紅茶を入れながら(おまけに優菜さまにもホットミルクを)ぼんやりと考えていた。
「沙夜華!紅茶零れるっ」
「あっ」
ぼんやりとしていたらコップに注ぎ過ぎて紅茶がこぼれた。
「あらら、やっちゃったわね沙夜華ちゃん。大丈夫?」
優菜さまがハンカチを濡らして差し出してくれる。ううっ…火傷した。
「何ぼんやりしてるのよ、危ないわね」
少し呆れ顔のお姉さまは、慎重にカップを持ち上げて紅茶を飲む。
「いや、2人とも遅いな…と」
- Re: マリア様が見てる ( No.4 )
- 日時: 2012/04/25 05:52
- 名前: 甘夏 ◆/jSdQ8DCuQ (ID: zJO5nSPV)
「紅薔薇さま、お待たせしました」
マリア像の前に佇むその人に私は声をかける。
「大丈夫よ、私も来たばかりだから」
…紅薔薇さまは嘘つきだ。
明日香さまは、ついさっきここで理沙さまにロザリオを返せと言ったのだ。
それなのにそんな嘘をついて。
「あぁ、そうなのですか。なら良かったです」
私が、そんなことにさえ気が付いてないって本気で思っているの?
さっきだって茫然とした理沙さまとそこの道ですれ違った。
理沙さまは私に気が付いていないようだった。そして首にはロザリオは掛かっていなかった。
「…今の私には妹がいない。だから小町ちゃん、私の妹になって下さい」
「…お受けします」
何でこんなことになったのだろう。
私はただ、遠くからでもいいから紅薔薇さまや理沙さま達を眺めていられればそれでよかったのに。
「今の私には妹がいない、だから」
だからって何なんですか、明日香さまは妹なんて誰でもいいとお考えなのですか。
「そう…よかったわ」
自分は何をしている?
友達のお姉さまからそのお姉さまを奪い、妹の座に収まるなんて。
ただでさえ私は薔薇さまとつぼみファンに嫌われているのに。
それなのにこの誘いを受けると言うことは…きっと、すれ違った時の理沙さまの顔が忘れられないからだろう。
理沙さまは普段弱みや隙なんて見せない強い人だから。
「じゃあ…」
明日香さまが制服のポケットからロザリオを出して輪を広げる。
そして、私の首にかけた。
「…じゃあ、行きましょう?」
明日香さま…いや、お姉さまが私の肩に手を置いて言った。
どこにって?それはもちろん、薔薇の館だ。
…これからどうなってしまうのだろう。
私には分からなかった、でも。
これでもう戻れない。
それだけが、頭の中を駆け巡る。
- Re: マリア様が見てる ( No.5 )
- 日時: 2011/10/04 17:15
- 名前: カンナ (ID: YO.h.a0k)
まあ、ガンバ!
- Re: マリア様が見てる ( No.6 )
- 日時: 2012/04/25 06:27
- 名前: 甘夏 ◆/jSdQ8DCuQ (ID: zJO5nSPV)
古い階段がギシギシ大きな音を立てる。
未だに繋いだままの手は、少しだけ汗をかいていた。
階段を昇り切りビスケット扉を開ける。
その先に居たのは白薔薇さまこと優菜さま、黄薔薇さまこと月姫さま、黄薔薇のつぼみの沙夜華だった。
「…ええっ?」
あたしはとあることを思い出し、思わず声をあげてしまう。
「り、理沙ちゃん?!どうしてここに…蛍ちゃん?明日香はどうしたの」
それは3人も同じようで、あたしが現れたこといとても驚いて、黄薔薇さまこと月姫さまはいった。
どうしてかって?一番最初にあったでしょう、今日会合があるなんてあたし聞いちゃいない。
会合がないならみんなさっさと帰る筈だ、それなのい蛍は薔薇の館へ行こうといった、
そして実際着いたら何故かみんながいた。
そりゃ、驚くでしょう。
「うぁ…忘れてた」
つぶやく蛍。
「…あーあ、ついにやっちゃったのねあの人は」
「全く、タッチの差って感じ?」
優菜さまも月姫さまも何を言って……あ、分かった。
あたしにお姉さまの考えが分かったように、付き合いの長い薔薇さま方も気がついたんだ。
明日香さまが小町ちゃんを妹にすること。
で…それを阻止するために、本来なら一番傷付くであろうあたしを外し、話し合いをしようとしたのか。
…お優しい方々だ。優菜さまは字の通り。
「まあ、2人とも座って。沙夜華お茶入れて。話はゆっくり聞くわ」
「はい」
黄薔薇さまに言われ、あたしと蛍は席に着く。
…癖というかなんかで、やっぱりいつも座っていた席に。
沙夜華が暖かいお茶を持ってきて配り、着席する。
「…さて、理沙ちゃん蛍ちゃん。こちらも何が起こったかは分かっているつもりだよ」
「…でも、一応確認しても良いかしら?いやならいいのよ、そういって」
「いえ、平気です」
心配そうな顔をしている蛍にそっと微笑みかけて、あたしは起立。
「私は…紅薔薇さまにロザリオを返しました。つまり私はもう紅薔薇のつぼみではありません」
「それは…少し違うのではないの?あなたが返したんじゃなくて、明日香が返せと言ったのでしょう」
優菜さまは言う。あたしは…何も言えなかった。
「…困ったな。学園祭もこれからだっていうのに」
くしゃっと、頭をかいて黄薔薇さまは言う。
「あ…それで、2人はどうするの?」
今まで黙っていた沙夜華、ふいにこう聞く。
「どう…って言われましても…普通の一般生徒として残りの学校生活過ごすのでは?」
「それは無理ね、どう考えても」
あたしの代わりに蛍が答えるが、優菜さまがきっぱりいう。
「新聞部に引っ掻き回されるわよ、このこと。そうしたらとても普通の学校生活なんて無理」
「あー…あの江戸っ子部長。でも引退したんじゃいの?」
「甘いわ。千秋さんはあれでも学力はあるもの、リリアンの大学に行くと言っていたから今でも現役」
「うわ、それは手ごわい」
ちなみに言っておきますと、
前新聞部部長の3年広瀬千秋さまは山百合会ファン。ことあるごとに山百合会をネタに新聞をつくる。
この時期じゃもうとっくに3年は部活を引退している筈だが、上記の理由により今でもバリバリの現役。
なぜ江戸っ子部長とよばれるかというと…いや、いいか。あたしあの人苦手だし。
「理沙ちゃん、蛍ちゃん、私からも聞かせてらうけどこれからどうするの?」
「…もし、よかったら事態がおさまるまでは薔薇の館に来ても良いでしょうか」
「全然いいよ、ねぇ?山百合会は人手不足だからね」
じゃあ、決まりね。そういってほっとしたように笑う月姫さま。
これで、良かったのかな。
- Re: マリア様が見てる ( No.7 )
- 日時: 2012/04/26 19:44
- 名前: 甘夏 ◆/jSdQ8DCuQ (ID: 0pQfijYd)
…とうとう薔薇の館に着いてしまった。
お姉さまが静かに玄関の扉を開け、中に入るのに続きながら小町は悩んでいた。
理沙さまと蛍さんは、今どこに居て何をしているのだろう?
全く私には分からないけれど…こんな事言う資格ないけれど、何となく、
二人が一緒に居ると言うことは間違いないと思った。
古い階段を昇る。これってまだ結構注意して行けばギシギシがミシミシ位には成るのだ。
紅薔薇さまがビスケット扉を開けた。
そして…
「「「「あ、」」」」
そこに居たのは白薔薇さま、黄薔薇さま、黄薔薇のつぼみ、
そして、理沙さまと蛍さんだった。
何故か入り口近くで立っていた二人はこちらを向いて固まっている。
紅薔薇さまは理沙さまの顔を見ると俯いてしまった。
私は、首のロザリオを握りしめる。
(明日香さまはどうして、よりによって私何かを選んだのだろう)
明日香さまと理沙さまは、とても仲の良い姉妹だったのに。
その間に割り込もうだなんて考えていなかった。…と言えば嘘になるかもしれない。
でも私は、ただ傍に居られるだけで満足だったのに。
それなのに。
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