二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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 冬結晶. 〔 inzm・東方小説集 〕
日時: 2012/03/19 20:33
名前: 紅闇 ◆88grV3aVhM (ID: dNKdEnEb)
参照: お菓子の袋開けたら中身が飛び散りました。ポップコーンェ……

   

         
       「やっほう、来ちゃった」


                 「……あ、あんたら何人の家でくつろいでるのよッ!」






>>東方幻常記

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*******魔道の世界--旅人達は--(イナズマ二次創作)********

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【 目次 】


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Re:  冬結晶. 〔 inzm・東方小説集 〕 ( No.110 )
日時: 2012/04/04 10:24
名前: イナズマン ◆7/Kp.DKOrE (ID: Tm4QTnE9)
参照: 新スレ作った!「日常のイナズマイレブン」よろしく

どうもー!!更新してますな!最近これなかったから…ふあぃと!

Re:  冬結晶. 〔 inzm・東方小説集 〕 ( No.111 )
日時: 2012/04/07 13:38
名前: 紅闇 ◆88grV3aVhM (ID: dNKdEnEb)


@イナズマン

おお、いつもありがとう!
いやいやコメント残してくれるだけで凄いありがたいです!
頑張るね!

Re:  冬結晶. 〔 inzm・東方小説集 〕 ( No.112 )
日時: 2012/04/19 20:22
名前: 紅闇 ◆88grV3aVhM (ID: dNKdEnEb)










「……居ない」

 左手に参加チケットを握り締めながら、彼女は呟いた。

「居ない。師匠も、あの女も、どこにも居ない」

 カーナは気の遠くなる大行列を並び、やっと帰ってきたのだ。そこで待っていたのは——いや、誰も待っていなかった。
握り締めた拳に怒りを任せ、辺りを睨むように見渡す。だが、幾ら目を凝らしても見えるのは見知らぬ人間達。

 勿論、これはカーナが望んだ結果では無いし、むしろ置いて行ったあの二人が悪い。
立場的な意味と、こうなった理由。それを指すのは——









 俗に言う、迷子だった。











   *  *  *











「師匠のバカァ——ッ!!」

 獲物を狙う獣の様な目をギラギラさせながら叫ぶカーナの姿は、さながら悪鬼の如く。
チケットを乱暴に仕舞い、人気の少ない所を探す。この行動は無意識である。怒りに任せた結果、周りに被害が無くて済んだのだ。
 ——いや、既に被害は出ている。カーナが叫んだ瞬間、周りの人々が驚かなかった訳がない。

 人がまばらになっている場所を見つけ出し、更に人目につきにくい所に向かう。
路地裏に辿り着いたカーナは、一度深呼吸をして、感情を無に向かわせる。
 ずっと探していたのに見付からないとは、何処かで話し込んでいる筈だ。自分が探したって見付ける自信も無い。

「……うん、そうだ、私は悪くない、悪いのお師匠様、そうだ」

 自己暗示かの様にぶつぶつと呟く。傍から見れば完全な変人だろう。





 そして、ふと。


 路地にある一つの分かれ道。誰も通らない様な薄暗い道をカーナは見た。カーナはそこに行くのを見ていない。
その道は丁度、茜と十夜が進んだ所。そこをカーナは、疑いの目で睨む。

「…………<導け>」

 瞬間、足元から銀色のペンキを塗った様な、細い線が光に照らされて出現する。
静かに、冷めた顔でカーナはその線を踏みながら歩き始める。勿論、何も喋らないのは、怒っている訳では無く、ただ集中しているだけなのだ。

 生暖かくなった風に髪を揺らしながら、何かに導かれ、一寸の迷いも無く突き進んでいった。










   *  *  *










「——……これでこの話は終わりです。どうでした?」
「ああ、かなり疑い深いな。本当の事なのか?」
「だから確かめに行くんですよ。それでちょっとお借りしたいな、と」
「安全は保障出来ないだろう」
「必ず此処で落ち合いましょう。約束します。それとも貴方が来ますか?」
「嫌だな。命に代えても“そっち”に行くのは嫌だ」
「……駄々をこねる子供ですか、貴方」

 崖という危険な場所で二人の女が話していた。知っての通り茜と十夜の事だが。
二人は気が遠くなる程の長い話を、立って終わらせた。勿論、すぐ動ける様にしておくという“警戒”に備えて。

 話を聞き終えた茜の顔は暗かった。どこか悩んでいるらしい。
大して十夜は何も思わなかったのか、無表情で崖の向こうを見る。——まるで何かを探す様に。

「…………さて」


 無意識に。


 無感情で。


 槍を持つ手に、力を込める。












「茜さん」
「ん」
「取り敢えず、今は“あっち”に集中しましょうよ。立っていて正解でしたね」
「……はあ?」
 
 十夜が示した所から、見た事の無い——“銀色の何か”が、流れる様にして二人に向かっていた。
げ、と茜は声を漏らす。その動きは、どこかの長い爬虫類と同じで、うねりながら移動していたからだ。色は綺麗だ、怖くも無い——ただ、不気味である。
 “銀色の何か”は、真っ直ぐに茜達の足元に辿り着くと、二人の周りをぐるぐると回り始めた。十夜は少しだけ、眉を潜める。


 そして、







 ——ガンッ!




 





 “茜と十夜は少しの躊躇も無く足で踏み付け、一瞬の内に動きを封じた”。




















「<滅>」






   *  *  *



















「見つけた……覚悟ッ!」
「うわッ」

 背後から迫ってきた拳を、いともたやすく避けた茜。既にもう、誰が、何て事は気付いている。
後ろを振り返ると、思ったとおりそこにはカーナが居た。これで全員集合出来た。感慨深いものは何も付いて来ないのだが。

「どーして置いて行くんですか! おかげで迷いましたよ!」
「良いじゃないか、最終的には会えたんだから」
「そういうのを屁理屈って言うんですー! 少しは真面目になって下さい!」
「やれやれ。同じ敬語キャラとは言え、十夜とは大違いだな。少しは奴を見習え」
「何ですって!?」

 一方的に熱くなっているだけの口喧嘩に、十夜は耳を塞ぐ。本当に大違いだ。
受け流されている事にも気付かず、機関銃の様にまくし立てるカーナ。言いたい事が三巡りはしている。
一気に和やかになった雰囲気を横目に、十夜はふと足元を見、そして目を見開いた。

 あの不気味な“何か”が消滅していたのだ。そういえば、踏んで変わった感触も特に無かった。

(あれは生き物では無いのか)

 





「カーナ。さっきお前が来る前にな……」
「銀色の? ……ああ、それは私が創ったモノですよ」
「創った、ですか?」
「はい。ほら、道や人を探す為に便利かなーと思ったんです。聞いた所に寄れば、ちょっと暴走してたっぽいですけど」

 えへへ、と照れ隠しに笑うカーナに、茜と十夜は思わず顔を見合わせる。

「……あれ、かなり不気味でしたよ」
「要練習だぞ、カーナ」
「まあ、そうですよねぇ」






 話が一区切り付いた所で、カーナは何かを思い出したのか持ち物をゴソゴソと漁り始めた。

「はい! これが『交流闘争大会』のチケットです。残念ながら一人分しか貰えませんでしたが……」

 黄色に黒字で『大会チケット』と書かれた古臭いその紙切れは、茜の手に渡った。
まじまじと、真剣な眼差しで見るその師匠の顔を、ただのチケットなだけなのにと、不思議そうにカーナは見つめる。

「……十夜」
「はい? 決心でも付きましたか?」
「んなもん最初から付いてる。こいつがどう思うかだ」
「そうですか。まあご自由に」


「カーナ、行って来い」

 茜はその紙切れを指で挟み、カーナの目の前でヒラヒラと振った。
茜が何を言いたいのか悟ったカーナは、チケットを掴もうとして、あと少しの所で茜に遠ざけられる。

「大会ですよね。勿論、行って来ますよ。だから、そのチケットを渡して下さい」
「こんな物、使い終わったらただの紙切れだ。ゴミはゴミ箱に捨てましょう」
「何言ってるんですか。それが無いと、私が参加出来ませんよ!」
「貴方は大会に行くんじゃありません」

 行き成り、部外者である筈の十夜が口を挟む。
カーナは腕を伸ばした格好のまま静止し、十夜の方に顔を向けた。


「貴方は大会には行きません……——」


「私が、大会に出るんだ」





Re:  冬結晶. 〔 inzm・東方小説集 〕 ( No.113 )
日時: 2012/05/04 15:03
名前: 紅闇 ◆88grV3aVhM (ID: dNKdEnEb)
















「ひ……ひぃぃー……、ご、ごめんなさい! 許して下さいごめんなさいいいッ!!」




『おっと! 対戦者がまさかの逃走! 地上人咲乃、無傷で準決勝に突入だッ!』











「何なんだよ、此処は……」

 明らかに呆れた、という顔をする茜。既につまらないという事を隠そうともしなかった。
雲の上の人間。思った以上に戦いに関しての知識は1だ。武器もまともなものが無い、魔道の能力も最低。いや、闘争に使える魔道能力が最低なだけだろうが。
 実況者だろうか? その人間もどうだ。下手な実況の大声をマイクで響かせて今にも耳が壊れそうだ。物静かで謙虚なイメージがガタ崩れ。
茜の場合、ライディという賢者に会ってから、子供の夢というものがどんなに甘いかを思い知らされたのだが。

 とにかく、茜が適当に。威嚇のつもりで放つ最弱レベルの魔道を見て、対戦者は背中を向けて逃げ出す。
逃げた背中を追うのが好きではない彼女は深追いはしないが——それでもつまらないと思ってしまうのだった。

「このぐらいのレベルなら、カーナを出した方が安全だったかもなあ」

 柄にもなく、前の事を後悔し始めている茜。
確かに、“此処と向こう”のどちらが安全かと言ったら……今現在、無論此処の方が安全だろう。手に余るぐらいだ。


 

 だが、程なくして。

此処に自分が出ていて良かったと考えを訂正する事になる。












『さあ次は咲乃対、美谷戸の闘争! 地上人達の戦いはどちらが制するのかッ!』












「……地上人?」






























「今度の相手はコイツか? まあ、俺に掛かればほんの一捻りだろうがな!」
























   *  *  *

















「どうしてこうなった」
「諦めて下さい」

 浮遊島の端には、大きな城がある。賢者やその他、国の代表的な人物は皆、此処が居城なのだ。
一般は立ち入り禁止。民達からの憧れというこの城内は、闘争大会という一大イベントにおいて、警備を除いてほぼもぬけの殻であった。

 その中にこそこそと入り込んだ二人、カーナと十夜。
潜入は、元々十夜が一人で計画していた物だが、危険が伴うという事で、茜に助け——つまりカーナという助っ人を借りたのだ。
勿論カーナは師匠にチケットを奪われ、挙句の果てにはいつの間にか犯罪を行っている訳で。呆然とするしかないだろう。




「つまり、白銀さんは城内に兵器が隠されていると?」
「そう。この先、地上が壊滅されては嫌でしょう? 私はそれを探りに来ただけです」
「何の理由で探りに? そもそも、その情報はどこから仕入れたのですか?」
「プライバシー保護により、それ以上は言えません。ただ、来ただけです」
「……何かあったら嫌ですよ?」
「貴方の師匠が了承したんですから仕方ないでしょう。精々、自分の身ぐらい守ったらいかがですか」
「…………」



 生まれて何回目だろうか。

 ——師匠……貴方を恨んでやる……ッ!















「まあ、それは置いておきますよ」

 ピタリ、と。

いきなり立ち止まり、遠くの方を眺める十夜。
肩を並べて歩いていたカーナは、半歩進んでから慌てて止まり、顔を後ろに向けた。

「カーナさん。そこから二歩右に行って下さい」
「……え?」

 頭に疑問符が浮かぶ中、仕方なく言う通りに右に行く。

「あ、半歩戻って下さい」
「……戻りましたよ」
「では、絶対に動かないで下さいね。何があっても」

 十夜の口調に、重い響きが追加される。
それに気付けたカーナの目が大きく開かれ。

 左右を見比べる様に見つめ続ける十夜がふいに、一歩先へ進んだ。


「……!」


 空を切る落下音。

 その音が鳴り止み、周りを見渡すと。






 床と直角に交わっている大量の小刀が辺り一面に突き刺さっていて——











Re:  冬結晶. 〔 inzm・東方小説集 〕 ( No.114 )
日時: 2012/06/19 21:13
名前: 紅闇 ◆88grV3aVhM (ID: dNKdEnEb)
参照: ただいま帰りました。





「……殺す気ですか」
「殺す気でしょう」

 カーナの安全を確認したかと思うと、そのまま先へ進む十夜。
未だ、茜に対して毒づく……というかもうする気も失せてしまったカーナ。



  *



 数々の仕掛けを抜け、一切傷つきもせず。
そんな二人が辿り着いたのは赤茶色の扉。

「……開きませんね」
「恐らく、此処が最後の砦でしょう。私の目標もこの中に」
「あの私……今まで一度も白銀さんや師匠の考えを聞いていないのですが」
「最初から、何か不自然だと思いませんでしたか。地上と一切の関わりを持たない空の人間が、唐突に友好を深めましょう、なんて」


 目の前に重々しく佇む古びた扉。それを睨む十夜。
ゴツゴツとした手触りのそれは、奥に禁じられた何かが仕舞われているような——



「……——私はただ、探りに来ただけ」



「…………」









「だから——



















  ——押しても駄目なら更に押す。開かないなら私の<月光閃>で扉をぶっ飛ばして差し上げましょう」











「…………ん!?」















  * * * 





















「……チッ」





「どうしたァ!? 逃げてるだけじゃ勝てないって知ってるかァ?」





 観客がどよめき始める。
茜の足元は氷で覆われていて、満足に走る事も出来ない状態だ。対戦相手の足場も不安定だが、慣れているのか動きに変わった様子は無い。


「<青現象・氷柱襲>」


 落下音。それに目を見張った瞬間——









「潰されて死ね!」

 


 降り注ぐ無数の氷柱。
茜は一瞬だけ頭上を見やり——……槍を空に掲げた。



「<黄現象・轟守界>」



 落下まであと数十メートルという所で、いきなり柱が音も無く砕け散った。
無残にも割れた氷の破片は、勢いをつけて雨の様に落ちる。
 相手の男は破片から身を守る為、後ろに飛び去る。その間にも茜は動かず、冷静に言霊を唱え始めていた。


「<








(途中保存)






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