二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 【短編集】True liar【inzm】
- 日時: 2012/07/03 22:39
- 名前: 海穹 (ID: fQORg6cj)
お久しぶりで御座います。
覚えてくださっている神な方がいると嬉しいです。カエル、紗夜、終音こと、海穹です。
名前は元に戻りました。
受験が終わり、また楽しく小説を書けたらな、と思ったので、改めてスレをたてました。今回は短編集をメインにし、皆様からのリクエストを書いていければいいなと思っています。シリーズをかく可能性もありますが、とりあえず短編を。
夢などのリクエスト、お待ちしています。
イナイレ、イナイレGOなど、イナイレを主としていきます。ボカロも書いたりできますが、それは後々と考えています。
私のオリキャラなど出てくることがありますので、ご了承ください。
コメントするにあたって、ネット上のマナーは守るなど、基本的なことを個人でして言っていただけると幸いです。
皆様、よろしくお願いいたします。
——page——
リクエスト用紙 >>1
オリキャラ募集用紙 「Family」>>20 「Irregular」>>63
——short story——
「その言葉の意味」 鬼道×氷歌 >>2
「君といた時に」 円堂×秋 >>38
—flower—
「アネモネに似た恋の味」 <<anemone>> >>150
——original——
「煌きと闇への陶酔」 >>86 詳細 >>87
「おかえり」 >>93
——request——
風風様リクエスト 「隣を歩きたい」 >>7
夜桜様リクエスト 「眩しくて純粋なもの」 >>13
——story——
「Family」
設定 >>15 マフィア一覧 >>19 キャラクター設定 >>37
prologue >>35
episode
1 >>36 2 >>42 3 >>43 4 >>56 5 >>61 6 >>69 7 >>70 8 >>94 9 >>97 10 >>136 11 >>139 12 >>142 13 >>144 14 >>152
「Irregular」
設定 >>55 >>62
episode
1 >>127
お客様
風風様 夜桜様 漆黒様 紅闇様 死神様 さくら様 ドロップ様
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- Re: 【短編集】True liar【inzm】オリキャラ募集中! ( No.93 )
- 日時: 2012/05/05 22:52
- 名前: 海穹 (ID: fQORg6cj)
- 参照: 突発行くぜ! 説明なしで何の話か分かった人は私と握手!
突発オリジナル小説
「おかえり」
声が聞こえる。嬉しそうなそれが。
これが聞きたくて、何年も何年も頑張ったんだって思うと、この声が凄く嬉しい。
皆、僕は帰ってきたよ—————
「今日なんだよね!」
あの子が返ってくるのは
「そうだよ!今日だよ!」
ずっと頑張ってきたあの子が返ってくるのは
「おかえりって、言わなきゃね」
どんなことがあっても、めげずに頑張ったんだから
「何処に来るの?」
「う〜ん……詳しくは分かんないなあ」
でも、ちゃんと帰ってくるよ
「来たよ!僕、頑張ったよ!!」
嬉しくて、喉が張り裂けそうなほど声上げれば、辺りからの声がまた大きくなった。
もう少しだ———
踏ん張って、最後の力を振り絞って、僕は駆けだす。凄くすごくスピードが出てる。なんせ最後だから。頑張ろう、もうちょっとだ。
頑張って!もう少し!
こっちだよ!こっちにおいで!
皆待ってたよ!
お疲れ様!よく帰って来たね!
おかえり!!!!
声が聞こえる。あぁ、帰ってきたんだ、僕は。あの温かい故郷へ。
「おかえりなさい」
そう言って、両手を広げて待ってくれている、蒼い綺麗な服の女神さま。
僕はその女神さまの腕の中に思い切り飛びこんだ。
微笑む女神さまの周りから聞こえるのは歓喜の声。僕を待ってくれてた人たちの声。僕の故郷の人たちの声。
ありがとう、ずっとずっと待っててくれて。
「ただいま」
そう言った少年は女神さまの腕の中ですやすや寝息を立てて眠りだした。
仕方ない。あんな大変なことをやってのけたんだから。
その大変なことの名残なのか、足にはたくさんの傷。服も汚れてしまっている。あぁ、大変だったんだね。少し休んだら、いろんな話、聞かせてね。
皆聞きたがってるんだよ。君の冒険談を。
女神さまは徐に少年の服のポケットに手を入れた。その中にはほんの少しだけ煌く小さな小さな砂。それは少年が女神さまに持ってきた大切な大切なお土産だ。
「ありがとう」
女神さまその砂を大事そうに握りしめた。
辺りから聞こえる歓喜の声の中、少年は誇らしげな笑みを浮かべながら女神さまの腕に抱かれる。疲れて寝ている少年に、誰もがこう言った。
おかえり 君の生まれたここに——————
- Re: 【短編集】True liar【inzm】オリキャラ募集中! ( No.94 )
- 日時: 2012/05/06 10:40
- 名前: 海穹 (ID: fQORg6cj)
「Family」
episode 8 「最後の情け」
重々しい空気が辺りを満たす。向こうも、少しばかりこの雰囲気に呑まれている感じがする。当然だろう。仲間のユウト達ですらこの雰囲気にさらわれかけている。
それほど、今のヒョウカから発せされるオーラは、空気はお世辞にもいいとは言えないものだった。
「……塵どもが、群がるな」
その言葉の語尾が消えるか消えないかの時に、ヒョウカの手のオートマチックから弾丸が弾き出された。バンバンと、発射された弾の軌道は真っすぐ、敵の二人の右足と左足を貫く。擬音にしがたい、耳触りで鈍い音。肉を貫き、壁にのめり込む音が辺りを駆け抜けた。
「逃げるなら今のうちだぞ」
どちらかと言えば忠告と言うより宣言じみたその声が敵、そして味方の背筋を冷やす。声色が只でさえ怖さを感じさせるものなのに、表情までもが狂気的。これが、「革命女帝」の本性か、と敵は思っているのではなかろうか。
数拍、ヒョウカは動かず、じっと敵を見据えていた。しかし、それはあくまでもほんの少しの情けに似た余白。逃げるための微量の余裕を与えていただけだのだ。これで逃げなければ……
殺される。そう言うことだ。
「……逃げる気はなし、か」
相変わらず絶え間なく聞こえる銃声にヒョウカは溜息をこぼす。そんなに死にたいのか、そう言わんばかりに。
そんな中、敵はヒョウカに標的を定めたらしく、ヒョウカに銃口が向いた。しかし、ヒョウカはそれを気にするわけでもなく、ぼんやりと空を見上げ始めた。
バンバンと、銃声が轟き、銃弾がヒョウカに向かって回転運動をしながら進んでいく。その様子をヒョウカは見ようともしない。ただただ、空を見上げていた。
しかし、まずい、とは誰も思っていなかった。少なくともフィロメラの面々は。
銃弾の軌道に、何かが割って入ってきた。よく見るとそれはナイフだったり、同じ銃弾だったり。様々なものが銃弾がヒョウカを射止めるのを見事に阻んだ。
「……全く、もう少し危機感を持ってください」
「そうだな。まあ、この人を狙うあっちもあっちだが」
「両方に非はあるってことですね」
そう言ったのは銃弾を銃弾で止めたユウトとレイナ。そしてナイフで弾いて見せたユンカだった。
三人は敵とヒョウカの間に割り込み、敵を見据えていた。
そして、やっと空を眺めるのを止めた氷歌は今度は三人の背中を見ていた。凛々しく、すっと伸びた背中。女帝を護る、クェーサー、と呼ばれるだけはある。
「おまえらがいるんだ。ぼんやりしたっていいだろう?」
ヒョウカは当然と言ったような顔で三人を見る。この三人は、戦闘部隊最強の隊、「アポカリプス」に属している。アポカリプスの仕事はボスであるヒョウカの警護を主とする戦闘だ。こういう交戦の時に最前線に出る隊でもある。そんなアポカリプスの中でも最強を争うこの三人は、ヒョウカが絶大な信頼を寄せている人たちでもある。
彼らがヒョウカを護りに来た、と言うことはもう、敵に逃げるすべはないと言うことを表している。
「我らが女帝に跪け、従えば、少しの情けはかけてやろう」
ユンカが鎌を構え、淡々と宣言する。
「我らの女帝の視界の中で眠りにつくと言うせめてもの情けを」
レイナは剣の切先を敵に向けて言う。
「一瞬の苦しみのうちに、旅立てると言うせめてもの情けを」
ユウトが引き金に指をかけ、ひどく低い声で言う。
「「「愚かなる族に、最後の情けを」」」
銃声が肉を貫く音と、軽く地を蹴る音、空を切る音が反芻して、綺麗とも言うべき音を響かせた。
- Re: 【短編集】True liar【inzm】オリキャラ募集中! ( No.95 )
- 日時: 2012/05/13 20:57
- 名前: 海穹 (ID: VOsGN7zX)
- 参照: テスト辛い…
明日から本格的にテストに入ります。
なので、ここに一週間ほど来なくなりますw
今までも来てないですね、はい、すみません。
とにかく!テスト頑張って来ますw
終わったら、マフィアパロディの続きとか一気にあげますので、よろしくお願いいたします。
- Re: 【短編集】True liar【inzm】オリキャラ募集中! ( No.96 )
- 日時: 2012/05/15 15:26
- 名前: 海穹 (ID: fQORg6cj)
- 参照: 新しいのまた書くy(はい、うざいですね。すみません。
思いついたら書きたくなる!!
はい。と言う、うざい理由でまた始めます。
今回は魔法物。魔法と言っても少しばかり特別なものなんですが。
題名は「Connect」
魔法についてはまた今度、説明します。
オリキャラ募集もまたいたしますのでよろしくお願いします。
- Re: 【短編集】True liar【inzm】オリキャラ募集中! ( No.97 )
- 日時: 2012/05/16 08:56
- 名前: 海穹 (ID: fQORg6cj)
「Family」
episode 9 「奇妙な音」
フィロメラファミリーの事務所、モルゲンレーテ前での交戦は激化の一途を辿っていた。
しかし、明らかに一方だけが。
何せ、弾の行きかう量がまるで違う。一方的に、フィロメラファミリーからの弾丸が、向こうに飛んでいるのだ。しかし、こうなるのはほぼ必然的だ。事務所と言う、女帝やその護衛がいるところに挑んでいくのはその時点で無謀に近いのに、人員が少なすぎる。こんなの、倒されに来た、と言っていい。
ヒョウカには、それが引っ掛かっていた。
向こうがどんなファミリーなのか分からないが、何処のファミリーであれ、80人程度でフィロメラを壊滅させられるわけが無い。手傷をつけられるかどうかがいいところだ。いくらなんでもそんなことに人員を割くだろうか。
どんな新興マフィアであれ、こんな馬鹿げたともいえることを。
「……嫌な感じだな」
響く銃声の中、ヒョウカの喉を高くも穏やかに響き渡る声が通過し、言葉を紡ぐ。自分に向けられる弾丸はユンカやユウトが完璧にはじくか軌道を変えるかしてくれているから雰囲気はさっきよりはましだ。
はあ、と聞えよがしの溜息の後、ヒョウカはすっと銃を構えた。ひどく馴染んだ動作を視界の隅で確認したユウトはこれまた視界の片隅に入っていた銃を構えこちらを凝視しているらしい男に弾丸を喰らわせる。呆気なく倒れていく男に、こんな手に収まる様なもので壊れるなんて、人間はなんとも脆い生き物なのだろうかと妙なことを思った。その考えを振り払い、剣を振るう。
近くにいる、何とか形勢を逆転させようとあがく奴ら。
しかし、今からではとても無理だ。こちらの女帝はお怒りだし。俺たちもこれだけ暴れられて黙っていろなんてできない。
後ろから剣を振り下ろしてくる二つの影を感じ、その二つの剣を振り返りざま受け止め、ギリギリと少し押し合いをしたところで体重を乗せて振り払う。こちらの力に負け、体勢を崩した二人の胸を、一直線に凪ぎ払う様に剣を通過させれば、辺りに飛び散る生温かい液体。そして弾も矢呆気なく倒れていく二人の最後を視界に入れることなく、次の標的に向かって銃弾を放った、まさにその瞬間、
異様な銃声が、辺りに木霊し、辺りに緊張が走った。
本当に妙な音だった。どちらかと言えば、銃声と言うよりは雷が落ちたようなそれ。
「な、んだ?」
ユンカが鎌を首にかけていた男から目を離し、辺りを素早く確認する。しかし、目に入るものの中に、そんな異様な音を立てそうなものはなく、妙な雰囲気が辺りに張りつめ出した。
フィロメラ側が一瞬怯んだのを見逃すまいと、相手が銃を乱射してきた。妙な銃声に気を取られていたらしい戦闘部隊の隊員の何人かが、ひどく苦痛をにじませた呻きを漏らしながら地面に伏した。
それを見たヒョウカの顔色が変わる。
隊員から目を離し、敵を見据えたその目に浮かんでいたのは表現のしようのない、怒りがはっきりと揺らめいていた。黒い瞳に浮かぶ、怒りの炎は収まるどころかどんどん燃え上っていく。
「……ユンカ、後ろお願い」
ヒョウカはそう、ユンカに声をかけた。
「…、うん、分かった」
ユンカはそうとだけ言って巨大鎌をスッと構え直した。ふわりと、何処からともなく吹いた風が、二人の髪を巻き上げる。薄い紫と、優しい黄色の髪。そして青い目と黒い目が美しいコントラストを作り上げた。
何の音もたてず、ユンカがその場から消えた、と思えば次にいたのは隊員の一人を苦しまぎれに撃った奴の背後だった。その男は後ろにユンカがいるのにも気づかない様子でただただ銃を両手で握りしめている。その指が少し震えて見えるのは、恐怖のためか、それとも一人でも倒せたと言う歓喜のためか、いや、それ以外なのかもしれない。しかし、それはヒョウカにとってもユンカにとってもどうでもいいことだった。
二人にとって重要なのは何があったにせよフィロメラの一員に手を出したと言う事実だけ。
「……可哀想に」
ユンカはそう呟いた瞬間、懐に忍ばせておいたらしいナイフで頸動脈を何の躊躇いもなくかっ切った。どろりと音を立てそうなほど赤黒い液体が首を伝うのと、驚くほど勢い良く吹き出ているもの。対照的ではあるが、それは紛れもなく同じ物質だ。
ユンカは血がつかないように男から素早く離れ、ヒョウカの隣に立っていた。
「……速いねぇ、相も変わらず」
「特技ですから」
「鎌でとどめを刺す必要も無かったみたいだね」
「まあ」
ユンカはそう言って薄く笑う。そして。次は私の番だと言わんばかりにヒョウカが銃を構えた。バンバンと音が聞こえればそれと同じ数の肉を貫通する音。ヒョウカが続けざまに直線を引くように銃を打っていたその時。
カッと、雷光が轟く寸前のような音、その後もさっき聞いた妙な銃声も微量だが、混じって響いた。
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