二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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イナズマイレブンgo 〜もう一つの物語〜
日時: 2012/07/26 17:31
名前: ぽぽりっち (ID: npB6/xR8)

初めまして!

小説初書きの、超アマチュアぽぽりっちです!


注意!

キャラ崩壊、駄文は、当然のごとくあります!

それに関する中傷などはご遠慮ください。
ガラスのheartなんでございます。

でも、コメ、意見、アドバイスは大歓迎です!

ではスタート(●^o^●)


[目次]

プロローグ>>1

第一章

一話>>2>>3
二話>>7>>8
三話>>9

Page:1 2



Re: イナズマイレブンgo 〜もう一つの物語〜 ( No.6 )
日時: 2012/07/21 17:32
名前: 聖 ◆atevkS7Xtg (ID: LMLu5hTj)



駄作じゃないです、神文です!
私なんかが来ていいのか心配ですがw

こ、洪水ですか!?
なんか……すいません←

Re: イナズマイレブンgo 〜もう一つの物語〜 ( No.7 )
日時: 2012/07/21 23:11
名前: ぽぽりっち (ID: npB6/xR8)




「霧野のやつ・・・おそいな」

神童は心配そうに、時計とドアを交互に見た。

霧野が狩屋を迎えに行って、もう1時間以上たっている。
いくらなんでも「遅すぎる」と、神童は腰を上げた。
ガタッ音を立て、天馬も立ち上がる。

「神童先輩・・・やっぱり俺たちも行くべきですよね」
「ああ、そのつもりだ」

神童はチラリと天馬を見るとうなずいた。

三国は少々苦い顔をして、「俺たちはいかなくていいのか?」と神童に問いかける。
神童はなにも言わず、またも天馬に視線を注いだ。
天馬はハッとして口を開く。

「だ、大丈夫です!皆さん練習していてください!」
「そうか。気を付けろよ」

三国はキャプテンである天馬を、今度はしっかりと見据えた。
そして部員たちを振り返り、「練習を再開するぞー」と叫ぶ。

「行こう、天馬」
「はい」

神童はそう言うと、足早に歩き出した。
それについていくように、天馬も雷門中を後にする。
1年生たちが最後に狩屋を見た場所、あの川岸へと向かった。

「あっ」

何かを見つけたかのように、天馬は声を荒げた。

「どうし・・・」

神童も目を見開く。
驚いたように瞳が揺れていた。

「狩屋!」

天馬と神童は同時に叫ぶ。
彼らの視線の先には、ぐったりと倒れこんでいる狩屋がいた。

慌てて駆け寄り、神童は狩屋の上体をおこす。
狩屋はハアハアと呼吸が荒く、汗もびっしょりで脱水症状をおこしていた。
暑さのため人通りが少なくなっていたせいだろう。

「熱中症ですか・・・?」
「いや、日射病だ。救急車!」

神童は声を張り上げ、天馬はもうスピード走り去っていった。
部活着だったため、携帯を持っていなかったのだろう。

「狩屋、大丈夫か?」

天馬や救急車を待つ間、神童はそう呼びかけもっていたタオルで狩屋の汗をぬぐった。
ゆっくりと彼の体を寝かせ、川の水でタオルを冷やし触れさせてやる。
川岸でできることは少なかった。

「・・・くそ」

神童は小さく呟く。
その声はまわりでなきわめく、セミの声でかき消されてしまう音量だった。

あたりを軽く見回し、あの人の姿がないことを確認する。

「霧野・・・どこに行ったんだ・・・?」

Re: イナズマイレブンgo 〜もう一つの物語〜 ( No.8 )
日時: 2012/07/22 21:42
名前: ぽぽりっち (ID: npB6/xR8)



「ん・・・」

狩屋はゆっくりと、重たい瞼を上げた。
ぼんやりとした視界のなかで広がるのは、床も壁もその他すべてのものが白い部屋。
薬のようなにおいが広がっている。

「狩屋!大丈夫?」

明るい声色で天馬は、そんな狩屋の顔を覗き込んだ。
狩屋は驚いたように目を見開き、小さく口を開く。

「ここは・・・?」

いつもの狩屋とは別人のように、覇気がなく弱弱しい声だった。
天馬はニコッと笑って「病院だよ」と言う。
そして心配そうな表情になり、

「狩屋ランニング中に倒れたんだよ、疲れてるんだろ?寝てたらいいよ」
「え・・・?」

天馬の台詞に、狩屋は眉をひそめた。
怪訝そうな顔つきで、上半身を起こす。

そして遠慮がちに言葉を紡いだ。

「俺、ランニングなんてしてた?」

時が止まったように、天馬は動きをとめた。
あいまいな笑みを浮かべて、狩屋を見る。

「・・・してたよ。俺たちと」
「そうだっけ・・・」

狩屋はまだ思い出せないのか、右斜め上に視点をむけていた。

(暑さのせいかな・・・)

天馬は先ほどの彼の言葉を、夏の仕業と言い聞かせる。
なんとなく嫌な予感がしたのだが、それを考えないために。

「狩屋は起きたか?」

ガラッと音を立てドアが引かれ、神童がひょっこり顔を出した。
天馬の「神童先輩!」と同時に、狩屋はぺこっと頭を下げる。
ふたりの様子に、神童は優しげな笑みを浮かべた。

「よかった。大丈夫そうだな」

神童の笑顔に、狩屋は嘘くさい笑みで言った。

「心配かけてすみません」

そしてベッドに体を寝かせ、ボスッと頭を枕に突っ込んだ。
今にも寝てしまいそうな狩屋に、神童は静かに問いかける。

「ところで・・・霧野に会ってないか?」

狩屋はぐるっと体を回し、神童の顔を見上げた。

「今日ですか?たぶん会ってないです」
「たぶん?」

小首をかしげる神童に、狩屋は苦笑いをみせた。

「俺、なんか記憶あいまいで・・・あっ」

突然はじかれたように、狩屋は黄色い瞳を見開く。

「会いましたよ!今日」
「本当か!?何時くらいだ?」

神童は身を乗り出し、狩屋に顔を近づけた。

「練習行く前だから・・・8時くらいです」
「8時・・・?」

神童は、狩屋の言葉を復唱した。
その顔から冷や汗が流れているのを見て、天馬は神童に尋ねた。

「どうしたんですか?」

神童は答えない。
ただ瞳を驚愕にゆらし、もう一度口を開いた。

「それは、本当に霧野か?」

狩屋はむっと眉をよせる。

「本当ですよ。でもおかしな恰好してました。なんか現代日本じゃないみたいな・・・。それに首にチョーカーつけてて、右手首にはなんか通信機みたいな・・・」

あいまいな記憶を語る狩屋。
神童はため息交じりに呟く。

「それは、霧野じゃないぞ」

神童の言葉に、狩屋はイラただしげに声を上げた。

「ピンクの髪にお下げに碧い瞳ですよ!?先輩以外いませんって!」
「確かにそうかもしれない!っでも」

神童も珍しく声を荒げた。
小さくどこか不安げな音量で、だがするどく目をみはって言う。

「霧野は今日、俺と一緒に雷門中へ向かったんだ。つまりその時間は・・・俺の隣にいたんだよ」

Re: イナズマイレブンgo 〜もう一つの物語〜 ( No.9 )
日時: 2012/07/26 17:34
名前: ぽぽりっち (ID: npB6/xR8)



「起きろ」
「うー……ん」

少年のそんな呼びかけに、霧野はごろんと寝返りをした。
背をむけられた少年はイラただしげに、くしゃくしゃと自分の水色のくせ毛をかく。
そのとき、少年の右手首につながれた鎖が、がしゃんと虚しい音を鳴らした。
少年はゆっくりと息を吸う。

「ラル!!起きろ!」
「う、うわ!」

ため込んだ息を勢いよく吐きながら大声を出す少年に、霧野は思わずその瞳を開く。

名前というよりも《起きろ》という単語に反応したようだった。

霧野は目をパチパチさせながら、自分を起こした少年のほうへと視線をやった。
少年は眉を寄せながら、「やっとお目覚めかよ」とふてぶてしく呟くと、黒めの少ない三白眼で霧野を睨んだ。
だが浅黒い肌をしていて異常なまでに身長が小さいせいか、イマイチ威圧感がたりない。
ぼろぼろの黄ばんだTシャツに、黒いこれまたぼろぼろの長ズボンを吐いている容姿に多少の差はあったものの、彼はあの人にとてもよく似ていた。

「倉間!なんでお前が……!」
「はぁ?お前頭おかしくなったんじゃね?」

間髪入れずに倉間にそっくりな少年は、呆れ顔で声を上げた。

「おかしいって……何がだ?」

霧野のキョトンとした表情を見て、少年は怪訝そうに顔をしかめる。
そして出来る限り、鎖に邪魔されないところまで両手を広げた。

「お前そんなにのんきだったか?この状態を見ろよ」

少年の言葉に霧野は、改めてあたりを見回した。
「な……」と小さく声を漏らす。

あまりに混乱したため気づかなかったのだが、霧野がいた場所はとても人間のいる場所とは思えなかった。

石造りになっているその部屋は4畳半ほどの広さで、唯一の出入り口のような場所には鉄格子がある。
全体的にグレーで窓もなく、外の光はまったく入ってこなかった。
きな臭いにおいが広がり、ところどころにネズミなどが見つかる。
目の前にいる少年は、手足に鎖をつながれていた。

「牢屋……か?」
「ああ」

少年はニヤリと口角を歪める。
その表情に霧野は、大きなムカデが背中を這い上がるような不気味さを覚え、悪漢と感じた。

少年は少々顔をしかめる霧野に、小さく口を開く。

「ところで……倉間って誰だ?変な名だな」
「え……あ、お、俺の昔の知り合いだ」
「ふーん」

少年は興味をなくしたのだろう。
そこから先はなにも問わなかった。

一方霧野の頭はまったく働いていない。

倉間と思っていた人物は倉間は誰と聞いてくる。じゃあ誰なんだ?
一体自分は何をしているんだ?川岸にいたはずだろう?
そもそも自分はなぜ、こんな牢屋にいるのか。

考えれば考えるほど、疑問は形となって表れてくる。

「どうなってんだ……?」

消え入りそうな小さな声で呟いた霧野の碧眼は、理解不能なこの現状に涙をこぼしそうになっていた。



Re: イナズマイレブンgo 〜もう一つの物語〜 ( No.10 )
日時: 2012/07/26 18:20
名前: ソウル (ID: npB6/xR8)



光の届かない真っ暗な牢屋の中で、霧野はため息交じりに呟いた。

「一体どうすれば帰れるんだ……?」

その言葉に少年は眉を寄せる。

「何言ってんだ。お前の家はここだろう?」

霧野はぎょっとして碧眼を見開いた。

「牢屋っていいたいのか?」
「アホ。『お前』は別じゃんか」

少年は呆れ顔で言った。
霧野はさらに混乱して、頭を押さえる。
彼の言っている意味が、あまりにも理解不能なために。

「だいたいな、見張りのくせしてよく寝られるよな。ラ」

突然少年は口をつぐんだ。
三白眼を驚愕にゆらし、手が少し震えている。

「ど、どうした?」

霧野は自分を見つめる少年に問いかける。
だが、彼は答えない。

信じられない光景に、怯えているようだった。

少年は小さく口を開く。

「……お前、『チョーカー』はどこやった……?」

その声は、今までにないほどに低く重かった。
霧野は様子の変わった少年に驚きながらも聞き返す。

「なんのことだ?」

途端に少年はギロリと霧野を睨みつけた。
するどい瞳は様々な感情が読み取れるほど、憎しみ、悲しみ、そして怒りに満ちている。

「ふざけんな!やっぱりラルもあの女の飼い犬なんじゃねーか!」

少年はそう霧野に怒鳴りつけた。
肩で息をし、辛そうに俯くとすくっと立ち上がる。
ガシャンという音が牢内に響いた。

「ちょ、待ってくれ!本当に状況がわからないんだ!あの女って、誰のことを言っている?」
「うるさい!とぼけんな!ラル、お前のことは信じてたのに!」

少年は霧野の言葉に聞く耳をもたない。
先ほどまでの冷静な態度は消え去り、ぐっとこぶしに力を込めているのがわかった。

「落着け!俺は……!」
「だまれぇぇっ!!」

少年は霧野へとこぶしを振った。
手足を拘束こそされているが、牢屋の出入り口に近づかないようにというだけで、人を殴るという行為になんの支障もなかったのだ。

「……っ」

霧野はそれをかろうじて防ぎ、少年の浅黒い手首をつかむ。
そしてその手を思いっきりひき、もう片方の左手で手で彼の胸倉をつかんだ。
少年は「ちっ」と舌打ちをし、霧野の右手を振り払う。
霧野は素直に右手を話してから、胸倉をつかんだ状態で言った。

「俺はお前の知ってる、ラルって男じゃない」

少年は一瞬時が止まったかのように動きを止めた。
驚いたように目を見開き、霧野のことを見上げる。

「……はぁ?」
「嘘じゃない。イマイチ俺もわかってないけどたぶん俺は……」

霧野はそう呟き、ゆっくりと少年の胸倉から手を離した。
まっすぐに少年を見つめて、愁いのこもった笑みを見せる。

「こことは違うとこから来たんだ……。なあ、俺はいつからここにいた?」

霧野の言葉に少年は怪訝そうな顔をする。

「……そっくりだ。本当にラルじゃないのか?」
「ああ」

霧野のはっきりとした声色に、少年は「そうか……ならしてなくて当然だよな……」と呟き、静かに頭を下げた。

霧野は「え!」と慌てたように声を漏らす。

「どうしたんだ!?頭なんかさ」
「すまない、さっきはつい興奮してしまった」

霧野の台詞をとぎり、少年は頭を下げたまま言葉をつなぐ。
そしてゆっくり顔をあげた。
優しげなそれでいて悲しげな微笑を浮かべ、霧野に言う。

「お前は俺が目が覚めたとき、すでにここにいた。てっきりいつもの見張りかと思ったんだけど……」
「見張り……」

霧野が少年の言葉を復唱した時だった。

「リト!」

凛々しい美声の持ち主が、牢屋の外から声を上げた。


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