二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 【イナgo】少年たちのRhapsody
- 日時: 2012/10/01 18:21
- 名前: 葉月 (ID: eldbtQ7Y)
【プロローグ】
ここは……誰かのお葬式をしてるのか?
皆が喪服を着ているし、なんだか雰囲気が重い。
すすり泣いている人もたくさんいる。
あれ?なんで俺こんなところに……
「天馬……!」
誰かが俺の名前を呼んだ。
振り返ると服も靴も真っ黒な葵が、両掌を顔に当てて泣きじゃくっている。
「葵?どうしたの?」
俺は思わずかけよって、彼女に手を伸ばした。
「え……」
俺の手は葵に届かなかった。
いや、葵の体を『すりぬけた』
どうして触れないんだ……?
混乱している俺の横を、神童先輩が通り抜けた。
先輩もまた瞳から涙をこぼしている。妙に足どりがふら付いていた。
「これから先、天馬がいないなんて信じられない……」
心配そうに自分の傍にかけてきた霧野先輩に、神童先輩は消え入るような声で言った。
「え……?何を言ってるんですか……?俺ならここにいますよ!」
神童先輩も霧野先輩も、まったく俺のほうを見ない。
なんで聞いてくれないんだ!?
その時俺は、信じられないものを見てしまった。
視線を人々の集まる方向に向けたとき、視界に入ってしまった『それ』。
『それ』はたくさんの花に囲まれている、棺の後ろある写真だ。
その中で一人の少年が、満面の笑みでピースをしている。
茶色いテンパに、青みがかったグレーの瞳。
「俺……だ」
***********************************************
初めまして!葉月です(^^♪
小説初書きです……このお話、駄作の可能性大です……
中傷を言いたくなったり、荒らしたくなるかもですが、それだけはご勘弁を<m(__)m>
コメやアドバイスは大歓迎です!
ちなみにサッカーしません!
内容めちゃくちゃです……プロローグのとおり。
そして現実とかけ離れた内容です。
ご了承を<m(__)m>
とりあえず、よろしくお願いします(#^.^#)
【目次】
第一話・出会い>>4
第二話・入り口>>7
第三話・神童>>8
第四話・異能力>>11>>12
第五話・使命>>13>>14
第六話・テスト>>17>>18
- Re: 【イナgo】少年たちのRhapsody ( No.4 )
- 日時: 2012/08/14 17:44
- 名前: 葉月 (ID: .uCwXdh9)
【第一話・出会い】
「……ま君」
誰かが天馬の名前を呼んだ。
天馬の眉が、ピクリとよる。
「天馬君、起きてください」
「ん……?」
澄んだ綺麗な声が耳に届き、天馬はゆっくり瞼を開いた。
視界には長い金髪に大きな碧眼の、見覚えのない少女がうつる。
天馬は上半身をおこし、あたりを見回した。
「え……?」
そして思わず声を漏らす。
信じられないその光景に、思わず少女を振り返った。
少女は立膝を突き天馬に視線を合わせていたが、ふいに立ち上がる。
すそに白いレースのついた水色のワンピースが、そっとゆれた。
「何もないでしょう?」
呆然としている天馬に、そう静かに問いかける。
天馬は彼女の瞳を見据えた。
膝に手を当てて立ち上がる。
「ここは……?」
そして両手を広げて見せた。
天馬の後ろには真っ白な世界が広がっている。
真っ白というのは、雪原とかそういう意味ではない。
ただ、壁も床も真っ白な終わりの見えない、それこそ永遠に続くんじゃないかという空間なのだ。
少女は小さく口を開く。
「ここは……『無』の空間です、天馬君」
「『無』の空間……?あっ、なんで俺の名前……!」
天馬はわけもわからぬところにいる自分と、自分の名を知っている少女の両方に混乱したのだろう。
怪訝そうに眉を寄せつつ、あたりをキョロキョロと落ち着かない。
「私の名前はⅠ、そのままアイって呼んでください」
「Ⅰ……?変わった名前だね……」
「はい、暗号名ですから」
Ⅰは静かにそう言い放った。
「暗号名……?なんでそんな」
「忘れてしまいましたか?」
天馬が問いかけようとした途端、Ⅰは再び口を開いた。
一瞬ひるんだものの、天馬もすぐに「なにを?」と聞き返す。
Ⅰはフッと妖艶な笑みを浮かべた。
「あなたは死んでしまったでしょう?」
Ⅰのその言葉を聞いたとき、天馬の頭の中で火花が散った。
まるで先ほどの出来事のように、鮮明かつ残酷にあの出来事が蘇る。
あの花に囲まれた自分の写真を———
「そうだ!俺……気づいたらお葬式やっててっそれで!」
「落ち着いてください」
「え?あの、落ち着いてって言われても……俺ほんとに死んでるんですか?」
そうぼやき、天馬は困ったようにしゃがみこんだ。
なんせ自分には死後見えてしまったと思われる記憶はあっても、その原因になるようなことはまるで思いつかないのだ。
交通事故にあった覚えもなければ、自殺をする理由もない。
「あなたは死んだというよりも、存在を『消された』のです」
「けっ『消された』!?俺が……?」
「はい。あなたは未来の人々にとっての脅威となることが判明してしまった。だから自分たちと出会う前の時代で消すことにしたんでしょうね。」
「ちょ、ちょっと待ってください!俺全然話が読め」
「ただ消すだけでは時空に歪が出てしまう。結果的にはそれを避けるために『死』ということで処理したんでしょう」
慌てて上ずった声をあげた天馬を無視し、Ⅰは淡々と言った。
無表情で冷酷な声。
天馬は飲み込めない状況に、ただただ愕然と目を見開いた。
このときばかりはお得意の何とかなるさっも出てこない。
Ⅰはそんな天馬をチラリと横目で見ると、またも表情を変えずに言った。
「天馬君、エルドラドという組織をご存知ですか?」
「エル……なんだって?」
小首をかしげる天馬に、Ⅰは「やはり」と声を漏らす。
「エルドラドは、今からおよそ200年後の未来においての最高意思決定機関です」
「200年後……!?」
「プロトコル・オメガと呼ばれる人間たちは?」
「いや、それも聞いたことは……あのいったいどうなってるんですか?」
天馬は進んでいく話に、不安そうにⅠを見上げた。
Ⅰは天馬にその碧眼をむけ、静かに言った。
「あなたは200年も先の人間に、もうすぐ仲間とともにはむかいます。そこであなたは相手にとって、危険で邪魔な存在となる」
「つまり……その人たちが俺のことを……?」
「そうなりますね」
Ⅰは興味なさげにそう言った。
天馬はハッとして彼女を見る。
「葵や神童先輩たちは、今どうしてますか!?」
天馬の頭の中には泣きじゃくる葵や、悲しそうな神童たちの顔が思い浮かんでいた。
ぎゅっとこぶしを握り締める。
「サッカー部の方々ですか?あなたの死後1か月がたっていますが……状況は変わりません。なかなかうまくことが進まないようです」
「そうなんだ……」
天馬はそう呟くと、彼女を再び見上げた。
そして勢いよく立ち上がった。
先ほどまでは弱弱しかったその瞳が、今は強い光をおびている。
「なんとかならないんですか?」
「……え?」
「俺こんな結果は嫌です!もし方法が何かあるなら……なんでもします」
突然意識を取り戻したように声を張った天馬に、Ⅰは少々たじろいたようだ。
碧眼を見開き、天馬のことを見つめる。
だが再びキュッと口を縛り、無表情を取り戻した。
「あります。そのために私は『無』の空間にいるのですから」
「教えてください!どうすればいいんですか!?」
Ⅰは一瞬黙りこむ。
まるでそれは言えないとでもいうように瞳をそらした。
「……危険です」
「だとしても、俺やりますから!」
天馬はⅠの肩を掴んだ。
「お願いします……!」
そして頭を下げ、震える声で頼み込む。
Ⅰはその決意に押されたように、無言でうなずいた。
「パラレルワールドに飛ぶのです」
「パラレルワールド?」
「ええ。いくつもあるパラレルワールドの中には、登場人物は同じでも現実にリンクしていないものが希に存在します」
Ⅰはそう言うと天馬から離れ、自分の足元に手をかざした。
途端に柔らかな青い光がそこから溢れ、一冊の本が無の空間の床から飛び出した。
Ⅰはその本が落ちないようにうまくキャッチし、天馬のほうを振り返る。
「い、今のは……?」
「これは私の能力ですけど」
Ⅰは驚きを隠せない天馬に、眉を寄せながら答えた。
分厚い革の表紙を開き、茶色くなったページをすごいスピードでめくる。
そしてニッと口角をあげて笑った。
「見つけましたよ。あなたが歩める未来を」
- Re: 【イナgo】少年たちのRhapsody ( No.5 )
- 日時: 2012/08/14 20:23
- 名前: 時橋 翔也 (ID: NihAc8QE)
こんにちは!また来ました
第一話から面白いです!もう続きが気になります
私の小説読んでくれてありがとうございます!
ロゴはランジーンコードという小説の主人公でイラストはかっこいいですよ!
でも私の小説はイナゴ中心なんであまりロゴが活躍しないかもです…すいません
あ、それでもどこかでロゴがめっちゃ活躍するシーンをつくろうと思うので、これからもよろしくお願いします!
長くてすいませんでした
- Re: 【イナgo】少年たちのRhapsody ( No.6 )
- 日時: 2012/08/21 18:01
- 名前: 葉月 (ID: HTIJ/iaZ)
時橋さん!
面白いなんてありがとうございます!
でも説明なしでいきなり変な展開にしてしまってすみません<m(__)m>
読みにくかったですよね(汗
Iのこととか詳しく書けるように頑張ります(汗
ロ、ロゴ君の活躍シーン出していただけるんですか!?
嬉しいです!
いろいろ本当にありがとうございます(^^♪
- Re: 【イナgo】少年たちのRhapsody ( No.7 )
- 日時: 2012/08/24 22:44
- 名前: 葉月 (ID: HTIJ/iaZ)
【第二話・入り口】
「俺の歩める未来?」
「ええ」
小首をかしげる天馬に、Iはうなずいた。
そして何の躊躇もなく、見ていたページを破く。
びりびりっという音にたいし、天馬は驚きと困惑の表情を浮かべた。
「だ、大丈夫ですか?やぶっちゃって……」
「大丈夫です」
「でもなんか高そうだし」
「……特に問題ありません」
Iはそれだけ言うと、今度は破ったページを空中に放った。
ヒラヒラと揺れながら落ちてくるそれは、突然まばゆい光に包まれる。
「うわっ」
天馬は思わず両腕で目をふさいだ。
そしてそっと腕をどけ、その瞳を驚愕に揺らす。
「な……!なにこれ……」
天馬の目の前に広がっているのは、さっきのページだ。
しかし、大きさが全然違った。
もともと大きな本であったが、今彼の目の前にある紙は、少なくとも縦2メートルはあるであろう大きさだった。
天馬よりもはるかに大きい。
そしてそこには無数の文字が書いてあった。
英語で題名が書いてあり、その下にあらすじのような短い文章が並んでいる。
「ラ、ラプ」
「ラプソディー」
ぎこちなく言葉を発する天馬に、呆れたようにIは言った。
天馬は苦笑を浮かべて彼女問いかける。
「えーっと……意味は?」
「狂詩曲です」
「狂詩曲……」
天馬は思わず、Iの言ったことを復唱した。
なんとなくだったが、楽しいものとは思えなかった。
「ラプソディーは自由な形式によって楽想を展開する器楽曲です。音楽自体は愉快なものですよ」
そんな天馬の様子に気づいたのか、Iは静かな声で呟いた。
「そうなんですか!よか」
「まあ所詮は狂詩曲なんですけど」
「……ところでこれどうするんですか?」
再び冷たく言い放ったIに、天馬はあきらめたように聞いた。
Iは思い出したように「ああっ」と声を漏らす。
「すみません。説明忘れてました」
「ちょっ……忘れないで下さいよ!」
慌てた声色の天馬。
Iはそれを気にせず、碧眼をまっすぐ彼に向けた。
美しい澄んだ瞳に見据えられ、天馬は思わず目を背ける。
「あなたには……この物語に入っていただきます」
「物語に……?」
「ええ。物語といっても、あなたの現実にリンクしていない日常ですがね」
「……あの、そういうことですか?」
訳のわからない説明に、天馬は小首をかしげる。
「だから……簡単に言えば魔法とか出てくる可能性もあるんですよ」
「魔法!?」
「もちろん、ない確率のが高いですが」
声を荒げて身を乗り出す天馬に、Iは修正をいれた。
そしてゆっくりと巨大なページ近づき、それに白い手をかざす。
すると先ほどとは違う、淡い水色の光が溢れだした。
Iのワンピースがバタバタとはためく。
「これは……?」
「物語への入り口です。さあ早く!」
「うわっ」
Iは突然声を張り、天馬の腕を引っ張った。
細見の彼女からは信じられない力で、天馬は勢いよくページの上に足を踏み入れる。
その瞬間、Iはページの遠くへと飛びのいた。
「私もたまには様子をうかがいに行きます。頑張ってくださいね」
「えっ!ちょっ、どうなって……!」
天馬は思わず、Iに手を伸ばした。
しかし、その手はIには触れずに中を掴む。
「あ……」
天馬が顔をしかめたと同時に、彼の目の前は真っ暗になった。
- Re: 【イナgo】少年たちのRhapsody ( No.8 )
- 日時: 2012/09/08 23:25
- 名前: 葉月 (ID: eldbtQ7Y)
【第3話・神童】
「……い」
誰かが何かを言った。
天馬はそれを避けるように寝返りを打つ。
呼びかけた相手は困ったように頭をかき、自分の足元に転がっている天馬を眺めた。
木々の枝で休んでいる小鳥が、同じように天馬を見つめる。
森の中だからだろうか。
夏だというのに、涼しい風が少年の灰色のウェーブがかった髪を揺らす。
少年は少しばかり空に目を向け、再び天馬にその赤い瞳をむけた。
そして呆れたように口を開き、天馬の腕をつかむ。
「おい!大丈夫か!?」
「うっ!うわっ!」
突然の大声に、天馬は思わず勢いで上半身を起こした。
キョトンとしたその表情に、少年は苦笑を浮かべる。
「お前どこの人間だ?見覚えのない顔だけ」
「神童先輩!」
天馬は少年の言葉をさえぎって、大声で叫んだ。
青みがかった大きな瞳を驚愕に揺らし、まじまじと彼を見つめる。
天馬に神童と呼ばれた少年は、驚きつつ怪訝そうに眉を寄せた。
「先輩?えっていうか……なんで俺の名を?」
「……え?そんなの当たり前じゃないで……」
天馬は不意に言葉を飲み込んだ。
いや、飲み込みざるを得なかった。
おかしいのだ。神童の服装が。
慌てていたため今気が付いたのだが、神童の来ている服はいつものサッカーユニフォームでも、学ランでも私服でもない。
限りなく黒に近い緑のジャケットのようなものをはおり、中の服は真っ黒なTシャツ生地。
ズボンはジャケットと同じ色で、足元はブーツだ。
首には薄い茶色の襟巻をしており、腰には鞘に込められた剣がぶら下がっている。
こうして着てみれば似合うのだが、普段の神童からは想像できない服装だ。
「なんだ?」
突然黙り込んだ天馬に、神童はそう問いかける。
天馬は神童を見上げた。
灰色の髪も赤みがかった瞳も、見れば見るほど神童そのもの。
だが同じように、見れば見るほど違和感に襲われる。
天馬は意を決したように神童そっくりな少年に尋ねた。
「あの……俺のことわかりますか?」
神童は「え……?」と声を漏らし、再び口を開く。
「さっき言っただろ。お前どこの人間だ?って」
「そ、そうでしたね……」
天馬は嘘くさい笑みを浮かべ、顔の前で両手を振った。
(I〜……どうなってるのさ……)
ちなみに頭の中は、よくわからない現状でいっぱいである。
神童は天馬のことを忘れているというより、もともと知らなかったように話す。
彼の服装も疑問が残るが、現在いる場所が森だというのもおかしい。
ここがIの言っていた、天馬の歩めるパラレルワールドなのだろうか。
その時、遠くでだがバタバタとうるさい人々の足音が聞こえてきた。
武装でもしているのだろうか。ガシャガシャという音も聞こえる。
途端に神童が顔色を変えた。
額に汗がにじんでいるのがわかる。
天馬はそんな彼を見て、思わず「神童先輩?」と聞いた。
しかし、神童はそれに反応を示さない。
真剣なまなざしで、自分の来た道を見つめている。
そして天馬のほうは見ずに、小さく口を開いた。
「……お前名前は?」
「えっ……あっそっか、松風天馬です」
天馬は少し戸惑いながらも、笑顔を神童にみせる。
神童はそんな天馬をチラリとみると、彼の手首を勢いよく引っ張った。
「えっ!?神童先輩!?」
「松風っ!黙ってついてこい!」
神童は覇気のこもった声で言うと、天馬を連れて走り出した。
森を抜けるその道へと。
この掲示板は過去ログ化されています。