二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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世界をかけめぐる戦い(PS有のポケモン)
日時: 2009/12/24 22:19
名前: ミニモネ (ID: HpE/sQXo)
参照: おーちゃん、シルバー…… お誕生日おめでとう!! そしてメリクリ〜♪

ストーリーから入ります;
消えた方にキャラが入ってます^^
キャラ置き場→http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.php?mode=view&no=13976
他の場所のこの小説→ht tp://syokatus.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/patio/patio.cgi?mode=view&no=1156

〜お知らせ〜
・更新スピードはとても遅い(カメのほふく前進並み)です;
・PSをアニメ化しようと頑張ってます^^
・今はいます♪

○登場人物


・ユウ(♀)10歳  ポケモンと仲が良くバトルの
  図鑑有      実力もある。何か秘密にして
           いる事があるらしい。

・カイ(♂)10歳  新人トレーナー。マイと旅を
  図鑑有      していたら倒れているユウを
           見つけ助けた。

・マイ(♀)10歳  新人トレーナー。カイの双子
  図鑑有      の妹。カイと一緒に旅をして
           いる。

・ヨウ(♂)??歳  神出鬼没の(悪)ミライ組織
  図鑑無      のリーダー。ユウを狙ってい
           る。

・サラ(♀)10歳  ユウの秘密を知っているユウ
  図鑑無      の幼馴染。カワシシティに住
           んでいる。

・その他  (悪)ミライ組織メンバー・カワシシテ
      ィ住民・旅人(商人)・ポケモン達



[注意]

☆その他のポケモン達には、全ポケモン493匹の中から、作者の気まぐれででます。リクエスト受付ます!
☆ポケモンの泣き声は適当です。すいません。
☆荒らし・チェンメ・宣伝だけコメ等はしないで下さい。
☆できればコメして下さい!!
☆オリキャラ募集します。(出すのに時間がかかります;)


オリキャラ応募用紙

[のオリキャラ用紙]

*************


名前;
性別;
年齢;
手持ち;
出方;
出身地;
性格;
特徴;
詳細;
1人称;
その他;


ありがとうございます!

*************

お客様<前の分も含めて>(大常連さん=☆ 常連さん=♪ ちょっと常連さん=◆
            とてもよく来てくれるお客様=● よく来てくれるお客様=◎ 来てくれたお客様=○)

記号 名前    {応募したキャラ}
   
☆ミュウ さん {キキ、夜魏、(時姫)夏羽}
☆哭辿 さん {ソウマ(ソウ)、カグラ}
○ななみ さん
○イオリ さん {コウガ}
☆ザ・ポテチ さん {キラン、カイル}
○あげあげさんリターンズ さん
○藍 さん {(花咲)涙、(樺楼)蒼羅}
♪ピクミン さん
○ルイージ王 さん {アルガス}
☆美弥 さん {(天音)美希、(天音)沙希、(天音)優希}
○アオイ さん {ハルカ}
○くろーばー さん
☆大庭 さん
♪霜歌 さん
○ミカルゲ さん {空牙}
○苺雷鳥 さん {メル}
●ルビー さん {ルカ、ミーティア}
○ハジメ さん {サクヤ(サク)}
○トビ さん {宗痕}
○m.k さん


絵置き
ユウ…
サラ…
ヨウ…

〜最近気になる事〜
大切な仲間について……

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Re: 世界をかけめぐる戦い(PS有のポケモン) ( No.8 )
日時: 2009/12/22 22:49
名前: ミニモネ (ID: HpE/sQXo)
参照: おーちゃんの誕生日>シルバーの誕生日>クリスマスイブ まであと2日!!

 [ⅩⅨ:ユウの謎*1]

「ふぅ〜……、って、あっ!!」

ユウはステージを降りる途中で、いきなり何かに気付いた様に
小さいが、ユウにしては大きい声を出した。

「オツカレェ!!」

カイとマイは、待機席に戻ってきたユウとキランを笑顔で歓迎した。

「あ〜あ、やっちゃったね……」
「やっちゃったってなにが?」

サラが、溜息混じりに呟いた言葉をキキは見逃さなかった。

「いや、なんでもないよ!!」

サラが慌てて、顔の前で手を振りながらごまかす。

「ふ〜ん……(まぁ、知ってるからいいわ)」

キキが、ユウを見つめる。
見つめられていることを知らないユウは、頭に手をあてて落ち込んでいる
最中だった。

「なぁ、ユウ」

キランが困ったような顔をしながら、落ち込んでいるユウに呼びかけた。

「えっ、何?」

ユウは、顔をあげて自分の斜め後ろにいたキランを振り返った。

「ひとつ聞いていいか?」
「答えられる範囲なら答えるよ?」

ユウは、少しだけ笑顔になって言った。

「プテラの事なんだけど……」

キランがプテラが入っているボールを見ながら言った。
何故、ユウの言うことを聞いたのか聞こうとしているのだろう。

「……ごめん、それは答えられないの」

ユウは困り顔をちらつかせながら、はにかんだ顔で答えた。

「そっか……」

キランは少し悲しい顔をしたが、すぐにいつもの顔に戻った。

「えぇ〜」
「私達も聞きたかったのにぃ!」

カイとマイがふくれっ面をして、文句を言いだした。

「こらっ!次は私達4人の番だから急ぎなさい!!」
「手加減しないわよ!(私達はお母さんかよ;)」

サラとキキがカイとマイを押さえつけた。

「ハ〜イ……」

カイとマイは、諦めきれない顔でステージに向かっていく。
サラとキキは、ユウにウインクした。

「ありがとう、2人とも!」

ユウは、とても可愛いとしか言いようがない笑顔で、言った。

「さて、私達も行きますか!」
「そうだね!!」

サラとキキもカイとマイを追って、ステージに向かって行った。

「さてと、プテラを回復させないと……って、えぇ!!」

キランの手の中にある、ボールの中のプテラは元気という言葉が自然と
出てくるような感じだった。

「まさかユウが……」

キランはそっとユウのほうを見る。
しかしユウは、観客席に座ってステージを見つめているだけだった。


 [ユウの謎*1]完


 [ⅡⅩ:謎の2人の少女]

「ねぇ、美希!あの子どう思う?」

黄色のチュニックにジーパンをおしゃれに着こなしている少女は、
隣にいる少女に話しかけた。
美希と呼ばれた少女は、色違いの白のチュニックに膝丈のジーンズを
着こなしていた。

「そうだね……、良いんじゃない?」

美希は右腕につけている水色のリストバンドをいじりながら言った。

「私、あの子とバトルしたい!!」

沙希が目をキラキラ輝せながら言うと、美希は待機席に座っている少女を見た。

「でもさ、あの子バトルは好きじゃないみたいだけど……?」

美希は壁に寄り掛かった。

「恥ずかしがり屋だからだよ!!」
「へ?」

美希は驚きのあまりおかしな声を出しながら、自分とよく似ている
少女の顔を見た。

「ん?どうかしたの?」
「多分それ、あってる……」
「恥ずかしがり屋ってこと?」

黄色のチュニックの少女は首をかしげながら、言った。
いつもとは違う姉の反応に困惑しているようだ。

「沙希の天然も数撃てば当たるのね……」

沙希……
それが美希の双子妹の名前だった。

「そういえばさ、あの子も分かるみたいだね!」
「そうだね……、Cのかいの優勝はあの子のチームに決まりね」

美希はそう言って、寄り掛かっていた壁から離れた。
そして、広場から離れようと足を動かした。

「えっ、どこ行くの?あの子のこと見ないの?」

沙希が慌てて美希を追いかけようとした。

「見るよ?でもまだ時間があるから、ポップコーン買ってこようとしただけ」

美希が沙希のほうに振り向いて言った。
その言葉を聞いた沙希は目を輝かせた。

「ポップコーン……!!絶対キャラメル味にしようっと!」

沙希は、どうやらキャラメル味が好きらしく、鼻歌まで歌い始めた。

「本当に好きだね……。私はチョコレート味にしようかな?」
「美希だってチョコレート好きじゃん!」

そう言って笑いながら、2人の少女は広場をあとにした。


 [謎の2人の少女]完


 [ⅡⅩⅠ:バトル大会/カイとマイVSサラとキキ・前編]

「第5回戦、カイ&マイ対サラ&キキ!」

司会が、マイクを使って声を響かせる。
ステージには、双子のカイとマイ、親友同士のサラとキキがいる。
カイとマイは、もうブラッキーとエーフィを出していた。

「新人だからって容赦しないからね!いけっ、ハピナス!!」

サラが投げたモンスターボールの中から、ハピナスが現れた。

「覚悟しときなさいよ!出てきて、ミロカロス!!」

キキは、ミロカロスをボールから出した。

「あの2人が相手だと……」
「そう簡単には勝たせてもらえなさそうだね」

カイとマイが笑いながら言った。

「そんなこと言っときながら、随分と余裕そうじゃない」

キキがカイとマイ同様に笑いながら言う。

「ちゃんと負ける気あるのかなぁ?」

サラはからかい半分で言う。
ステージの上は、笑い声が響いていた。
そんな4人を見ながら、司会が困った様に口をはさんだ。

「あの〜、もう試合初めて良いですか?」
「あぁ、ごめん!」

サラが忘れてたとでも言うような顔で、司会に謝る。

「もう始めて良いよ。……ね?」

キキが、カイとマイの方を向いて言った。

「もちろん!!」

カイとマイが向日葵のような笑顔で答える。

「では、第5回戦、はじめ!!」

司会がまた、マイクで声を響かせた。

「カイ、分かってるよね?」

マイが、カイをみて言った。
カイは頷く。

「分かってるよ!」

カイは、ブラッキーとマイのエーフィを見た。
ブラッキーとエーフィはコクン、と頷く。
サラとキキは顔を見合わせ、頷き合った。

「ハピナス、ひかりのかべ!!」

サラがハピナスに指示を出した。

「ハピッ(うん)!」

ハピナスは、サラに返事をした後、自分の体から淡い緑に輝く光を出した。
そして、ハピナスとミロカロスの前にその光を板状に集めた。

「できたね。そしたら、ミロカロス、あまごい!!」

キキは、ひかりのかべが完成したのを見て、ミロカロスに指示をした。

「ミィ(OK)!」

ミロカロスは空の見上げた。
すると、雨雲が少しずつ広場の上に集まってきた。

「え〜、雨ヤダァ!!」
「広場の皆に迷惑だよぉ!!」

マイとカイ猫撫で声で甘えるように言ってきた。
客席もざわつく。
そんな様子を見たキキは笑った。

「あはは、大丈夫だよ! ステージの1部にしか降らないから!」

キキの声を聞いて、広場の皆は安心した。

——ポツ ポツ 

雨がじょじょにステージの上に降ってきた。
ステージが、雨がしみ込んで少しずつ色が濃くなってくる。
最初は少しだけだったが、徐々に強くなっていく。

「フィ〜(雨……)」
「ブラ〜(めんどくさい……)」

エーフィとブラッキーはいやだとでも言うように鳴いた。
雨が降っているステージの気温が下がってきた。
エーフィとブラッキーはお互い体を寄せ合って、寒さをしのごうとしている。

「じゃ、行きますか!」

ステージの4人と4匹は身構えた。


 [バトル大会/カイとマイVSサラとキキ・前編]完


 [ⅡⅩⅡ:悪の動き3]

「ボスー! ソウから報告がありましたー!!」

カグラがヨウのパルキアが作った(悪)ミライ組織の本部・ヨウの専用部屋で、
ソウからの報告をボスであるヨウに伝える。
カグラからの報告を聞いたヨウは、そうか とただ一言だけ言ってカグラを
部屋から出した。

「ユウ……、あれは貴重な存在だ……。絶対に私のものにしてやる……」

ヨウは独り、呟いた。
このヨウの独り言を聞いていた人物が1人いた。
天井の上で、天井の小さな穴からヨウを見ている。
その人物は、少女だった。
歳は12位だろう。
彼女は若いながらも、仕事をしている。
ポケモンレンジャーと言う、ポケモンに手伝ってもらっていろんな事件を
解決する仕事だ。
彼女は、ミライ組織の事について調べる任務を預かっていた。
その少女の名は、ハルカ と言う。

「……そういうことね」

ハルカは天井から抜け出し、どこかへと消えて行った。


 [悪の動き3]


 [ⅡⅩⅢ:バトル大会/カイとマイVSサラとキキ・中編]

「ハピナス、“うたう”!!」

サラがハピナスに指示をした。
その指示を聞き、ハピナスは透き通るような綺麗な声で歌い始めた。

「フィ〜(良い歌だな〜)」
「ブラッ、キィ〜(なんだか、眠くなってきた……)」

エーフィとブラッキーはその場で横になった。

「これで何もできなくなっちゃったねっ!」

サラがエーフィとブラッキーをみてあざ笑うかのように言う。

「あ〜あ……」

カイががっかりした様に溜息をついた。
しかし、どことなく余裕そうにも見える。

「何をたくらんでるのよ?」

キキがカイの余裕感を見抜いたのか、カイに聞いてきた。
カイは、キキに言われていきなり笑いだした。

「あははは、ばれちゃったか〜」

ばれた、と言いながらも余裕たっぷりのカイ。
観戦している人達は何が何だか分からないので、ざわついている。

「ちょっとカイ〜、演技下手すぎだよぉ……」

マイが不満そうに言う。
ごめん、と言いながら、カイは自分のブラッキーに指示をする。

「ブラッキー、もう起きて良いよ!」
「エーフィも起きて!!」

サラとキキは顔を見合わせた。
そんな指示をしたって、起きるはずがないからだ。
しかし、エーフィとブラッキーは起き上った。

「どうなってるのか、説明してくれない?」

サラがカイとマイに聞く。
キキもカイとマイの言葉に耳を傾ける。

「別に、どうってことないよ!」
「ただ、木の実を持たせただけだよ!!」

カイとマイは説明する。
そして、マイは自分のカバンの中を探り始めた。

「え〜と、あった!」

マイがカバンから取り出したのは紫色の小さな木の実だった。

「カゴの実だよ!!」

紫色の木の実は、カゴの実と言うものだった。
カゴの実とは、持たせておくと眠りの状態異常に陥った時に、ねむりから
回復すると言うものだった。

「へぇ〜、良い物持たせてるじゃない」

サラがにやり、といやな顔をする。
そんなサラをみて、カイとマイは頷き合った。

「あれ、やろうよ!!」
「あぁ、あれね……」

マイがカイに言うと、カイの眼つきが変わった。
そんなカイに合わせるように、マイの眼つきも変わっていく。
2人は、余裕そうな目つきから真剣な眼つきになった。

「やっと、その眼になったね!」

サラが、カイとマイの眼をみて言った。

「その眼、いい感じね!」

キキが、サラの言葉に頷きながら言う。

「じゃ、いくよ!!ブラッキー、“てだすけ”!」

カイがブラッキーに指示を出した。
ブラッキーは、コクン、と頷くと隣にいるマイのエーフィに一瞬だけ触れた。
すると、エーフィのきれいな薄紫色の体毛が輝くように見えた。

「エーフィ、あなたも“てだすけ”よ!!」

マイが指示すると、エーフィがブラッキーと同じ様に行動した。

「何をするか知らないけど、私達を倒すことなんてできないよ!!」

キキがカイとマイに向かって言った。
サラもキキと同じこと思っているのだろう。
サラの眼がそう語っている。

「そんなの分からないよ!エーフィ、“スピードスター”!!」

マイの指示を聞き、エーフィはハピナス達の方を向き、尻尾を大きく振った。
振られた尻尾からは、綺麗な星がたくさん出てきた。
その星が、ハピナスとミロカロスのほうに飛んでいく。

「エーフィ、“ねんりき”だよ!!」

マイが、“スピードスター”を出し終えたばっかりのエーフィに“ねんりき”
を指示した。

「フィ(うん)!!」

エーフィは、頷くと紫色の眼が青色に光り始めた。
すると、エーフィが放った星が青い光に包まれてハピナスとミロカロスの1歩
手前で止まった。

「あー!止めちゃだめだよぉ!!」

サラがマイに文句を言いだした。
何か作戦でもあったのだろう。

「せっかく、“スピードスター”を利用した作戦ができると思ったのにぃ!」
「何してるのよ、サラ!言っちゃダメでしょ……」

サラが作戦の1部を言ってしまったため、キキがサラを叱った。

「ご、ごめん……」

キキに叱られたサラは、落ち込んでしまった。
しかし、すぐに立ち直ったらしくカイとマイをまっすぐ見つめた。


 [バトル大会/カイとマイVSサラとキキ・中編]完

Re: 世界をかけめぐる戦い(PS有のポケモン) ( No.9 )
日時: 2009/12/24 11:34
名前: ミニモネ (ID: HpE/sQXo)
参照: おーちゃん、シルバー…… 誕生日おめでとう!!

 [ⅡⅩⅣ:バトル大会/カイとマイVSサラとキキ・後編]

「で、その“スピードスター”で何する気なの?」

キキが、ハピナスとミロカロスの近くで青く光りながら浮かんでいる綺麗な星を
見ながら言った。
キキとサラの顔には不安の色が浮かんでいる。
ハピナスとミロカロスもオロオロしながら、周りの星を見まわしている。

「そう言われても、僕には分からないよ……」

カイがキキの質問に困りながら答える。
カイは、『分からない』と言っときながらも、それなりには余裕そうな顔をしている。

「それは、エーフィとキキ達しだいだよぉ!!」

マイが笑顔で言う。
星を操っているのはエーフィだからエーフィしだい、キキ達の動きに合わせて攻撃
するからキキ達しだいということらしい。

「なんかさ、私達の作戦を真似されてる気が……」

サラが額に汗を流しながら言った。
2回戦での戦いのことを言っているのだろう。
相手しだいで出方を変える戦い方は2回戦のサラ達の戦い方と似ている。

「ミロ、ミィ〜(あれ、そういえばさ)……」
「どうしたのよ、ミロカロス」

キキが、ミロカロスがいきなり空を見上げたのに気付いた。
ミロカロスはキキの言葉は聞いていなく、ずっと空を見ている。
その顔は、何が何だか分からないとでも言うような顔だった。
キキも空を見上げるが、何もなかった。
ミロカロスとキキの異変に気付いたサラも、空を見上げる。

「どうしたの?空には何にもないわよ……、あぁ!!」

サラが、何かに気がついたらしく、いきなり大声を出した。
隣にいたキキは、耳に響いたらしく耳を押さえていた。

「な、なによ……。何があったの?」

キキはそう言うと、再び空を見上げた。
しかし、先ほどと同じ様に空には雲ひとつない。

「今更気付いたの?」

マイが、お腹を抱えながら言った。
笑いすぎて、痛いのだろう。

「キキはまだ、気付いてないようだね……」

カイがキキを見ながら言う。

「う、うるさいわね!だって、晴れているだけ……えぇ!!」

キキも、やっと気付いたようだった。
空が晴れているはずがないのに、空が晴れているということに……
試合が始まった後、キキのミロカロスは“あまごい”をした。
だから、今も降っているはずなのだ。
しかし、今は晴れている。

「“にほんばれ”……?」

サラが技名を言った。

「あたり!」

マイは元気良く答える。
マイのエーフィがいつの間にか、“にほんばれ”を使って晴れにしていたのだと、
マイは言った。

「はぁ〜、あなた達には吃驚しっぱなしよ……」

キキが溜息混じりに言う。
そんなキキを見て、サラはハピナスの方を向き、ハピナスと頷き合った。

「キキ、だったらこっちも驚かせてあげようよ!」

サラがキキに何か企んでいるような顔つきで言った。
キキは、頷いた。

「そうね……。ミロカロス、“メロメロ”よ!!」

キキが、ブラッキーを指差しミロカロスに命じた。
ミロカロスは、空から目を離しブラッキーの方を向いてウインクをした。
そのウインクをみたブラッキーは眼がハートになっていた。

「な、なに?今のウインクが“メロメロ”……?」

カイが戸惑いながら、眼をハートにしてミロカロスを見ているブラッキーを見た。

「ハピナス、“シャドーボール”!!」

サラが、ハピナスに言うとハピナスは頷いて自分のめのまえに、黒い球体を作り始めた。
黒い球体は、どんどん大きくなっていく。

「そろそろ良いかな?」

黒い球体が、サッカーボール位の大きさになったとき、サラはハピナスを止めた。
そして、ハピナスはその黒い球体をエーフィに向かって投げた。

「危ない!エーフィ、“でんこうせっか”でよけて!!」

マイは、危険を感じエーフィに黒い球体を避けるように言った。
エーフィは、マイが言い終えてすぐにその場からいなくなっていた。

「やっぱり早いね……。」

サラがきょろきょろと周りを見る。
消えたエーフィを探しているらしい。

「今よ!“サイコキネシス”!!」

マイは、消えているエーフィに命じた。
すると、ハピナスの目の前にエーフィが突然現れた。

「……甘い」

サラのその言葉と同時に、エーフィは黒い球体に包まれていた。
エーフィは、マイの足元に転がった。
エーフィは立ち上がったが、すぐに倒れてしまった。

「エーフィ、戦闘不能!!」

司会が、エーフィが倒れたことをマイクを使って広場中に伝えた。
マイは、司会の言葉を聞いてエーフィをボールに戻した。

「エーフィ、御苦労さま……」

マイは、悔しそうな顔をした。
そして、カイの方を向いた。

「ごめん……」

マイは、泣いていた。
そんなマイをみて、カイはにっこりと笑顔をつくった。

「大丈夫だから、泣かないで。……ね?」

カイの言葉にマイは頷くと、頑張って、と言って1歩下がった。

「さて、どうしようかな……」

カイはブラッキーを見る。
しかし、ブラッキーはハートの目でキキのミロカロスを見つめている。

「しょうがない、降参するよ……」

カイが両手をあげて、降参ポーズをとった。

「え?」
「はぁ!?」

サラとキキが目をまるくして、カイを見る。
カイは、恥ずかしそうにしながらも理由を述べた。

「だってさ、2対1で相手はサラとキキだし……」

カイは、そこまで言うといまだにミロカロスを見つめているブラッキーを抱き上げた。
ブラッキーは抱き上げられたからなのか、ハートの眼から普通の眼に戻った。
正気に戻ったのだろうが、状況が分からないらしく周辺をきょろきょろと見回している。

「ブラッキーが、あんな状態だったから戦えないもん」

ブラッキーの頭をなでながら、カイは言った。
ブラッキーは、やっと状況を理解したらしくうつむいている。
自分のせいで主人が戦いを下りたことが、よほどショックだったのだろう。

「え〜と……、カイ&マイチームが降参したため、勝者はサラ&キキチームです!」

司会も初めての経験らしく、戸惑いながら今のバトルの終わりを告げた。
広場中にざわめきが走る。

「なんか……」
「納得いかないのだけど……」

サラとキキは顔を見合せながら、ステージを降りて行った。


 [バトル大会/カイとマイVSサラとキキ・後編]完


 [ⅡⅩⅤ:バトル大会/ユウとキランVSサナとマラ]

「第6試合始め!!」

司会が短くホイッスルを鳴らすと同時にステージの上の4人は動き出した。
相手のサナとマラはジュペッタとサマヨールをだしていた。

「キラン、さっき話した方法で良い?」
「あぁ……」

ユウとキランは、さっきたてた作戦でいくらしい。
スボミーが口から、黒い小さな粒を2つ相手に向かって出した。
黒い粒は、ジュペッタとサマヨールのそれぞれの体に突き刺さった。
すると、黒い粒から棘の生えたつるが伸びてきてジュペッタとサマヨールを包み込んだ。

「なっ!!」

マラはいきなりの相手の行動に、1歩も動くことができなかった。
しかし、サナは素早く状況判断してジュペッタに指示を出した。

「ジュペッタ、スボミーに“おにび”で火傷を負わしなさい!!」

ジュペッタは、縛られている手を器用に動かして右手だけがつるから抜け出した。
自由になった右手から、青く光る炎が出てきた。
ジュペッタは、右手にできた炎をスボミーに向かって放り投げた。

「スッ、スボ(キャッ)!!」

青い炎は見事にスボミーに命中した。
炎は消えたが、スボミーの体には赤いあざのようなものができていた。

「ジュッ(うぐっ)……」
「サマ(うがぅ)……」

ジュペッタとサマヨールの体が黄緑色に光る。
それと同時に、スボミーが苦痛そうな顔から余裕そうな顔に戻ってきた。

「“やどりぎのタネ”か……」

マラがその様子を見ながら言った。
“やどりぎのタネ”という技は、相手の体力を棘から吸い取って、技主やその仲間が
吸い取ったぶんだけ回復するという技だ。

「プテラ、今だ!!」

キランが大きな声で言った。
しかし、プテラは最初にいた場所にはいなかった。

「ガフッ!」
「グッ!」

いきなりサマヨールとジュペッタが、苦痛の声を出した。
何か、見えないものに襲われているように見える。

「な、なに?」

サナが2匹の様子を見て、オロオロしている。
正体不明の襲撃に対応しきれていないのだ。
その間にも攻撃は加速していき、みるみるうちに2匹の体力は少なくなってくる。

「そろそろ終盤だな」

キランが不敵な笑みを浮かべた。
そんなキランをみて、ユウは少しだけ悪感を感じたがすぐに相手の方を見た。

「プテラ、もういいぞ」

キランがそう言うと、今まで相手の2匹を襲っていた攻撃がピタリとなくなった。
そして、キランの前に姿を現した。

「さっきまでのは、プテラの攻撃だったのね……」

サナがプテラを睨みながら言った。
その眼は恨みと言うよりも、敵わない敵に遭遇してしまったような恐怖の眼に見えた。

「じゃ、これで終了です!」

ユウがそう言った瞬間、ジュペッタとサマヨールは再び緑色に包まれた。
もう、苦痛の声までも出てこないほど弱っていた。
緑色の光が消えると、2匹の体を包んでいたつるが空気と化すように消えて行った。
支えがなくなった2匹は、地面に倒れた。

「第6試合、ユウとキランチームの勝利です!!」

司会がホイッスルを吹く。
試合開始のホイッスルから、試合終了のホイッスルが鳴るまでの時間は、たったの5分だった。


 [バトル大会/ユウとキランVSサナとマラ]完


 [ⅡⅩⅥ:闇の中にうごめく5つの組織]

「ボス、そろそろ時間じゃない?」

カグラが、パソコンの画面を食い入るように見ているヨウに呼びかけた。

「……わかった」

ヨウは、パソコンを休止状態にするとパソコンを黒いスーツケースに入れて、部屋を出て行った。
(悪)ミライ団組織の本拠ビルから少し離れた所の公園に向かっていく。
公園につくと、周りに人がいないのを確認するとモンスターボールからパルキアを出した。

「連れて行ってくれるな?」

ヨウがそう言うと、パルキアは分かったとでも言うかのように鳴くと、パルキアの体がピンク色の丸い光に包まれた。
その光は少しずつ広がり、ヨウの体も完全に包み込んだ。

「よし、いけ!」

ヨウがそう言った瞬間、とても強い光を放ち一瞬でパルキアとヨウの体は消えてしまった。

ヨウとパルキアは黒く染まってている空間を進んでいた。
しばらく進むと、白く光る空間があった。
その空間を確認すると、その空間に近づいて入っていった。

「遅かったな……」
「時間は守るべきですよ、ヨウさん?」

ヨウは、会議室のように長い机に椅子がいくつかある部屋に出てきた。
紅き人物と蒼き人物が、パルキアとともに現れたヨウを確認して言った。
漆黒の人物と銀の人物はずっと黙っている。

「少し、ブラウンの様子を見ていたのですよ……」

ヨウはそう言うと、持ってきたスーツケースからパソコンを取り出した。
パソコンの電源ボタンを押し、しばらくすると動画が流れ始めた。
その動画は、少女と少年が大人2人とダブルバトルをしている様子を映し出していた。

「いつになったら捕らえるのだ?」

銀の人物が、イライラした口調で言った。
しかし、その眼はヨウの連れているパルキアをずっと見ていた。

「先輩、ブラウンは今お祭りを楽しんでいるのですよ」

ヨウはそう言いながら、パルキアをモンスターボールにしまった。
パルキアがいなくなると、銀の人物はつまらなさそうな顔をして眼をふせた。

「祭りだと……?」

紅き人物は、眉毛をピクピク動かして言った。

「ただの祭りじゃありませんよ——」
「伝説祭だろ?」

ヨウが言おうとする前に、漆黒の人物が初めて口を開いた。
ヨウは頷いた。

「あぁ、そういうことですか」

蒼き人物は納得したらしく首を何度も縦に動かしている。
銀の人物は、顔をあげてパソコンの画面を見つめた。

「なので、明日に作戦を決行するつもりです」

ヨウは、パソコンを休止状態にするとまたスーツケースにしまいこんだ。

「失敗は許されないぞ」

漆黒の人物が立ちながら言う。
黒いジャケットに黒いズボン姿だった。
そのジャケットには赤いRの形が刻み込まれている。

「わかってますよ、先輩方の失敗談をしっかり聞いていましたから」

ヨウは寒気がするような黒い笑顔で言った。
そして、パルキアを出してまた光となって消えて行った。

「あいつ、本当に17歳か? どう思うよ、アオギリ?」

アオギリと呼ばれた蒼き人物は少しだけ考え込むと、肩をすくめた。

「あいつは結構優秀だが性格は黒い」

漆黒の人物がドアの方に歩いて行く。

「サカキさん、あなたも結構黒いですよ?」

銀の人物が、漆黒の人物に言う。
サカキと呼ばれた人物は、ドアの目の前で立ち止まった。

「そう言うな、アカギよ……」

そう言い残し、漆黒の人物サカキはドアの向こう側へと消えて行った。


 [闇の中にうごめく5つの組織]完


 [ⅡⅩⅦ:幼馴染の知る事]


「ご、5分って……」

カイが、たった今試合が終わったばかりのユウとキランの二人をみて呟いた。 マイは口をパクパクさせながら、ステージを見つめている。

「早すぎない?」

キキが、隣の席に座っているサラのほうに顔を向けながら言った。
サラは、驚いている様子もなくただじっとユウを見つめていた。

「……キキ、私たち勝てないと思うよ?」

サラのいきなりの言葉に、キキは目を白黒させるばかりだった。

「な、なんで……?」

キキのその言葉は、不安を演技しているようにも聞こえた。 しかし、サラはそのことに気づかずに昔の出来事を呟くように話し始めた。

「まだ……私とユウが5歳の頃……、ユウはポケモントレーナーとして……、良く私の両親と戦っていたの……」

サラは遠い記憶の映像を見るように、目をつぶった。
キキは、首の相槌だけをしながら静かにサラの言葉を聞いていた。

本当は、ポケモントレーナーになれるのは10歳からだということ。 しかし、ユウはある事情からとてもえらい博士に、その生命が誕生した時に限られた人物しか与えられないポケモン図鑑と、あるポケモンをもらったこと。

そのようなことを話した後、サラは驚きの発言をした。

「ユウはね、5歳のときでも私の両親には10分もかからずに勝ってしまうんだ……」

キキは神を見つめるような眼で、ユウを見た。 たったの5歳で、大人と勝負をして10分もかからずに勝利をするなんて、とてもじゃないがユウ以外にはできないことだと思った。

「ユウが人見知りなのにも、いろいろと理由があるのだけれどね……」

サラが話を始めようとすると、サラの体が影に包まれた。
サラは、自分を包み込む影に気が付いて影の正体を見て目を丸くした。

「進化……したんだ……」

影の正体は、ユウのロゼリアだった。
先ほどの戦いで、ユウのスボミーが進化しうるレベルになりロゼリアに進化したのだ。

「あまり、私のこと話さないでね?」

ロゼリアの後ろから、ユウが出てきた。

「戻ってください、ROZE」

ユウは、そう言ってロゼリアをボールの中に戻した。

「ろ……ぜ……?」

カイとマイが、不思議そうな眼でユウとロゼリアが入っているボールを見比べた。

「ロゼリアの愛称・ニックネームだよ」

ユウは笑顔でカイとマイを見た。 カイとマイはお互い顔を見合わせた。
バトルのときでは、普通の名前で呼んでいたのが気になるのだろう。

「でも、公式の試合とかでは愛称で呼んではいけないんだよ」

ユウはそれに気付いたらしく、笑顔で答えた。 カイとマイは納得して、頷いた。

「2人も付けてみたら?」

サラがカイとマイの頭をなでた。
カイとマイは頷き、考えてみると言った。

「じゃ、行こうか!」

キキは、そういうとステージを指差した。
もうすぐ、第7試合の準決勝が始まる——。


 [幼馴染の知る事]完


 [ⅡⅩⅧ:バトル大会/サラとキキVSユウとキラン]

ユウとキランがステージに立つと、サラとキキはもうポケモンを出していた。

「お願いしますね、ロゼリア!」
「出番だぜ、プテラ!」

お互い、2回相手チームの戦い方を見てきたため、相手の情報はほとんど入っている状態だ。
たった1つのミスで負けは確実になるだろう。 そんな緊張が広場にあふれていた。

「第7試合、開始!!」

司会がホイッスルを鳴らす。 それと同時に、両者ともに動きだした。

「プテラ、“いわくだき”!!」
「ミロカロス、“れいとうビーム”!!」
「ロゼリア、“メガドレイン”!」
「ハピナス、“どくどく”!」

プテラとハピナス、ロゼリアとハピナスの取っ組み合いになった。
ミロカロスから放たれた青白い冷気を放つ光線が、ロゼリアの右手に当たり凍っていく。
しかし、ミロカロスは生気を失われていくように荒い息を出すと並行に、ロゼリアの荒い息が少しずつ整われていく。
プテラは、ハピナスに接近してかみつくと同時にハピナスの手がプテラのおなかのあたりに刺さり、顔色が悪くなっていく。

「チッ……」
「猛毒状態だから気をつけてね!」

プテラは、ハピナスから離れて間を作った。 プテラの隣では、右手だけでなく左手までも凍ってしまったロゼリアがいた。

「キラン、ハピナスの技全部出たよ」
「あぁ、“ひかりのかべ”と“うたう”、“シャドーボール”、“どくどく”……だろ?」

キランが指を折って4つ数えながら言った。 ユウは頷くと、ミロカロスをまっすぐ見つめた。

「うん……。 ミロカロスの技は分かる?」
「えっと、確か……」

ゴウとリキ戦で使った“アクアテール”と、カイとマイ戦で使った“あまごい”、“メロメロ”、ついさっき放たれた“れいとうビーム”がミロカロスの4つの技だった。

「ロゼリア、“やどりぎのたね”!」

ユウがそういうと、ロゼリアは頷いて先ほどの試合と同じように黒い種をミロカロスに向かって飛ばした。 種は、ミロカロスの体に見事に命中し、ミロカロスの体は棘のあるつるによって縛られてしまった。

「“にほんばれ”!」

ロゼリアはユウの指令を聞き、凍ってしまっている手を体の前でクロスさせ、眼をつむった。 すると、ステージが浴びている太陽の光が強くなり夏のような暑さになってきた。
その暑さを確認したロゼリアは、手をほどきプテラの口元まで移動した。

「よし、“かえんほうしゃ”だ!!」

キランが勢いよくハピナスを指差す。 プテラは頷き、口を大きくあけて灼熱の炎を放った。
その炎に、ロゼリアは凍っている両手を差し出し熱であぶるような行動に出た。 みるみるうちに、氷は溶け始め両手からは薔薇の良い香りが漂い始めた。

「あ〜あ、溶けちゃったか……」

キキは残念そうに、ロゼリアの手に咲く薔薇を見つめた。 そして、何かを考えるような目つきになった。

「じゃ、“メロメ——」
「“ソーラービーム”!!」

キキの指令は、ユウの指令によって言い終わらなかった。 ミロカロスは、いきなりの事態に対処しきれず黄緑色の光につつみこまれた。

「ミロカロス!?」

黄緑色の光が消えると、ミロカロスは何とか持ちこたえ起き上がっていた。

「良かった……」

キキがホッとしてミロカロスを見ると同時に、緑色の光がつるからでてミロカロスを包んだ。 ミロカロスは、苦痛の色を顔に浮かべたがすぐに意識を失った。

「ミロカロス、戦闘不能!」

短くホイッスルが鳴る。 それを聞いたキキは、悔しそうな顔をしながらもミロカロスをボールに戻した。

——どさっ

重いものが落ちてきたような音とともに、プテラが倒れこんだ。 毒が体中に回り、耐えきれなかったのだろう。 体中で息をしていた。

「プテラ、戦闘不能!」

また、短くホイッスルが鳴った。 キランは、ご苦労と言ってプテラをボールの中に戻した。

「ユウと1対1か……」

サラが、ショートヘアの髪をかき上げながら言った。

「ハピナス、“シャドーボール”」

サラは、ユウには聞こえないぐらいの声でハピナスに指示した。 しかし、ハピナスは一向に動く気配がない。

「ハピナス!? どうしたの?」

サラがハピナスに呼びかけると同時に、ハピナスの体が傾きステージに転がった。 ハピナスの体には、やけどの跡があった。

「や、やけど……?」

サラはハピナスのもとに駆け寄り、ハピナスの体をじっくりと見た。

「“かえんほうしゃ”の時にやけどを負ったのね……」

そう言うと、サラはハピナスをボールに戻した。

「ハピナス、戦闘不能! よって、ユウとキランチームの勝利!!」

司会が試合終了を示す音が広場に響き渡った。


 [バトル大会/サラとキキVSユウとキラン]完

Re: 世界をかけめぐる戦い(PS有のポケモン) ( No.10 )
日時: 2009/12/24 15:08
名前: ミニモネ (ID: HpE/sQXo)
参照: おーちゃん、シルバー…… 誕生日おめでとう!!

 [ⅡⅩⅨ:謎の少女たちは動き出す]

「凄いバトルだったね〜!」

沙希が肩に乗っかっているコリンクに言った。 コリンクは頷いて小さく鳴いた。

「美希姉、沙希姉〜!!」

美希と沙希の後ろの方から声が聞こえてきた。 美希や沙希と同じ服装で、栗色の髪をなびかせている少女2人の方へ駆け寄ってくる。 少女の足もとにはプラスルとマイナンが仲良く走っている。

「優希!」

美希は驚いたような眼で優希という名の少女を見つめた。
優希は走ってきたためか立ち止まっても、肩を上下に動かしていた。

「や、やっと会えた〜!」

優希は額に浮き出る汗を腕でぬぐうと足もとにいたプラスルとマイナンを手に取った。

「どうせ迷子になってたんでしょ?」

優希を美希の苦笑いと冷たい言葉が迎えた。

「そ、そうだけど……。 そんな言い方しなくても……」
「あはは、冗談だよ冗談!」

涙目になった優希を見て、美希と沙希は大笑いした。


「で、どうだった?」

しばらく話をしていると、急に沙希が真剣な眼つきで優希を見つめた。 それにつられてか、美希と優希も真剣な表情になる。

「今日は会議があったみたいよ。 5つの組織のBOSS全員のね……」

優希は鞄からメモ帳を取り出してパラパラとページをめくる。

「そうそう、ハルカちゃんがいたみたいよ」

優希がそういった瞬間、双子の表情に驚きの色が出た。

「ポケモンレンジャーの?」
「へぇ〜、あの子がね……」

沙希と美希は頷きながらいろんな言葉を言っていた。

「凄いことになりそうね……」
「レンジャーが出動するぐらいだもの!」

美希が言うと、沙希は笑顔で言い足した。 優希はそんな2人をみて、笑顔になった。

「相変わらず仲良いね!」

その言葉を聞いて、美希と沙希は顔を見合わせた。

「双子だもの!!」

2人は満面の笑みで声を重ねて言った。


「あの子にも会いに行こうか!」

3人は広場に向かって歩きだした。


 [謎の少女たちは動き出す]完


 [ⅢⅩ:金に光り、銀に輝き、神秘にはじけ、癒す心]

「なぁ、まだつかないのかよ?」

黄色い帽子にゴーグル、爆発したようなはねた前髪が目立つ少年が言った。 少年の帽子の上には、少年と同じようにはねた前髪を持つ変わったピチューが乗っていた。

「……この森を抜ければすぐそこだな」

地図を持って不良とも言えそうな少年の隣を歩いていた、赤い髪の少年が言う。 赤い髪の少年も眼つきが鋭く何よりも髪が黒がかかった赤なので、不良に見えると言えるだろう。

「あっ、ねぇあんなところに……!!」

黒い髪が肩のところでクの字に曲がっている2つ結びの少女が空を指差す。 差した先には、蒼いダイヤモンドが輝く時間を支配するディアルガと、紅いパールがきらめく空間を支配するパルキアが浮かんでいた。

「わぁ、凄い!!」

小さな茶髪の少女が2つの巨体を見上げて感嘆の声を出す。 ピンク色の半袖パーカーがよく似合う可愛らしい姿だった。

その4人は、図鑑所有者のゴールド、シルバー、クリスタルと、ゴールドが思いを寄せているマイというものだった。

「凄いとか言う問題じゃないだろう……」

シルバーが紅い髪を風になびかせながらマイをにらむ。 マイは、はぅと意味不明な声を出して小さな体をさらに小さくする。

「マイなんだからしょうがないだろう!!」

そんなマイをかばうようにマイの前に立って、ゴールドがシルバーをにらみつける。 しかし、シルバーには効果がなくスタスタとどんどん森を進んで行く。

「おいっ、待てよっ!! ——おわっ!」

ゴールドがシルバーの腕を捕まえようとしたが、シルバーが腕をあげてゴールドをよけたた結果、ゴールドは地面にダイブした。

「ご、ゴールド大丈夫?」

マイがゴールドに駆け寄り、ゴールドについたたくさんの砂をはたき落した。 ゴールドは少し顔を赤らめながら、お礼を言い立ち上がった。

「ほら行くわよ!」

クリスタルがメガニウムをボールからだし、そのさわやかな黄緑色の背中に飛び乗った。 ゴールドはバクフーンを出して、背中に乗る。 そして、その後ろにマイを乗せた。
ゴールドの頭の上に乗っていたピチューはバクフーンの頭の上に移動する。

「あぅ、怖いよぉ!」

マイが泣目でゴールドの背中に抱きついた。 ゴールドは無言でマイの頭を撫でてやると、バクフーンを走らせた。 クリスタルもそれについていく。

「……しょうがないな」

おいてけぼりになったシルバーは、ヤミカラスを出して足につかまった。 ヤミカラスはそれを合図に、大空へと飛びだった。


シルバーがしばらく空を飛んでいると大きな門が見え、門から数十メートルほど離れたところにピチューと遊んでいるゴールドがいた。 それを確認したシルバーは、ヤミカラスを見上げた。 ヤミカラスは理解したらしく、頷いて少しずつ降下していった。

「やっとついたか!」

ゴールドが空から降りてきたシルバーを睨む。 しかし、シルバーは無言のままヤミカラスをボールに戻した。

「おい! 無視するんじゃ——」
「ゴールドォ! 此処チケットがないと入れないらしいわよぉ!!」

ゴールドが言いかけているときに、大きな声で叫びながらクリスタルが門の方から走ってきた。 マイも後ろからついてくる。

「マジかよ!? どーすんだ?」

クリスタルの言葉を聞き、ゴールドが腕を組んで考え込む姿勢になった。 クリスタルとマイがゴールド達のもとにつくのと、ゴールドがいい案が思いついたように手を鳴らしたのが同時だった。

「何か良い案あったの?」

あんなに走ったのに息切れもせずに、マイはゴールドに問いかけた。 マイは体こそは弱いが、運動神経は良い方らしい。

「あぁ!! 強行突破する!」

ゴールドが笑顔で言うと、しばらくはその場の時間が消え去った。 ゴールドだけが笑顔で、他の3人は無表情そのものだった。

「……チケットならある」

シルバーが何もなかったようにふるまいながら全員にチケットを配る。 女子の2人はお礼を言いながら素直に受け取ったが、ゴールドは不満そうに受け取るだけだった。

「なんでシルバーが持ってるんだよ……」
「あんたに持たせたら危ないからでしょ!」

クリスがゴールドを睨みながら言う。

「行くか」
「うん!!」
「えぇ!」
「…………」

シルバーが歩き出す。 マイとクリスタルもついていくが、ゴールドは無言で後ろの方を不満そうな顔で歩き出した。 ピチューはゴールドの頭の上にかけのぼった。

「ちぇっ!」

ゴールドは、すぐそばにあった小石を勢いよく蹴飛ばした。 茂みの中に入って行った。

「いてっ!!」

茂みの奥で小さな声がした。 しかし、ゴールドはそれには気付かずに、歩いて行った……


 [金に光り、銀に輝き、神秘にはじけ、癒す心]完


 [ⅢⅩⅠ:バトル大会/ユウとキランVS前優勝者・アルガス]

「8回戦、はじめ!!」

司会の笛が長く広場に響き渡る。 その笛の音が消えると、空中で激しいぶつかりあいをしている音だけが残った。

「いきなりこんなバトルにしても良いのかい?」

アルガスは腰に手を当てた気楽なポーズで余裕そうな顔をしている。 ユウとキランは黙って4匹のぶつかり合いを見つめている。

「はぁ〜、そんなに黙ってたらつまらないだろ?」

アルガスはため息をつく。 しかし、2人はそれを気にも留めずに黙っていた。
アルガスはポリゴンとポリゴン2というポケモンを使っていた。 ポリゴンはカクカクとしていて、2の方はそれに対して丸っこい。 2匹ともノーマルタイプだ。

「しょうがない……。 つまらないバトルはさっさと終わらせるか……」

アルガスの言葉とともに強い風が吹いた。 アルガスの緑色の髪が風に揺れる。

「“トライアタック”」

ポリゴンたちは一回身を引くと、青と赤、黄色に輝く光を体にまとった。 そしてその光をまっすぐにプテラとロゼリアに向けてはなった。

「“トライアタック”は三つの性質をもつ。 此処まで勝ちぬいたあんた達なら分かるよなぁ?」

アルガスは2人に問いかける。 2人はその言葉でやっとアルガスの方を見て、頷いた。
光が2匹に当たる。 ロゼリアには青と赤の光が、プテラには黄色の光が直撃した。 青い光はロゼリアの体を凍えさせ、赤い光はロゼリアの体に火を付け、黄色い光は雷となってプテラをつらぬく。

「青は氷へと、赤は炎へと、黄色は雷へと……ですよね?」

ユウが2匹の様子を見ながらつぶやく。 アルガスは頷きながら、敵の様子に探りを入れていた。

「まだたてるようだが……、もうギリギリなんじゃないんか?」

アルガスは腕を組みながら、苦しそうにしながらも体制を立て直そうとする2匹を見つめていた。

「まだまだいけるぜ……?」

キランがニヤリと笑う。 ユウは頷いた。 2匹も頷き、まだいけると自分達の主人に伝えた。

「それはどうかな?」

アルガスは“トライアタック”をもう一度ポリゴンたちに命じた。

「これで……終わりだな……」

アルガスは背を向けた。 自分の勝利に確信を持ち、バトルが終わるのだと思っているのだろう。 しかし、アルガスの思い通りにはならなかった。

「敵に背中を見せるってことは、降参の意を持ちますよ?」
「降参も何も、バトルはもう終わりだ——なっ!?」

ユウに呼びかけられ、後ろを向いたアルガスは動きを止めた。 ポリゴンたちの目の前に、ソーラービームの光と火炎放射の炎が来ていた。

「作戦通りに事が運んで良かったな!」

キランの言葉とともに爆発が起きる。 爆発は黒煙を上げていたが、やがて煙も晴れていき目を回して倒れているポリゴンたちが見えた。

「……ッハハハ!!」

アルガスは倒れた2匹をボールの中にしまいながら笑いだした。 いきなりのことにユウとキランは目を丸くしてアルガスを見つめる。

「ハハッハッ、やっぱり君等は強いねぇ!! クククックッ……」

アルガスが腹を押さえながら笑いをこらえて言った。 その言葉を聞いたユウとキランは顔を合わせて笑顔になった。

「ポリゴン・ポリゴン2、戦闘不能! よって優勝者、ユウとキランチーム!!」

司会が笛を鳴らす。 長い戦いが今幕を閉じたのであった。


 [バトル大会/ユウとキランVS前優勝者・アルガス]完

Re: 世界をかけめぐる戦い(PS有のポケモン) ( No.11 )
日時: 2009/12/24 15:11
名前: ミニモネ (ID: HpE/sQXo)
参照: おーちゃん、シルバー…… 誕生日おめでとう!!

コピー終わった〜
最新話がややこしくなってるけど;

Re: 世界をかけめぐる戦い(PS有のポケモン) ( No.12 )
日時: 2009/12/24 15:11
名前: 桜庭 ◆ir0FRmG1cA (ID: aCSbnB08)

立て直しお疲れ様^ω^/
(まだ終わってない?)


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