二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- クラウス青年と禁断の恋〜漆黒の狂気〜
- 日時: 2010/02/02 12:46
- 名前: 凛 (ID: ngeMfYox)
初めまして!先ほど、この小説カキコに来たばかりの、凛と申します!
この度、小説を書かせていただくことになりました!
レイトン小説で、主人公はクラウスです!
まだまだ執筆力は小一並みですが、宜しくお願いします!
ちなみに、レイトン教授小説掲示板の方で小説を書かせて頂いています!
そちらのものとストーリー自体はあまり変わりませんが、構成や、文を少し変えています!
まだまだ未熟者ですが、よろしくお願いします!
〜序幕〜狂気の始まり〜漆黒に潜むもの〜
その場所には、一粒の光も差し込まない。
そこにあるのは、闇、つまり、狂気のみ。
闇で真っ黒に染まったその場所で今、狂気という名の、悲哀に満ちた一つの闇がうごめいていた。
「奴を釈放させるように手は打った。あとはお前が……」
その場所にも劣らない位、その声はまるで光も闇も経験してきたように響く。
「計画を実行に移すだけ…。ですか」
今度は、高いが苦痛と狂気に満ちた声がそれに答えた。
「そうだ。うまくやれよ」
光も闇も経験してきたような声が答えた。
漆黒のカラスが一羽、下を見下ろしながら飛んでゆく。
一羽だ。
群れで行動する鳥にとってそれはまさに。
狂気。
しかし、その目には不思議と根強い力がある。
狂気だからこその。
一瞬張り詰めた緊張した空気。
その裏には、携帯電話で会話する二人に共通する、あまりに漠然とした怒りの炎、そして悲しみの涙を感じられる。
強く。
とても強く。
「はい。ボス。復讐のために」
その高い声の言葉には、不思議と重く、暗い余韻があった。
その者は顔を俯かせながら携帯をしまう。
表情は、深い怒りの炎と悲しみの涙をたたえていた。
眼光が、赤く、鋭い光を発し、それは、闇の中を闇で照らした。
力を放つ、赤い、美しい大きな玉から、一粒の水が、ゆっくりと炎に向かって落ち、それはかえって炎の勢いを美しく、強くする。
まるで狂っているかのように!
燃やしつくす!
狂気の炎で燃やし尽くす!
- Re: クラウス青年と禁断の恋〜漆黒の狂気〜 ( No.3 )
- 日時: 2010/02/02 10:20
- 名前: 凛 (ID: ngeMfYox)
〜第一章〜罪を抱えて
夕日の暖かい光が留置所の窓から差し込み、優しく僕の頬を照らしだす。
暖かい。
優しい。
とても。
頬に強く感じるよ。
まるで絶望の淵から僕を救ってくれた義母さん(おばさん)の様に。
しかし、義母さんさえ、僕の闇を照らすことは出来なかったね。
一体どんな光ならば、僕の闇を完全に照らすことができるのかな?
義母さん、あなたの財産をこんな事に使ってごめんなさい。
あなたは、私が死んだら、好きなように使いなさいと言っていたけど、こんなことには使って欲しく無かったはずだ。
絶対に。
そうだね?義母さん。
義母さんはいつも言っていたね。
人は心に深い傷を負っていても、その傷が消える位に明るく生きていけば、例え人を恨み、憎んだとしても、闇に堕ちることは無いって。
だから、普段から明るくてやさしいクラウスもきっと大丈夫って。
義母さん、僕の内面は明るくなんか無かった。
漆黒で、闇に満ちていたよ。
僕が明るく見えたのは義母さんが外側だけでも、照らしてくれていたから。
だから。
普段から明るければ大丈夫なんてきれいごとだったね。
だって。
だって、僕は堕ちてしまったよ。
狂気という名の闇に。
深く、深く。
だから、償わなければいけないんだよ。
必ず。多分死刑という形で。
悔いは無いかって?そりゃあ色々あるさ。僕だってテロリストとはいえ普通の23歳だよ。
やりたかったことを挙げたらきりがない。
でも、僕は自分の価値観のため、狂気に突き動かされて沢山の人を殺してしまった。
だから……。僕は……。
突然、部屋の窓が勢い良く開く。
入ってきたのは深刻な顔をして、汗をかいたチェルミー警部だった。
何やら切羽詰った様子である。
ただならない状況に、さっきまで静かだった僕の心は乱れ、困惑する。
「チェルミー警部、どうしたんですか?」
僕の質問が終わるより前に、警部は答えていた。
「クラウス!釈放だ!」
釈放?どういうことだ?まだ裁判も行われていないはずだ?
「ど、どういうことなんですか?」
状況が、全く理解出来なかった。
「だから、釈放になったと言っとるだろう!」
狭い部屋にチェルミー警部のダミ声が響く。
「釈放?だって、まだ裁判さえ・・・・・・」
「裁判は行われないらしい・・・・・・」
裁判が、行われない?
「何故?」
「上層部の圧力がかかっとる。恐らくスコットランドヤードが下手に扱えない大企業が大富豪の個人が頼んできたのだろう……。釈放しろと」
「何故、大富豪や大企業が僕を釈放するように頼むんですか?」
「私は何も知らん……。唯一わかるのは、何者かが、意図的に、君を釈放しようとしたということだけだ。」
「でも、僕には償うべき罪があるはずです!それなのに何故……」
「釈放されるんだ。いいじゃないか」
「何故だ?僕は何故罪を償えない!一生罪悪感を抱えたまま生きて行けというのか?一生怯え、死んでゆく人々の悪夢を見ろというのか?それなら、死んだ方がましだ!というより、僕は償わなければいけないんだ!」
何故だ!何故僕は罪を償えない!何故だ!
生きて行けというのか?罪を抱えたまま!
償わせてくれ!
そうしないと、そうしないと……
また狂気の闇が襲ってくるかもしれないじゃないか!
僕は狂気が怖いんだ。
だからそれを避けるための手段として死があったんだろう?
なのに!
なのに!
狂気は永遠に離れないんだ!
僕から、僕の心から!
- Re: クラウス青年と禁断の恋〜漆黒の狂気〜 ( No.4 )
- 日時: 2010/02/02 12:10
- 名前: 凛 (ID: ngeMfYox)
〜第ニ章〜闇から闇への墜落〜希望の光〜
夜のロンドン、闇の中、僕は人混みに紛れ、顔が見えないような服装をして、ある一点を目標にし、歩いていた。
その一点は、目標というより、希望に近い。
ただ単純に、頼りたいのだ。
外の世界に出たら、闇から解放され、光を手に入れることが出来るだろうと思っていた。
だが、実際はその逆だ。
漆黒のカラスが街を淡々と行く人々の頭上、一羽で飛んでいる。
孤独だろうな。
集団で行動する鳥類にとって、それは、まさに、狂気。
何故なら、その行為はそのまま死を意味するといっても過言ではないからだ。
今、気付いた。
あの狂っているカラスは僕みたいだって。
本当にそうだ。
笑うようなことではないのに、自らをあざ笑ってしまった。
ああ。
外の世界は、こんなにも闇に満ちあふれ、様々な人々の感情が渦巻いている。
そう、誰もが抱く、嫌悪や憎悪といった醜く、みじめな感情もその中にはある。
人間なら必ず心の奥に潜めている感情が。
何故だろう。
釈放されても気分が晴れない。
わざわざ自問自答するまでもないが、一応答える。
罪を償っていないからさ。
そう、僕は罪を償えずに、本来なら有り得ない形で釈放された。
何者かの圧力がかかったのだ。
何故って?理由はわからない。
しかし、何か強い意思を僕は感じた。
多分、それは好意的ではない気がする。直感的に。
そして、そこには狂気を感じる。
強く。
とても強く。
あっ。
僕の狂気を止めてくれ人のいる場所が、ぼんやりと見え始めた。
先生。
どうしたらいいのか、教えて下さい。
さあ、もうすぐ着く。
グレッセンヘラー・カレッジへ。
- Re: クラウス青年と禁断の恋〜漆黒の狂気〜 ( No.5 )
- 日時: 2010/02/02 12:42
- 名前: 凛 (ID: ngeMfYox)
〜第三章〜再会
僕はゆっくりと先生の部屋のドアを開けた。
「クラウス!」
久しぶりに会った先生の顔が、とても驚く様子が僕に伝わってくる。
あまり、時間はたっていないが、先生の顔を見ると懐かしいし、落ち着く。
考えると、子供の頃も、少し前のあの事件の時も、僕の心の闇の中の狂気を止めてくれた人物だからだろうか。
僕の闇を少しでも照らしてくれた人物の一人なのだろう。
「先生!。久しぶりですね!」
僕は、闇の中で、一つの希望へとたどり着いた。光へと昇っていく助けになってくれる希望を。
僕の闇を、狂気を光に変えてくれる希望を。
「ああ」
僕等は軽く抱き合った。しかし、先生が僕と抱き合いながらも何かを思考しているのが伝わって来る。
先生が考えているということがわかるというのは、よっぽどのことである。
なぜなら、あの旅の途中、先生が考えているのが伝わってきたことはなかったから。
「クラウス。ここに座ってティータイムにしよう」
直視してみた先生の顔は明るくは無かった。
ただ、暗いという程でもない。また、謎でも考えているのだろうか。
「そうですね」
僕はレイトン先生の部屋の中のソファーに深く、座るときの余韻を味わいながら、ゆっくりと腰掛けた。
「先生。何故釈放されたと思いますか?。信じられない理由で……」
先生の表情が変わり、少しソファーに顔を俯ける。何か知っているのだろうか?。
「わかっている。ロンドンタイムズの夕刊に載っていたよ」
ロンドンタイムズに、僕の釈放のことが載っていた?。
世間には、もうこのことがもれているのか。
「先生……?」
先生が持ってきたロンドンタイムズの夕刊には、僕の闇を肯定するような文章が載っていた!
それは、僕の心を乱れさせる!
- Re: クラウス青年と禁断の恋〜漆黒の狂気〜 ( No.6 )
- 日時: 2010/02/02 12:43
- 名前: 凛 (ID: ngeMfYox)
今日も風邪で寝込んでいるのでたくさん書けそうです!
- Re: クラウス青年と禁断の恋〜漆黒の狂気〜 ( No.7 )
- 日時: 2010/02/02 12:52
- 名前: 凛 (ID: ngeMfYox)
〜第四章〜ロンドンタイムズの闇
「先生」
そのロンドンタイムズの内容は、僕の心を深く揺さぶる内容だった。
その記事は一面をほとんどうめつくしている。
見出しは、「あの、悪魔のテロリストを裁判もせずに釈放?英国の恥!」だ。
今日6時、内部告発により、わざわざ名を上げるまでもない悪魔のテロリスト、クラウス容疑者(24)は、すでに釈放されたことが明らかになった。氏による事件は、まだ裁判さえ行われていない。クラウス容疑者によるテロの事件を担当したスコットランドヤードは、この事実を一時間程前、記者会見で認めており、政府から釈放命令が直接下ったとしているが、それに対し、政府は、それは事実ではない。また、何の命令も出していないとしている。
もはや、事実はこのまま明るみには出ないだろうと思われる。
これに対し、テロ研究家の第一人者、ロンニー氏は、クラウス容疑者が、政府に対し、何らかの脅しをかけた可能性がある。彼の切り札はまだその手中にあるのではないか。とコメントしている。
一連の出来事が、国民の思いにも、法律にも反しているのは明らかだ。
そんな中、国民の思いを単刀直入に聞いてみた。
まずは、…州にお住まいの、エマ・ボイル(37)さんだ。
「何百人もの命を冷酷に奪い、ロンドンを地獄に変えたテロリストが罪を償わないなんてひど過ぎるわ!。彼の犯した罪は死刑でも足りない程なのに……」
次は、…州にお住まいの、ハリー・ワトソン(7)さんだ。
「僕は、お母さんを殺した、クラウスを殺すことが夢なんだ。復讐さ!」
次は___
辛くて読んでいられなかった。
僕の復讐は、沢山の人々に悲しみを与えた、そして復讐を呼んでしまった、と思うと。
急に、自分のしてしまったことが再びリアルに近づいてきた気がした。
ああ、どんどん、自らの闇の面が、狂気の面が際立っていく。
僕は、何てことをしてしまったんだぁぁ!
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