二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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(戦国BASARA3)堕落して舞え
日時: 2011/01/15 17:10
名前: てと (ID: slitpE5G)

何か3作目にも手ェ出しちゃいますたww(UZEEEE!!とか言わないでね←
最強じゃないとは言え、それなりに強い〜みたいのはあります。
因みに、お相手は石田三成様。一目惚れしt(ryry
BASARA3設定で行きます。

+傾向+
・微糖or甘(←これが基本となります
・シリアス
・切ない

+ルール+
荒らしの類は迷惑になる故、お引取り下さいませ。
出来ればコメントお願いします。アドバイス等も宜しければ。

+増えることもあります+

<お客様>
ゆn様

<設定〜序章>
主人公設定>>8
イメージソング>>9
プロローグ>>11

<本編>
第壱話「緋色の瞳」>>15
第弐話「幸せ」>>21

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Re: (戦国BASARA3)堕落して舞え ( No.21 )
日時: 2011/01/11 19:32
名前: てと (ID: slitpE5G)

第弐話「幸せ」


あの後帰ると、特に怒られる事も無く、心配されることも無く普通に時間が過ぎて行った。
分かりきってでも居たのだろうか。

「あの、…三成様……」

瞳を伏せがちにおずおずと奏が三成に声を掛ける。
三成は素っ気無く何だ、と問えば奏は安堵したような、けれど何処か寂しいような感情を覚えた。

「その、咎めたりしないのですか……」
「何故咎める必要がある」
「そ、れは、……仕事に、失敗して、………」

耐え切れなくなったのか今にも涙が零れ落ちそうな奏を見て三成は多少戸惑うも、すぐに答える。

「分かりきっていたことだろう。家康も護りを強化しているだろうからな」
「っ………ごめ、なさ…」
「っ泣くな!」

安心したやら戸惑うやらで零れる涙を三成が慌てた様子で乱暴に着物で拭う。

「何故泣く!」
「安心、っして…」

ぽろぽろと止まらない涙に自分でも戸惑いながら奏が答える。

「安心して泣く奴が居るか! 笑え!」
「っは、い…!」

奏は涙をごしごしと拭い、可愛らしく笑みを浮かべた。
それを見た三成が真っ赤になったのは秘密。


「……幸せそうだねぇ…」
「妬みでしょうか? 猿飛佐助」
「…どうせ俺様には可愛い恋人が居ませんよっと」
「恋人未満、ですけど」

はぁぁ、と重い溜息を吐いたのは奏と三成の様子を伺っていた佐助。
奏はそんな佐助に冷たい目線を投げかける。

「酷い、そんな哀れみの目しないでよ…俺様が哀れみたいじゃん」
「哀れでしょう、本当に」

遂に天井裏で体育座りをして「の」の字を書き始めた佐助に奏は溜息を吐いて放置しておくことにした。
佐助の相手をしているより、女中の手伝いをした方が時間を有効に使えるからだ。

「と、いうか何故猿飛は居たのでしょう…」
「どうされました?」
「いえ、何も」

ふふ、と誤魔化すように笑い女中の手伝いという事で昼餉作りに取りかかかる奏。
女中達の配慮により、奏は何故か三成のを作ることになってしまった。
女中曰く「三成様も奏様の昼餉なら食しますわ」だそうだ。

「(食の細さも何とかなりませんかねえ…)」

ぼうっとしていたら女中に呼ばれているのも気付かなかった様子だ。
心配そうに顔を覗き込まれた。

「大丈夫ですよ」

やんわりと柔らかい笑みを浮かべて奏が女中に言う。
女中は安心した様子で笑い、作業へと戻っていった。

「ついでに甘味でも作りましょうか……」

宜しいでしょうか、と女中に許可を貰えば奏はすぐに取り掛かる。
そして、出来上がった昼餉×2と団子×2人前を持ち(流石に一度では運べない)三成の部屋を訪れる。
結局、奏は三成に無理矢理にでも食べさせたのだった。


幸せ
 (貴方の傍に居れるだけで)(幸せなんです)

Re: (戦国BASARA3)堕落して舞え ( No.22 )
日時: 2011/01/11 19:33
名前: てと (ID: slitpE5G)

ゆn様>

そのうち出していこうかと思います!

Re: (戦国BASARA3)堕落して舞え ( No.23 )
日時: 2011/01/11 19:37
名前: ゆn (ID: DN0pvQeX)

わ〜い♪ありがとぅ

Re: (戦国BASARA3)堕落して舞え ( No.24 )
日時: 2011/01/12 17:35
名前: てと (ID: slitpE5G)

第参話「悪夢」


—…母上っ、父上っ…

誰か、誰か! 助けて助けて助けて?

—捨てないで、お願い…

「っ!?」

子供の泣き叫ぶ声、燃え上がる家らしきもの—…そんな夢を見て奏は飛び起きた。
だくだくと汗を掻き、瞳には薄っすらと涙を浮べている。誰がどう見ても考えても扇情的な光景だ。

「、夢か…」

ほっと安堵したような溜息を漏らして、奏は着替えるべく起き上がる。
汗で濡れた寝巻きなど、不快で仕方なかったのだ。

「っ、寝れないなんて…」

新しい寝巻きに着替え、布団に入ったものの眠気が一向に来ない。
否、寝てしまえばまた悪夢を見るのじゃないかと怯えているのだ。

「嗚呼、どうしましょうか」

困った困ったと呟く奏だが、あまり困った様子は見られない。怯えている様子は見られるのだが。
そんな奏の部屋の襖が開く。

「何故起きている」
「っ三成様!?」

入ってきたのは主である石田三成だった。
奏は驚き目を見開いた。

「寝ろ、貴様が寝なければ明日の仕事に支障が出る」
「っ寝られ、ません…」
「何と言った?」
「寝られないのです……」

怪訝そうに眉を寄せる三成に対して奏は瞳を伏せている。

「居てやる」
「、?」
「貴様が寝るまで此処に居てやると言うのだ!」
「っありがと、ございます…!」

そっぽを向いて言う三成に奏の顔が綻ぶ。

「だからさっさと寝ろ!」
「はいっ、…!」

布団に入り、そっと瞳を閉じればもう悪夢を見ないような気がした。

「………」

眠ってしまった様子の奏を見て三成は微かに表情を緩める。自分の感情に素直な三成だが、こうも恋というものは苦手らしい。
そっと奏の髪を梳いてやると、奏は少しだけ身じろいだ。

「…行くか」

ポツリと呟けば、三成はそっと襖を静かに閉める。
そして誰も居ない廊下を歩き始めた。


悪夢
 (貴方さえ居れば)(もう見ない気がしてならなくて)

Re: (戦国BASARA3)堕落して舞え ( No.25 )
日時: 2011/01/13 20:55
名前: てと (ID: slitpE5G)
参照: 三成と奏って恋人未満なんだ…よね?←

第肆話「ある日のふたり」


昨日は有難うございました——

起床して始めに三成に言った言葉がそれ。
別に不満があるわけでもないが、少しつまらない、と何処かで思ってしまう。
恋情を抱いているのか、———否、恋情というものすら三成は知らなかった。

「…そういえば今日は刑部様がお見えに—…って、あら?」
「何だ」
「ふふっ、心なしか嬉しそうなんですよね、三成様」
「なっ…!」

図星なのか怒りなのか、少し頬が紅潮する三成に対しくすくすと笑っている奏。

「あら、噂をすれば——」
「ヒヒッ、相変わらず仲睦まじいな、お二人さんよ」
「黙れ!」
「信頼してこそ、ですわよ?」
「そういう意味じゃ無いのだが…三成も苦労して居るな」

何時の間にか現れた刑部こと、大谷吉継はくつくつと笑いながらそんなことを言う。
三成は顔を赤くさせ、奏は勘違いをしている。
そんな二人を見て吉継はやれやれ、と溜息を吐いたのだった。

「やれ、我は様子見なのでな。そろそろ失礼する」
「あら、昼餉位食べていかれれば宜しいのに」
「構わぬ。此処にいても三成が荒れるだけだろ」
「そう、ですか…。では、また機会があれば」

吉継の用事はただ三成をからかう事だったので、からかうだけ弄んで、すぐに帰ってしまう。
奏は意外と鈍く、気付かなかった様子だった。

「三成様、?」
「………何だ」
「…怒っていらっしゃいます?」
「何故怒らなければならん」
「…刑部様の事」
「あいつは元々ああだ。直らん」
「じゃあ何故、…不機嫌で?」
「…」

流石に貴様の所為だ、とは言えないので三成は黙る。

「……余計な事は言わん」
「それは、…すみませぬ…」
「気にはしていない、貴様は早く仕事をしろ」
「はい」

何時ものように笑みを浮かべた奏に三成は一安心した。

「(男の方はよくわかりませんわ…)」

仕事をこなしつつ、奏はぼうっとそんな事を考えていた。
他人、というか忍の任務に関しては鋭いのだが、恋愛となるとどうも鈍くなってしまう様子だ。

「…ムゥ」
「どうされました?」

むむむ、と考え込んでいたら女中さんが怪訝そうに眉を寄せていたので、奏は慌てて笑顔を取り繕った。


ある日のふたり
 (苦労する男性と)(鈍い女性)


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