二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 薄桜鬼 〜恋雨録〜
- 日時: 2011/02/16 23:26
- 名前: うい (ID: VxqablIi)
薄桜鬼にはまりすぎたあまり
自分で物語を作ってみたくなり
やっちゃいました(^^)
コメント大歓迎!
微妙と思う方、不快に感じる方
ただ荒らしたい方などは戻ってください!泣
がんばりまーす
- Re: 薄桜鬼 〜恋雨録〜 ( No.28 )
- 日時: 2011/03/27 22:31
- 名前: うい ◆U2fwXad6qI (ID: pqtrX.PI)
『想い人 side山崎』
「よろしくお願いします」
俺の前には一人の少年のような少女
その瞳は力強く
己を持った目だった
しかしその瞳には不安が見え隠れしており
俺はそれを見落とさなかった
新選組が彼女を守ると決めた以上
俺は彼女を守る義務がある
たとえ己の命が果てようとも…
しかし俺には納得できなかった
己の命を賭けてまで守るべき人間には見えなかったからだ
土方副長の命に背くつもりはない
だがどうしても納得が出来なかった
「山崎さん」
「雪村君、どうした」
春の暖かい日差しがさす日のことだ
その日は非番で、松本先生のところに行こうとしていたとき
門のところで声をかけられた
「あの、松本先生のところへ行くんですよね?」
「ああ、そうだが」
「私もご一緒していいですか?」
俺の様子を伺うように聞いてくる
彼女のことは別に嫌いではない
だがあまり一緒にいたくはなかった
「俺に決定権はない。土方副長に聞いてくれないか」
「土方さんは、勝手にしろと…」
参ったな
今度は拒否権がなくなってしまった
仕方がないか
「では来てもいいが。
勝手な行動は慎んでくれ」
「はい!」
そう返事する彼女の笑顔は
俺の中のなにかをぞわぞわさせた
彼女と歩く京の街は初めてで
彼女も春の京を楽しんでいるようだった
「雪村君、君は松本先生に何か用でもあるのか?」
「あ、はい。ちょっと沖田さんのことで…」
「沖田さん?」
まただ
またぞわぞわとしてきた
「はい。
できれば沖田さんには元気がでるものを
食していただきたいので…。
なにかいい方法はないかと思って。
あと父様のことを少し」
「そうか」
俺の中のなにかが動き出して
それはなかなか止まらなかった
そのときの俺は
まだ自分がなんなのか気づいてはいなかった
−続き
- Re: 薄桜鬼 〜恋雨録〜 ( No.29 )
- 日時: 2011/04/09 19:00
- 名前: さくら (ID: Tzn/2JVm)
おー
山崎サイド^^
山崎って意外と人気ですしね♪
山崎のルートがあればいいのになぁ(妄想中)
がんばって下さいね!
- Re: 薄桜鬼 〜恋雨録〜 ( No.30 )
- 日時: 2011/05/22 23:27
- 名前: うい ◆U2fwXad6qI (ID: Atweuouf)
>>28
松本先生の診療所に着き
俺は自分の体を見てもらっていた
先日の監察の隊務で油断してしまい
脇腹に刀が刺さってしまった
幸いにも深くなかったが
土方副長に行くように言われてしまい、今に至る
「うん、大分よくなった」
「ありがとうございます」
「薬を出しておこう。
食後に飲みなさい」
「はい」
これで俺の用事は終了
が、彼女の用事が残っているわけだが。
「松本先生、少々よろしいでしょうか」
「ん?まだ何かわるのか?」
「あの、沖田さんのことでご相談が」
「彼か……。
千鶴さん。彼のことはそっとしといておやりなさい」
「え…」
彼女は何故と問いたいような目で松本先生を見ていた
しかしその言葉の意味は
俺にもわかる
「でも私!沖田さんに早く元気になってもらいたくて!!」
「彼は触れて欲しくないのだよ。
私としても彼の体調には最善を尽くすつもりだ。
しかし彼が望む以上のことは出来ん」
「どうしてですか!!
沖田さんは生きなければならないんです!!」
彼女の必死な姿を見ていると
何故だか心がざわつき
そしてもう声を聞きたくないと思ってしまう
−続く
- Re: 薄桜鬼 〜恋雨録〜 ( No.31 )
- 日時: 2011/06/20 00:21
- 名前: うい ◆U2fwXad6qI (ID: xGUcEr0G)
>>30
雪村君の沖田さんに対しての必死な姿
別に彼女が何をしていようと
誰のためにやっていようと
俺には何の関係もない
なのに、
なぜ
「先生、お願いします。
沖田さんのためにできることをしたいんです」
そう
俺には関係ない
「千鶴さん。
君は、彼のためになることをしたいというなら何もしないほうが良い」
「どうしてですか!?」
「彼はね。武士なのだよ」
「え……」
「彼は、武士だ。己の道を進み、そして終わらせる。
彼は自分の生涯に悔いを残したくないのだ。
たとえば、彼の療養中に近藤さんが刺されたとしよう。
彼は自分さえ病気じゃなければ助けられたのにと悔いるだろう。
私は医者で、人の病気を治すことしかできない。
人の生きる道まで口を出せはしないのだよ」
「でも、それじゃ沖田さんが!!」
「それもまた彼の道。
彼は病で死ぬことよりも、悔いて死ぬことの方が悔しいのだよ。
そういう男もいるし、そういう生涯もありだ。
わかってやっておくれ、千鶴さん」
そう言った先生の顔は優しく
雪村君もそれ以上言わなかった
そして俺たちは診療所を出て
屯所に戻っていた
そのときの彼女はずっと下を向いたまま
元気がなかった
「まだ、納得してないのか」
「え?……はい」
「もう気にする必要はない。先生もおっしゃっていただろう」
「でも私、どうしても沖田さんには病気を治して
安静にしていてほしいんです。
無茶ばかりした姿を見てると悲しくなりますし
近藤さんや土方さんもみなさん心配されてます」
とかいいつつ
一番心配しているのは君だろ?
「では、君が死ぬより辛いことってなんだ」
「私ですか?」
「ああ、あるだろ?
死ぬことよりも嫌なこと」
「私は……自分を失くすことです」
「自分?」
−続く
- Re: 薄桜鬼 〜恋雨録〜 ( No.32 )
- 日時: 2011/07/07 23:19
- 名前: うい ◆U2fwXad6qI (ID: Jc47MYOM)
>>31
彼女の真剣な言葉に
一瞬驚いてしまった
彼女の瞳に力が戻り
そしてまっすぐ俺を見る
「私が私、雪村千鶴である以上
守りたいと思ったものは守りたいし
自分にだけでも嘘をつきたくありません。
そんな私を心から大切に思ってくださっている方もいます。
私はそんな人達を裏切るようなことだけは
決してしたくありません。
それは、私という人間を認めてくれた人を裏切る。
つまり私を裏切ることになりますから」
そう言って笑う彼女は
なんだかとても生き生きとして
そして力強く見えた
そんな彼女をなぜか
怖い と感じてしまった
「山崎さんの死ぬよりも辛いことってなんですか?」
「俺か?俺は……」
「??」
俺の死ぬよりも辛いことって
なんだ?
沖田さんは新選組を守れないこと
雪村君は自分を認めた人を裏切ること
俺はなんだ
何が辛い
今思えば
俺が戦う理由はどこにある?
「山崎さん?」
彼女の瞳には
何の曇もないのに
おれは一体何を望む?
− 続き
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