二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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君が教えてくれたこと〜思い出というキーワード〜
日時: 2011/08/10 00:10
名前: 宇野沢千尋 ◆pcUHgqcj4Y (ID: SkGQb50P)

これは、自分用の小説です。
コメ来たとしても、返信できません。すみません。



〜各物語の目次〜
【君に出会えてよかった】>>2

Page:1 2 3 4 5



Re: 君が教えてくれたこと〜思い出というキーワード〜 ( No.1 )
日時: 2011/12/29 15:29
名前: 宇野沢千尋 ◆pcUHgqcj4Y (ID: SkGQb50P)

宇野沢ストーリー#1,
【君に出会えてよかった】

〜主な登場人物〜
栄口勇人:この物語の主人公。小さい頃に家族と離ればなれになってしまった。自然の言葉が分かる。
とても優しい性格で、困っている人がいたらほっとけないタイプ。中学は南岸中。

田島悠一郎:動物を操る事ができる元気っ子。大家族にペットも沢山飼っている。
能天気な性格で天然で皆を元気にしてくれる。中学は南岸中。

水谷文貴:天才音楽少年と言われているため、イメージは爽やかだと言われるが、素顔は別。
甘いものが大好きで中でもケーキは大好物。中学は南岸中。

泉孝介:泉財閥のあととり。黒髪に大きな目が特徴で見た目凄い美男子。
皆からはツンデレ呼ばわりされている。実はキレると物凄く怖いらしい。中学は東城学園。

西広辰太郎:西広病院の先生の息子。病院でもお手伝いしているらしい。
成績はトップの座を譲らないほど良いらしい。沖と幼馴染。中学は東城学園。

三橋廉:気弱な性格で、話す時もきょどっている。人の名前を呼ぶ時は君付けをしている。
栄口達の隣の県に住んでいて、時々遊びに来たりする。中学は北星中。

沖一利:癖っ毛で少しぽっちゃりな少年。交通事故により1年以上意識不明で入院していた。
何故か田島の身体に入ってしまった記憶の主。西広と幼馴染。中学は三橋と同じ県にある西柳中。


マユムラ:泉を誘拐した男。深く帽子をかぶっており顔が分からない。





〜各話リスト〜
—第1章—『幸せの時間』>>2
栄口家の習慣>>2

—第2章—『不幸の始まり』>>3
佐藤家の日々>>3

—第3章—『出会い』>>4>>7
感謝>>4
秘密>>5
お母さん>>6
天才音楽少年の素顔>>7

—第4章—『友達』>>8>>11
クラス替え>>8
大金持ち>>9
>>10
歩み>>11

—第5章—『記憶のカギ』>>12>>20
事件>>12
恐怖>>13
記憶喪失>>14
幼馴染>>15
記憶>>16
自分>>17
気持ち>>18
>>19
祝福>>20

—第6章—『消えた人』>>21
行方不明>>21
胸騒ぎ>>22
学ランの少年>>23
攫った人>>24

Re: 君が教えてくれたこと〜思い出というキーワード〜 ( No.2 )
日時: 2011/08/10 00:12
名前: 宇野沢千尋 ◆pcUHgqcj4Y (ID: SkGQb50P)

【君に出会えてよかった】


プロローグ———。

俺の名前は、‘勇人,
16歳の高校生で、野球部に所属している。

この人生、‘楽しい,かって?
そりゃぁ、楽しいさ!
俺の周りには、支えてくれる色んな人がいるから。

…でも、あの時、皆に合っていなかったら、
今の‘勇人,は、此処に存在していなかったと思う。


…あれは、今から10年前の出来事だ。






—第1章—『幸せの時間』

—栄口家の週間—

「‘ゆーと,起きなさーい!朝ごはんできたわよー!」

姉がそう叫んで、朝を起きるのは、いつもの栄口家の習慣だ。

この頃の俺は、まだ6歳で小さかった。
俺には母親がいない。小さい頃に亡くなったのだ。
とても小さい俺だったけど、その記憶は、深く残っている。

母親がいないため、姉が食事を作ってくれた。

お父さんは、仕事が忙しくて、ほとんど帰ってこない。
だから、家にいるのは、俺と姉と弟の3人だった。


「ゆーと!幼稚園バス来ちゃうわよ!」
姉がそう言い、俺をおんぶして台所へ連れて行ってくれた。

その頃の俺は、姉の少し焦げた卵焼きが大好きだった。
いつもの朝食は、焦げた卵焼きから始まる。

《プップー》

そして、この幼稚園バスのクラクションから始まる。
姉一人で俺の世話をしていると、いつも、こう、幼稚園バスに遅れて、クラクションを鳴らされるのだ。

そして俺は、水色の幼稚園服と、黄色い帽子を被ってバスに乗った。

「おねぇーちゃん!いってきまーす!」

幼い俺は、ニコニコした顔で、姉に手を振って、幼稚園に向かうのだ。


幼稚園につくと、俺は、木をよじ登って、自然の空気を吸うのが好きだった。

「ゆーとくーん!そんな所にいないで、一緒に鬼ごっこしよーよー」
と誘ってくれる友達もいたけど、
「んーん。僕はここでいいよ。」
と言って拒否していた。


こんな生活を繰り返していた時、
急に俺の人生は変わったのだ。


それは、父が久しぶりに栄口家を訪れたあの日の事だ。


「おとーさーん!」
そう言って飛びついて喜んだのは俺だった。

「おぉー元気してたかー!ゆーとー!」
父も嬉しそうに俺を抱きかかえた。

久しぶりに会った我子だから、そりゃそうだ。

「お父さん、どうしたの?急に?」
姉が、弟をおんぶしてそう言うと、

父の表情は変わった。

そして、口を開いた。

「お父さんな、アメリカに転勤になった。」

「え!アメリカって!どうすんのよ!」
姉は直行に言った。



「お前は、一緒にアメリカについてこい。…っで、ゆーと達は、親戚の佐藤家に預ける事にしたよ。それでいいな。」



父のこの言葉から、俺の人生は急展開したのだ。

Re: 君が教えてくれたこと〜思い出というキーワード〜 ( No.3 )
日時: 2011/08/10 00:13
名前: 宇野沢千尋 ◆pcUHgqcj4Y (ID: SkGQb50P)

—第2章—『不幸の始まり』

—佐藤家の日々—

あれから1週間後、父と姉は俺と弟を親戚の佐藤家に預け、アメリカへと旅立った。

俺が住んでいた栄口家は、そのままの形で残っている。

「いらっしゃい。あ〜ら、大きくなったわね〜」
佐藤家のおばあさんは、そう言って、弟を可愛がった。

対して、俺には何も言わない。
弟ばかり可愛がるのだ。

何をするにも、俺はお兄さんだからといって、仕事をいっぱい頼まれる。

「ゆーとちゃん、おつかいに行ってきてちょうだい。」
「ゆーとちゃん、お茶の間掃除お願いね〜。」
「ゆーとちゃん、洗濯物とってきて。」

でも、まだ6歳の俺に、こんなに仕事をやらせて、できると思うか。
できるわけがないじゃないか。
失敗するのが当り前じゃないか。


そう、失敗するのが当り前なはずなのに…



《ガッシャーン》


俺は、食器洗い中に、手を滑らせ、皿を落として割ってしまったのだ。
しかも、それは、俺の小さいお茶碗だった。


「ゆーと!!!何をしているの!!!」
その音を聞いたおばあさんがやってきた。

「ご…ごめんなさ…い」
僕はそのおばあさんが、とても怖かった。
目に涙をためて謝った。

おばあさんは溜息をついて、
「…明日からゆーとのご飯なしよ」
と言った。

その言葉に俺は、一瞬世界が真っ暗になったような気分に包まれた。

「な…何で…」

「だって、それ、ゆーとのお茶碗でしょ?お茶碗がなきゃ、ご飯なんて食べられないわ」

俺は、その晩、自分の部屋で泣きまくった。

泣いても、泣いても、涙は止まらなかった。




ただ思った事が、
‘栄口家に戻りたい,
という事。






昔みたいに、楽しい日々はなくなっていた。


どうしておばあさんは、そんなに俺に酷いのか。
弟にはあんなに優しいのに。



そしてある日は、こんな事があった。

6月8日、俺の誕生日に、幼稚園の友達から沢山の手紙を貰って、弟に自慢していた時だ。

「にいたん、それ、ほちぃ」
弟は、その手紙に手を伸ばした。

「駄目だよ。これはゆーとのだもん」

「ほちぃ!」

「駄目だって!」

「ほちぃ」

「だーめ!」

そう言って、手紙を引っ張り合っていた。

その時、手紙が《ビリッ》と勢いのある音を出して、
ギザギザに破れた。

「…大事な…手紙が…」
僕は、めちゃくちゃになった手紙を見て、泣きたいというより、怒りの方が大きかった。

「バカ!!!何やってんだよー、もう…」

と大声を出した。

弟は当たり前のように、大泣きをした。

泣きだした弟を見て、ヤバいと思った俺は、必死で慰めようとした。




…その時、やってきたのだ。




「いい加減にしなさい!!!勇人!!!」
おばあさんは、やってきたのだ。


「…ちが…これは…」

その時、


《パァァ———ン》


おばあさんは、俺の頬をぶった。


「勇人は佐藤家にいらない。家から出ていきなさい…。」



あまりにも残酷な言葉で、あの時の記憶はほとんどない。



…ただ、俺は大きなリュックと、熊のぬいぐるみを抱えて、夜道を歩いていた。

Re: 君が教えてくれたこと〜思い出というキーワード〜 ( No.4 )
日時: 2011/08/10 00:13
名前: 宇野沢千尋 ◆pcUHgqcj4Y (ID: SkGQb50P)

—第3章—『出会い』

—感謝—

夜道はこんなに寂しいんだなぁ〜。
俺は、何処へ向かうとか目的地もなく、ただ前へ前へと進んでいくだけだった。

すると、青い空から、一粒、二粒と雨が降ってきた。
まるで、俺の心の気持ちのように。

持ってきた、黄緑色の傘をさして、近くの木の下に雨宿りした。

不思議な事に、木の下にはいったら、雨一粒も落ちてこなかった。
普通なら、枝と枝の小さな隙間からも、ぽたぽたと落ちてくるのに。
しかも、何となく、この木の下が暖かく感じた。
まるで、俺を優しく守ってくれているかのように。

そして、俺は、段々と目を閉じていき、気が遠くなっていった。




気がついたら、そこは、暖かい家の中だった。


「ん…此処は…何処…?…うわっ!」

俺に飛びついて来たのは、1匹の犬だった。

その犬は、俺をぺろぺろと舐めはじめた。

「…くっ…くすぐったいよぉ」


すると、部屋のドアノブが動き、一人の少年が入ってきた。
「よぉ、目ぇ覚めたみてぇだな。」

黒髪のその少年は、俺と同じくらいの年の子だった。
印象は、‘明るい,

「あの…此処は!?」

「あー、此処、俺んちぃー!俺、ゆーいちろー!田島悠一郎!お前は?」

「ぼ…僕は…ゆーと。」

そうして、会話は始まった。


どうやら俺は、あの木の下に倒れていて、田島が助けてくれたのだという。
俺の家庭の事情を言うと、田島と田島の家族は快く、田島家に受け入れてくれた。


田島家は大家族だ。
それに、ペットも沢山いる。
賑やかでいい家族だと思った。


俺は、幼稚園も田島の通うところに合わせた。


そこの幼稚園でも、俺は、木の上に登っていた。


「おーい、ゆーとー、下おりて一緒に遊ぼうぜー」
せっかく田島が誘ってくれたのに、俺はまた拒否した。


そして、俺は時々こう、独り言を口ずさむ癖があった。
‘神様っているのかな,


「いるよ。」


いきなりの声に、俺は驚いた。

さっきまで、皆と遊んでいた田島が、木に登って来てくれたのだ。


「…ゆーいちろー…?」

「神様はいるよ。だって、俺達がこうやって出会えたのも、神様の御蔭だろ?」

田島はそう言って、指笛を鳴らした。

すると、指笛の音を聞いて、白い小鳥がやってきた。

「神様がいなかったら、こうやって生きていられないぜ。この鳥だって、こんな風に飛んでいられないもんなー」
田島はそう言い、また、小鳥を飛ばした。




そして、俺は感謝した。
こうやって、田島で会えた事に。

もし、あの時、田島に会っていなかったら、16歳の‘勇人,は存在しなかっただろう。


Re: 君が教えてくれたこと〜思い出というキーワード〜 ( No.5 )
日時: 2011/08/10 00:13
名前: 宇野沢千尋 ◆pcUHgqcj4Y (ID: SkGQb50P)

—秘密—

「ゆーいちろー…ありがとう…」
俺は自然と涙を流して言った。

「…え、俺なんかした!?ってか、ゆーと泣くなよー」
焦る田島は、ハンカチを出して涙を拭ってくれた。


その時、


「はっはー!コイツちっちゃくなってやんよー」
「マジだー、おもしれぇー」

と、いかにも悪そうな台詞が聞こえてきた。


「…何だろう…ね…?」
俺がそう言っている途中に、田島は真っ先にその声の元に走り出して行った。それは、ものすごいスピードで。

「…え…ゆーいちろー…?」

俺も、田島の後を行くと、
園内で飼っている、兎を苛めている奴がいた。

田島は兎を助ける為に、すごいスピードで走っていったのだ。

「おい、何してるんだよ」
田島は、そいつらをきつく睨んだ。

「何…って…見れば分かるだろー。遊んでんだよー」

「何処が遊んでんだよ、兎、苛めてんなよ」

「なにをゆー!!!」

そうして、田島と男子2人の喧嘩が始まってしまった。
でも、俺は何もできなかった。
必死に止めようと、声をかけたが、田島の耳には、俺の言葉が入らなかったようだった。

3人の喧嘩は、いつの間にか大喧嘩になり、周りの子や、先生も集まってきた。


「ちょっと、何しているの3人とも!」


先生はそう声をかけて、止めようとしたが、
田島は、

「先生には関係ねぇよ。来るなー!」
と言った。

「ゆーいちろー君、このウサギ、僕にビビってるよー」
もう一人の男子がそう言い、兎の耳を引っ張った。

「…それ以上やるな—!!!」

田島はそう言い、指を《パチン》と鳴らした。
すると、遠くから、何かが走ってくる音が聞こえた。
その音はだんだん近づいてくるようだ。

沢山の猫が、田島の指の音を聞いて、やってきたのだ。
その猫たちは、兎を苛めた、2人の男子を思いっきり引っ掻いた。

男子は大声で泣き叫んだ。

「ゆ…ゆーいちろーって…化けもんだ!!!」
「動物操るとか…人じゃねぇ…!!!」

そう言って逃げていった。

その様子に、俺は信じられず、ただ呆然として立っていた。


「…俺、生まれつき、動物操れる力を持ってるんだ…。ほんっと…俺…化けもんみたいだな…人じゃねぇみたいだな…。」


田島はそう言い、寂しい顔を浮かべた。

「…んなことない。そんなことないよ!ゆーいちろー!!!」
俺は、田島の凄さに胸がわくわくした。

田島は頭にクエスチョンマークを浮かべたように、俺をじっと見つめた。

「動物を操れるなんてかっこいいじゃん!!!…それに、僕もね、なんか、不思議な力持ってるし…。」

「不思議な力?」

「うん…。自然の言葉が何となく分かるんだ〜」
俺はそう言い、笑顔を見せた。
田島の表情も豊かになって、
「俺たち…仲間だな!!!」
と言った。


そしてまた、俺と田島との仲が良くなったのだ。


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