二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 【REBORN!】白銀の風、黒の舞姫【また、会う日まで】
- 日時: 2013/04/05 10:26
- 名前: 月那 ◆7/bnMvF7u2 (ID: IsQerC0t)
前の題名は「〜風姫の舞〜」です
【お知らせです】 >>129
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
どーも!
はじめましての方は、はじめまして!月那(ルナ)といいます。
知っている方は やあ!元気?((なんだよそれ
【作者紹介】>>72
この小説の他に、「青の祓魔師〜漆黒の記憶〜」と「D・Gray−man〜涙のメロディ〜」っての書いてます 良かったら見に来て下さい・・・・・・!
まあ、あいさつはこれぐらいにしておいて・・・まず注意から↓↓
※注意※
*リボーン嫌いって方はサヨナラ!
*荒らしもUターン
*パクリ野郎は消えt・・・グッバイ!!
*戦闘orグロあります
*誤字脱字等がありましたらご指摘を
*修正しょっちゅうアリ
*亀更新(っていうか差があります)
【目次】
<リメイクver. 前> >>66
プロローグ「Lnviare omaggi floreali ai cari. (愛しき者に、弔花を送る)」 >>59
第1章
標的1「風は、吹き続けている」 >>62
標的1.5「転校生」 >>104
標的2「行動するときは、よく考えてから」 >>65
標的2.5「篠原鈴」 >>111
標的3「全てを、包み込む」 >>68
標的3.5「和解」 >>114
標的4「零れ落ちた、欠片を拾って」 >>69
標的4.5「あだ名」 >>120
標的5「深奥の、真実を」 >>71
標的6「直感と、鈍感」 >>80
標的7「心の温度の、違い」 >>83
標的8「様々な、愛情表現」 >>85
標的9「存在しない者の、名前」 >>87
標的10「理想を、求めて」 >>89
第0章「In frantumato tempo(砕け散った時間の中で)」
「Cosi sei gentile—こんなにもキミは、優しかった—」 >>122
【オリキャラ】
+ 篠原鈴 (主人公)
+ ????
+ ????
+ ????
+ ????
+ ????
+ ????
+ ????
+ ????
+ ????
+ ????
【訪問者様 っていうか神様】
* カノン 様
* サリー 様
* 千 様
* 月牙 様
* 輪廻 様
* 有栖 様
* ほのか 様
* 素海龍 様
* 黒蝶 様
* 未桜 様
* 苗字 様
* 22 様
* ARISA 様
・・・・・・・Thanks!!!!・・・・・・
それでは、本編へどうぞ。
——————あなたは大切な人をなくしたとき、正気でいられますか?——————————
【Giorno creazione】 24.02.12
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26
- Re: 【REBORN!】白銀の風、黒の舞姫【リメイク中】 ( No.65 )
- 日時: 2012/10/09 19:57
- 名前: 月那 ◆7/bnMvF7u2 (ID: IsQerC0t)
- 参照: http://www.kakiko.info/upload_bbs/index.php?mode
標的2「行動するときは、よく考えてから」
「やっちゃった・・・・・・」
やってしまった。転校早々にやってしまった。
昼休みになった。自己嫌悪でこのまま屋上から飛び降りたいという気持ちで私の頭の中はいっぱいになり、授業に実が入らないまま、1日の半分が過ぎてしまった。
柱に頭でもぶつけて記憶喪失になるか、いっそ。うん、それがいい。
「リン、どうしたの?」
「京子ォォォッ!!」
私の、一人でうろたえている変な様子を見て心配したのか、京子が声をかけてくれた。あぁ、この子はマジで天使だ! 女神だ! そんな彼女に、おいおいと泣きながら私は抱きつく。
「篠原さん、大丈夫?」
声をかけられ、顔を上げるとそこには、黒髪のちょー大人っぽい人が立っていた。彼女の名前は黒川花。京子の親友だ。
「うん、大丈夫・・・。あ、鈴でいいよ、黒川さん」
「じゃあ、私のことも花でいいわよ」
「うん。ありがとう、花」
『友達』、になれたって思ってもいいのかな? 京子に話は聞いていたけど、すっごく大人っぽい。落ち着いてるし、お姉さん役なかんじがする。
「それで?」
「えっ」
「いったい何悩んでるの?」
「・・・・・・・・・それが、朝のHR(ホームルーム)のことで・・・」
「あぁ、あれね」
あ゛あ゛っ! やっぱり花も覚えてるか。そうだよね。あんな大声で言っちゃったしね・・・。
「えっ、何かあったっけ?」
どうやら京子の記憶には残っていないらしい。思い出させないようにそっとしてあげ————
「ほら、あれだよ。鈴が沢田に————」
「あぁぁぁぁ!!!! 言っちゃダメぇぇぇ!!」
しかし花の言葉が聞こえていたらしく、「あぁ、あれのこと!」と納得する京子。
・・・ホントに何であんなことを言ったのか、タイムマシンにでも乗って過去をやり直したい気分だった。
「はぁ」
ため息しか、もはや出ない。
◇◇◇◇◇
——回想中——
「も、もう。やめてよ、リン」
「いーじゃん。久しぶりなんだし」
私からのハグとキスを、京子は本気で嫌がってはなさそうだった。いや、ていうか本当に拒絶されたら私死ぬよ?
「ほらそこ、イチャつくな。・・・篠原、前に戻って自己紹介の続きをしろ」
「は〜い」
先生に注意を受け、不満を抱えながらも私は黒板の前に戻った。戻る途中、周りのクラス一同が、ぽかんと見ているのと、嫉妬の目で睨んでいるのには気にしないでおこう。
黒板の前に立つと、ゆっくりと口を開け、言葉を紡ぐ。
「えっとぉ。名前は、篠原鈴。『すず』って書くけど、『リン』って読むから」ここで念押し。「・・・・・・もし、『すず』って呼んだ奴は・・・———殺すよ?」
そう言って私——篠原鈴は微笑んだ。しかし、微笑みの顔に一応、怒りも込めておいたからみんな気づいてくれるだろう。
みんなやはりびびっていたが無視。自己紹介を続ける。
————やっぱりアレ先に言っておかないと、あとで問題になるから言っておくか。
「あ〜、髪はこんな色だけど、別に染めてるわけじゃないから。ハーフだから、気にしないで」
「どこの国とのハーフ?」
クラスの誰かが言った。まあ、声からするにして男子だろう。
私は素っ気なく「・・・イタリア」と、サラッと応える。
すると周りから「だから、ハグやキスをしたのかー」「ハーフかっけぇー!」「獄寺君と同じじゃん」「ねぇ、篠原くんかっこよくない?」という、様々なざわめきが起こった。
————? ゴクデラ?
周りを見渡すと、ひと目で分かる日本人離れしたその容姿。髪は銀髪。顔はイケメンだが、目は鋭く睨んでいる。あと、タバコを吸い、多くのアクセサリーを身に付けているところから推測すると・・・
不良か。でもアイツ、どっかで見た、・・・いや聞いたことあるような。
そんな思考をストップし、自己紹介に意識を集中させる。
そして一応あれも言っておかねばなるまい。変な誤解が生まれても困るし。
「あ、ちなみに京子とは ———」
そう言った瞬間、教室は張り詰めた雰囲気となった。皆、言葉を止め、私の次の言葉に耳を澄ませている。
「———“いとこ”だ・・・・・・」
から。と、言い終わる前に、教室中に「ヤッターッ!!」と歓声が上がった。もちろん、男子たちの。ほっ、と肩を落とすヤツもいた。京子、やっぱりもててるんだ。
「静かにッ」
先生の一声でシーンと静かになる。
「篠原の紹介はこれくらいでいいな。 えっと、じゃあ。篠原の席は・・・・・・沢田の後ろが空いてるな」
先生が指差す方へ視線を向けると、そこには、くせ毛なのかツンツンとした茶色、いやオレンジに近い茶色の髪の毛をしたごく普通そうな男子がいた。サワダ、というらしい。
私はその方向へ歩き出す。ごく普通に歩いていった、つもりだった。
が、サワダの机の脚につまずき、————ズドーンと転んだ。しかもまた派手に。ひたいを床に打ち付けた。血は出ていないけど、頭がくらくらする。
——グシャッ。と転んだときに何かをつぶした音がしたが、
「ちょ、大丈夫?」
サワダらしき男子に声をかけられた私はそんなことは忘れ、反応して起き上がる。
「ああ、大丈夫」下敷きにしてしまったカバンの中身をチェック。「大じょ・・・あぁァァッ!!」
「ど、どうしたの!?」
サワダが何か言っているが耳に入らない。カバンの中身が大変なことになっていたからだ。
「——が」
「えっ?」
「チョコがァァ!!!」
カバンの中では、まだ未開封の、休み時間にでもこっそり食べようと思っていたチョコレートが粉々に割れていた。“グシャッ”という音は転んだひょうしにチョコが砕けた音らしかった。袋からはみ出て、欠片になってしまった、『チョコレート』だったものがカバンの中に散乱していた。
もちろん、これは私が自分でころんだので自業自得なわけだが、転んで頭を打ったせいか、気が動転していたらしい。こんな風になってしまっては、自分でも制御不能である。
キッ、っと鋭い目つきでサワダを睨むと、先ほどより1トーン低く下げた声で、
「・・・サワダ、とか言ったな・・・」
「は、はいッッ!」
「覚えてろよ。このチョコの恨み、絶ッッッ対に、・・・はらすからな」
このとき、サワダの顔が死人のように青ざめたのと、クラス一同が固まったのは、・・・言うまでもない。
そして、このあとの記憶はない。ただ、数分後に自分がやったことを思い出し、前に座っているサワダを見ると、こちらの様子をちょいちょいうかがっては、目が合う度に前を向き、体を震えさせていた。
——回想終了——
〆 10月9日
- Re: 【REBORN!】白銀の風、黒の舞姫【リメイク中】 ( No.66 )
- 日時: 2012/10/09 19:43
- 名前: 月那 ◆7/bnMvF7u2 (ID: IsQerC0t)
- 参照: http://www.kakiko.info/upload_bbs/index.php?mode
【<リメイクver. 前> 目次】
プロローグ「コワレタ人形」 >>1
第1章
標的1「風の知らせ」 >>17
標的2「謎の転校生」 >>18
標的3「チョッコラート<粉砕>」 >>21
標的4「子どもの笑顔と大人びた顔」 >>22
標的5「UMA<未確認生物>!?」 >>23
標的6「昼休みの探索者たち」 >>26
標的7「落とし物と苦手な者」 >>34 >>38
標的8「うざいッッ!!」 >>45
- Re: 【REBORN!】白銀の風、黒の舞姫【リメイク中】 ( No.67 )
- 日時: 2012/10/09 22:35
- 名前: 有栖 (ID: FIlfPBYO)
本当にねぇw
転校だけはしたくないわ((←
- Re: 【REBORN!】白銀の風、黒の舞姫【リメイク中】 ( No.68 )
- 日時: 2012/10/11 20:06
- 名前: 月那 ◆7/bnMvF7u2 (ID: IsQerC0t)
- 参照: http://www.kakiko.info/upload_bbs/index.php?mode
標的3「全てを、包み込む」
授業間の休み時間に京子からクラスのことについていろいろ教えてもらった。
京子の親友、黒川花。私が睨んだ男子は、沢田綱吉。同じイタリアから転入してきた目つきの悪い不良男子は獄寺隼人、と言うらしい。それに、そのふたりと仲の良い山本武と言うヤツもいるとか。私が来る前に転校して来た、古里炎真、SHITT—P!・・・だっけ? がいるらしい。しっとぴーが個人的には見てみたかったんだけど、なんだか欠席みたいで姿を現していなかった。
「ねぇ、キョーちゃん」
「ん、何?」
「なんかここのクラスの人たちってさー」
ここで私は、笑顔を向けている京子に思ったことをそのまま言ってみた。
「————変わった人多いよね?」
「・・・・・・? なんで?」
・・・やっぱり京子(だけ)は自覚していなかった。まあ、他の人は思っているみたいだから私だけじゃなくてほっと一安心。
「・・・おい、篠原が笹川のこと『キョーちゃん』、なんて言ってるぞ」
「うわっ、マジで?」
後ろから小声で話す男子の声が聞こえる。そんなおかしなコトだとは思ってもいなかったが、確かに、さすがに中学生もなると昔の呼び方は改めたほうが良さそうだ。
「・・・それにしても篠原、こえーよな」
「ああ。ま、そんな目に遭うダメツナも、運がないよなー」
ううっ。心にグサッときた。そのことは触れないでおこうと思っていたのに・・・。
「やっちゃった・・・・・・」
「リン、どうしたの?」
「京子ォォォッ!!」
そして、今に至る。
「ヤバイよね・・・。なんとかしないと絶ッッ対にヤバイよね」
これ以上ないくらいの私の落ち込みように、京子は「えっ、なんで?」と言う。
「だってあんなことしたんだよ!? 沢田にも悪いし、私に『チョコレート割れたぐらいで怒る人』っていう肩書きも付けられちゃってるよ、きっとッ!!」
・・・ちなみに、チョコレート持ってきてることがばれたんで、あの後たっぷり先生に怒ラレマシタ。
一人で騒ぐ私に京子はいつも通りの落ち着いた口調で、
「・・・でも、謝ればツナ君、許してくれると思うよ?」
そして笑顔を向ける。
・・・ここまで京子を言わせるくらいの、沢田綱吉という人物は一体どういうヤツなのか、少し気になってきた。
「・・・・・・よしッ」
私は腹をくくった。こうなれば早く謝るしかない。じゃないと私はいつまでも『チョコレート割れたぐらいで怒る人』という看板を背負うことになる。それだけは、どうしても避けておきたい。これからの生活のためにも。
「沢田に謝ってくるよ」
私がそういうと京子も、一緒に着いていってくれると言った。
「アイツらなら、屋上にでもいるんじゃない?」
そう言ってくれた花に「ありがとう。いってくるね」というと、「がんばりなさいよ」とでも言ったかのように手を振ってくれた。
◇◇◇◇◇
屋上の扉の前に着くと、4人ほど話し声が聞こえた。
「はああ〜」
「まあ、まあ。そんなにため息つくなよ。ツナ」
「や、山本ぉ」
「そうだよ。ツナ君。話し合ってみたらいいと思うよ」
・・・? なんの話をしてるんだろう。もうちょっと聞いていたかったが、京子が扉を開ける。
「エンマも。・・・そうだよな、オレ頑張ってみるよ」
「何を頑張るの?」
「「「「うわッ!」」」」
後ろの扉からいきなり声がしたので驚いく4人。沢田と獄寺がいる。あとの二人はさっするに、黒髪のいつも笑顔を向けていたヤツが、山本。赤髪で、顔に絆創膏を貼っているやや暗めのヤツが古里だろう。
私はふいに京子の後ろへと隠れる。
「いや、な、なんでもないよ。京子ちゃん!」
「お前ら何しに来たんだよ」
獄寺は京子の後ろにいる私を鋭い目つきで睨む。京子はその目線を気にしていないのか、
「えっとね。リンがツナ君に・・・」
と、普通に話し出した。ある意味すごい。
私の名前が出ると、沢田はビクビクしている。たぶん、(えぇ! オレ何されるの!?)とおもっているんじゃないかな。京子は後ろにいる私をを見ながら言った。
「———謝りたいんだって」
「へッ?」
沢田は意外そうな声を出した。私は声を絞り出して言う。
「・・・さっきは悪かったな、沢田。アンタのせいにして」
思ったより小さい声しか出なかった。思わず顔を沈める。そんな私に沢田は
「いや、いいよ、そんなこと。オレも机をちゃんとしておけばよかったんだし・・・」
焦ってフォローをする。いいヤツかもしれない。そして、
「おわびにチョコ買うからさ」
沢田の言葉に、ピクッと耳が動いた。そして思わず顔を上げる。前言撤回。やっぱりいいヤツだ。
沢田は私の表情を見て驚いていた。たぶんそこには、幼い子どものように目をキラキラさせ、満面に笑みを浮かべていたんだろう。だってしかたない。チョコをおごってくれると言ったのだから。
私はチョコレートが大好きだ。いや、大大大好きだ。世界中の食べ物がチョコに変わってもいいくらいに。そんな『チョコ大好き人間』の私は、思わず大声を張り上げる。
「マジで!? 約束だぞ!」
その瞬間、私はチョコばかりに意識が回っていたため、定かではないが、沢田の頬が紅く染まったように見えた。たぶん、気のせい。
「やったね、鈴。仲直りしたね」
「やったな、ツナ。仲直りしたじゃねーか」
京子は私に、山本は沢田に言う。
うん。よかった。本当によかった。
このとき、私はとても嬉しくて有頂天になっておりり、すっかり、あのことを忘れそうになっていた。
〆 10月10日
- Re: 【REBORN!】白銀の風、黒の舞姫【リメイク中】 ( No.69 )
- 日時: 2012/10/30 19:50
- 名前: 月那 ◆7/bnMvF7u2 (ID: IsQerC0t)
- 参照: http://www.kakiko.info/upload_bbs/index.php?mode
標的4「零れ落ちた、欠片を拾って」
さて、謝罪も完了したところで・・・。
沢田に謝って許してもらったのも一部あるが、それよりチョコをおごってくれることになったので、私は嬉しさで有頂天になってしまっていた。
「ねぇ、沢田」
「ん、なに?」
「みんなもいいかな?」
私が指している『みんな』というのは、獄寺、山本、古里のことだった。
「なんだよ」「なんなのな?」「・・・なに?」
・・・そして私は口を開く。
「みんなのことあだ名で呼んでいい? あ、みんなも『鈴』って呼んでいいからさ」
「いいよ」「別に・・・いいけどよ」「いいぜ」「うん、いいよ」
全員の了解を得たところで、早速あだ名で呼んでみる。
「んじゃあ、これからよろしく! ツナちゃん、たけちゃん、はやちゃん、えんちゃん!」
「「「「・・・!?!?!?」」」」
みんな、とても驚いた顔をした。沢田に至っては、(何その呼び方ー!?)みたいな顔をしている。
「・・・え? なんか変なこと言った?」
そう言った私に獄寺が呆れた顔で言う。
「なんだよ、・・・その呼び方」
「・・・向こうで、男子には名前の二文字を取って『ちゃん』づけで呼んでたんだけど・・・。おかしい?」
ちなみに『向こう』というのはイタリアのことだ。
みんなは、(おかしいよ!!)みたいな顔をしている。
「・・・沢田は『つなちゃん』はいや?」
そう聞く私に沢田は困ったような顔を浮かべ、
「みんなには『ツナ』って呼ばれているから、オレはそっちのほうがいいかな」
「じゃあ、沢田は『ツナ』って呼べばいいね? 獄寺は?」
「・・・いやだぜ、俺は」
うわっ! すごく睨まれてる。鋭い視線を肌で感じる。『はやちゃん』はダメなら・・・と、他のあだ名で言ってみる。
「じゃあ、・・・『ごくちゃん』?」
「なんでだよ!!!」
そのあと獄寺にもっと睨まれたので、泣く泣く(?)『獄寺』と呼ぶことにした。普通じゃつまんないんだけどな。
一方、山本は、
「ん、俺はいいぜ!」
さらりと言った。しかも笑顔で。のんびりとしたその笑顔は、獄寺の鋭い目つきでダメージを受けた私の心には、とても癒しの存在となった。心の中で山本に拝む。
さて、残るは・・・。後ろを向くと古里がいた。
古里を見た途端、私は息を呑む。何故ならその容姿は私が知る”あの人“によく似ていたからだ。いや、にてるなんてもんじゃない。瓜二つだ。
「・・・コーちゃん・・・・・・」
私は気づかないうちに”あの人“の名前を呟いていた。
「えっ?」
古里が驚き、声を出す。
しまった! と思い、慌てて「なんでもない、なんでもない」と言ってごまかす。
よくよく考えてみると、容姿はほとんど同じだが性格はまるで違う、と思う。私は古里についてよく知っているわけではないから、断言はできない。でも、”あの人“は私の中の『ある記憶』ではこんな暗くなかったと思う。
まあ、そんなことは置いておいて。古里に聞いてみると、なんだかはっきりしない応えだったので、普通に『炎真』と呼ぶことにした。なんかショック。
「ふぅーーーッ」
私は肺の中の空気を吐き出し、気持ちを切り替え、みんなに、あのことをお願いしてみる。
「・・・あのさ、みんなにお願いがあるんだけど・・・」
そう言って私は京子、山本、獄寺、炎真、そしてツナを見る。
「学校案内も兼ねてさ。———探してほしいんだ」
「・・・何を?」
ツナが尋ねてくる。そうだね、そのこと話してなかった。
私は、あのことの重要さを伝えるため、大人っぽく真面目な顔で、
「落とし物」
と言った。
〆 10月11日
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26