二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 魔法少女あおい★マギカ
- 日時: 2012/02/26 12:20
- 名前: 空音さくら (ID: a8bifGsH)
こんにちは、
空音さくらです。
このお話は魔法少女まどか☆マギカの二次創作ですが、
その登場人物とはほとんど関係がありません。
別世界の魔法少女たちをお楽しみください。
▼登場人物
美琴碧
金髪碧眼の少女。武器・二刀拳銃。
悠下のぞみ(ゆうかのぞみ)
黒髪ピンク目の少女。武器・鎖で繋がれた二本の短剣。
光香苗
碧髪黒眼。武器・斧。
小百合緋月
ピンク髪赤と緑のオッドアイ。武器・ロケットランチャー。
—発達しきった世界。
魔女は別世界へと消え、たくさんのソウルジェムの濁りがましてくるなか、別のソウルジェムを手に入れればにごりが消えることがわかった。魔法少女たちは戦いを始めた。
- 願いが生んだ呪い ( No.3 )
- 日時: 2012/02/27 17:47
- 名前: 空音さくら (ID: a8bifGsH)
私は、その願いの重さを知ってしまった。
朝起きた時は驚いた。みんな生きていたのだから。
「碧、朝よ〜」
「はあい!! 」
いつもより何倍も元気よく、友達、家族、家、学校の校舎。全てが大好きになって、いやなことなんてほんの些細なことになった。魔女を狩ることとなったけれど、私はそれでも満足していた。みんなのためだ。家族や友達と一緒に笑えるのなら、大したことじゃない。
「碧おはよ!! 」
「おっはよ由香! 」
「おはよう碧ちゃん。」
「優子おはよーっ」
私は生き生きしていたと思う。
毎日が楽しくてしょうがなかった。
5月28日。あの悪夢の地震があった日だ。
その日は遅刻した。目眩がしたからだ。学校に行く途中、救急車やパトカーが私の横を素通りして言った。
「なにかあったのかな?」
玄関の前につくと私は青ざめた。
パトカーが、救急車がとまっている。立ち入り禁止テープが張られていて、あたりは人ごみだった。
「なにが!? なにがあったの!! 」
私は泣き叫んでいた。
家にそのまま帰り、あとから事情を聞いた。
五人組の銃やナイフをもった男性等が生徒教師と虐殺したのだという。助かったのは地震の時と同じ。私とのぞみと男子数名。
「そんな—どうして? 」
私は運命を変えた。私は全てを救った。
そのはずだ。それなにに—どうして—どうして?
「運命を変える? そんなの不可能だよ。いくら魔法の力でも、それは不可能に近い。たとえ同じ死因じゃなかったとしても人の運命は変えられない。当たり前のことだろう? 」
—キュゥべえの声が恐ろしく聞こえる。
「そんなひどいよ!! 私が今まで命がけで戦ってきた理由はなんなの!? ねえ、キュゥべえ………。」
「君は時を戻し、友達や家族の素晴らしさがわかった。それだけで十分じゃあないか。」
その日、町の中心に爆弾が設置されているせいで、家も学校も吹き飛び、たくさんの人達がなくなった。もちろん私の家族も、……。
「——————。」
キュゥべえという名の悪魔。
私を苦しめる運命。
私はもう疲れ果てていた。
「碧? 」
「……のぞみちゃん。」
「元気出しなさい。」
「…………」
怒りがわいた。私はのぞみよりずっと苦しんでいるにきまってるのに—なのに、……慰めてくれているのぞみに対してまで怒りを覚える私にもさらに腹がたった。
朝起きるととてもすがすがしい気分だった。
「碧、」
「のぞみちゃん。私これから頑張ってみる、」
「………」
「大好きな子がみんないなくなっちゃったのは悲しいけど私にはのぞみがいる。だから頑張るね。」
「うん。」
夜、魔女倒しからかえると敷布団の枕元にキュゥべえがいた。
「悠下のぞみ。彼女には魔法少女になってもらったよ。」
「!!? 」
「—そんな!? ……キュウぅべえ…貴方は何をたくらんでるの…? 私たちを絶望の底に落としたいの…? 」
「ごめん、碧。」
「のぞみ! なんでキュゥべえと契約なんてしたの!? 」
「私、もう碧の苦しむ顔が見たくなかったの……もう笑わなくなった碧を見ていると胸がずきずきして……」
「そんな、そんなことのために……」
私のせいだ。
私はそう思った
- 第四話 殺人鬼dy香苗 ( No.4 )
- 日時: 2012/02/28 19:05
- 名前: 空音さくら (ID: a8bifGsH)
いじめ、
いじめは他人事、
弱いものがうけるんだって
ずっとそう思ってた。
まさかあたしがうけるとは思ってなかった—、
「キモいんですけド〜〜っ? こっちこないでくれますゥ?」
最初はちょっと無視されたり外されたりされるくらいだったけど、
アタシはいつのまにかこんなに虐められるようになっていた。
靴を履いたらがびょうがはいっていたり。
ひそひそとこちらを見て噂している女子たち。
あたしの机だけ廊下にあったり。
家に帰っても母さんと父さんは喧嘩してばかりだった。
あたしはいらいらして、万引きしたりリスカしたり。
—そんないらいらする毎日、
なにか変わりたかった。なにか、幸せが、刺激か、つまんなかった。苦しかった。寂しかった。面白くなかったから—。
「香苗、君にお願いがあるんだ。—僕と契約して魔法少女になってほしいんだっ! 」
そんなおかしな動物に、あたしは願ってしまった。
「力がほしい———みんなが圧倒される力が、……退屈な人生なんて終わらせるくらいの力がほしい!!!! 」
ある日
「ちょっとッ! どいてくんなァ〜〜い?? 」
いじめの主犯格の(クラスの中心の)女子(鈴木みなみ)に突き飛ばされる。
「………ッ、」
その頃のあたしは地味で、控え目だった。
盛大に舌打ちしたあたしは起き上がりその女子を突き飛ばし返した。
「「「きゃあああーっ!! 」」」
取り巻きの女子が叫び、先生が来る。
「先生先生、光さんがみなみちゃんを突き飛ばしたんです〜」
「ひっどぉ〜い、サイテー…」
いらいらした。
ただ、その時先生が居るにもかかわらずあたしは魔法少女の姿に変わった。
「きゃははっあははは!! 」
甲高く笑い、狂ったように斧を振り回した。
「………何よその格好……このっ、…ひ、人殺し! 」
「きゃああああああ! 」
みんな怯えていた。
気づくとそこは血まみれだった。
「————————————え? 」
あたしは人殺しになっていた。
世界を敵に回した。
その日、あたしは親と家を捨て魔女探しに遠いところへいった。
「…………………どうしよう。あたし……もう生きていけない……」
青ざめた顔、ぼさぼさの髪に充血した目。かさかさの唇。
水たまりを除くと気持ち悪い自分の姿がうつっていて、あたしは水たまりに思い切り石を蹴った。
そのまま近くのコンビニにいって、店員を魔法で睡眠させてリップクリームとくしとサンドイッチとオレンジジュースを万引きした。
「魔法ってすごい」
そう思った。これからコンビニでこうやって万引きして、生きればいいんだ。魔女退治するだけで生きていける、そんなちょろいもんだと思ってた。
その後あいているマンションがあったので勝手に使わせてもらうことにした。そこにスーパーで盗ってきたチョコとポテチとコーラを置いて、食べて寝た。
「——あれ。」
朝起きるとソウルジェムが濁っていた。
なので魔女退治に出かけ、手ごわくて少し苦戦したが無事グリーフシードを手に入れた。
退屈な世界といやな学校むかつく家がなくなってせいせいした。
リンスーとシャンプーを使って髪をさらさらにし、化粧品や可愛い服なんでも盗ってきた。だがある日、そんなあたしに天罰がくだされた。
パンツが見えそうなフリルのついたスカートに黒のTシャツ水玉のパーカーの少し可愛らしい服を着て、碧髪を揺らしてあたしは魔女探しついでにいい店がないかぶらぶらと歩いていた。
「きみきみ」
振り返るとにやにやした男子が5人程。
みんな20代くらいだ。
「なに?? 」
「ちょっときてよ、」
腕を強くつかまれる。突然の出来事に頭が破裂しそうになる。
「きゃっちょっとなにすんの!!? 」
5人組があたしを取り押さえて連れて行く。
車に乗せられ、気付くと知らない家のベッドだった。
「…………な、にを……」
頭がくらくらしていて、メンバーの1人があたしの頭をめいいっぱい殴る。
「お前みたいな可愛こぶってる奴うぜぇんだけど!! 」
そういって睨み、髪の毛をひっぱる。
「やめてぇ……! 痛い、痛い…きゃぁあっ……ぅうっ……」
苦しかった。
——————あたしは、また人を殺してた。
- 第五話 消えた魔女dy語り ( No.5 )
- 日時: 2012/02/28 21:03
- 名前: 空音さくら (ID: a8bifGsH)
ある雨の日のこと、
「アンタが悠下のぞみ? 」
鉄橋の上から響く声で話しかける。
「ええ、—貴方が光さんかしら。」
「そうやらやっと対面できたようだね、……同じ街にいる以上、アンタとは仲良くやっていけそうにないからね」
「ええ。でもこの場所は明け渡すわけにはいかない。」
「あいにくこんなにいい場所があっちゃあたしも手放すわけにはいかないね。」
「—そう、話し合いってわけにはいかなさそうね」
二人が同時に変身する。
のぞみは黒のマントに白の大きなリボン。黒のズボンはピンクのリボンが巻きつけてある。
香苗は白のドルマン・スリーブに赤色の細いリボン。ズボンがひざ下まであり黒白縞模様のハイソックス。
「…………大きな斧ね、怖いわ」
「よく言うよ、長い鎖の短剣。こわーいっ」
のぞみの弱点は威力だ。速さはのぞみが上、だが一撃一撃の与えるダメージが少なく不便だ。
香苗の弱点は逆に速さ。逃げるときにも斧は邪魔になる。だが大きな斧はあたると吹っ飛ぶ程の威力。
五分五分だ。
「はああああッッ!!!!! 」
上から香苗が斧をもって飛びかかる。
「…………」
のぞみが素早く避け、鎖を香苗の足に巻きつける。
「くっ………」
素早く斧で鎖を切り、鎖を引っ張る。
「うっ……く、」
2人同時に落下、煙がたちこもる。
「なかなかね、」
「面倒だから嫌だったけど長期戦になりそうだ」
「今日はひとまずお暇するわ、」
「あたしも今日はひかせてもらう、」
一瞬で消える二人。
- 小百合緋月の過去dy緋月 ( No.6 )
- 日時: 2012/03/01 18:24
- 名前: 空音さくら (ID: a8bifGsH)
「ママぁ〜っ」
「緋月どうしたの? 」
「あのねパパがねプールにおっこちたんだよお〜」
「あらあら…またおっこちちゃったの」
「そうなのぉ〜あははは!! 」
ニコニコと笑う母親と少女。
それがあたし、緋月と母。毎日毎日幸せで、いつも笑ってた。
あたしが小学2年生の時、パパとママは離婚した。
おばあちゃんが死んでしまったあたりから、2人は喧嘩ばかりして——あたしはママの方に引き取られた。
「……パパぁっ…パパぁっ……」
「緋月うるさい。パパはもういないのよ」
「パパに会いたいよぉママぁ……ぅええええん!! 」
あたしは毎日のように泣いていた、ある日。
「緋月、パパよ。」
「パパ!? 」
「—このガキが俺の義理の娘か、名前は? 」
「……パパ? 」
ママが再婚した。
ヤクザの男で、シンナーや覚せい剤、麻薬などに手を出していた。
あたしの名字が変わった。
あたしは学校に通わなくなった。ある日ママがいかなくていいといったから。優しいママは新しいパパがきてからいなくなり、袋を口に当てて、気持ち良さそうにしていた。夕飯は全部あたしがやれと言われ、あたしはそれからこきつかわれた。
「おい、お前もすえよ……」
パパが袋をこっちに向けてくる。
「いやです! 」
あたしは首を横に振った。優しいママを変えた怖いパパが吸っている薬なんて怖くてほしくなかった。
「なに口答えしてんだようぜえなあ!! 」
パパはあたしを押し倒して無理矢理袋を口と鼻にあてた。
「んんーっんんーっ」
息を止めていたけれどついに我慢しきれずに吸ってしまう。
どくどくな、鼻がつーんとするようなにおい。最初は苦しかったけどそのうち気分がよくなってきた。
「………ん…」
自分の両手で袋を持ち、吸った。
「はあ〜気持ちいい……」
気分がすかっとした。
あたしはまだ小学5年生だったのに薬に手を出してしまった。それから毎日吸ってすって、ストレスが消えた。
「うわああああ!! 」
ママが頭を抱えて苦しむようになった。
「こっちに来るなあああ!! きもいっ……ねえ、虫が……いっぱいいる…いやあああああ! 」
ママは毎日毛布で体を覆って、殺虫剤を部屋中に巻きまくった。
「気持ち悪い……」
震えて、時々叫んで。
ある日、
「ただいまー」
買い物にいって帰ってきた時、ママが死んでいた。首を釣って、右手には薬の袋が、左手はたくさんの傷があった。
「ママ……、」
「おい、お前こいつの死体かくすの手伝えよ。」
「え………? 」
「こいつ見つかったら俺達薬使ってること見つかンだろぉがよぉっ!! 」
お母さんの死体は家の屋上に放置しておくことになった。
「ったくあいつ死にやがって……せめて保険にはいっておけっつうの役立たずもんがよぉ……」
そのうちあの男は姿を消した。
「…………ぅ……」
あたしは毎日薬を吸って吸って、そして夜になると幻聴や幻覚が見えて、また吸っての繰り返しをしていた。立ち上がれなくなった。足が動かないんだ。足を引きずって冷蔵庫にいっても、もうご飯はなかった。お腹がすいてしょうがなかった。蛇口をひねっても水がでなくなった。
「………もういや……」
カッターで手首を切って、シンナーを吸って気分を良くしていた。でももう体が持たずに、気を失いかけた。
「——小百合緋月、君はその命を対価にして、何を願う? 」
「……ァたしは……」
がらがらに枯れた声。
「……生きたい。永遠に、あたしが断念するまで……ずっと…生き続けたい……」
輝く、
胸が張り裂けそうな激痛が走り、そして痛みと一緒に光がすっと消える。両手に持った白の宝石。
あたしは魔法少女になった。
- 第七話 「結局、バッドエンド」 ( No.7 )
- 日時: 2012/03/02 17:05
- 名前: 空音さくら (ID: a8bifGsH)
「まさか魔法少女の君が僕の陰謀気がつくなんて、思ってなかったよ。」
「……あら。前々から気付いていたわよ薄々ね。」
「そうだよ、僕たちインキュベーターが魔女を消したんだ。もう地球は用済みだからね、おおむね因果エネルギーノルマは達成できたし。もっといい星が見つかったんだ。」
「だから魔女をその星に移動したわけね、」
「ああそうだよ。君は本当に賢いね、悠下のぞみ」
「それで私たちが終わると思って? せめてなにか残しておきなさいよ。こんな絶望に満ちた星で、どうしろと?」
「これ以上状態を悪くすること以外僕らはなにもで生きないよ。」
「………そう、」
「だから残念ながらあと少ししたら僕らは別の星へいく。」
「—これ以上状態を悪くさせられるよりかはましね、ええ。そうして頂戴。」
○
「のぞみ………」
怯えきった顔。寂しいよと訴えかけるような瞳。震えている足。
「……碧……」
【『ごめん。私達はこれから敵同士。今日は戦わないけど今度からは—、』
『やめてッ………!!』】
静かに目を瞑るのぞみ。
「今日は見逃してあげる、さっさとどこかにいきなさい。」
「……。」
俯き、拳をぎゅっと握ってから消える碧。
「——————なんで、こんなことに———。」
"泣かない" そう決めたのぞみの代わりをするかのように雨がふってくる。まるで涙のように。彼女の気持ちのごとく。
彼女はぎゅッと拳を握った。
○
「はぁっ………はぁっ………」
「ぅ……ぐぁ……はぁっ……ふ……」
息が荒い二人。
「なかなかじゃん。ちびの癖に。」
「そちらこそ、こちらはロケットランチャーなのによく斧で勝てますね………」
「そっちは動きが鈍いんだよ……」
瞬間移動で香苗が緋月の後ろに回る。
「 !? 」
一瞬で血が飛ぶ。
「—そんな大きなおもちゃあんたにはまだ早すぎたってことだよね…腕ごと切れる。」
緋月のなくなった左手、ロケットランチャーは粉々になっている。
「ぅっ……ぐぁぁああああああ! 」
やっと声が出て、緋月は泣き叫ぶ。左肩を押さえてのたうちまわる。泣き叫び、苦しむ。大量の血だ。
「……ぁたしは死なないッ……絶対に死なない……!! 覚えておいてくださいな……復讐しにくるので…10倍返しに……」
ぜぇぜぇと息を切らしながら消える緋月。
「—随分卑怯な真似するもんだね、悠下のぞみさん」
少しにやりと笑って後ろを振り返る香苗。
「今日は戦うつもりはないわ、ただこれからの私達の行く末でも伝えるために来たのよ。」
「……どういうことだ?」
「私にもよくわからないけど、近々キュゥべえ—インキュベーターが魔女と一緒に別の星に消えるわ、」
「つまり……」
「つまり私たちは結局みんな死ぬ、インキュベーターの助言もない。魔女もいない。それじゃあ魔法少女を倒して少し生き延びても結局は死ぬってことよね」
「……ははッ……結局、バッドエンドってわけか」
「そういうことになるわね」
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