二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 皓々と照る月 【REBORN】
- 日時: 2012/08/30 13:01
- 名前: なゆ汰 ◆TJ9qoWuqvA (ID: mxpCGH6q)
私は平凡なただの並中生である。名前は東城夕(とうじょうゆう)。平凡主義者といっても過言ではないほど平凡と普通を愛すこの世に生を受けたただの女子中学生。平凡ではないところといえば……ない。恐ろしいほどない。多分私が一番、並中生らしいと思う。何をとっても並だから。そもそもこの学校は並という字がついているのに並じゃない人が多すぎる。暴力で並盛を支配する風紀委員長や、その取り巻き。私のクラスメイトだって、学校のマドンナと同年代以下の男を「ガキ」だと罵る女に、極端にダメな男。…おっと話がズレたが私が言いたいことを完結に纏めると、こうだ。「私はただの平凡主義者です。」
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平凡すぎるほど平凡な女が非凡な原作に巻き込まれていくきわめて残念な話。
東城夕(13)は平凡な少女だった。面倒くさがりなのが玉に瑕だが、友達ともつかず離れずの関係を保ち続け、平和な生活を送っていたのだ。しかし、突如現れたリボーンの「ファミリーに入れ」という一言により、平凡な生活が崩れ去る。平凡を望む少女とボンゴレの皆様が織り成す微逆ハーコメディ小説。
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Ⅰ設定
[東城夕]>>11
Ⅱ本編
[prologue]>>14
[01]>>1[02]>>2[03]>>3[04]>>4[05]>>7
[06]>>8[07]>>9[08]>>10[09]>>12[10]>>13
[11]>>15[12]>>17[13]>>19[14]>>21[15]>>22
[16]>>25[17]>>27[18]>>30
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[作者紹介]
なゆ汰(♀)Lv.17
青祓/海賊/銀魂/鳴門/復活/etc...ジャンプ系の漫画らぶ。好きな食べ物は和食。嫌いな食べ物は茸。万年五月病の面倒くさがり。最近風邪気味だけど元気にやってる高校生。
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[LINK]
Thanks!(お題サイト/お題スレ/様)
>>間接の外れた世界/>>#69/>>NoaNoa/>>ひよこ屋
>>お題倉庫【使ってくだされ】《>>16》
〆24.5.31
- Re: 皓々と照る月 【REBORN】 ( No.18 )
- 日時: 2012/07/03 19:22
- 名前: なゆ汰 ◆TJ9qoWuqvA (ID: 6vo2Rhi6)
わたしが考えた駄作いめーじそんぐ。
けどあえてアイドルとかアーティストの曲でイメージソングを選ぶなら、嵐の「truth」かなって思う。著作権の問題があるので歌詞はのせないけど。
「僕には眩しすぎたんだ」
少女は苦笑交じりに嗤う
黒に侵蝕される空の上
皓々と照る月だけが見てた
平穏に過ぎる人影と
退屈に思える日常だけど
それでもよかった
平凡さえあれば幸せだった
望んでも手に入らないものがある
それは例えば平凡とか、幸せとか
普通に生きれればそれでよかった
異質な存在など必要なかった、のに、
「僕には似合わなすぎたんだ」
少女は自らを嘲笑った
星に彩られる空の上
白々と輝く月が嗤ってた
非凡に関わるたびに
消滅する愛しき者たちを
見るにつれて、僕には
復讐心が芽生えていって
望んでも手に入らないものがある
それは例えば優しさとか、思いやりとか
あれだけ望んだ平凡なんて
いとも容易く崩れ落ちてって、
「僕には重すぎたんだと思う」
少女は月を見上げて微笑んだ
涙を降らすような空の下
きらきらと光る月も微笑んだ
冷酷な夢は脳内を支配して
地獄へと導かれる心の中
「僕は大丈夫だから」と
弱いのに強がる僕は、ああ実に滑稽で
涙で縁取られた視界から
ぽつりと降ったのは、たぶん、
「どうして望んじゃいけないの」
手に入らないってわかってる
けどせめて夢くらい見てたかった
あの頃に戻りたかったんだ
「僕には眩しすぎたんだ」
少女は苦笑交じりに嗤う
黒に侵蝕される空の上
皓々と照る月だけが見てた
「こんな言葉、許されないってわかってる」
「だけど、今だけ許されるなら、」
「助けて」少女は初めて泣いた
- Re: 皓々と照る月 【REBORN】 ( No.19 )
- 日時: 2012/07/04 19:00
- 名前: なゆ汰 ◆TJ9qoWuqvA (ID: 6vo2Rhi6)
帰り道の途中、リボーンくんに出会った。仮にも外見は赤ん坊なのに一人で何をしているのだろうか。リボーンくんの目線に合うようにしゃがみこむ。リボーンくんは「ちゃおっス」とお決まりの台詞を吐くと、私にニッと微笑みかけた。もしリボーンくんが普通の赤ん坊だったら仲良くなれてたのかもしれない。柄にも無く、しんみりとそんなことを考えた。相も変わらず、へいぼんは、訪れない。あの自称王子の少年だってそうだ。非凡のかたまり。少年は私を殺さなかった。私が死ぬのは恐いといったからだ。あの時なぜ私は死ぬのが恐いと思ったのだろう。生きるのが辛いと思っていたはずの私はどこにいったんだろうか。
「ユウ、なにかあったのか?」
「王子様にあっただけだよ。けど、おとぎ話とはかけ離れてた。綺麗なお城じゃなく、路地裏で、冷たい人間、見下ろしてた。…笑ってた。」
「…そうか。」
リボーンくんは何かを察したらしい。やっぱりリボーンくんと関わったから、こんなことになったんだ。たぶん。リボーンくんと出会ってからろくなことない。そう思ってたら「今失礼なこと考えたろ」って銃を突きつけられた。泣きたくなった。なぜ。
「リボーンくんってあほだよね。」
「殺されてーのか。」
「だが断る。」
「死ね。」リボーンくんが銃を弾をセットしようとしていたので、急いで土下座する。ねえリボーンくん、殺しは犯罪だってしってますか。そのまえに、日本には銃刀法違反ってのがあるの。しってた?日本にいるからには、ちゃんと法律まもろうね。そんなこと、いえるはずもなく。私は渇いた笑みを見せた。すると、リボーンくんが銃をおろす。いえい命はたすかったみたいだ。
「転校したいな。」
「逃げたら、地の果てまで追いかけてやるぞ。ボンゴレなめんな。」
「なめてねーよ。…なめてたらとっくに逃げてる。」
「そうか。」
「…うん。」
「……。」
「……。」
沈黙。私は沈黙が嫌い。沈黙してたら、不安になる。「私と話してるのつまらないかな」って思ってしまう。人の顔色を伺ってしまう。私はそんな女だ。臆病な女。…ではないか。堂々と雲雀恭弥の目の前でサボる私はどー考えても臆病ではない。ふむ。非・臆病ってやつですねわかります。
「リボーンくん。私、帰る。」
「そうか。ちゃお。」
「うん。」
あっでぃーお(さようなら)。
@おくびょうな女のとうそう劇(標的13)
- Re: 皓々と照る月 【REBORN】 ( No.20 )
- 日時: 2012/07/04 20:52
- 名前: ルリ朱雀& (ID: J/cl5oqb)
ふはは!!
うん。やばいっ!!
夕さんもカワユイ!!
千歳ちゃんもいいけど、夕さんもかわ(((殴
一応、千歳命です!
にしても、夕さんの悪運はすごい…。
ベルに見逃してもられるなんて、すっごい!
夕さんの望んでいる平凡には、……とっても遠いと思うけど、頑張れ!!
なゆ汰さん、更新頑張って下さい!!
楽しみにしてます!!
- Re: 皓々と照る月 【REBORN】 ( No.21 )
- 日時: 2012/07/05 19:42
- 名前: なゆ汰 ◆TJ9qoWuqvA (ID: 6vo2Rhi6)
「やれやれ。また幼いオレが10年バズーカを撃ったらしいな。ああ、お久しぶりです。若きユウさん。」
「……どなたですか。」
いやまじ誰。天然パーマだろうか、くりんとした髪の毛と、垂れた目、目尻につく〝#〟のマーク、はだけさせた牛柄のシャツ。無駄にたれ流し状態の色気。以上が目の前にいる青年への感想だ。色気くれ。休日だからという理由で散歩し始めたらこれだ。爆発音とともに現れたこの色気ムンムン青年は、もう一度「やれやれ」と首をふると、私の手をとってキスをした。ちょ、キザ!こいついつか恋人に「君の瞳に乾杯」とか言いそう。てか言う。てかもう言ってるかも。とにかく誰。
「オレはランボですよ。」
「ランボって誰です。」
「やれやれ。……この時代のユウさんはまだ幼いオレに会ってないらしいですね。この時代の——つまりユウさんのいる時代のオレは被弾してしまうと10年後の自分と入れ替わってしまうという10年バズーカに被弾してしまったのです。だからオレは幼い自分と入れ替わってこの10年前の世界にきた。」
非科学的な話だな。そう考えつつも、冷静に話しを聞く。あの赤ん坊に会ってから、こういうことに驚かなくなった。それに、信じるようになった。はたしてこれはいいことなのか、悪いことなのか。とにかく私は無表情のまま、口を開いた。
「つまり君は未来の人間?……逃げていいですか?」
「何でですか?」
「見るからに非凡そーですからね。どーせマフィア絡みにきまってる。」
「やれやれ、やはり未来ではボンゴレの参謀なだけあります。」
ランボさんがまいったという風に両の手をあげた。
——今、なんて。なんて、言った?〝未来では、ボンゴレの参謀〟?うそだろう。私がマフィア?そんなバカな。きっとうそに決まってる。おそるおそる、ランボさんに聞いてみる。何となく、こわくなった。額に汗がぽつりと浮かぶ。
「私、マフィアなんですか?」
「…?何言ってるんですか?貴女が自らボンゴレに仕えると志願したのですよ?」
「……うそだ。うそ、だ…。」
あれだけ平凡を望んだはずの、私がマフィア。私にはつらい事実だった。聞かなきゃよかった、と後悔の念が私に押し寄せてくる。しかも、自らボンゴレに仕える、だなんて。私が自ら非凡に手を染めたなんて、ありえない。ありえ、ない。私はランボの制止を振り切って、一気に駆け出した。「どうして逃げるんですかー!…が・ま・ん…!」と、涙ぐむような声が聞こえたが、気にせず逃げた。
「っっはあっ、私、が…マフィ、ア…っ!!…っは、ありえない…!」
そんなこと、あってはならない。非凡に手を染めるなど、あってはならない。私の中での、禁忌——タブーのはずだった。なのに、何故。何故、未来の私は、ボンゴレの参謀なんかに。
視界が滲むのを感じつつ、思う。
こんな結末は待っていなかった、と。
@知らぬが仏であると知ったのは(標的14)
- Re: 皓々と照る月 【REBORN】 ( No.22 )
- 日時: 2012/07/15 14:55
- 名前: なゆ汰 ◆TJ9qoWuqvA (ID: 6vo2Rhi6)
こんな世界、消えてしまえばいい。なんであの時金髪のティアラ被った男に殺してもらわなかったのだろう。今になって後悔しても遅いというのに。ああ泣ける。こんなの望んでない。どうして平凡に生きさせてくれないんだ。どうして、私なんだ。マフィアの参謀?冗談じゃない。私は、普通に生活するんだ。平凡に生きるんだ。そうすれば、きっと幸せになれた。特別なんて望まないから、普通の幸せを手にしたかった。なんでこうも上手くいかない?なんで、なんで、なん、で。
視界が滲んで、ぼやけて、涙が零れ落ちた。
「、」
「——あれ、東城さん?」
声が、聞こえた。沢田の声だ。ああ、コイツはもう、なんでこんなときに、来るのかな。前から思ってたけど、沢田の声は、お父さんの声に似てる。声の低さとかじゃなくって、その優しい感じが、似てる。
一気に、涙腺が崩壊した。滝のように、涙が次から次へと、流れてくる。
沢田が息を飲む音が聞こえた。
「えっ…!?ちょ、東城さん!?泣いてるの!?」
「ああ…もう、うるさ…」
私は、ずず…と鼻を啜りながら、沢田に抱きついた。沢田が慌てふためく。「えっ!?」とか言って赤面している。
ぎゅうっと沢田の背中に腕を回した。ああ、泣けてくるわ。
「今だけ…肩貸して…。」
「え、…う、うん…。」
「これだけに、するから…。私、強くなるから…。」
それだけ呟くと、私は沢田の肩に顔をうずめた。柔軟剤の香りがする。あれ私変態みたいだな。——すると、沢田が口を開く気配がして、耳を傾ける。
「つ、強くならなくてもいいんじゃないかな?」
「…………、」
「なんで強くならなきゃいけないの?東城さんは、東城さんのままでいいじゃん。」
止まりかけてた涙が、また流れる。あほだろ、沢田。また泣かしてどうする。ほんと、あほな男。けど、そうだ。沢田はこんな奴だった。いつもは頼りなくて、弱い奴なのに、たまにこうやって核心を突く。
そんな沢田が、苦手だったんだ。私は。
「……ありがと、ツナくん。」
「!…うん、ユウちゃん。」
初めて、その名を呼ぶ。どうしてか、涙はとっくに止まっていた。
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