二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- ☆イナクロ☆キライなわけじゃないけどさ
- 日時: 2012/10/18 07:04
- 名前: 柳 ゆいら ◆JTf3oV3WRc (ID: ftamISp/)
- 参照: http://www.nhk.or.jp/ncon/
どうも、どうも! 毎度おなじみ、柳ゆいらでっせ! ……と、関西商人風のあいさつはいいとして。
どうも! 柳ゆいらです。「またつくったのかよ!」とお思いのかた、そうです。またつくっちゃったんです。
ちなみに、これから主に更新するのは、「なくしたくない物」とここになると思うので。
ここで注意事項! ぜったいチェックしようぜ!
※注意事項※
・駄作だぁ!? ざけんな! 柳「そうですよ。駄作でっせ^^」
・そもそも、ゆいらっつー存在がキライなわけなんだよ! 柳「タイトルを利用とは……((殺気」
・イナイレ初代じゃないだって!? サイッテーだな! 柳「初代か……わたしも好きだったさ。」
・キャラ崩壊とか……フッ。 柳「なんッスか。その冷静にけなしてるすがたは。」
・gdgdだって!? 柳「gdgdとかいて、『グダグダ』と読む……。」
ひとつでもあてはまるかたは、どうぞ右上の「×」を1000回おしておいてください。
ふたつのかたは、100000回、みっつのかたは10000000回、よっつのかたは1000000000回、
すべてのかたは、気がすむまでガチガチおしちゃってくださいねっ^言^
「べつにいいよ^^」といってくださる神さまは、どうぞいってくださいな。
- Re: ☆イナクロ☆キライなわけじゃないけどさ ( No.3 )
- 日時: 2012/11/16 13:45
- 名前: 柳 ゆいら ◆JTf3oV3WRc (ID: ftamISp/)
- 参照: もう全国大会おわった——ッ!!
1 雷門
「ねえっ、あのひと、めちゃめちゃカッコよくない?」
「ほんとだっ。でも、雷門の子じゃないよね?」
「一年かなあ。」
「ちょっと、サキ、話しかけてきてよっ。」
「え〜、むりだよ、恥ずかしい〜。そういうまなみがいってきてよ〜。」
「えぇ〜っ////」
背後で、そんなやりとりをしている女子の声がきこえた。
そんなざわめく廊下をとおりぬけ、校長室に入ると、彼女はきちんと、一礼をした。
「我が校に転校してくれた子は、きみだね?」
「はい。」
「名まえは、たしか……。」
「櫻田凛です。」
「きみのクラスは2年生の、いちばんおくのクラスだ。いいな?」
「わかりました。ご説明、ありがとうございました。えっと、制服を……。」
「ああ、すまんね。着替えなら、となりの部屋の、第二視聴覚室でたのむ。」
「ごていねいに、ありがとうございます。」
凛は、校長から制服を受けとると、一礼して、校長室を出た。
となりの第二視聴覚室のとびらをあけて、しめると、凛はとびらにもたれかかった。みょうに、あたまがいたむ。こんないたみは、あのときぶりだ。
(まだ、あたまに染みついている、あのいまわしい記憶……。)
凛は、顔をゆがめながら、いすにすわりこんだ。着がえて、教室までいかなければいけない。だが、とてもじゃないけれど、からだが動かない。
「なんで、あのとき、止めきれなかったんだろ、あたし……。」
凛はひとり、そうぽつりとつぶやいた。
だが、それに返答する者は、だれもいなかった。
☆
凛が着がえ終えたのは、けっきょく、一時間目がおわり、休み時間に入ったときだった。
廊下を歩きながら、凛はほかのひとびとの会話に、耳をすませていた。
そのとき、彼女の足を止めさせる会話があった。
「ねえ、けっきょくサッカー棟、どうなるの?」
「さあ? でも、サッカー禁止令って、やっぱり法律じゃん? 法律だし、さからうことは、あんまりかんがえらんないけどな〜。」
「校長が校長だしねww」
(校長けなしていいわけ?;;)
凛は、ひそかにそう感じていたが、もうひとつのところにも、興味を持った。
サッカー棟というものの存在。
うわさはきいていたが、まさか、サッカー部のために、そんなものまでつくるとは……。
(サッカー……か。)
凛は、教室にむかいながら、あのことを思い出していた。
赤く燃えるような、赤い日が、もう見えなくなりそうになって、両親にいわれて、やっと夢中でやっていたコトをやめて、ふたりのもとの飛びこんだ。そんな凛と、その弟を、やさしく包みこんでくれた、凛の父と母。
あれは、全部うそだったの? 全部、わたしたちをだますため?
(……もう、どうでもいいや……。)
凛は、ふとまどの外を見た。隔離されたサッカー棟が、凛の目にうつった。凛は、目をはなしたかったが、なぜか、はなせない。
やっぱり、まだあのときの後悔が、わたしをつかまえてる。まだ、あのころみたいな、自由にはなれない……。
凛が、目をはなそうとした、その瞬間。
サッカー棟付近の空が、グニャリとゆがんだ。
(え!?)
凛は、おどろいて、その光景に立ち止まり、目を見はらせた。自分の横を、ひとびとがとおりすぎる。
グニャリとゆがんだ空は、やがて穴をつくりだした。その内側は、虹色になっている。
(え……あれって……。)
どうかんがえても、ふつうではなかった。凛の好奇心が、プクプクと沸騰しはじめた湯のようにわきはじめる。
そして、凛を動かしたのは、その穴からでてきた、キャラバンのような乗りものだった。
凛はもうがまんできず、まわりのひとびとの間をかきわけ、サッカー棟に入りはじめた。もう、授業がはじまろうとしているのに。
サッカー棟にいくと、やはり、階段のまえに、乗りものがおかれている。中には、だれもいないようだ。だが、とびらがひらいているということは、この乗りものには、持ち主がいないということは、なさそうだ。
そして、もうひとつ。
隔離されているといったが、サッカー棟には、立ち入り禁止の柵がつけてあるだけで、そこには、いくつかひらける部分がある。そこのひとつのとびらが、思いきり開け放たれているのだ。つまり、これは、だれかひとが入っていった、ということ。それも、立ち入り禁止なのにもかかわらずだ。
(これだけじゃ、まったく検討がつかないな……。)
凛が、柵にもたれかかった、そのとき。
「やあ、凛。」
いきなり声をかけられた凛は、サッと態勢をたてなおし、身構える。声をかけた主は、キャラバンの影にかくれていて、だれかわからない。
「だれっ?」
「その質問に、こたえるつもりはないよ。それより、凛。きみは、これについて知って、なにをするつもりだい?」
「なにをするつもりかっていわれても……。って、なんでわたしの名まえを!?」
「これ以上いったら、おもしろくないじゃないか、凛。きみは、せっかちだなあ、凛は。
あ、そうそう。これだけは、いってあげてもいいよ。
ぼくは、きみの双子の兄・蓮を知っているよ。」
「! れ、蓮を!?」
凛は、思わず一歩ふみだした。声の主は、まるで凛の反応を楽しむようにつづける。
「ああ。そして、彼は『エルドラド』に関係しているよ。」
「『エルドラド』……?」
(なんだろ、それ。まったく、きいたことがない……。なにか、新しい団体名かな。)
「ぼくがいえることは、これくらい。じゃあね。」
「なっ。ま、待って!」
凛は、キャラバンの影に、走った。
だが、もうすでに、そこにはだれもいなかった。
- Re: ☆イナクロ☆キライなわけじゃないけどさ ( No.4 )
- 日時: 2012/11/16 13:49
- 名前: 柳 ゆいら ◆JTf3oV3WRc (ID: ftamISp/)
- 参照: もう全国大会おわった——ッ!!
2 時空間転移装置
蓮を『知りあい』といっていた者が去ったあと、凛はモヤモヤした気持ちと、わけがわからないという気持ちでいっぱいだった。
(蓮の知りあい? どういうことだろう……。それに、『エルドラド』って、いったい……?)
凛は、左のほうを見た。左には、青いキャラバン。
「これについて知れば、なにかわかるのかな……。」
たしょう気はひけたものの、凛はとびらを静かにあけ、キャラバンに乗りこんだ。
だが、乗りこんだところで、凛はカチンッとかたまった。
「な、なに、これ……。」
凛がかたまるのも、むりはない。この時代のものとは思えないほど、高度な技術を用いた機械が、あちらこちらにおかれているのだ。
「なんなんだろう、これ……。」
凛は、キャラバンのなかを、ゆっくり歩き、おくまでいったところで、「あれ?」と声をあげた。
「これ、わたしの夢にでてきた……。」
ハッとして、凛はまえのほうまで走っていった。そこには、どうやら運転手がすわるらしい席がある。ごくふつうの光景だが、凛にとっては、まったく信じられないものだった。
「これも、夢にあった……。なんで……!?」
(もしかして、あれは予知夢? でも、現実に予知夢なんてものが、ほんとうに存在するの?)
凛は、ふしぎな気持ちで、そこに立っていた。でも、もうすこしだけ中を見てみよう。
そう思ったが、凛はまた走り、ふたたびおくまでいくと、小さな荷台のようなところに、身をひそめた。とても、荷物をおけるような大きさではないが、ひとのからだが入るだけのひろさはあった。とはいっても、凛が横に入って、すこしキツいくらいの大きさだったが。
凛があわててそこに身をひそめたのは、まどから見えたもののせいだ。サッカー棟の階段をおりてくる、少年少女が見えたのだ。それだけなら、まだいい。
なんと、クマが歩いていたのだ。それも、ぬいぐるみのような形をしている。
(あれって、歩くぬいぐるみ? だとしても、どうかんがえてもこの時代のものじゃない。まるで……。)
まるで、未来のものだ。そう思ったとき、
「あれ?」
「どうしたの、フェイ?」
「あっ、天馬。ここ……とびら、しめたと思ったのに、あいてる。」
「もしかしたら、ほんとうはしめてなかっただけじゃない? たまには、そういうこともあるよ。さ、入ろ。」
ふたりの声がきこえた。どちらも、声質からして、おそらく男子だろう。
いちどガタンと、階段に乗りこむ音がすると、次々乗りこんでくる。
そのとき、凛のいる荷台のそばに、しずかにすわった者がいた。凛は一瞬、心臓が跳ね上がったが、どうやら気づいていないらしく、となりにすわった者に話しかけられ、談笑しはじめたようだった。
(こわ……。)
「それじゃあ、幕末へ出発だな!」
「うお〜、坂本さんぜよ!」
「沖田(はあと)。」←水鳥は、こんなじゃなかったと思います、はい
「アーティファクト、セット!」
(ア、アーティファクトォ?)
「タイム・ジャンプ!」
(は?)
凛が顔をしかめたとき、チラチラ見えるまどの外の風景が、ガラッと変わった。
凛が見た、あの虹色のかべ。凛は、その虹色に見入ってしまった。よくはわからないが、さっきの「タイムジャンプ」ということに、関係しているにちがいない。凛は、そう予想した。
そして、数十秒後、ふたたび景色がかわり、青空がひろがった。そこで、凛はやっと見入っていたことに気づき、われにかえる。
「おおっ、ここが、坂本さんのいた、幕末か!?」
「おちついてくださいよ、錦先輩。」
「しかたないじゃき。ああっ、待ち切れんぜよ!」
まえのほうでわめいている……錦というのだろう。錦はわめき、そして同時に、「わあっ。」とか、「ちょっ、錦、身をのりだすな!」などと、錦に被害を受けたり、錦をとめたりする声がきこえる。そんな、他愛もない光景を、凛はうらやましく思いながらきいていた。
(ちょっとまえまでは、きっとあんなふうだったんだろうな……。)
凛は、自分の肩にも満たない長さの髪を見ようと、漆黒のひとみを動かした。しかし、見えるはずの、ひとみとおそろいの黒髪は、とても見えなくて。
「よし、着地だ……と、そのまえに、やめろといっているだろう、錦!」
着地前までおこられてるのかよ……。凛は、ひそかにそんなことをかんがえていた。だが、こんなふうに、ふきだせるような光景が、凛はむかしから大好きだった。
いまは、そんな場面をつくりだせるような明るさを、まだ持ち合わせているかどうかは、不安なところではあったが。
「みんな、おりて。」
数十名のひとびとが、ワイワイと話をしながら、キャラバンを降りていく。
が、いちばん凛の近くにいた……いや、近くにすわっていた者が立ちあがった瞬間、凛の手が、ぐいっと持ち上げられた。
- Re: ☆イナクロ☆キライなわけじゃないけどさ ( No.5 )
- 日時: 2012/11/18 19:01
- 名前: 柳 ゆいら ◆JTf3oV3WRc (ID: ftamISp/)
- 参照: もう全国大会おわった——ッ!!
3 バレました
凛の手が、ぐいっと持ち上げられた。
(なっ!?)
「やっぱりな。」
「うわっ。」
凛の心中の声、低く冷たい声、おどろきの声。三つの声が、同時にかさなり、キャラバンにひびいた。キャラバンをおりていた者たちも、三つの声で、「なに?」と、ふたたびキャラバンに入りこむ。
凛を荷台からひっぱりだしたのは、つり目をした、オレンジの目の持ち主だった。髪は藍色をしている。
「荷台に入りこむなんて……かんがえたものだね!」
「フェイ、そこ、納得するところじゃないって;;」
「おまえ、なに者だ?」
藍色の髪の少年の質問は、むだな説明をすべてはぶいた、簡潔な質問だった。凛はこたえても、こたえなくても、どちらでもあまりかわりないと思ったが、凛の口からは、しぜんとこんなことばがもれていた。
「『エルドラド』……。」
「!」
凛のセリフに、その場にいた全員の顔がこわばる。
「って、いったら、どうするんですか?」
「もし、そういったならば、」
「ぼくらは、きみを敵と見なして、戦いをもうしこまれたら、とまどわず戦うよ。」
「そっか……。」
「で、けっきょく、どちらなんだ?」
手をキツくつかみつづける少年の、オレンジのひとみが、凛の漆黒の目をじっと見つめる。
「ごめんなさい、まぎらわしいこといって。ふつうに、雷門中の生徒です。」
「えっ、でも、なんで、エルドラドを知っていたり、このキャラバンに乗っていたりしたの?」
髪の毛が、まるでチョココロネのようにクルンクルンになった少年が、凛に問う。凛は、しょうじきなことをいうこともできなにので、いろいろとつくりかえていった。
「エルドラドのことを知っているのは、あちこちでしゃべっていたから。それから、キャラバンに乗っていたのは……そう、興味があったから。」
「興味本位で乗っていたのは、どうかと思うんだけど……。」
ライトグリーンの髪の少年が、一瞬顔をゆがめる。
「ごめんなさい。」
(でも、このひとたちは、『エルドラド』とかいうのとと敵対関係。もしかしたら、このひとたちに関わっていたら、蓮について、なにかわかる……?)
「しかし、ここまできてしまったからには、しかたない。今回の旅だけ、動向を……。」
「あの……これって、もしかして、雷門中サッカー部の集まりですか? 新雲のかたも、いますけど……。」
凛は、とりあえず、「今回の旅だけ」という話を進行させないため、べつの質問を投げかける。
と、いうか、いまだ凛は、荷台のところにひざだち(しかも、かなりキツい)のままなので、いいかげん立ちたいのだが、とても立っていい雰囲気ではなく……。
「じつは……。」
「待って、天馬。」
「えっ、どうしたのさ、フェイ?」
「あぶなかったよ。すっかり、流しちゃうところだったや。『エルドラド』なんてセリフ、だれがいってたわけ?」
凛は、ギクッとした。たしかに、そんなふうにいわれても、しかたない。虹色のかべをした空間にいたのは、たった十秒ちょっと。あちこちでいっていたなんて、デタラメだ。
そんなにすぐ、見破られるとは思ったいなかったのに……。
「それは……。」
「やっぱり。こたえられないんだね。ほんとうのこと、はなしてもらわないと。……あ、でも、みんなは坂本龍馬と、沖田総司をさがしにいって。ぼくが、この子の話をきいているから。」
「うん、おねがい、フェイ。」
フェイといわれた少年と、凛以外が全員、外にでていくと、彼は凛を、キッとにらんだ。
「で、どういうことなの?」
「どういうことなの、っていわれても……。難しいところがあるんですが。」
「まず、なんできみが、エルドラドを知っているか。」
「……エルドラドって、ニューワードじゃなくて、一般用語なんですか?」
「え;;」
「え、ちがうんですか。」
「ちがうといえばちがうけど、あってるといえばあってる……かな。」
「ふうん……。」
(でも、このひと、なに者? なんだか、現代ではあり得ないようなファッションなんですけど……。)
凛は、思わずフェイを、細い目で見てしまう。フェイは、それにじゃっかん傷付いたらしく、凛のまえで、二度目の顔をゆがめた。
「え、なに、ぼくなんかへん?」
「現代のファッションではなさそうだなあと思って。」
「えっ……;;」
「え、もしや、ズボシですか? 現代人じゃないんですか?」
凛は、フェイに、質問を投げかける。
「そ、それは、えっと……。」
「未来人らしいですね、かっこう的に。となると、さっきいっていた『坂本龍馬』というのは、この時代にいて、タイムスリップした、というところですかね。」
「…………。」
「なにもいえないくらい、ピンポイントであってるんですか?」
「ア、アタリです……;;」
「すご、わたし。」
「自分でいう!?」
(ていうか、完全に本題からズレはじめてるわよね? チャンスッ☆)
凛が思わず、ニヤけそうになったとき、
「あっ、いけない。本題からズレてきてた。」
(思い出したらしいわ。)
「っていうか、きみ、なにが目的で、ここに乗りこんでたの?」
「……もう、これ以上ウソついても、むりみたいですね。」
「えっ?」
「わたしの双子の弟……櫻田蓮について、知りたかったんです。」
「蓮? きいたことのない名まえだね。」
凛は、目をそらす。
「蓮は……。」
- Re: ☆イナクロ☆キライなわけじゃないけどさ ( No.6 )
- 日時: 2012/12/11 18:30
- 名前: 柳 ゆいら ◆JTf3oV3WRc (ID: ftamISp/)
4 櫻田連
夕日が暮れはじめ、ふたりともほおが赤くそまりはじめたとき、母の声がきこえた。
「ふたりとも、はやくもどってきなさーい!」
「「はーい!」」
ふたりは声をあわせてボールを蹴るのをやめ、手に持つと、母のもとへとかけた。母はそんなふたりを、ほほえみながらむかえる。
「楽しかった? サッカーは。」
「うん! やっぱりたのしいねっ。」
「そうだよね。わたし、サッカーだいすき!」
「ボールをけってるだけで、あいてのおもいが、なんとなくわかるんだ。だから、わかりあううえで、とってもたいせつだよね!」
「わたしも! わたしもそうおもう!」
「ふたりとも、それはいいけど、パパが待ってるわよ?」
「いけない! いこう、りん!」
「うん、れん!」
ふたり……櫻田凛と、櫻田連は、自宅にむかって、母をおいてかけだした。
○ ● ○ ● ○
「蓮とわたしは、ふたごの姉弟だったの。」
「ふたごの……。」
フェイは、口の中で、そのことばをくりかえした。
「仲がよかったし、ケンカすることなんて、ぜんぜんなかった。そのせいかも。最初で最後の、ケンカをしたんだ。」
○ ● ○ ● ○
「ねー、凛ー。」
凛と蓮が、小学四年生になったときのこと。
ふたりは宿題中、ちょっとした雑談をはじめた。
「ここの問題、わかる?」
「ああ、ここね。ここは、ここの分数をこうして、ここをこうすると……ね?」
「ほんとだッ。凛、あたまいいね。」
「そんなことないよ。サクラちゃんに、教えてもらったんだもん。」
「最近、よくきく名まえだな、サクラちゃんって。そんなに仲いいのか?」
「うんっ。もしかしたら、わたしたち以上かもっ♪」
「え……っ?」
凛のセリフをきいたとたん、蓮はかたまった。
「どうしたの、蓮?」
「あ……う、ううん、なんでもない……。」
「わたし、サクラちゃん家、遊びにいってくるねっ。」
「うん……いってらっしゃい。」
凛はとびらをあけて、外へ飛び出し、蓮はつくえに、むかいつづけた。
「ただいまー!」
凛が家に帰ってくると、シンとした、冬らしい、冷たい空気が、家全体を満たしていた。その寒さは、凛のからだを、トンとついた。
「さむぅい……。」
(あれ? 蓮は?)
凛はくつをぬぎ、ゆっくり廊下に上がる。ピカピカにみがかれたゆかの上を、すべるように歩きながら、リビングにむかう。とちゅうに、洗面所、キッチンとくるが、だれもひとは見あたらない。
リビングにピョコリと顔をだしたが、だれもいない。
「二階……かな。」
廊下をすこしもどると、十六段の階段があらわれる。その左手には和室があり、ふすまでその世界はとざされている。
階段を上がっていくと、一段一段が冷えており、凛の足を冷えさせた。
「蓮ー?」
二階に上り終えると、おそるおそる声をだしてみる。自分の家なのに、だれもいないだけで、まるでバケモノ屋敷のような雰囲気さえかもしだしていた。
「凛?」
「れッ、蓮ッ!?」
蓮の声がきこえた部屋に、走った。
入ったところは、さまざまなDVDがおさめられている部屋だった。蓮は、冷静にゆっくりとふりかえると、凛を見る。その目には、生気さえ宿っていないような、冷たさが感じられた。凛は、思わずしりぞく。
「ッ——。」
「凛……もう、もどってきちゃったんだ。」
蓮は、残念そうにそうつぶやく。凛は、いぶかしげに思い、ききかえした。
「どういうこと?」
「ぼくと凛の、むかしのビデオを見てたんだよ。……むかしは、ぼくと凛、ふたりとも、いちばんだったのにね。」
「えっ……?」
「おたがいがいちばんだったのにね、ってことさ。でも、いまはちがうだろう? ……ぼくは、凛がいちばんだけど。」
「な、なにいってるの! わたしは、蓮よりも好きなひとなんて……ッ!」
「うそだ。じゃあ、サクラちゃんは?」
「あ……。」
凛は、ことばを失った。蓮は、どこかで凛がいいかえしてくれるのを期待していたが、ムダだったらしいと確信し、フッとほほえんだ。
「やっぱり。なにもいいかえせていないでしょ?」
「そ、それは……ッ。」
「なにをいったって、ムダだよ。ぼくは、もう確信しちゃったよ。凛のなかで、ぼくはいちばんじゃなくなった、ってね。じゅうぶんだ。……でてってよ。過去を楽しみたいんだ。」
「れ、蓮がいちばんだよ! サクラちゃんは、サクラちゃんは……ッ。」
「うるさいよっ。」
蓮は、せまい部屋のなか、いきおいよく立ちあがった。凛はビクッと、身をすくませる。凛よりも数センチ背のたかい蓮が、凛を見る目は、するどく、殺気のようなおそろしさに満ちていた。
「凛になにがわかるの!? でてって! いや、でてけ!」
「あ……え……。」
おしだされた凛は、とびらのまえで立ちつくした。
- Re: ☆イナクロ☆キライなわけじゃないけどさ ( No.7 )
- 日時: 2012/12/02 19:09
- 名前: 藍紅 ◆JTyw4zQ2h. (ID: ZUkStBmr)
- 参照: 藍紅のハッピーエンドプロジェクト再始動!
ゆいら☆
俺だよ☆←
京「誰ですか?」
藍「藍紅です!!」
京「記憶に御座いません」
藍「京介酷いんですけど」
京「ちょっと何言ってるか分かんないですね」
藍「あぁ?」
お久しぶりです。藍紅です。覚えていてくれたら幸い…。
京「覚えてねーだろ、お前みたいなks」
藍「うっわ酷い」
ほ、ほら、京介きゅん溺愛してるトコとか!!ねっ?←
京「死んでこい、無礼者。斬って捨てよ」
藍「え、ちょっ、……あ、沖田さん」
京「この時代に居ないだろ」
藍「あっりゃあ…あ、優一さーん(ノシ」
京「えっ(バッ」
藍「逃)」
京「あっ、テメコラ待て」
みたいな茶番してた奴です。思い出してくれ…
というか、蓮と凛って……←
京「ボカロ?って聞いたら負けな」
藍「あー、聞きそうだったわー……」
京「双子なら定番の名前だろ、蓮と凛って。」
藍「そうだけど…」
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