二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- カービィ達がクトゥルフ神話TRPGをするようです。
- 日時: 2012/11/30 18:53
- 名前: グレイ ◆Qk0AOa1nlU (ID: jOSKkG.u)
はいどうも、初めましての方は初めまして、グレイです。
今回は久し振りにカービィの小説です、なのにクトゥルフ神話です。おかしいね!
まぁ、それはさておいてですね←
先にざっとご注意です
・今回は【クトゥルフ神話TRPG】小説となります。恐怖を主に楽しむためのTRPGのリプレイノベル風です。
・なのに、カービィキャラ達でなるべく【神話生物たちの怖さを和らげる】という荒い手段を使用します。
・というか、グレイが【クトゥルフTRPGのルールをまだあまり知っていません。】
・ルールを毎回毎回探しながらやってきます、【見つからない場合は独自ルールとなります。】
・本編のTRPGの際、現代日本的な場所でカービィ達はクトゥルフをします。その際には【カービィ達の描写に人に近い描写が多くなります。】擬人化と考えてくださっても良いですし、苦手だという方は原形のままお楽しみください。
・ちなみに、グレイはどちらかというと【ロールプレイング推奨派】です。ダイスは振りますが、ダイスだけでは解決しません。
・【グロ、えぐい表現が多い】かもしれません。ご注意ください。
・あえて、【元にした神話生物の特徴は解説しますが、画像などは絶対に載せません。】調べたい、という方は自己責任でお願いします。
・【文章の修行中なので、描写が下手なときがあると思います。】
シナリオは全力でオリジナルです、元となる神話生物等々は出ますが、ラスボスとかカービィのボスキャラ共です。思いっきりド素人のシナリオです。
なので、全然怖くないかもしれま……むしろ宇宙的恐怖をちゃんと描写できないなどありかねないです。怖いです←
それでも頑張りますので(シナリオ決定2012/11/19)
複雑ファジーの方と掛け持ちして執筆する予定ですので。悪しからず。
ゆっくり気長に眺めてやってください。では。
因みに、作者はとにかくニャルラトテップの化身やら何やらが苦手です、少々トラウマです。ちょっと酷いこと言うかもです(笑)
目次
序章の序章(一気読みなら>>1-4、短いけども)
>>1 >>2 >>3 >>4
1章 始まるのは一体
>>5 >>6 >>7
- Re: カービィ達がクトゥルフ神話TRPGをするようです。 ( No.2 )
- 日時: 2012/11/17 15:10
- 名前: グレイ ◆Qk0AOa1nlU (ID: jOSKkG.u)
- 参照: http://現在シナリオを決めるため、準備中……
序章の序章
【PL】
「それでは、最初にプレイヤーキャラクター達を作成いたしませう」
カービィの家にて、部屋の中にはエヌゼットを含めた7人が、テーブルの上にあるパソコン越しに座っている。
他にも、テーブルには3面、6面、10面等々のダイスや、メモ用紙、筆記用具等々が置かれていた。
「で、今回はパソコンも使ったクトゥルフなのカイ?」
「はい、上司がプレイの再現VTRを作ってくださるそうなので。他にも色々な作業のため、パソコンを使用いたします」
「初心者ばっかで良く分かんないけど、ダイスを振れば良いのサ?」
「ええ、サイコロを振って自身の分身となるプレイヤーのステータスや技能を決定してくださいませ」
すでに興味津々なカービィが、10面ダイスを振って遊んでいるのを、マホロアは一発グーで殴り、落ち着かせる。
そんな様子をワドルディとリボンは苦笑いしながら眺めていた。
そして、ワイワイとプレイヤー決めに取りかかっていくのである。
「あー……確か、EDU(教養)×20で技能の割り振り……であってるか?」
「そうッス! オイラは一応一回だけマホロアさんとやったことあるんで、少し皆さんより先輩ッス!」
「確かワドルディ、前回はSAN値が0になったんだよネェ」
「……苦い思い出ッス……」
ニコニコと笑いながら言うマホロアに、げんなりとした表情でワドルディはダイスを振った。
ダイスはコロコロと転がり、止まる、ワドルディはメモ用紙に記入する。
「……僕、初心者だし全然分かんないんだけど……」
「ジャ、僕が代わりに振ってあげるヨォ、マルク」
「……別に良いけど」
少々、いや、本格的に影を含んだ笑みでマホロアはマルクのダイスを振っていた。
「職業……私はどうしましょう…………?」
「あ、リボンさんは申し訳ありませぬが今回、学生探索者です」
「学生ですか?」
「はい、年齢的に……」
「大丈夫です! 頑張ります!」
エヌゼットは笑いながら、学生探索者は弱いんですけどね……と呟く。
しかし、リボンは何か言いました? という風に訪ねる。
エヌゼットの心の小さな呟きは、リボンには届かなかったようだった……
「さて、みなさんプレイやキャラ達は決まりましたでせうか?」
「うん!」
「みたいなのサ」
「ダヨォ」
「OKッス!」
「大丈夫です!」
「いけるぜ」
全員の声がそろった。
- Re: カービィ達がクトゥルフ神話TRPGをするようです。 ( No.3 )
- 日時: 2012/11/17 17:05
- 名前: グレイ ◆Qk0AOa1nlU (ID: jOSKkG.u)
- 参照: http://現在シナリオを決めるため、準備中……
序章の序章
【PL】
「それでは、それぞれの皆さんのキャラクター紹介です。ステータスはこちらのパソコンに纏めましたので参照にしてください。では、カービィさんから自己紹介をお願いいたしまする」
そう言って、エヌゼットは視線をカービィの方へと向ける。
それと同時に、他のメンバーの視線もカービィに移ったのが分かった。
カービィは少し動揺しつつも、元気に紹介を始める。
「えっと……僕のキャラは【星野 桃太/ほしの ももた】! 職業はジャーナリストだよ! 因みに、リボンちゃんのキャラとは親戚同士って言う設定になってます! あと、マルクのキャラとは幼なじみだよ!」
手を上げて紹介するカービィに、メンバー達はおのおのの反応を見せる。
中でも、リボンとマルクはカービィ……星野の設定を知らなかったらしく、少し驚いていたが、逆にすぐ合流しやすいだろうと気づき、小さく安堵の溜息をついた。
「細かいステータスはこうなっております」
【星野 桃太/ほしの ももた (24) ジャーナリスト
STR(筋力):8 INT(知性):15 APP(外見):13
CON(体力):9 POW(精神):12 EDU(教養):18
SIZ(体格):9 DEX(敏捷):16 SAN(正気):60
技能…写真術(80)図書館(80)信用(70)言いくるめ(70)こぶし(60)説得(60)応急手当(50)隠す(40)隠れる(40)忍び歩き(40)】
「んー? ……教養と敏捷が良いんだな……」
「……アレ? こいつ無駄に技能が探索面には高スペックじゃネ?」
「……ですね、戦闘は微妙ですが、探索面では期待できるでせう」
少しばかり微妙な顔をしたエヌゼットは、パソコンに何かを打ち込む。
そして、
「次はマホロアさんです、お願いします」
今度はマホロアの方に視線が移る。
そんな周りに、マホロアは少し溜息をついた。
めんどくさそうに自分のステータスを書き込んだ紙を見ながら、言う。
「僕のキャラは【青木 遥/あおき はるか】職業は探偵ダヨォ」
「マホロアさんは結構やりこんでいるタイプのプレイヤーさんのようですね……こちらが細かいステータスです」
「当たり前ダヨォ。一応初心者じゃないシ。マァ、今回も生き残るヨォ」
【青木 遥/あおき はるか (25) 探偵
STR:10 INT:15 APP:14
CON:13 POW:15 EDU:16
SIZ:10 DEX:14 SAN:40
技能…心理学(50)目星(80)拳銃(80)鍵開け(35)自動車(30)言いくるめ(45)クトゥルフ神話(16)】
「ふむ。ザ・探偵というキャラですね。拳銃は何故お持ちで?」
「モデルガンだヨォ。元々このキャラは刑事だったシ、前回のことで色々あってネェ」
「あ! マホロアさんクトゥルフ神話の技能持ってるじゃ無いッスか!! 前回の遥さんッスよね?」
「そうだヨォ。ま、クトゥルフ神話はあってもあんまり良いことはないヨォ、SAN値の最大値が減るしネェ……」
「クトゥルフ神話技能って?」
首をかしげてカービィはマホロアに訪ねる。
よく見ると、他にもリボンやデデデ、マルクもなんだそれはと言った表情をしていた。
初心者であるメンバーにとってはしょうがないのであるが。
「クトゥルフ神話技能とは、宇宙的恐怖を味わった者だけが習得可能な技能です。SAN値の最大値が減りますが、神話的生物など、宇宙的恐怖と遭遇した際に、それらの弱点などが分かる場合があります」
「便利なんだねー!」
「全然。SAN値が40とかちょっとしたグロッキーで発狂だヨォ」
盛大に溜息をつき、やれやれと手を振るマホロア。
それは何処かに弱点がある、と言いたげなようだ。
そして小さく、
「だって僕のキャラが発狂して拳銃でみんなを大虐殺とかあり得るからネェ?」
と言うと、エヌゼットとワドルディ以外のメンバーの表情が凍り付いたのは言うまでもない。
「では次、リボンさんお願いします」
ニコリとした表情で、エヌゼットはリボンの方を向く。
待ってました! と言うように目を輝かせ、ふふんと自信満々に目を輝かせている。
リボンは立ち上がると、笑顔で手を上げて紹介を始めた。
「はい、私のキャラは【活莉 歩夢/かつり あゆむ】です! えーと、女子高生って言う最強職らしいですよ!」
「嘘吐け」
真顔でマルクが誰よりも早く突っ込んだ。
「女子高生が最強だなんて聞いたことが無いのサ」
「え!? だってエヌゼットさんが……」
「拙者、一言もそんなこと言っておりません。むしろ紙でせう」
そう言って、エヌゼットは歩夢のステータスをパソコンに表示する。
【活莉 歩夢/かつり あゆむ (17) 学生
STR:3 INT:10 APP:17
CON:8 POW: 9 EDU:14
SIZ:7 DEX: 8 SAN:55
技能…忍び歩き(50)乗馬(50)回避(60)目星(60)図書館(60)】
「ちょっと待テ、何で乗馬技能なんて持ってるんダイ!?」
「え!? ダメですか!? お馬さんに乗ってみたかったんです!!」
「現代も道端に馬が走ってればね、なのサ……」
「しかも敏捷性が9って……」
「体格が太ってるわけじゃ無いんだろ? んじゃあれか? リボンの所の王女みたくドジっ子か?」
「逆に面白くなりそうでせうね」
流石にこのステータスにはみんなが食いついたようだ。
パソコンの画面にみんながツッコミを入れている。
「あ、次行きましょう」
- Re: カービィ達がクトゥルフ神話TRPGをするようです。 ( No.4 )
- 日時: 2012/11/19 17:39
- 名前: グレイ ◆Qk0AOa1nlU (ID: jOSKkG.u)
- 参照: http://現在シナリオを決めるため、準備中……
序章の序章
【PL】
「ん? 俺か」
少し、間が空いた後に少し大きめの声が響いた。デデデである。
リボンのキャラへのツッコミに食いつきすぎて、自分の紹介の番だと忘れていたらしい。
「俺のキャラは【氷室 大我/ひむろ たいが】刑事だぜ! あと何か護身術ってノリで武道やってたらハマって、いつの間にか特技になったって言う設定があるぞー!」
「ガチムチですよ、ステータスをどうぞ」
【氷室 大我/ひむろ たいが (42) 刑事
STR:17 INT:10 APP:11
CON:15 POW:14 EDU:14
SIZ:15 DEX: 8 SAN:80
技能…組み付き(99)武道:マーシャルアーツ(90)回避(80)追跡(11)】
「コレは……明らかな戦闘タイプだネェ」
「シナリオが探索系だったらやばいッスよ……お払い箱ッスよ……」
初心者では無い2人組から突っ込まれて、デデデは少し焦ったのか、わたわたしている。
よく分かっていないらしいカービィとリボンはきょとんとしていて、そんな様子を見て、マルクとエヌゼットはニヤニヤと悪戯っぽく笑っている。
「まぁ、シナリオは探索も戦闘も兼ねた物でせう。心配はいりませぬ」
「良かったぁぁぁぁ…………」
壁により掛かって大袈裟に息を吐くデデデに、今度は完全にツボッたらしいマルクが爆笑した。
ほのぼのとした空気を確認し、エヌゼットは次の方、と声を掛ける。
「オイラの番ッスね! オイラは【中谷 和戸/なかたに かずと】大王と同じく刑事をやってるッス! 因みに大王の後輩ッスよ!」
「鉄板の刑事でせう」
【中谷 和戸/なかたに かずと(22) 刑事
STR:11 INT:10 APP:16
CON:11 POW:15 EDU:14
SIZ: 8 DEX:16 SAN:75
技能…拳銃(75)説得(30)目星(80)聞き耳(75)回避(80)図書館(10)】
ふむ、とワドルディこと和戸のステータスを見て、マルクは簡単に考察を述べた。
「簡単に言えば、基本的に探索でもしもの時は拳銃って言うタイプか……そこの猫耳と似てる気がするのサ」
「猫耳じゃネェよ。ぶっ飛ばすぞ道化師ガ」
2人とも笑顔であるが、目が全く笑っていない。
こころなしか、2人の間にダイヤモンドダストが吹き荒れているような気がした。
「つ、次行きませう……耐えられない……」
エヌゼットの声は、最後の方は掠れていて周りには聞こえなかった。
「最後は僕か……えーと……【道興 紫化/みちおき ゆかりか】……職業は……ハァ!?」
「……こちらをどうぞ……でせう……」
【道興 紫化/みちおき ゆかりか (24) 詐欺師
STR:4 INT:16 APP:16
CON:6 POW:14 EDU:17
SIZ:7 DEX:12 SAN:75
技能…心理学(90)信用(70)言いくるめ(45)目星(90)回避(30)】
「こ……れは……」
「コレは酷い」
「言い切ったな!!」
全員、職業の辺りで最早うわぁ……という目をマルクに向けている。
「違うのサ!! 僕はマホロアに適当に振って貰っただけなのサ!!」
「何言ってるんダイ? 僕は助言しただけで、職業自分で決めて、自分で振ってたじゃ無いカ。似合うよ似合ウ……ププッ」
「いっぺん輪廻、巡って来い」
「上等だヨォ」
ドンパチ始めた2人から逃げるように、エヌゼットはパソコンを抱えて家を飛び出した。
流石にデータの詰まっているパソコンを破壊されてはきつい上に、エヌゼットにはあの修羅場をパソコンを守りつつ潜り抜けられる力を持っていなかった。しょせんは雑魚キャラ、悲しき運命である。
ただ、そんなエヌゼットにもやることはあるらしく、カービィの家の裏で中の喧噪を聞きながら、パソコンのメールを打ち込み、何処かへと送信したのだった。
————
これにてプレイヤー紹介は終了、次回からは本編……です。
- Re: カービィ達がクトゥルフ神話TRPGをするようです。 ( No.5 )
- 日時: 2012/11/21 16:23
- 名前: グレイ ◆Qk0AOa1nlU (ID: jOSKkG.u)
- 参照: http://ははは、検索が大変だ。
1章 始まるのは一体何か
【PL】
「最初に、ご忠告をしませう」
静まりかえった家の中で、エヌゼットの声だけが良く響く。
因みに、喧嘩はカービィが鬼ごろし火炎ハンマーで鎮圧したようである。これ以上は言えない。
「クトゥルフ神話TRPGは、恐怖を楽しむための物。いきなりホラーシーンがドン! と現れることが多いのです、特にリボンさん、泣かないでくださいませ。そして、突如降臨する目を背けたくなるような邪神達、生き物だと言えるのかどうかすら危うい生物、生暖かい血液が飛び散り、ぐちゃぐちゃにされた肉塊。そんなものも現れます。覚悟を決めてくださいませ。まぁ、多少は自粛いたしますが……」
ごくり、と誰かがつばを飲み込む音が聞こえた。
「それでは、ゲームを始めませう。今回の目標は、勿論なるべく全員生還ですね。最初はリボンさんの探索者のRP(ロールプレイング)からです」
「はい!」
最初のエヌゼットの忠告の重い雰囲気を吹き飛ばすような声が聞こえた。いや、むしろ聞いていなかったのであるが。
嬉々とした表情で、リボンは答えた。
エヌゼットはにっこり笑って、良い心構えでせう。と呟く。
「あと、ここで誰か1人を合流させることが出来ますが、どうなされますか?」
「ジャア、僕が行くヨォ。何が起こるか分かんないしネェ」
すぐさまマホロアが名乗りを上げる。
周りも異論は無いようだ。
「それでは、歩夢さんの最初のシチュエーションをお教えします。マホロアさん以外の方は退出をお願いしたしまする」
「えー」
「何でだよ?」
カービィとデデデは不満そうな声を出す。
「仕方ないッスよ、だってオイラ達は他の所に居るって言う設定なんスよ。違うところにいるのに、知ってるのはおかしいじゃないッスか」
ワドルディの説得に納得したのか、2人は渋々といった雰囲気で家を出る。
因みに、マルクは言われてすぐに家の外に出ていた。
「さて、今からシチュエーションをお教えしますのでお好きなように動いてくださいませ」
好きなように、と言われてリボンは少しパニックに陥る。
初心者である、と言うことで何処をどうすれば良い方向に向かうか分からないから、であるのだろう。
「クトゥルフとかの良いところは、こういう自由なRPだからネェ。自分の探索者になりきって、この子だったらどう思うカナ……? って考えながらやってけば良いんだヨ。まずはシチュを聞きなヨォ」
「……そうですね!」
【RP】
女子高生である活莉歩夢は、夕暮れの住宅街を歩いていた。
この道はいつも通るのだが、街灯も人気も少ない。
しかも、普段ならもう少しは止めに帰るところだったのに、先生に引き留められて遅くなってしまったのだ。
(うーん……暗いですし、走って帰りましょう)
歩みを早める歩夢、すると、後ろからタッ、タッ、タッ、と走るような音が聞こえてくる。
ジョギングをする人だろうか?
(まぁ、走ってるだけでしょうしね)
そう思い、歩夢はそのまま軽く走る。
走っている音は、いつの間にか真後ろに聞こえた。
その時、誰かに押されたような感覚がして、歩夢は前のめりに転ぶ。
「いたっ!!」
《幸運ロール:45→50(失敗)》
転んだ際にリボンは足首を捻ってしまったようだ。
動かそうとすると、鋭い痛みが走る。
すると、いきなり右の腕の手首部分を強く捕まれた。
「な、何をするんですか!?」
掴んできたであろう人物は、ただ白いだけの仮面とニット帽で顔を隠しており、何処か不気味である。
振り払おうともがくが、振り払えない。
「だ、だれか——ッ!?」
突然、歩夢の右腕に鋭い痛みが走った。
反射的に右腕を見ると、注射器を刺されている。
【PL】
「あ、ここで一度、幸運ロールします!」
「分かりました」
【RP】
《幸運ロール:45→32(成功)》
歩夢が注射器をふと見てみると、夕焼けの色でも分かるくらいに黒い色の液体が入っていた。
それを無理矢理押し込み、歩夢の二の腕辺りから血が流れ落ちる。
「———いっ!?」
【PL】
「ここで一旦、マホロアさんの番です」
「了解、ダヨォ」
【RP】
青木遥がコンビニで夕飯を購入するために夕暮れの街を歩いていると、50メートルくらい前方の所で何か不審な動きをしている人物が居る。
どうやら、もみ合いをしているようだ。
「……何ダ? 喧嘩カ?」
もしそうなら止めなければと、走って近付いていくと、明らかに不審な人物が、大体女子高生辺りの女の子を襲っていた!
「お、女ァ!? ちょ、待て、寄るなそこォォォォオオオ!!」
遥の存在に気づいたのか、不審な人物はすぐに走って逃げていった。
《追跡ロール:85→90》
遥はすぐさま追いかけるが、男は路地を上手く使って遥は撒かれてしまった。
【PL】
「ハイィィ!? 何で私に怯えてるんですか!?」
突っ込むリボンに、マホロアはあれ? と言った表情でリボンを見ている。
因みにエヌゼットは最早引きつった笑顔だ。
「言ってなかったカナ? ワドルディ君と一緒にクトゥルフしたときネ、その時に登場した神話生物がニャルラトテップの化身、腫れ女だったんだよネェ。んで、その神話生物はね、扇子で目の下を隠すと凄く美人な中国人風の女性なんだけど。扇子を取ると、どうやって隠してたのか、その醜い本性を現すんダ」
「あ、もう拙者は察しました。黄灰の脂肪の塊のような強大な体躯に、不健康そうな肌色の触手が肩に生え、黒と黄色のチュニックを纏っています。目だけが可愛らしい女性のよう、そして小さな触手が生えた吐き気を催すような女神の神話生物です」
「そう、んで遥はその変貌を見てしまったんだヨォ。最終的には遥は完全に逃げ切ることが出来たんだけど、トラウマになって軽い女性恐怖症になったんだヨォ」
「何か、気持ちは分からなくも無いんですけど……何でマホロアさんが私と合流するのに名乗りを上げたのかが不思議です」
うんうん、とエヌゼットは何か同情をしたようにVTRの遥を見詰めている。
マホロアはマホロアで、この状況を楽しんでいるようだ。
ただリボンだけがツッコミを入れている。
「で、この後はどういたしませう?」
「とりあえず、歩夢の方に行くヨォ。色々探索しなくちゃダシ」
「分かりました」
- Re: カービィ達がクトゥルフ神話TRPGをするようです。 ( No.6 )
- 日時: 2012/11/26 18:10
- 名前: グレイ ◆Qk0AOa1nlU (ID: jOSKkG.u)
- 参照: http://ははは、検索が大変だ。
1章 始まるのは一体何か
【RP】
遥が先程の場所に走って戻ってくると、女の子はまだ同じ位置で座っており、すぐに遥の方に目をやる。
「あ、ありがとうございます……」
「気にしないでヨォ。一応元刑事だったしネェ……ちょっとこういうことを見てると許せない、って言うか……」
「そうなんですか……」
歩夢は立ち上がろうとするが、足に痛みが走って立つことが出来ない。
【PL】
「怪我した足は、どうにかなりませんか?」
「そうですね……応急手当という技能のロールでどうぞ。今回は50で良いでせう」
【RP】
《応急手当ロール:50→58(失敗)》
歩夢はスクールバックの中にハンカチがあったので、それを使って手当を使用としたが、失敗してしまった。
「いっつ……」
「大丈夫カイ? 足を捻ったノ?」
「はい……後ろから押されて……」
うーん、と遥は考えるような仕草をして、歩夢に問い掛ける。
「何で襲われそうになってたのか……分かるカイ?」
《目星ロール:60→94(失敗)》
「すいません……分からないです……」
「うーん……じゃあ、何かされなかったカイ?」
歩夢の頭に、先程の注射器が過ぎった。
「……何か、注射器で右の二の腕辺りに注射されました」
「……ソウ……」
再び、うーんと遥は考えるような仕草をする。
その間に、歩夢は立とうとするがまたも痛みが走り、前のめりに転びそうになった。
《人を“背負う”にはSTR対SIZの対抗ロールに勝つ必要がある。
遥STR:10 対 歩夢SIZ:7
→(成功)》
それに気づいた遥は、歩夢を支えて、背中に背負った。
「危ないヨ? とりあえず、家に帰ったらどうダイ?」
【PL】
ここで一旦VTRを止めて、エヌゼットはマホロアを見た。
「因みに、歩夢さんの内はここから3つほど電車に乗って駅に移動しなくてはならない距離にありまする」
「遠いナ」
「しかし、ここの辺りには親戚で仲良しである星野さんの家と、星野さんが働く家もありまする、電車に乗って家に送っても良いですし、星野さんの方へ合流しても宜しいです」
と言う風に告げると、マホロアは少し考えた後に、すぐにじゃあ星野の所に行くヨォ、と答えた。
因みにこの間約5秒である。
「合流を優先したいところだしネェ……」
「了解です」
「あと、ここでクトゥルフ神話のダイスは振れるカイ?」
「無理です」
無駄に爽やかな笑顔だった。
【RP】
「あの、ここからだと駅に行って3つくらい電車に乗らないといけないので……」
「遠い、ネ……そして僕も精神的にヤバイ……」
「?」
背負っている、つまり歩夢を背中に乗っけている状態であり、軽い女性恐怖症である遥にとっては精神的に来るものがあるのだろう。
どんどん顔が青白くなっていく。それでもまだ平気なのは、歩夢がかわいい系の女子だったからなのかもしれない。
「そう言えば、私の親戚の星野さんという方の職場とお家が近くにあるんです! 良くお泊まりをさせて頂くこともあるので、一旦そこに行くのはどうでしょうか?」
「……親戚ネェ……分かった。今日はもう暗いし、明日一緒に警察の方に行くケド……大丈夫?」
「分かりました!」
元気に答える歩夢と、力なくフラフラと歩夢を背負って歩く遥。
そして2人は、歩夢の親戚である星野の家に行くことになった。
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