二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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デュラララ!!【只今、番外編執筆中】
日時: 2011/11/23 20:36
名前: 絆(ほだす) (ID: Pvby2f.0)

ほだデス(_^_)

今回は、デュラララに挑戦してみましたw
シズちゃんメインです!

私的にシズちゃんは、
強いけど弱くて、ぶっきらぼうだけど優しくて、ってイメージがあるので
そこを上手く表現できたらなぁ〜と思います^^

キャラ崩壊とか、オリキャラ入れたりとかあるので
ダメ×な方は読まないほうがいいかもです(^_^;)

でわでわw

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Re: 自動喧嘩人形が誰かを守りたいなんて、おかしいですか? ( No.13 )
日時: 2011/05/03 19:51
名前: 絆(ほだす) (ID: 4NzAaWKB)

【君と私の過去。…私、幸せだったよ?】

6年前、といえば—
まだ皆が幸せで皆が仲良く暮らせていた頃。
…そして、まだ私が貴方を愛していた頃。

今思えばすごく幸せだった。
だって……
誰も私とあの人との愛の『犠牲』にならずに済んだから。
私があの人を……
愛せていたから。

 「久し振り、臨也お兄ちゃん!!」
 「久し振り。いつぶりかなぁ?…正月にあって以来か。
また大きく……可愛くなったなぁ^^」
 「お兄ちゃんったら〜!褒めても何も出ないよ〜?」
 「ははは^^」

……その頃私にはまだ、足があった。
足も…速かったと思う。

 「臨也お兄ちゃんかけっこしよ〜!!」
 「え〜?いいよ〜!!」

 「じゃ、よーい…どんっ!」

 「…やっぱり臨也お兄ちゃん速いなぁ…。」
 「ひぃも随分速くなったなぁ^^」
 「そぉ?」
 「うん。」

……その頃にはまだ、家族がいた。
お父さんとお母さんとお兄ちゃん。

 「テスト、どうだったか?」

 「舞梨〜、ご飯できたわよ〜。」

 「俺のサッカーの試合、観に来いよな!」

『あの人』のこと、本当のお兄ちゃんより大好きだった。
『あの人』のこと、誰が愛するよりももっと愛していた。
『あの人』のこと、信じてた。
『あの人』に会えること、話せること楽しみにしてた。

……今は……?

今はどうなの?

『あの人』は私の一体何なの?
私の大事に思ってる人って?
私が愛している人って?

『私、変わっちゃったの?』

家族が死んだくらいで?
そう、家族が死んだくらいで。

…私、ずっと自分は強いんだって思ってた。
でも……
家族が死んだくらいで愛も生き方も考え方も全部変わっちゃったんだよ?
私って、弱いのかな?
私たちの愛が、弱かったのかな?

『平和島静雄』は?
好きなの?
愛してるの?
守ってほしいの?
守りたいの?
失いたくないの?

多分、好きなの。
多分、愛してるの。
多分、守ってほしいの。
多分、守りたいの。
多分、失いたくないの。

でもさ……

 「また、私たちの愛で傷つけてしまうかも知れないよ?」

怖いな。

怖いな。

私って、こんなに臆病だったっけ?

私、自分がわからないよ……。

 『私を分からなくしたのは誰?』

そう。…そうだ…。

 『貴方か…。』


愛は時に、私を見失わせる。



















Re: 自動喧嘩人形が誰かを守りたいなんて、おかしいですか? ( No.14 )
日時: 2011/05/04 20:49
名前: 絆(ほだす) (ID: 4NzAaWKB)

【恥ずかしがり屋の君。私本当は…嬉しかった。】

とうとう俺に、退院の日が来た。
長かった入院生活ともおさらばだ。
でもそれは…
『彼女との別れ』を意味していた。

 「やっとしぃくん退院だね。おめでとう。」
 「サンキューな。」
 
 「もう…しぃくんと会えなくなるのか……。寂しいな。」
 「あぁ。……でも、医者が回復の経過を診たいからって毎週水曜ここにこいってさ。」
 「そっか。良かった〜^^…あ…
退院しても安静にしてないとダメだよ?しぃくんは無理ばっかりするんだから…。」
 「…あぁ…。」

俺は敢えて、「お前はいつ退院するのか?」とは聞かなかった。


すると、俺が荷物をまとめているときにある『客』が訪れた。

 「静雄くん退院おめでとう。」
 
そこに立っていたのは黒い髪に黒いメガネをかけている—
岸谷新羅だった。(+セルティ)

 「新羅とセルティか。有難な。」
 『退院しても大人しくしておけよ。傷口が広がるから。』
 「はは…。セルティもひぃとおんなじ事言いやがる。」

 「ひぃ?」

新羅は眉をひそめる。
ひぃ……ひぃ……ひぃ……ひぃ……?
舞梨…ちゃん?

 「ひ…舞梨ちゃん?」
 「あ、新羅さんお久しぶりです。」
 「なんかキレイなお姉さんが居るなぁと思ったら…舞梨ちゃんだったのか〜。大きくなったなぁ^^」
 
背後でセルティが黒いオーラを出して正拳突きの構えをしている。

 「新羅さんも素敵な彼女さんを連れて……^^」
 「だろ?僕のお嫁さんだからねぇ…^^」
 「ははは。」

少しセルティの機嫌がもどる。

 「しかしまさか静雄くんと舞梨ちゃんが同じ病室だとは…。
静雄くんが暴れたりしなかったかい?」
 「未遂はありましたけど…。
しぃくんにはいっぱい優しくしてもらいました。しぃくん、とっても優しいんですよ?」
 「ふふふ^^」

それじゃあ、と新羅。
 
 「二人の邪魔しちゃいけないからね〜。帰ろうセルティ!」
 『分かった。またな、静雄。』
 「新羅もセルティもありがとな〜!!」

そう言って二人は去っていった。

 「ひぃ、新羅とも知り合いなのか?」
 「うん。新羅さん、臨也お兄ちゃんの友達だからよく遊んでたの。」
 「……そっか。」

荷物をまとめ終わったらしい。
静雄は「そんじゃ、行くな。」そう言って病室を去った。


−次の週の火曜日−

 「よ、ひぃ。」
 「……しぃくん?」

何故か舞梨の病室に静雄はいた。
当然、舞梨もビックリした。

 「どうして…しぃくんが?」
 「……え、えっと……」

何故か言葉を濁す静雄。
…しかし次の瞬間、何かを思いついたようにこう言った。

 「ほら言ってたろ。医者にこいって言われたって。」
 「……今日、火曜日だよ?」
 「…あ…。」
 「ふふふ^^」

やられた……。
本当のこと言うしかねぇよな……。

 「///…お前に…会いに来たんだよっ……。」
 「知ってる^^」
 「///」

もうずっとずっと…彼女に会いたかった。
だから水曜日まで待てず来てしまったのだ。

……彼女が愛しくてしょうがない……。

彼女と離れてから初めて分かった。
…自分はこんなにも彼女に惚れているのだと。

静雄は彼女への愛をいっぱいいっぱい込めてギューッと彼女を抱きしめる。

静雄も舞梨も、何も言わなかった。

『言葉』じゃない『何か』で繋がっているから。
 

Re: 自動喧嘩人形が誰かを守りたいなんて、おかしいですか? ( No.15 )
日時: 2011/05/07 14:48
名前: 絆(ほだす) (ID: 4NzAaWKB)

【本当に一番人間らしいのは……?】

 「ひぃ、調子どうだ?」
 「いつも通りだけど^^」
 「そうか。」

静雄はあの日以来毎日彼女の病室に足を運んでいた。
舞梨もあまり迷惑に思っておらずむしろ、嬉しいようだった。
静雄の怪我の回復も順調に進んでいた。

…相変わらずの彼女の方は、何時退院できるのかも分からず。
『分からない』というのは本当だが、『それを聞けない』が正確だと思う。
それを聞いて彼女を傷つけたり困らせたりするのも嫌だし、此処を離れたらもう彼女に会えなくなるのかと思うと…怖かった。

『自分ってこんなにも臆病だったっけ?』
静雄はこの入院生活—彼女と過ごした時間で、自分でも気づけなかった自分自身のカタチを知ることができた。
…それこそ、自分自身の『弱さ』も。
自分で自分を抑えられないほどの力を持っているこの身体。
強さ故に自分自身を見失い、何もかも…分からなくなっていた。
だから、自分が臆病で怖がりだということも分からなかった。
でも、彼女は……自分なんかよりもずっと強くてずっとずっと傷ついてきたんだと。
自分は……彼女どころか、他の人にも及ばないほどこんなにも『心』が弱いんだということに気づいた。

彼女は本当に……強かった。

 「しぃくん、私がいつからここにいるのか…知ってる?」
 「事故にあったとき…からじゃないのか?」
 「そう。でも、事故があったのは6年前。
6年も入院なんて…おかしくない?」

…言われてみれば確かに…。

 「私ね、臨也お兄ちゃんの脛齧って生きてるんだよ。」
 「どういうことだ?」

 「私をこんなにしたのもお兄ちゃん、ここに入院するお金を出してくれてるのもお兄ちゃんなの。」
 「…てことは…?!」
 「退院する…っていうことは生活できない、もしくは…」
 「臨也と暮らさなきゃならねぇ、ってことか。」

確かに、足がなく不自由な彼女が社会に一人で出て生活できるとは思えない。
だからといって、臨也に直接世話になるのは避けたい…か。

彼女は悔しそうにこう言った。

 「私…ずるい人間だよね。だって……
皆がこんなになっちゃったの…私のせいだって分かってるのにお兄ちゃんのせいにしようとしてる。
私がお兄ちゃんに従えば全部…全部…丸く収まるのにっ……。
今度はしぃくんまで巻き込もうとしてる。」

折原臨也も『被害者』として例外ではない…と。

 「ねぇ、しぃくん。
『愛されてる』私と、『愛されてない』しぃくん、違いは何だと思う?」
 「??」

 「私は人間らしい、しぃくんは人間らしくない、これだよ。
私は醜い人間だから……あの人は人間を愛してる、でしょ?
しぃくんは、人間らしくないとか野生動物とか言われない?
それはしぃくんの心が綺麗で、優しいからだよ。」
 
 「ごめん。変なこと話しちゃったね^^」
 「いや……。」


—彼女には今、何が見えているのだろうか?










Re: 自動喧嘩人形が誰かを守りたいなんて、おかしいですか? ( No.16 )
日時: 2011/05/09 20:35
名前: 絆(ほだす) (ID: 4NzAaWKB)

【本当のこと言えよ?俺は…それでいいと思ってる。】

彼女はいつもこう言う。…それこそ口癖のように。

 「どうしてひぃみたいなずるい人間を愛してくれるの?」

この言葉から始まって、いつもいつも同じような話—自分自身を憎むような話をする。
終わりはいつもこう—

 「何が一番ずるいって、こういう話してしぃくんの同情を誘うことなんだよね。」

謝ったって何もならない、俺はなんとも思ってない、それなのに彼女は自分を…自分自身の存在価値を否定する。
…どれだけ自分を罵倒すれば気が済むのだろうか?
どうしてそんなにも…そんな風に考えられるのか?

もしかしたら……
俺のせいでそんなにしているのではないか?
静雄はそう考えるようになっていた。

だから、静雄は彼女にこんな問いかけをした。

 「俺…お前の…罪悪感の元になってないか?」
 「え?」

彼女は「何言ってるの?」という顔。

 「お前をこんなに苦しめてんの…俺じゃねぇか?」

彼女の元を離れるのは耐え切れない、でもそれが彼女の枷になっているとしたら…彼女を苦しめているのだとしたら…
自分には彼女のそばにいる資格はない。

ビクビクしながら答えを待っていた静雄。
……どうして怖がっているのか?
その『恐怖』、逆に言うと『望み』。
だって彼女が別の答えを出してくれるって期待してるから…。
…やっぱり彼女のようには考えられない、自分にはそんな心の強さはない…そう突きつけられた気がした。

質問に答えようと口を開いた彼女。
しかし…

 「それはね…ちが…」
 
 「そう。ひぃを苦しめてるのは君だよ、シズちゃん。」
 「?!」

突然現れた『折原臨也』の言葉によって遮られてしまった。

 「臨也ッ?!…テメェなんでここに!!」
 「何でも何も、俺はこの子の保護者…みたいなものだからね。
第三者は口出さないでくれるかな?」
 「…っ!!」

しっかし…と臨也。

 「シズちゃんも馬鹿だねぇ…。
それ、完全彼女の同情誘ってるじゃん。ひぃの真似?」
 「別に同情して欲しいわけじゃねぇよ。」

 「でもさ、今のって完全『しぃくんのせいじゃないよ』っていってくれるの期待してたよね?
…そうだなぁ、彼女はそう思ってると思うよ。」
 「…」
 「でも…
俺にとっては邪魔なんだよね、君。…全部聞いたんでしょ?」
 「あぁ?!」
 「俺はさ、ひぃが俺のモノになってくれればそれでいいし、君が死んでくれたらもっといいね♪
あ、これ以前の願いね。
…でもさぁ、今は俺とひぃとの愛の邪魔になってるんだ。
だから…絶対死んでくれない?」
 「臨也てめ…」

暴走しそうになった静雄。
しかし、思わぬことに舞梨が大声を上げてこんな事をいった。

 「臨也お兄ちゃん…ごめんなさい…。
全部…全部…ひぃが……悪いの……っ……。だから…っ…、
……もう…しぃくん、巻き込まないで……!!
…私たちの愛の犠牲…作らないで……お願い…っ…!!」

にやっと笑う臨也。
それってさぁ…

 「俺と来る、ってことでいいんだよね?」
 「……うん……。」
 「ひぃっ!!」

いいんだ…
これで、いいんだ…。

 「しぃくん、ごめんなさい。
……もう誰も…傷つけたくないから……。」
 





Re: 自動喧嘩人形が誰かを守りたいなんて、おかしいですか? ( No.17 )
日時: 2011/05/09 21:21
名前: 絆(ほだす) (ID: 4NzAaWKB)

【壊れちゃいそうだよ…っ、貴方を好き過ぎて…。】

二人きりになった病室。
彼女はもうとっくに覚悟を決めていた。
…対して静雄は、彼女がまた誰かの手によって傷つけられてしまうことに苛立ちを隠せなかった。
その『誰か』が『自分』なのだから特に…。
彼女を守りたい、守るんだ、そう思っていたのに…彼女を傷つけてしまうことになるとは…。

静雄は壊れそうだった。
それは彼女に隠せないくらいに…。

 「私のせいで…しぃくん傷つけちゃったね…。
しぃくんだけは絶対…絶対…傷つけたくなかったのに…!」
 「俺は別に……」
 
 「本当にごめんなさい……ごめん…なさ……っ……。
…っく……こんな時に…泣いちゃうなん…て…卑怯…だよね……っ…。」

本当に壊れそうだった。
彼女も壊れてしまいそうだった。

でも、彼には壊れる前に言っておきたいことがあった。
 
 「お前……結局、誰を傷つけたくなかったんだ…?」
 「……?」

 「俺か?臨也か?…自分か?」
 「…皆だよっ…」

 「皆…か。それができたらいいよなぁ…俺もそう思う。
でもさ、別に傷つけたっていいんじゃねぇのか?」
 「それはダメだよ…!!誰かが傷つくなんてっ…!!」

 「傷ついても傷つけてもまた人を愛せるんだったらそれでいいんじゃねぇのか?
それにさ…お前、全部自分のせいだって言うけどな、
臨也がお前を愛してるからって人を殺していい、人の人生をめちゃくちゃにしていい理由にはなんねぇだろ?」
 「…で、でもっ…」
 「結局お前、臨也のことまだ…愛してんだろ?好きなんだろ?」
 「…!!」
 「お前、人に自分を愛すなって言えんのかよ?
俺、お前を愛さないなんて無理だぜ。こんな優しくて…かわ…可愛い…奴愛さないなんて…出来ないぞ…。」
 「…し、しぃく……」
 
 「俺のこと、いっぱい傷つけていっぱい成長しろよ。」
 「……俺の…近くにいてずっとずっと…笑ってろよ。」
 
 「…ありがと…しぃくん…っ……。」

彼の言葉を聞いて彼女は心の枷がとれたようだった。
彼も自分自身が発したことによって救われたようだった。

 「でも…俺の傍に来んのは、お前が俺だけを愛せるようになった時な^^」
 「…もー…しぃくんったら〜!!なん…」
 「俺だけのモンになんねぇと嫌なんだよ。
臨也と共同で…とか、ぜってー嫌だし!!」
 「ふふふ^^」

彼女は大きく深呼吸をしてこう言う。 

 「じゃ、今からお兄ちゃんふってくる。」
 「へ?」

 「早く…しぃくんだけのモノになりたいもん!!」
 「///」

当然…☆

 「しぃくん、一緒に来ないとね!」
 「なんでだよ?!」
 「心の隙間は埋めれても足はもどってこないんだからね^^」
 「……だな。」

 「じゃ、抱っこでいいか?」
 「うん!」

そして静雄は始めて彼女からこの言葉を聞いた。

 「しぃくん…」
 「なんだ?」

 「大好き…だよ…///」
 
 「…!!」

二人は笑顔で臨也のもとへ向かった。




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