二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 好きだなんて言ってないからっ!【銀魂】完結!!
- 日時: 2010/09/18 19:37
- 名前: 夕詠 ◆NowzvQPzTI (ID: ltRlmf2I)
- 参照: http://id45.fm-p.jp/347/yuu0626/
初めまして!もしくは二度目まして!!←?
なんかいつもテンションおかしい夕詠ですw
・・・そんなかんじで(どんなカンジだよ)
この話はギャグあり、ラブあり、シリアスあり、シリアルあり(ぇw
なカンジでやっていきますよ!!ハイ。
読んだらコメくれると嬉しいです(。・д・)b
では、どーぞーっっ!!
☆キャラ人気投票結果
1位:土萌桃・・・5票
2位:板垣進助・・・4票
3位:九条アリス、雪祢彩加・・・2票
4位:土方十四郎、如月奏、御神裄、輝月陰、輝月陽・・・1票
☆★☆目次的なもの☆★☆
第零訓:キャラ紹介的なものとか言って、これキャラ紹介以外の何物でもないじゃんとか言わないで >>1
第一訓:あたしが隊長ですけど、何か? >>8
第二訓:シリアルより牛乳が好きですとかいっても本当はシリアルが好き >>10
第三訓:ぐだぐだな話はどれだけ巻いてもぐだぐだ >>17
【鬼兵隊篇】
第四訓:その声は闇夜に消えて、 >>23
第五訓:消えた声と共にやってくる、 >>25
第六訓:流星のような再会は、 >>30
第七訓:過去の記憶を呼び覚まして、 >>31
第八訓:彼女の瞳に涙が浮かぶ、 >>36
第九訓:その時に、 >>44
第十訓:その涙を拭う手を、 >>50
第十一訓:遠くから、 >>53
第十二訓:差し伸べてくれるのは、 >>66
第十三訓:敵か、 >>70
第十四訓:味方か、 >>83
第十五訓:それとも、 >>96
第十六訓:別の誰かなのかは、 >>100
第十七訓:その手を掴むまで分からないけど、 >>108
第十八訓:きっと君だって信じてる。 >>115
【鬼兵隊篇完結】
【銀時篇】
第十九訓:嫉妬してて何が悪いんだよ!5秒以内にいえなかったらマジぶっとばすぞコノヤロー!! >>119
第二十訓:番宣は最初にやれ >>130
第二十一訓:日記続けるぞ!とか言っても やっぱり三日坊主なのがお約束 ・・・あ、一日しか続いてなかったわ 俺ダメじゃんっ!とか思ってもやっぱり日記に新しいページが増える事はない それがホントのお約束っっ!! つか、今回タイトル長くね? >>146
第二十二訓:銀時篇とか言ってる割には、どっちかっていうとコレって桃争奪篇じゃね? >>148
第二十三訓:嫌よ嫌よも好きの内っていうけど、嫌のものは嫌 >>153
第二十四訓:好きって言いすぎると、アレ?ホントなの?嘘じゃね?みたいになるから気をつけろ >>160
第二十五訓:かくれんぼって見つけてもらえないと悲しくない? >>166
第二十六訓:言葉ってある意味最強の凶器 >>176
第二十七訓:第二十三訓で言ったじゃんか 嫌なものは嫌なんだって! >>187
【銀時篇完結】
第二十八訓:晴レ雨 >>191
第二十九訓:その隊員、死神につき 序章 >>194
【死神篇】
第三十訓:パソコンやりすぎると眼が痛くなるから気をつけよう! >>213
第三十一訓:大切なものはちゃんとした場所に >>231
第三十二訓:その隊員、死神につき >>239
第三十三訓:その少年、死神につき >>257
第三十四訓:その姫、アニオタにつき >>259
第三十五訓:その少女、薄い件につき >>272
第三十六訓:その男達、一途につき >>278
第三十七訓:その敵達、夜兎族につき >>290
第三十八訓:その少女、目立ちたがりにつき >>294
第三十九訓:その敵達、何気に親切につき >>303
第四十訓:その男、“自称”姫の王子につき >>313
第四十一訓:その少女、関西弁の使い手につき >>330
第四十二訓:その少女、隊長につき >>334
第四十三訓:その隊長、紅蓮隊の影につき >>342
第四十四訓:その作者、こんな感じにつき >>357
第四十五訓:その男、一番隊隊長につき >>378
第四十六訓:その男達、敵同士につき >>386
第四十七訓:その男、副長につき >>392
第四十八訓:紅イ月、狂ノウタ >>409
第四十九訓:その二人、師弟につき >>426
第五十訓:その映画、明後日公開につき >>430
【死神篇完結】
第五十一訓:放送コードとパクリがなんぼのもんじゃい!!あ、一応前後編です >>447
第五十二訓:放送コードとパクリがなんぼのもんじゃい!!あ、一応前後編です >>448
第五十三訓:高杉シンスケの憂鬱・・・ってまたパクリかよ!! >>454
【土方篇】
第五十四訓:大切なもの程すぐ傍にある >>463
第五十五訓:設定だけで決め付けるな >>480
第五十六訓:刀とか物騒なモンはしまいなさいっ!! >>518
第五十七訓:絶対に見つからないと思ってた場所ほどすぐ見つかる >>524
【土方篇完結】
第五十八訓:アンパンアンパンってどんだけアンパンにこだわりあるんだよ!・・・くそっ!可愛いなチクショー!! >>533
第五十九訓:しりとりで『ず』のから始まるときに『図鑑』って言っちゃうあたしのバカ!! >>538
第六十訓::記念記念ってこの小説記念企画多くね? >>552
第六十一訓:顔も性格も可愛いとか反則 >>561
第六十二訓:第六十二訓:顔も性格も可愛いと やっぱり欠点の一つや二つぐらいはある >>571
第六十三訓:気まずくなったら とりあえず注いどけ >>581
【四体族篇】
第六十四訓:綺麗過ぎる空ってなんか嫌だ >>588
第六十五訓:歩きタバコはやめましょう >>600
第六十六訓:空腹時には・・・おにぎりでいっか >>602
第六十七訓:主人公だからって出番が回ってくるとは限らない >>611
第六十八訓:好きの裏の裏の裏は嫌い >>613
第六十九訓:普段ちゃらんぽらんな奴ほど 実は指揮能力があったりする >>614
第七十訓:上司は敬え >>615
第七十一訓:とある倉庫での敵キャラ座談会。 >>616
第七十二訓:本当に大切なものに気付くのは 決まって失った後 >>633
第七十三訓:影でコソコソやってる奴ほど 実はでしゃばりだったりする >>635
第七十四訓:何か、この小説歴史の授業みたいなところがあるんだけど・・・何で小説でまで勉強しなきゃなんないんだァ!っていうか、幕末の話なのに明治の偉人出すってどうなのよ?もう、こうなったらいっちゃう?奥州の独眼竜とかいっちゃう?風林火山とかいっちゃう?綾小路きみ●ろとかいっちゃう?ってソレ現代じゃん!!・・・すんません、調子に乗りました >>649
第七十五訓:やっぱりB型って自由人なのかな? >>653
第七十六訓:時にはまともなあらすじを >>656
第七十七訓:あ、ラッキーセブン☆ >>657
第七十八訓:地に咲く紅い桜を濡らすは 心に降る雨の如く >>659
【四体族篇完結】
第七十九訓:とりあえずツッコんどけ >>665
【書籍化篇】
第八十訓:ぐだぐだな小説でも こんな事ってあるんだね >>671
第八十一訓:うふふあははー☆なぁんて浮かれちゃってる私のバカっ!! >>679
第八十二訓:イエッフーなんて浮かれても今回ぐらいはいいよね☆ >>680
【書籍化篇完結】
【カツラップ感染篇】
第八十三訓:愛と騒動は板垣的には紙一重 >>689
第八十四訓:やるなら今しかねーZURA やるなら今しかねーZURA 攘夷がJOY!JOYが攘夷! ふざけたYOUに俺が天誅!・・・山梨の方言にリアルに『〜ずら』ってあるんですけどォォ! >>692
第八十五訓:ラップじゃない カツラップだYO! >>694
第八十六訓:長いと結局覚えてもらえない >>741
第八十七訓:土方さんじゃないマヨラップだYO! >>750
第八十八訓:8って金運に関係する数字らしいよ >>759
第八十九訓:雨 >>769
第九十訓:蒼ノ天 >>773
第九十一訓:ネコミミって最強だと思う >>777
第九十二訓:カウントダウン開始!!・・・原作と同じじゃんとか言わないで >>788
第九十三訓:羊が七羽・・・単位違うし!! >>795
第九十四訓:トモダチコレクションの住民の夢で六ろ首の確率が以上に高いせいできつねうどんが大量に溜まるのが嫌だ >>833
第九十五訓:四の五の言ってないで現実に目を向けろやコノヤロォォォォォ!!! >>836
第九十六訓:王様ゲームで四を引く確率が高いのは何でだろう?おかげで罰ゲームの常連さんなんですけどォォォォォォ!!!!! >>842
第九十七訓:三度の飯より王様ゲーム >>847
第九十八訓:考えてみると二足歩行って凄いよね >>855
第九十九訓:一心同体 >>856
第百訓:最終回だからこそシリアルに >>870 >>874
【完結】
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- Re: 好きだなんて言ってないからっ!【銀魂】桃最大の秘密が遂に!? ( No.655 )
- 日時: 2010/05/30 20:12
- 名前: 夕詠 ◆NowzvQPzTI (ID: zc76bp3U)
- 参照: http://id27.fm-p.jp/227/yuu0812/
あげー
- Re: 好きだなんて言ってないからっ!【銀魂】桃最大の秘密が遂に!? ( No.656 )
- 日時: 2010/05/30 21:00
- 名前: 夕詠 ◆NowzvQPzTI (ID: zc76bp3U)
- 参照: http://id27.fm-p.jp/227/yuu0812/
【第七十六訓:時にはまともなあらすじを】
四体族篇あらすじ☆
【担当:志村新八】
ハイ、今回の担当は僕みたいですね!やっと出番が回ってきて嬉しい限りです。
では、あらすじ行きますね!
かぶき町の路上でナンパされていた謎の美人、湖詠朱華と出会った桃さん。
その時、朱華に頼まれた人物を探していた黒蝶隊のアリスさんから『彩加が斬られた』との情報が入る。
その犯人と思われる人物は、桃さんのお兄さんの七桜さんの特徴に似ていた。
そこから桃さんや土方さん、沖田さんと黒蝶隊達と四体族との戦いが始まった。
そして、現在。
板垣さんや伊藤さんや高杉さん、桂さんなども加わって、後は七桜さんを倒すだけ。
桃さんたちは無事、七桜さんを倒す事が出来るのか!?
なんか久しぶりにまともなあらすじ来たな。
皆もっとまともにやらないと、って事か。
そういえば土方さんと総悟は?
「二人はザキに屯所に運んでもらいました」
ふーん・・・大丈夫かな?
銀時たちもヅラとかいるからいるのかと思ったのに、いないんだな。
「アイツらも来るって言ってたがなァ」
晋助の言葉を遮るように発砲音が響く。
あたしには当たってないが、とっさに誰かが庇ったのか返り血が飛んでいる。
「銀・・・時・・・っ!?」
あたしを庇ったのは、今まで居なかったはずの銀時だった。
「よ、よォ・・・桃・・・っ」
そう、苦しそうに笑ってみせる銀時は痛々しくて。
何故か自然と涙が溜まる。
「そんぐらいで泣いてもらっちゃ困るんだけど」
冷酷なトーンの言葉を発した人物は、さっき神威たちがいたコンテナの上にいた。
その手には二丁の拳銃が握られている。
「「七桜!!」」
あたしと晋助が同時にその人物の名前を口に出した。
・・・って、何で晋助が知ってるわけ?
「俺、鬼兵隊総督補佐なんだよ。ねぇ、杉さん?」
七桜は薄く笑う。
「あぁ。桃はコイツとどういう関係なんだ?」
あたしと七桜の関係?
あったとしたら『無関係』だな。
「何言ってんの、桃ちゃん」
ちゃん付けするな、気色悪い。
言ってるだろ?お前が嫌いなんだよ!昔から!
「いいじゃん、別に。っていうか、お兄ちゃんにそんな言葉遣いしないでよ」
「え、お前達兄弟なのか?」
・・・ヅラ、黙っててくれるかな?
コイツと一緒にしないでくれます?大嫌いだっつってんだろうが!!
「何でそんなに俺の事嫌うんだよ。小さい頃からそうじゃんかよ」
そんなの決まってるじゃんか。
「お前の全てが嫌い」
四体族の本能に生きてるところとか。
彩加斬っちゃうところとか。
銀時撃っちゃうところとか。
それを、全く悪びれないところとか。
ホント、嫌い。大っ嫌い。
「———あたしがその腐った根性叩きなおしてやるよ」
あたしの言葉に七桜は笑う。
「やれるモンならやってみなよ」
そして、挑発的な表情になって、
「———桃に俺は倒せないから」
そう言って、七桜は拳銃を仕舞い刀を鞘から抜いた。
その銀色の光は、四体族の本能を掻き立てる。
本能が
———騒ぐ。
- Re: 好きだなんて言ってないからっ!【銀魂】桃最大の秘密が遂に!? ( No.657 )
- 日時: 2010/05/31 16:30
- 名前: 夕詠 ◆NowzvQPzTI (ID: Dscjh0AU)
- 参照: http://id27.fm-p.jp/227/yuu0812/
【第七十七訓:あ、ラッキーセブン☆】
ホント、嫌い。大っ嫌い。
「———あたしがその腐った根性叩きなおしてやるよ」
あたしの言葉に七桜は笑う。
「やれるモンならやってみなよ」
そして、挑発的な表情になって、
「———桃に俺は倒せないから」
そう言って、七桜は拳銃を仕舞い刀を鞘から抜いた。
その銀色の光は、四体族の本能を掻き立てる。
本能が
———騒ぐ。
「「うおぉぉぉぉ!!!」」
あたしと七桜は一斉に地を駆ける。
刀と刀がぶつかり合う音がその場に響いた。
そしてまた離れて、ぶつかり合う。
ただ、それの繰り返しで。
「桃、いい加減諦めたら?死んじゃいなよ」
七桜は蔑む様に笑う。
今まで本能のまま動かないように、と心に枷をはめているつもりだった。
でも、相手が七桜なら必要ない。
その時、何かから開放されたような感じがした。
「———死ぬのはお前や!七桜!!」
あたしは刀を素早く離し、七桜の腹部めがけて横に振る。
七桜はそれを避けるように、後ろへ飛んだ。
その腹は鮮血が紅く染め上げていた。
「・・・桃、四体族の本能に従って戦うのは嫌って言ってなかった?どうしてくれんの?俺、腹斬れちゃったんだけど。切腹ですかーみたい・・・なっ!!」
飄々と挑発するように話しながら、あたしに刃を振るう。
あたしの頬を血が伝っていた。
それからあたし達は刀をお互いに振るい続ける。
すると、あたしの左腕の部分の隊服が切り裂かれた。
同時に七桜の右腕の部分も地面に落ちた。
「・・・!何、アレ・・・!」
杏奈が声を上げる。
指差す方向はあたしたちの右腕と左腕だろう。
「刺青・・・?」
ガッキーも考えている。
「テメーら知らねぇようじゃ、桃検定失格だぞ?」
銀時、そんな検定は無い。
「あれがアイツらが四体族だって言う証なんだよ」
「それ、どういう意味?今すぐ説明しなさいよ」
銀時の言葉を急かすようにアリスが続く。
銀時は一度あたしのほうを見てから、もう一度もとの方向へ向き直った。
「四体族にはある風習がある。四体族の住む地に生まれた赤ん坊は体の一部に刺青のようなものを入れることになっている。桃と七桜は名前にちなんで『桃』の花と『桜』の花のものがそれぞれ左腕、右腕に入っているんだ。そして、どんな四体族でも———」
———体から刺青が入っている部位が離れた瞬間、死に至る。
「じゃあ、右腕を斬りつければいいって事よね?簡単な話じゃない」
アリスがあっけらかんとした口調で言った。
そんな簡単に右腕を落とせたら苦労はしてない。
できないから、今こうして———、
あたしの左腕すれすれで刀が風を斬った。
「あ、おっしーいっ!もうちょっとで左腕ゲーッツだったのにさ」
七桜の言葉を最後まで聞かないまま、あたしは右腕めがけて刀を突き出した。
七桜はそれを軽々避けた。
「・・・外してもうたわ。せっかく大嫌いなお兄ちゃんに地獄の旅行に行ってもらおう思っとったのに」
あたしは口元を歪めて笑う。
すると七桜も同じ様に笑う。
・・・やっぱり、同じ表情すると似とる言われるんも否めへんなぁ。
「そりゃあ、ありがたいなぁ。桃も一緒に地獄旅行、連れてってあげるよ」
七桜は刀を握る。
「それは悪いなぁ。でも、」
あたしも刀を握る。
「地獄旅行に行くんはアンタだけで十分やさかい、死んでくれへん?」
あたしたちの刀は、同時にお互いの腕へと加速していく。
———地は、ただ紅くて。
- Re: 好きだなんて言ってないからっ!【銀魂】桃最大の秘密が遂に!? ( No.658 )
- 日時: 2010/05/31 17:12
- 名前: 晴樹 (ID: pVbpOhVU)
- 参照: Dグレにはまっている今日この頃
うわぁぁぁぁ桃ちゃんがぁぁぁぁぁぁ
- Re: 好きだなんて言ってないからっ!【銀魂】桃最大の秘密が遂に!? ( No.659 )
- 日時: 2010/06/04 09:28
- 名前: 夕詠 ◆NowzvQPzTI (ID: zXyKVICa)
- 参照: http://id27.fm-p.jp/227/yuu0812/
【第七十八訓:地に咲く紅い桜を濡らすは 心に降る雨の如く】
「そりゃあ、ありがたいなぁ。桃も一緒に地獄旅行、連れてってあげるよ」
七桜は刀を握る。
「それは悪いなぁ。でも、」
あたしも刀を握る。
「地獄旅行に行くんはアンタだけで十分やさかい、死んでくれへん?」
あたしたちの刀は、同時にお互いの腕へと加速していく。
そして皮膚に数センチの切込みが入ったところで止まる。
「「———・・・どうした?」」
二人同時に声を発した。
「「斬らないの?」」
あたしも七桜も、それ以上斬ろうとしない。
斬ってしまえば、この戦いは終わる。
でも、
「あたしにはできへんよ・・・」
あたしは手から、フッと力を抜く。
その刹那、七桜の手に力が入った。
「・・・そういう、桃の甘いところが俺は嫌いなんだよ!!」
そして、一回刀を抜くと素早く斬りかかった。
あたしは右手を左手に伸ばし刺青を剥がした。
「・・・なっ!!」
七桜の驚く顔が面白くて、つい笑ってしまう。
そして剥がした刺青を七桜の顔の前でヒラヒラさせながら、
フェイク
「———偽物♪」
右腕の袖を引きちぎった。
「・・・あれ?隊長の右腕・・・左腕と同じものが!!」
いやぁ、タトゥーシールって便利やね。
本物は右腕なのになぁ、そんなに本物そっくりなんかな。
おかげで命拾いしたわ。
あー・・・腕痛ェ・・・。
「ほな、次はあたしのターンやね」
さっきから降り始めた雨が、あたし達を濡らす。
あたしは地面に落ちた刀を握って七桜に向かって振り下ろした。
「・・・桃、甘い考えは捨てろっていったじゃんか」
七桜はあたしの刀の切っ先に視線を落とした。
あたしが斬ったのは、右足。
・・・やっぱり、無理やった。
「・・・桃、」
七桜はあたしの手から刀を奪った。
あたしは恐怖で押しつぶされそうになる。
「今、桃が足に切り込みいれる程度じゃなくて、右腕斬ってたら俺危なかったじゃんな」
七桜はさっきまでとは違う笑い方をした。
柔らかくて、儚げで、
そして———、
「妹に情けかけられて生きるんだったら、俺」
消えてしまいそうで。
「死ぬわ」
七桜はそう言うと自分の右腕に刀を当てた。
じわじわと血が滲む。
「い、嫌・・・七桜っ!!」
地面は紅く染め上がった。
「———七桜ォォォォ!!」
まるで頬を伝う涙は、雨のようで。
彼女を冷たい雨と紅い桜が包んだ。
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