二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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BLEACH 刹那の時間【葵】 第十一話更新 コメ求む!!
日時: 2011/04/11 21:36
名前: 風 (ID: 4.ooa1lg)
参照:  http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode=view&no=15426

取り合えず新作品です。
此処を覗いて下さった方々感謝です^^
更に書き込みをして下さった心広い方々更に感謝です♪


〜作者状況〜

執筆していない【〇】執筆中【】
申し訳ありませんが執筆中に〇が付いている時は書き込まないで下さい。




&$★更新履歴★$&

>>7 第一章 第一部 第一話更新
>>10 第一章 第一部 第二話更新
>>11 小休止 第一回
>>12 第一章 第一部 第三話更新
>>17 第一章 第一部 最終話更新
>>20 第一章 第二部 第一話更新
>>23 第一章 第二部 第二話更新
>>28 第一章 第二部 第三話更新
>>32 第一章 第二節 第四話更新
>>37 小休止 第二回
>>37 第一章 第二節 最終話更新
>>39 第二章 第一節 第一話&第二章 プロローグ更新
>>39 >>44 小休止 第三回
>>44 第二章 第一節 第二話更新

〜来客して下さった方々〜

天蘭様・ねこうさぎ様・六様・加奈子様・夢様・淡雪様・緋乃椿様・ゆずは様・レッド様・凛寿様

今まで10名のお客様が来客して下さいました。
有難うございます!今後ともご贔屓に♪



=注意=
1.BLEACHが嫌いだと言う方はリターン。
2.オリキャラが多数出ると思います。苦手な方はリターン。
3.私が苦手と言う方はリターン。
4.流血・グロ描写・エロ描写,この掲示板のルールでは禁止されていますが一切手抜きしません。
看過出来ない方はリターン。
5.更新は亀並みかそれ以下(1ヵ月に一回も出来ないかも)です。心の広い方のみどうぞvv

オリキャラ募集要項&オリキャラ作成用紙

〜要項〜
名前【】
性別【】
見た目の年齢【】
身長・体重【】
誕生日【】
血液型【】
容姿【】
性格【】
趣味・特技【】
苦手な物【】
その他備考【】
斬魄刀解号【】(刈れとか射殺せとか)
斬魄刀名【】(漢字と片仮名両方)
斬魄刀能力【】(長くてもOK♪技名とかも出来れば

オリキャラ募集は終了しましたvv
投稿してくださった方々有難う御座います♪

>>主人公データ
名前:榛原翔兵/ハイバラショウヘイ
年齢:26歳
性別:♂
血液型:A型
誕生日:7月22日
身長・体重:186cm
容姿:赤味かかった黒の野性味あるオールバックでサングラス。
グリムジョーの様な美形ヤンキー顔で顔の中心辺りに斜めの切り傷がある。
黒のジャケットを多く着用。
性格:態度が大きく人を馬鹿にした言動が多いが実は情に厚く冷静で仕事が速い。面倒臭がりや。
趣味・特技・好き嫌い:趣味はバスケットやサッカーと言った球技。特技はハッキング(爆
好きな物は辛い物やジャズ音楽等。嫌いな物は甘い物や筋を通さない奴。
その他:死神代行ではないが正規の死神でもない。鬼道の達人だった死神を父に持っていた。
斬魄刀解号:煮え滾れ
〃始解名:劫火
〃卍解名:劫火蒼炎
〃始解能力:自らを中心とした空間に幾つもの炎を灯し爆発させる灯火。
自らの刃に炎を纏わせ戦う蒼舞(ソウブ)等がある。
〃卍解能力:不明


__________プロローグ


何が正義デ何ガ悪か考えレば考えルホどに分ラナい


                    ダから人ハ深ク考えル事ヲ放棄すル___




俺ハ其れヲ憎む……何故なラ____奴等ノ悪意を知ッテいるカら




                          ===奴等ノ名は王属特務===


怨む男は赤味掛かった黒のオールバックが特徴的な端正な面持ちを歪ませ復讐を誓う。



Next⇒第一話「王属特務隊長格」へ

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Re: BLEACH 刹那の時間【葵】 第三話更新! コメ求む! ( No.17 )
日時: 2011/01/24 18:44
名前: 風 (ID: QjUb2K6c)

コメント下さった方々本当に有難う御座います。

夢へ
行かなくても…でしょ?
って言うか,夢はまだ卒論終ってなくねぇ?

僕は名前を出すのに辛かったです…って言うか東仙さんの魅力を教えてやろうか!!
当然!

淡幸様へ
お邪魔してくれて有難う御座います!
まさかDグレじゃなくてBLEACHで会うとは(汗
買う…のは酷な話だから借りて読むとかブックオフで立ち読みとか
漫画喫茶で読むとかしてみたらBLEACH!!
男前な連中と格好良いお姉さんが沢山出る魅力的なキャラの集まりな漫画です^^
僕一押し!

詳しくなくても良いのです!
展開についてけないって感じの時が有ったら何なりと言って下さい(苦笑
そうですねぇ……所で翔兵は淡幸様から見るとどんなイメージでしょうか?
馬鹿っぽいとか弱そうとか格好悪そうとかでも良いですので…是非!




BLEACH 刹那の時間【葵】
第一章

第一節
第四話「榛原翔兵 Part3(嘘吐き」


剣戟が夜闇に木霊する。
静寂の世界,霊なる者達の発する音でも建物が壊れる音などは響く。
然し,町民は全く驚く様子などもなく寧ろ静か過ぎる。
恐らくは魂魄保護及び時間停止が施されているのだろう。
手際の良さから考えるに風破が織姫を斬るより前にだろう。
そんな中翔平は額に脂汗を流しながら後退していた。自力が違うからそうなっているのか…


ガガガガガ…
「どうしたよ?後ろに下がってばかりだぜ?」

ビュッ…
「破道の63雷洸砲」

フッ

「やっと此処まできたな」
「何?」



                     ピシィ



だが,違った。
彼は唯単に苦戦している振りをして否,恐らくある程度手強く自力で多少押されてはいただろうが,
目的としては所定の場所へとこの男を誘き寄せる事だったのだ。
しかして旨く彼はこの場所へと風破を誘導したのだった。


瞬間,空気が鳴動する。
最初から初冬の寒さを誇った空気が振動し針で肌を突き刺すかのような寒さによる激痛が走る。
唯一人風破烈祥を目掛けて…
風破は気付いたころにはもう遅く既に半身が凍り自力では脱出不可能な状態だった。


ビキビキ…

「汚ぇぞ……てめぇ!」
「やっ♪オタクらを倒すには何でもするって誓った物で♪」
「蒼天百花葬」


ピシィ



         ——————氷輪丸___もウ,一振リの存在してハ行けナイ筈ノ—————



凍り付いたその男を確認するためにその氷輪丸の主が現れる
眉目秀麗な少し目つきが鋭いが本来は優しさを持っていそうな感じの好青年だ。
唯,何があってか額の部分には大きな焼け傷がある。彼は草冠宗次郎と言う。
翔平と同じ戸魂界に怨恨深き者だ。
彼は一度死んでいるが翔平の持つある力により蘇り彼と行動をともにしている。

彼により凍らされた烈祥はその後適当に路傍に捨て
何時でもお前等など殺せると言うアピールをするために捕まえた。


「ふ〜ん,微妙な中年だな」
「そう言うなよ……織姫ちゃんの所に」


風破烈祥の氷像に辛辣な感想を述べる草冠に冷静に翔平は言う。
そして,織姫のいる場所へと向かおうとした矢先だった。
突然地を這い刃が襲ってきた。




ガシャァン…

「俺の氷輪丸の造った氷が容易く……!!」
ガギィン…

「この霊圧!翔平!!この刃の主…相当強いぞ!!」

「分って…」


スッ___

「え」「なっ?」


フッ


先の攻撃は唯のフェイク……攻撃としてのフェイク,目的は氷漬けの風破と言う男の救出。
然し,全く反応できなかった。目の前を通られるまで姿すら確認できなかった。
明らかに自ら達より格上の存在…それが自ら達の事など何時でも殺せると素通りした。
自分達がやろうとしている事を一瞬で実行した。黒の長髪で赤と銀のオッドアイの鋭い瞳の男___


「…………どうする」
「深追いしても無駄だ!現状まだ敵地にいける戦力でもねぇ」

「織姫ちゃん……か」
「___悪い」


「いや,愛人なんだろう…お前の」


フッ

深追いしても返り討ちにあうのが関の山だ。
まだ,此方は復活すべきメンバーが殆ど復活していない。
先程の風破を捕らえての策も相手の援助が自らたちの行動より遅ければこその策だ。
本当は居ても立っても居られなかった翔平は草冠の言葉を聞くまでもなく瞬歩で織姫の元へ向う。



「織姫ちゃん!!!」
「あっ,榛……原く…ん?」
「そうだ___俺だ!!」


「凄い辛そう…あたしが死にそうなのがそんなに悲しい?」
「当たり前だろう!!翔平は……何時も僕に君の話ばかりしていたよ」

榛原は涙を潤ませて織姫の手を握る。
織姫の姿を視界から外していた先程までは何とか冷静を保っていた。
然しいざ目の前にするとわめくしか出来ない。
そんな翔平の支えになろうと草冠は翔平の友と言う役割を買って出る。

織姫にどう言う関係なのかと質問されると真実でも嘘でもない絶妙の答えを草冠は冷静に答えた。


「俺達は死神の力という関係でつながってる。そして,異端児という扱いでもな。
だから良く傷を舐め合った。
最近はコイツも君のお陰で気が楽になって引越して関係も遠くなったが
凄い霊圧がしたんで偶々探査に来たらこの状況というわけだ」


冷静でハキハキと言う草冠。今の死に行く織姫には草冠の嘘は見抜けなくて…
優しくて嬉しかった。こんな人が居てくれる…自分が死んでも翔平は大丈夫だと…

「草冠!兎に角治療だ!!有りっ丈の治癒霊力を!!」
「分ってる!助けなければ…」


逼迫した表情で翔平が草冠に言う。
二人は全力の霊圧を彼女の傷口に注ぎ込む。
然し,彼女が生きる事を拒否しているのか傷が回復しない。
体の全ての霊圧を搾り出し霊圧の柱が立つほどの力で回復しても全く効果がない。


『早くしないと……早く』
「もう良いよ…有難う……是が榛原君の本心なんだね」

「そうだ___俺はお前が居ないと…」
「大丈夫だよ,君には草冠君が居る………あたしね,翔平君が昔から嘘付いてたの知ってた。」


翔平は必死だった。
今の彼の精神的支柱は間違いなく彼女だからだ。
彼女が居なければ自分は笑えないだろうと言う程に彼女はまぶしい存在だ。
そんな彼女が生を拒否して居る。
唖然とする……

「榛原君は優しいからね…いっつも辛い事や大変な事が有ると大丈夫だとか嘘付くの…
でも,分ってたよ…何かを強く憎んでること…そして,確信した。
大きな存在に復讐することを誓っていたんだね…」

「それは…」
「復讐を攻めはしないよ…榛原君の事ちょっと浦原さんから聞いたんだ…
一族を皆殺しにされたのに運良く生き延びたんだって…
あたしだってきっとそんな目にあったら復讐をする…
でも,勝てる見込みのない復讐で死んで」


ガシッ
「井上織姫……それは心配ないよ。翔平はそんな馬鹿じゃない。
そして,俺達も居る……俺以外にも翔平の元に集まった幾つ者戦士が居る。
この腐った世界を浄化しようとする戦士が…」


「そう………あたし…死神の人達好きなんだ。そして,大切だって思ってる。
でも,榛原君のことはもっと大切で………だからお願い」


「___織姫ちゃん?」



             

             ありがとう



                       アリガトウ



                                サヨウナラ_____


パタン


彼女は全てを知っていた。
翔平の中にある沈鬱した心の闇……復讐心。
そして,彼女自身葛藤していた。
死神の人達が悪い人達ばかりじゃないし…寧ろ良くしてくれた人が多いから…
だから,そんな織姫が愛した人々が殺し合うのは嫌だったから…
彼の意思は強くてそのビジョンが見えたから…
彼女は死を選んだのだ。
全ては自らの行動が招いたのだと悟り己を呪う様に翔平は咆哮した。
女一人失うのにこんなに苦しむなら復讐など考えるなと言う人も居るだろう。
然し,立ち止まれない自分の性分と今の現実が翔平の心をまた傷つけた。





「翔平………俺達は死なない____だから,頼ってくれ」
「………………」

「井上織姫は………安らかな顔をしているじゃないか?君の復讐を受け入れたんじゃないか?」

「分ってるさ…」

「………」

「翔平」


                           ______アリガトウ———



仏頂面で人付き合いの悪い日番谷の親友だった男。
流石は日溜りの様な心を持っている様だ。
一つ一つの言葉が的を射て居てそれで居て有難い。
翔平は最初に復活したのがこの男だったのは救いなのかも知れないと密かに小さく思った。



————————————

一方,瀞霊廷

四番隊隊舎前____

「急げ急げえぇぇぇ!!」
「はいぃ!!」

「山田!お前はあっちだ!全くお前は治癒霊力は優秀だが早とちりが多すぎるぞ!」
「すみません伊江村三席!」

ペコリ

四番隊の重鎮の一人伊江村の声が高々と響き渡る。
一方その指揮の元旅渦とての一護と出会い親睦を深めてから早数年の花太郎も加わっていた。
相変わらずの間抜け具合で余裕のある時は和みになるが逼迫した時は鬱陶しい事この上無い様だ。


「四番隊荒れてますね阿近さん」

「何だ阿散井お前知らねぇのか!?お前の幼馴染の雛森ちゃんが…」
「!!マジかよ……何度心配かければ気が済むんだあの女」
「お〜ぃ,彼女から言わせたらお前もそうだぞ?」

「自覚してます!」

ダン

「全く,あいつも忙しい奴だぜ」
「おい,阿近〜面白い映像があるぜぇ」
「ったく,お前はマイペースって言うか気楽だよな樋州」
「お前だって同じだろう?」

「違いねぇか…」


ボッ


珍しい取り合わせだった。
白哉の命により阿近の元に用事で着ていた阿散井は騒々しい四番隊の様子を訝る。
其れに対して席位は一ランク劣るも三席の大御所として他副官と同等の権限を持つ阿近はため口だ。
雛森の名を聞いてぼやきながらも居ても立ってもいられない阿散井だった。
ちなみに恐らく彼女より前線に良く立つ恋次の方が大怪我の率は多いだろう。
最も彼女と恋次ではガタイが違いすぎるが…
そんな大男の後姿を見ながら同士の樋州と気楽な会話を繰り広げる阿近だった。



一方____

四番隊一級救護所


迅速な措置のお陰か雛森は意識を取り戻していた。
ずっと数時間前から駆けつけ横に居た吉良が雛森が目を覚ましたことに歓喜する。
然し___


「うっうぅ………貴方,だ〜れ?」
「雛も…りさ……ん?何を言ってるんだい…僕だよ!吉良イヅルだよ!」



「頭が痛い…の………何も思い出せないの」


拙い口調,泣き出しそうな顔……
弱弱しく震える体が嘘ではない事を知らせる。
吉良は途轍もない喪失感に襲われた。
此処まで強力な記憶喪失になるとは………原因は彼女に攻撃を当てたのは零番隊の三席だと聞く。
零番隊の参入による完全な情報の錯綜だ…
内輪もめなど下らないのに明確な殺意が沸いた。
そんな震える彼の肩に手が差し伸べられた。


「記憶障害でも回復の見込みはあります……そう落胆なさらないで」
「十二番隊に記憶の生成を頼むのですか?」

「それが最も有力ですがそれは最後の手段です…」
「ならない事を祈ります」


卯の花の言葉は吉良には希望にはならなかった。
吉良はそのまま俯きとぼとぼと歩き今にも倒れそうな細木の様に揺れながら進んでいった。
そして,部屋の入り口で止まり顔を上げ言う。


「卯の花…隊長」
「はい,何でしょうか吉良副隊長?」


「雛森君を………雛森君を宜しくお願いします!!僕ではどうにも出来ない事でも貴方なら!!」
「吉良……副隊長!」


「どうか————」
スッ
「面を上げてください吉良副隊長……彼女の事は私が絶対に何とかします。
お忘れにならないで……彼女の事が好きなのは貴方だけじゃないのです。
彼女のあの優しい笑みに一体どれだけの死神が救われたか…」


卯の花の太陽の様な全てを包み込む母性的な笑み,凛とした自信に溢れた態度…
それを不安そうに見つめる雛森に笑顔は無いが彼女なら取り戻してくれると吉良は信じた。
信じるしかなかった。

帰り道の廊下___
吉良は今は雛森の事を卯の花に預け自分の仕事にまい進しようと職場へと急ぐ。
その帰り道檜佐木と遭遇する。


「檜佐木さん」
「吉良か…雛森の様子は?」

「____記憶が無いんです…命に別状は有りませんが」

涙ながらに吉良は言う。


「———仲間を恨むなよ…間違った可能性だってある」
「分ってます…でも割り切れますか?」
「…」

「檜佐木さん?」
「割り切れねぇよ……だが,先陣切って出てったお偉いさんは今気絶中だ」
「そうですね…」


「徹底的に問い詰めてやる!」

檜佐木の語気は荒々しく吉良でさえ気おされる程だった。


数々の思いは交差して,戦いは幾つもの感情がぶつかり合う修羅の場と成るだろう。



                                    ∞END∞


NEXT⇒第一章 第二節第一話「巨大なる暗雲」


〜あとがき〜
翔兵の兵の部分が間違えているってのは指摘しないで下さい(汗
分ってますから!!
___怠慢ですね…そうですね(涙

Re: BLEACH 刹那の時間【葵】 第四話更新! コメ求む! ( No.19 )
日時: 2010/11/20 19:46
名前: 夢 (ID: nC4FdBJT)

お久です!
雛森が!!!
何だか好きでもないけど織姫が死んで少しウルッと来た…ヤバイ年取ったかな??

阿近さん…本当に活躍しないかなとか…草冠の兄貴が出てるとか結構美味しい!!
花太郎に癒され何故か真面目な伊江村さんに笑い卯の花さんが素敵に格好良い四番隊好きです^^


あ〜,はいはい…どうせ卒論終ってませんでしたよ其の頃は!
今は終ってますけどね^^ 

Re: BLEACH 刹那の時間【葵】 第四話更新! コメ求む! ( No.20 )
日時: 2011/03/05 22:21
名前: 風 (ID: L0.s5zak)

夢へ
年取ったんだよぉ(苦笑
結構美味しいですかぁ?
是から夢にとってもっともっと美味しくなっていくかもしれないですね!
花太郎含めた四番隊は近い内に活躍あるかも★
はいはい,タイミング見計らってたんでしょう?


BLEACH 刹那の時間【葵】
第一章

第二節
第一話「巨大なる暗雲」


幕は切って落された____
幾つもの感情の渦が巻き上がり交錯する。
力が有るのなら剣を取れ……意思があるのなら刃を振え



               _____「声ガ聴こえル—————


戦いえ誘う慟哭の様な…嗚咽の様な叫びが____聞こえ続けるんだ。


===============


榛原翔兵は自らの自室の和室の畳の上……光の差し込む窓口に手を置き黄昏て居た。
その表情は何処と無く空ろで井上織姫を失った喪失感の強さを物語る。

コンコン…


「_______」

ズザァ…
「お邪魔するね?」


ノックする音が静寂の間に響き渡る。
外は,瓦礫の山…井上織姫の死,如何に死神達が後始末や内部工作をしていても大騒ぎだ。
炎上した家々…壊れた車体,器物損壊…住処の喪失…生き残った者達は絶望と怒りに声を荒蹴る。
然し,此処は静寂だ。
そんな中にノックの音が響いても彼は少しも反応しない。

ノックの主は相手の了承を受ける気は無く襖を開ける。
其の先に居たのは夕焼け色の瞳の淡い黒髪のポニーテルの可愛らしい顔立ちの少女。
無論,彼女もまた彼が力を使い手駒とした存在。
思念樹と呼ばれた断崖と呼ばれる世界に存在するはずの本来人ではない筈の物。
それが彼女の肩書き____


「____茜雫……美津浦茜雫で御座います」

ペコリと自己紹介して彼女は女性らしい居綺麗な所作で部屋に入る。
翔兵は気にすることも無く肌蹴た和服で外を見詰める。
燃え上がる街を見ているわけじゃない。唯,遠く彼方を…
彼女の存在に気付いているのに彼は何も応えようとはしない。

そんな翔兵に焦れた茜雫は口を吊り上げ嫌そうな顔で声を荒けて言う。


「な〜にぃ!?あたし達の主なんだからもっと泰然自若としててよぉ!!
確かに付き合ってた女性失ったのは辛いだろうけど悲しんだって何したって…」

「分ってる————
俺の力でも戻ってこなかった______
分ってるんだ,分ってる……分ってるから今は少し落ち着かせてくれ」

「………仲良かったんだね?」
「良かった……多分,アメリカに行ってた時付き合った女と同じ位」
「___ゴメン」


彼女の言う事は的を射ていた。
悔いた所で生き返りもしないし魂すら消えた死人が応えるはずも無い。
だが,所詮人間には感情を整える時間と言うのが必要な物だ。
過去を懐かしむように思い出しながら心を落ち着かせる翔兵に茜雫は反省したように小さく言った。




                     ゴメン____と…………



そう言って部屋を退室する茜雫の元に二つの影が有った。
二人とも草冠ではない。1人は紅い瞳の鋭い目付きの何処か空虚な遠くを見た様な男。
もう1人は,如何にも闊達そうなモスグリーンの大きな目の女だ。
二人に共通して言えるのは色白で服装はボロボロ,そして髪の色は淡い紫がかった黒だと言うこと。
詰り,共通点が多いのだこの二人___茜雫は訝り二人に問う。


「あんた等,誰?」

「あたしは嵐でラン…コイツは弟の焔でエンって言うの♪
愛したお姉さんの付けた名前とは違うんだけど…」
「姉さん…彼女戸惑ってる…色々余計な事を言いすぎ」


「悪かったわね!」
「何で,姉から貰った名前を?」


「気にしないでくれ……僕達の今の状況にあって当然の問題なんだ」
「貴方達の名付け親って死神?」

沈黙が走る。
彼女,茜雫はその何も考えて居なさそうな表情の割りに慮りの感情が濃く
女性らしい細やかな対応と勘の鋭さが有る。
彼女は彼等の問題の深い部分に足を踏み入れてしまったことを理解する。
彼等の名付け親は朽木ルキア……そう,死神なのだ。
彼等は流魂街時代,ルキアが恋次達に会う前にルキアと寝食を共にした仲だったのだ。
二人は口を紡ぐ。

『やばっ!あたし,地雷踏んだ…』

トン___

二人の神妙かつ尋常ではない顔に茜雫はタジタジする。
其処に茜雫の後から1人の男の手が差し伸べられる。

「茜雫___君が気に病む事でもない。
誰だって,地雷の一つや二つは踏まれることが有る物だ。
今後気をつければ良い…」

「アンタ…」

嵐が睨みつけるようにして現れた草冠に言う。
草冠は務めて冷静に言う。


「俺達は生き返りたいと彷徨い一箇所に集合した同志だ」
「それはそうだ……」

草冠の言葉に嵐を諌めるようにして焔が言う。
草冠は続ける。


「俺達の…彼女は違うかもしれないが……目的は恐らく同じだ。
調和を乱し態々敵に隙を造るような真似はやめよう」


思惑は違うし共通の目的か否かも疑問符が実は残るが,
護廷強いては死神に復讐を望む者として三人は一蓮托生で来た。
其の中,唯一多少なりとも死神に好意を抱いていた茜雫は戸惑う。
そんな茜雫の様に無論その草冠の言葉に熱を感じる嵐は気付くはずも無い。
気付いたのは勘の鋭い草冠のみだった。


彼女等が去った後,草冠は茜雫を追う。

「何処へ行くんだい?」
「織姫って子の所に行くの…どんな表情であの人の下から消えたんだろうって…」
「_____さっきの話だが君は少し違うみたいだな」


「うん,死神には助けられた—————会話はしなかったけどね?皆,世界の為に頑張ってた」
「あぁ,多くの死神は世界を本気で思ってる」

「分ってるなら……」
「だが,俺達はこの憎悪を止める術を知らないんだ……」




                           ____悲しいヨ



草冠の感極まった声の言葉,悲しいと茜雫は海に沈んだように言う。
歩は止めない。彼女の遺体を安置してある場所に強い意思を持って進む。
恐らくは彼等も一度決めて歯止めが効かなくなったのだろうか……
逆恨みだと言う可能性も理解しているのだろう……でも,争う事しか出来ない。
思わず口を付いて出る…



「あぁ……悲しいな,だから俺達は世界の膿として滅びる運命なのさ」
「分らない…全然分らない」


「_____そうだろうな。実は俺も分らない」


不思議と茜雫はその言葉に付け入る気にはならなかった。
何が分らにと言っているのか分らなかったから…聡明な彼の考えが読めなかったから。
地下へと進む階段を抜けた先に服を着たままの女性の遺体が有った。


「あれが織姫…」

「そうだ…翔兵が愛した女の亡骸だ」
「とても幸せそうなお顔………あたしあんな顔で死ねたのかな?」

「俺は苦痛に呻き俺を一度殺した屑老人共を鈍いながら逝った」


織姫は彼の本心を知り傷心しながらも最後に本当のことを知れて喜んでいた。
草冠は唯,氷輪丸の使い手が二人居るというだけで親友と戦わされ,
敗北し最後には四十六室専属の暗殺部隊に複数の刀傷をつけられ断末魔の叫びを上げて死んだ。
死様は天と地ほども違う。
抱いた感情も……
沈黙が走る。其処に,寒暖を降りる音が響き渡る。


カツン

カツンカツン_____「誰!?」


茜雫が後を振り返る。


「お前等こんな所にいたのか?」
「ゴメン___」


「いや,何時までも囚われてちゃ行けねぇな…本当」
「だったら………」


「この場所とは彼女事盛大に別れようと思うんだ」
「え?」


「お前等,外に出ろ。時限爆弾の発動までには十分間だ」


「えっ?それって……」
「————旅立ちに重荷は邪魔だ」


現れたのは翔兵だった。
恐らくは既に嵐と焔は退避させてあるのだろう。
そして,彼もまた人間の体を脱ぎ捨て逃れる準備をする。
全ての過去を清算する為にこの場所を焼き払う覚悟を彼はした。
茜雫にとって悲しい決断だが否定する気にはなれなかった。


「行こう茜雫____何時まで此処に居ても答は見付らない」
「貴方の…私の?」
「皆の…」


草冠は立ち尽くす彼女に静かに諭す。
彼女は目を見張り草冠を見詰め彼の後を辿った。
途中何度か榛原の方を振り向きながら…



「さよならだ……本当に」



                   
                           安ラかニ眠レ———————————




カチッ…



秒針が動き始める。
彼がこの屋敷から肉体を脱ぎ捨て脱出するのに掛かる時間は凡そ三分。
七分もの余裕が残る。
其の間彼は長い時間織姫の顔を見詰めた。十分後には原形も留めなくなる死体。


「もう,振り返らないと決めた……」


彼は一筋の涙を流してそう言った…




                          ∞END∞



NEXT⇒第一章 第二節 第二話「巨大なる暗雲 Part2」




Re: BLEACH 刹那の時間【葵】 第四話更新! コメ求む! ( No.21 )
日時: 2010/11/27 22:48
名前: 夢 (ID: 13edWJH2)

映画キャラが続々と!!
色々と込入った事情も有りそうですね(汗
茜雫ちゃんが良い感じの清涼剤vv

草冠が格好良すぎるのは風が好きだからですよね!!
翔兵は格好良いケド何だかドンドン闇に一直線ですね(汗
心配です!!

Re: BLEACH 刹那の時間【葵】 第五話更新! コメ求む! ( No.23 )
日時: 2010/12/04 12:41
名前: 風 (ID: 8Tlqu13n)

夢へ
コメント有難う御座います^^
心の友ですよぉ(涙←何処のジャイアンだ…とか言わないで?

色々込入ってますねぇ(汗
はい,草冠が格好良いのは私のアレです^^
翔兵よ…ダークサイドに落ちるなかれ…(マスターヨーダが心配してるよ翔兵!!


BLEACH 刹那の時間【葵】
第一章

第二節
第二話「巨大なる暗雲 Part2」


「おっそいわねぇ…何やってんのかしら内のボスったら!!
まさか,意中の女の死体と心中なんて!?」
「姉さん…来た」


ザッ___
「しねぇよ…そんな事は,其れに六分も残ってるだろうが?」

イライラしながら地団太を踏む姉,嵐を諌める事で大変そうな焔が其処には居た。
翔兵はまだ三分ソコソコしか経っていないのにと怪訝そうな顔をして腕時計を見せながら言う。
それに対して三分もかかる事じゃ無いでしょうと彼女は膨れ面で言い返すのだった。

「____ヤレヤレだぜ」
そう,翔兵が頭を掻きながら嘆息している所に1人の男が現れた。



ザッ____
「翔兵,てめぇ……何が有った!?」


「黒崎一護か___神妙な顔でどうした?」
「何が有ったって聞いてんだ!!何で井上の霊圧が消えた!
何とてめぇは戦ってた………そして!!」



               ____何ナンだそノ見覚エの有る連中はヨオォォ!!!____


黒崎一護だった。
浦原達の手により死神の力を戻した彼はその四年間死神代行として戦い続けている。
そんな,彼があの巨大な霊圧のうねりと仲間の霊圧の消失と,
そして感じ覚えの有る彼等の霊圧に反応しない筈がなかった。
無論,翔兵も彼が来る事は知っていた。

「あぁ,そう叫ぶな……井上織姫は死んだ…
戦いの霊圧は護廷の連中と俺と草冠のだ…
こいつ等は冥府の底より俺が呼び戻した仲間だ」


「待てよ……待て」


翔兵は嘘など付いていない。
彼の紡いだ言葉は全てが真実…然し,一護には信じられなかった。
二つ目の質問の内容は分る。何故争っていたのかが分らないだけで…
だが,他の二つが理解出来ない。
死人を生き返らせた……織姫が死んだのに何でコイツはこんなに冷然としているんだ。


「唐突過ぎて理解出来ねぇか?」
「当たり前だ!大体なんでお前は織姫が死んだってのにそんなに平然と…」


ギアァァン!!
「平然と?」

ギシギシ____
「そう見えるか?」


ドッ____



『何だ……この霊圧は!!』


黒崎一護の言葉に翔兵は煮え湯を切らした様に激昂して切掛る。
其の刃からは愛した者を失った絶望と憤怒で彩られている。
霊圧は轟々と燃え上がり全てを破壊する刃となり虚空を引き裂いた。


「離れるぞ…茜雫ちゃん!翔兵が本気だ!!」
「うん…」


「姉さん!」
「分ってるって!!ったく……男って煮え切らないんだから!」


その臨戦態勢の翔兵の霊圧を受けこの場に留まっているのは不味いと
焔が嵐を草冠が茜雫を夫々抱え瞬歩で飛び退る。



ガギィン…

一護と翔兵は激しく刃をぶつけ合う。
翔兵は一護の攻撃を起点に攻撃を繰り広げる。
然し,翔兵の刃を一護はいなす様に回避し空いた胴を攻撃する。

ギャリギャリ___
バッ…


ブン
サッ…


ザザァ…

翔兵は一護の胴への攻撃を回避して後へと数メートル飛び退った。
それに対して一護が猛然と月牙天衝を放つ。
翔兵は其れを上空へ逃れ回避する。


「月牙天衝!!」

ズガァ…
「遅い」
フッ…


ゴシャアァァァ…
「烈風堂々四つの番…集いて薙ぎ払い離れて殺し合え…聡明なる者は這い怒れる刃は奔る
清濁・粛清・悪辣・天意・無双・白雨・銘銘費えて表を上げろ!!」




                          ____破道の94追憶狂想————




ドッ!



『九十番台破道!!』


彼は遥か上空へと逃れ迫り来る一護の速度を計算しながら鬼道の詠唱を唱える。
彼の移動が卍解或いは虚化により行われていたら恐らく間に合わなかっただろう。
それすら彼は計算に入れている。九十番台の破道が一護を襲う。

「回避_____」


回避できる場所など有りはしない。
千万の氷の鉄槌が町全体を覆いただでさえ暗い空が更に暗い。
それに回避すれば町はこの攻撃の餌食となる。被害は計り知れない。



鳴動が響く。
霊圧は分らずとも彼等の存在は見えずとも……
地響きは起こり不安は駆り立てられる。

「お母さん?」
「唯の…地震よ」


怖がる子供をあやす母…恐怖で動きを止める通行人___町に住む多くの人間が恐怖に飲まれる。
そして,力は炸裂する—————




                   ————————カッ———————



巨大な音を立てて空が鳴動し氷の破片は空中で霧散する。
草冠が瞠目する。
一護の霊圧が有る。それも以前より巨大だ…

ドッドッドッドッドッド

「天鎖斬月」


ドン!


黒い細身の刃…柄の先端に切れた鎖…そして,長く変化した死覇装。
黒崎一護の卍解天鎖斬月だ。
翔兵自身彼の卍解を見るのは初めてだ。少し楽しそうな表情をする。
それに対して茜雫は_____


『一護………霊圧が怖い…何か有ったの?今の翔兵の事を許せないの?それだけじゃ無いよね?』
昔の一護との霊圧のギャップに驚きを隠せない。
恐らくは今,正に翔兵に怒りをぶつけているのだろう…
然し,それだけじゃないのだ。


ブン…

「翔兵………テメェ,町の皆が死ぬ所だったのに何で嗤ってやがる!?」
「ん…お前が町は全力で護るから絶対町の人達は死なないという自信が有った」
「テメェ…」

「最も,詠唱した九十番代を其の程度の損傷で抑えられるとは少し…」
フッ

「お前の目的は何だ?」
「切先を退けろよ…集中できねぇ」

「質問に応えたら退いてやる…」
「後,1分もすれば分るさ………俺達がどんな同盟か……
そして,井上織姫の肉体もそれと同時に消える」



一護は翔兵に当然の怒りをぶちまける。
それに対して翔兵は冷然と一護が絶対力を使ってでも町を護ろうとすると言う事を知っていたと言う。
一護は口角を上げ眉間に皺を寄せて「テメェ」と小さく歯軋りしながら言う。
そして,翔兵の言葉に痺れを切らせて持ち前の高速移動で彼の切先に剣を向ける。
然し,彼は動じない。
淡々と時間経過を述べるだけだった……


「1つ訊きてぇ……何で織姫の肉体まで消すってんだ!?」

涙を流しながら訊いてくる一護を翔兵は少し切なそうな顔で見詰めて口を動かそうとする。
瞬間____




                       ズガァン———————————




翔兵の住んでいた別荘が巨大な爆音と共に消し飛び紅蓮の炎が巻き上がる。
是が詰り井上織姫の肉体すら消す事だと一護は悟り思わず翔兵の喉を剣で付こうとする。
然し,翔兵は其れを見越していたのか回避し後に飛び退る。
そしてその瞬間____



「俺は,時限爆弾のタイマーを10分にセットした……逃げる為じゃない。
織姫ちゃんとの離別の為でもない…俺達の………戸魂界への復讐の幕開けの合図だ」


「復讐_______」



ズズズズズズ_____


そして,発せられる翔兵の言葉。
本懐……目的が明かされた瞬間…薄々感じては居た。
彼が護廷を憎んでいた事を……
容易く自らの知る死神を凶刃で貫いた事を…
だが,認めたくなかった一護が其処には居たのだった。
根底から崩された希望___そして,其れは加速する。
空が歪み開く。
一護はこの現象を知っている。


『ガルガンタ!?』

心が警鐘を鳴らす。



             ____其処にハ藍染率いルギン・要及ビ十刃達破面ガ居た————



「藍染!!」

「久し振りだね黒崎一護……因みに是はガルガンタでは無いよ。
更なる空間,死の国から帰る扉だ…理解できていないようだね?無理も無い…知識が無いのだから」


戦慄く一護に藍染は言う。
相変らずの嫌味を含んだ上からの物言い。
忌々しげに彼を見詰める。
其の瞬間___2人が消える。
高速で向かってくると言ったほうが正しいだろうか…


ビュッ___
「初めまして黒崎一護さん……十刃最速と評されるゾマリ・ルルーです」

ガギィン…
『速い…』

ズッ…
「最もその小僧は本当は所詮は真ん中程度の速度しかもって居ないがな」

『後ろ————!!』


ボギィ


「ぐああぁぁぁぁぁぁぁ」
「ヤレヤレ,気の速い子達だ」


ゾマリの第一撃は防ぐもそれ以上に速い老獪の様な厳つい容姿の巨漢の攻撃は回避できない一護。
彼,虚圏の王を称するバラガン・ルイゼンバーンの肩を触るだけの行為に一護は絶叫する。
肩が陥没して激痛が走ったのだ。老いの力…相手の体の触った部分を老化させる力だ…
その部下たちの戯れを見て藍染は一護を余り傷物にするなという程度の反応しか示さなかった。


『何だ…突然肩が!?』

そう悶絶する一護を茜雫は目を伏せて見まいとする。
その様を近くで見る草冠は言う。


「___此処で彼を殺す許可を取るか取らないかは榛原翔兵の意思だ……彼が止めろといえば大丈夫さ」


彼の言葉は正論だ。
彼女も其れを望む。然し,まだ翔兵は其れをしようとしない。
それどころかニヤニヤと嗤い楽しそうだ。



「チッ,あの爺め…楽しそうにしやがって」

フッ___
「おい,ウルキオラてめぇ…」

「そう,声を荒げるなノイトラ……弱く見えるぞ?」
「んだとぉ!!」
「____ウルキオラは奴に殺されたらしい…思うところも有るんだろう」
「俺だって…奴と戦ったぜ?」
「一方的に嬲っただけだろう……」


「ケッ___」


一方ノイトラの横に居たウルキオラが響転でその場を離れる。
それに対して戦いたくてウズウズしていたノイトラが反応して声を荒げる。
それに対してハリベルが諌める様な口調で諭す。
ノイトラは過去の風景を思い出しながら彼女の言葉に同意して口を紡ぐ。
流石に奴と長時間戦い倒されたウルキオラほどの思いいれは無い。
如何に無感情に見える男といえど自分を倒した相手に位興味が有るのだろう。


ゲホッゲホッ___


「咳込んでいる場合じゃないぞ一護……この程度では何も護れん」
「護る……」

ゾマリが訝しげにウルキオラに問う。

「黙れ…俺はコイツと話をしている」
「全く,相変らず上から目線ですね……」

ウルキオラの威光によりゾマリはすぐさま黙り下る。
バラガンは見物を決め込み何も喋る気はないらしい。


「ウルキオラ————てめぇ,てめぇも生き返ったのか」
「あぁ……心とやらを悟ったと思ったが矢張り学び足りないと悟ってな」


一護の問いに淡々とウルキオラは答える。
生き返る強い意思が無ければ生き返ることは出来ないのだから相応の理由があるのだ。
彼の疑念は晴れるときは来るのだろうかと何故かそんな事を思う。
その2人の議論を上空で眺める者の一人…スタークは思う。


『心か……リリネット』


今は此処に存在しないリリネットに思いを馳せて…
その瞬間だった。
翔兵が藍染の元へと歩を進めのは。


「随分と遅いね?」
「いやぁ,面白い見世物でね?」
「何や…意外と下衆みたいやな?」

「藍染隊長とどっちが下衆だろうな…」
「そりゃぁ,藍染隊長は最強の下衆やさかい♪堪忍なぁ…」
「ギン……」「市丸,気持ちは分らないでもないが…」


藍染の言葉に見世物を有難うとばかりに嫌味を飛ばす翔兵。
それに反応し他人の神経を逆撫でする様な物言いのギン……
黒い空気が滲み出る中,東仙と藍染が異を唱える。


「まぁ,兎に角……今は是位にして俺達の新しい住居へ行こうか」
「黒崎一護ぁ殺さねぇのか!?」

「ん?あぁ…意気消沈してるあいつを殺す価値はねぇよ…利用価値もあるしな」
「そうですか…所で住居とは?」

「ラス・ノーチェスだよ」
「あららぁ,バラガン怒るんちゃいます?」
「構わないよ…」


ノイトラに一護を殺さないのかと問われるが
黒崎一護を捨て置いて新しい本拠地へと行くと彼等に翔兵は言う。
本拠地はどのような場所なのだと問う要にラス・ノーチェスだと翔兵は淡々と言う。
ギンの的を射た軽口を軽く聞き逃して彼はガルガンタへの扉を開いた。


「ムッ…あれはガルガンタ」
「どうやら私達の移住地はガルガンタの様ですね」
「全く……故郷帰りが早くて嬉しいぞい」


黒崎一護の近く,ラス・ノーチェスが新たなる本拠地だと聞こえない場所に居た2人。
然し,二人ももう,一護を捨て置いて移動するのだと理解し歩を歩める。


「————どうやら命拾いしたな」
「待て…テメェ等!俺は……戦え」

ドゴォ!
「そんな,不安定な魂で良く言う…戯言を俺の居る場所で吐くな」


立ち上がる一護を蹴り飛ばし馬鹿にしていると喝を入れるウルキオラ。
其れを倒れながら見詰めることしか出来ない一護。
突然の出来事そして,井上織姫の喪失……翔兵が敵に回ったこと…
受け入れるのには短すぎて……心が定まっていない事を一護は悟る。




                         ======ズゥン=======



扉が閉まる。
一般市民たちには聞こえない音が虚しくて一護は蹲り泣きながら言う。




                         ____「畜生!!!!」


その叫びは悲痛に溢れていて…



                               ∞END∞


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