二次創作小説（紙ほか）※倉庫ログ
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- 【多彩な】春色音色【短編集】
- 日時： 2011/02/19 13:32
- 名前： 氷橙風 ◆aeqBHN6isk （ID: yjS9W/Zh）
◆ 御挨拶！
どうも初めまして、またはこんにちは、小六女子の氷橙風です。
このスレは稲妻とボカロの短編集……だったのですが、衝動に負けてしまい東方も書いています。HAHAHA！(
多彩とか言ってますが妄想色一色です。どぎついです。ちょ、待ってください帰らないで。
暇つぶしにでも御観覧していただければ幸いです！
◆ お知らせ！
・リク募集中です(夢リクは受け付けておりません)。用紙は>>169です。また、誕生日など記念日の時はお申し付けくだされば短編を書かせていただきます。
・参照5000突破、有難う御座います！ これからも頑張ります！
・スレタイ変えますた。はるいろねいろ。
◆ あってんしょん
・荒らし暴言中傷パクリ目的の方はれっつ電源クリック。
・読むつもりならば眼科の予約は絶対。目薬の用意はできましたか？
・源ｓ原作ほぼ関係ない。サッカーしてないし歌歌ってない。
◆ お客様！
・空梨逢さん
・癒玖刃さん
・海刀さん
・日奈さん
・まぁちゃんさん
・烈人さん
・千夜歌さん
・鮫さん
・カエルさん
・いぶ дさん
・Reinaさん
・吉瀬 来駕さん
・ほげほげさん
・春風さん
・紅花さん
・月蝶さん
・ルナさん
・レモンティーさん
・フィオナさん
・パンドラさん
◆ メニュー
【イナズマイレブン】
01 闇夜に溶け込む鬼ごっこ【シリアスホラー】>>3
02 昨日も今日も明日もずっと【ほのぼの】>>9
03 あら、甘い? この気持ちもね。【ほのぼの/ちょい恋愛】>>13
04 翼を失い力の海に溺れた鳥が、今日も鳴く【シリアス】>>15
05 思い出が、純白の雪につつまれる【微甘?】>>22
06 ちょっぴり混ざった紅と蒼【甘/ギャグ風味】>>31
07 遠くで静かに呟く少女【甘】>>37
08 まっしろふわふわ、僕の大切なお友達【ほのぼの/幼少期パロ】>>41
09 罰ゲームの力は絶対【ギャグ/性転換】>>52
10 暑いからこうするの【ほのぼの/微甘】>>56
11 消えた自分の存在意義は【シリアス】>>72
12 ぶらっくがーるずとーく【ギャグ/キャラ崩壊】>>78
13 歪んだ蝋燭に灯を燈す【ヤンデレ】>>84
14 彼の飢えは満たされない【ヤンデレ】>>91
15 ある日の帝国にて。【ほのぼの】>>114
16 ぼくとキミ。【幼少期パロ】>>131
17 セピア色のその言葉【16絡み/ほのぼの?】>>144
18 その微笑みに、壊れてしまって。【???】>>148
19 無垢な彼女と純正な彼【???】>>156
20 拒絶と切望【一応1000記念/シリアス】>>184
21 華やかな微笑みに【姫パロ/女化】>>262
22 赤い煌きはどこに?(そこにあって欲しいんです、)【姫パロ第二弾】>>285
23 消滅塗抹夢想郷【シリアス/意味不】>>304
24 嘘だらけの境界線【ヤンデレ】>>405
25 灰色の微笑【シリアス/真帝】>>421
26 永久の壊廃(どこまでも朽ち果てろ、)【けんかっぷる】>>508
27 永遠に欲求(いつまでも愛してる、)【上続き】>>509
28 こわれたとけい【意味不明/ヒロ玲】>>510
29 黒白シンメトリカル【意味不明/しのふど】>>546
30 だいっきらいのはさみ【ヤンデレアン/どろどろ】>>549
31 黒と橙のお菓子は甘く【ハロウィン/ほのぼの/エイリア】>>552
32 単純に、手放す。【玲風/紫奔様との共同お題】>>565
33 空色エンプティー【風丸離脱時】>>591
34 彼女は真剣にそう言った【見ない方がいい/残念なことに実話】>>638
35 罠にかかったウサギちゃん【正月だったり/佐久間ウサ耳/キャラ崩壊】>>659
36 それは綺麗な春でした【春不/よーわからんぜよ】>>663
37 題名未定【源＋佐/適当/短い/オチなんてない】>>666
38 白雪桃桜【源＋佐/やっぱりよくわからない】>>673
【VOCALOID】
01 届かない、あの空みたいに【微悲恋】>5
02 君といるだけで、溶けてしまいそう(メルト一部分)【恋愛】>>12
03 天国? 地獄? 真っ白い灰になりました【学パロ】>>14
04 紅い蝶が夜を舞う【ホラー】>>19
05 なびくの、揺れるの、ひろがるの【誰かの幼少期パロ】>>25
06 渦を巻く、そして君に伝えたい【実話】>>33
07 輝く星へと願いははばたく【恋愛？】>>40
08 電波は虚しく闇に堕ちる【シリアス？】>>46
09 欲望の薔薇は狂気と化した【ホラー】>>54
10 僕の大好きなおねーさん【ほのぼの】>>58
11 わくわくどきどき楽しみですなあ【ほのぼの？】>>77
12 交差する私のココロ【シリアス？】>>81
13 嘘の自己嫌悪だというの？【シリアス？】>>90
14 はっぴーばーすでい【ほのぼの/お祝い】>>105
15 この時間が宝物【恋愛？】>>127
16 これが、日常なんです。【ほのぼの】>>143
17 首なしのお人形【ホラー？】>>147
18 泣イテ、笑ッテ【シリアス？】>>155
19 女三人、人生について語る会【ギャグ】>>161
20 狂愛の伝え方【ヤンデレ】>>178
21 笑顔の君を紅く染めて【ヤンデレ】>>269
22 毒砂糖【スレタイ/ヤンデレ】>>317
23 無慈悲な聖母【意味不明】>>377
24 未知の硝子玉【ほのぼの？】>>395
25 にらめっこ！ ほら笑顔になれた、【ほのぼの/幼少期】>>511
【東方】
01 夢見たイノセント【フラン/過去】>>596-597
02 桜風【妖夢/意味不明】>>609-610
03 深愛【アリス/短め】>>612
04 暖時【パチェ＋こぁ/ほのぼの？】>>627
05 輝水【大＋チル/ほのぼの】>>634
06 命闘【美＋咲/ギャグ？】>>637
07 耀気【萃＋霊/ほのぼの？】>>641
08 困狐【八雲家/ほのぼの？】>>648
【稲妻リク小説】
01 馬鹿な恋で何が悪い(大好きでもいいでしょう!)【烈人様リク】>>172
02 私とあなたの幸せを【カエル様リク】>>192
03 君の口からでた理由【癒玖刃様リク】>>198
04 彼の辛さを、(私が受け取ることができたら。)【海刀様リク】>>210
05 たまにはお礼も(いいんじゃない?)【空梨逢様リク】>>211
06 恥ずかしさと嬉しさが心の器からあふれそうです。【烈人様リク】>>218
07 林檎とくりーむ(君が大好き)【カエル様リク】>>221
08 甘い囁きとか、(反則でしょう、もう!)【カエル様リク】>>235
09 お前の笑顔が(なんだか遠く感じられた。)【海刀様リク】>>240
10 大暴走でーと(私なんかでよければ、)【空梨逢様リク】>>243
11 言葉もその手もあたたかくて【カエル様リク】>>252
12 まったりのったりゆったり【春風様リク】>>258
13 理解不能フラグ(無理矢理な理解でいいよね、)【烈人様リク】>>214
14 目線は逸らして言葉はまっすぐ【ルナ様リク】>>284
15 懐かしくて暖かくて(大好きだった、そうだよね)【春風様リク】>>301
16 綻びが融ける。【カエル様リク】>>311
17 久しぶりの太陽(それは、)【海刀様リク】>>316
18 純白郵便屋【宮園紫奔様リク】>>320>>329
19 ちいさいけど、ずっといっしょ。【春風様リク】
20 大切なのは、【ルナ様リク】>>365
21 反則的強引可愛さ【紅花様リク】>>373
22 いたずらっ子と泣き虫少年【紅花様リク】>>383
23 水中夢【フィオナ様リク】>>388
24 点滅パラノイア【パンドラ様リク】>>389>>390
25 報われないとある少年【紅花様リク】>>418
26 甘くも苦くもない君(でもたまには?)【海刀様リク】>>425
27 そんなことしか言えない(届くのかな、)【春風様リク】>>431
28 ケーキよりも大好き、(ホントはね)【紅花様リク】>>446
29 祝福は風に乗り【友への誕編】>>461
30 視線の先には恋情融解！【紫奔様リク】>>464>>465
31 無意識に零れおちた。【海刀様リク】>>476
32 返す言葉は、【誕編】>>498
33 渡すものと渡されるもの【春風様リク】>>518-519
34 命の陰に約束【鏡音瑞様リク】>>522
35 雨雲エキサイト【紅花様リク】>>528-529
36 意味と必要と正しさと【海刀様リク】>>537
37 君の笑顔が暖かい【紫奔様リク】>>562
38 ワガママとプレゼント【カエル様誕編】>>585-586
39 君の××はまた今度【桃李様誕編】>>622-623-624
ではでは、はじまったりしなかったりしたりしなかったりします。
◇ スレッド作成日
2010.7/11(日)
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- Re: 【多彩な】白雪桃桜【BTリク募集中】 ( No.694 )
- 日時： 2011/02/06 23:32
- 名前： 氷橙風 ◆inazumaCHw （ID: yjS9W/Zh）
返信遅れてすみません><
>>りーちゃん
げ、源田でいいのですか！ほんとにいいのですか！というかまあ書き始めちゃってるけど← 書いてたら方向がどんどんずれて、りーちゃんの予想とは大幅に違うものになってると思う……うん……
茉莉沙とは絡ませました♪ てか私のキャラなんかに愛を注いでいいの!?注ぐなら私に注いでよ！(ドカーン
いや、俺の方ｇこれ永遠ループになるんだよなｗ
私は……りーちゃんに貰えたら……うん、そうだねオカズにすr(ヤメロオオオオオ(意味わからなくていいからね！(あと冗談だからね！
>>しほちゃん
しのぶちゃん大好きだよもう^p^ 源田ってなんであんなにクラッシャーなんだろうね……
リクさんくすです！向こうでも言ったけど！
全身全霊で書いてみせます。
そして普通リクをしてくださるのですかヒャッホォォォォオウ(落ち着け うんうん、全然いいよ！なんでもばち恋！……駄文ですけど……
大丈夫だ、しほちゃんへのチョコは脳内妄想ですませてある(意味不明^p^
オーガいいよなオーガ！私はなぜか揺らぐことなく帝国まっしぐらです´・ω・`
- Re: 【多彩な】白雪桃桜【BTリク募集中】 ( No.695 )
- 日時： 2011/02/07 18:26
- 名前： 氷橙風 ◆inazumaCHw （ID: yjS9W/Zh）
お知らせですよ！
皆様、バレンタインリクのことですが……
無駄に長かったり指定のジャンルをバリバリ無視してたり、むちゃくちゃです(笑)←笑い事じゃない
ほのぼのといわれたくせにほのぼの成分が一欠けらもなかったり！おーまいごっど！
まあそういうわけなんで期待はしちゃいけませんよ^^ HAHAHAマジで^^
- ＊桃李様リク ( No.696 )
- 日時： 2011/02/14 18:52
- 名前： 氷橙風 ◆inazumaCHw （ID: yjS9W/Zh）
どうやら明日はバレンタインデーというものらしい。
いや勿論そんなことは常識的に知ってるんだけど、なんていうか僕に縁がないものだからかな？ 今日クラスの女子達が話してるのを聞いてようやく気付いたっていうね。
「誰に渡すの」だとか「先輩受け取ってくれるかな」だとか「あんたは彼氏いていいよね」だとか「今日義理チョコ買いにいこ」だとか「友チョコ手作りにしてあげるね」だとかきゃっきゃっと楽しげな雰囲気で固まっている女子達。うーん、一人称が『僕』だとはいえ、一応僕も女なんだけどなあ……全く興味がわかない。なんでだろう？
まあそんな自分自身に浮かべてみた問いの答えなんてすぐにわかる。答えは簡単、僕は恋愛とかどーでもいいからです。はい正解ぱちぱちぱち。
とはいえ義理チョコとか友チョコとかぐらいは渡すべきなんだろうか？ でも面倒くさいしなあ。うん、やっぱり友情とかそういう絆は物で表すべきじゃないよねっ！ そう、だから別に買わなくていいや！ ……言い訳……とかじゃないはずだ。
「葵は誰にあげるのー？」
と、背中から声をかけられた。
その声の主をだいたい予測しながら振り向くと、友達の茉莉沙がにこにこ……いや、にやにやしながら僕の顔をじっと見ている。とりあえずにやにやの意味を教えてもらいたいんだけど。
「別に僕は好きな人とかいないし。それに義理チョコも友チョコもメンドくさいからありませーん」
「……ぷっなにそれ！ メンドくさくてもあたしにはチョコちょうだいよー！ あたしもあげないよー？」
「生憎ダイエット中なんでいりません。残念でしたーふはははは」
「もー」
笑ったり驚いたり呆れてみたり、ころころと表情を変えながら相変わらず元気良く話し続ける茉莉沙。ほんとに感情が豊かだなあ。それに終始テンション高いような気がするし、よく疲労で倒れないものだ……まあ性格の違いってだけだろうけど。
で、
「なんなの？ なんなのさそのにやにや！ 何が言いたいのさ茉莉沙！」
まだにやにやくすくすとこっちを見てくる茉莉沙に少し大声を出してみると、今度は爆笑し始めた。人を爆笑の対象にするとはなんて失礼な。何がおかしいというんだろう。
「……だ、だってさあ！ バレバレ……だよ？ 葵」
「だからなーにーが？ はっきり言ってってばあ！」
「だって言ったら怒るでしょ？ まあ葵が怒ってもたいして怖くないけど」
明らかに(笑)マークをつけてそうな口調でけらけらと笑ってくる。ったく……もう、なんだっていうんだろう。
「僕、もー帰るから。じゃーね」
「あ、ちょっと待ってよー！」
僕がさっさと鞄を持ったのを見ると、途端に笑うのをやめて不満そうな声で引き止める茉莉沙。まあ、あの子には一緒に帰る人ぐらいたくさんいるから別に構わないだろう。それにどうせ僕をからかいたいだけだろうし。
もちょっと話そうよ、なんて後ろから言ってくる茉莉沙に手をひらひらと振って返事をし、教室のドアをがらっと開けた。
＊＊
バレンタインデーは僕、藤浪葵に縁のないものです。
この文章が正しければ○、間違っていれば×をつけましょう。
ここで×をつけた奴は減点確実、自分の間違いを後で悔やむことになるだろうさ。
……な、はずなんだけどなあ。
ほんと、恋とかそんなん僕にはない。てか知らない。わからない。そーゆー可愛らしい感情が僕に関係あるわけない。ないんだけどなんだろう、きっと茉莉沙がしつこくにやにやしてくるのはそれが原因で……いやでも、ねえ？
なんだか一刻も早く家に帰りたくなり、バカみたいに足を急がせながらもやもやと考える。考えていくうちにぼんやりと頭の中に浮かぶのは、
「……源田、かあ……」
少し混んでる商店街の中で、ぽつりと小さく呟いた。
源田。源田。源田。僕のクラスメートで普通に仲良しな良き友達。でも一般による『恋』の定義によると、どうやら僕は源田に恋してるということになるらしい。話す時になぜかどぎまぎしてしまうとか暇になるといつも頭の中にそいつの顔が浮かぶとか視線を合わせるのが妙に恥ずかしくなるとかこれもう否定の仕様がない完璧な純情乙女じゃないか！
……いや、でもね？ さっき考えてた通り、僕は恋愛に全く興味がない。これはほんとに本当で、つまり興味がないんだけど恋しちゃってますてへっみたいな状態なわけでだから僕はもうどうすればいいのか全っ然わからないっていう……ね？
好き……好き、だけど、でもチョコなんて渡す必要ないじゃないか。そう、友情でも恋情でもチョコなんかどうでもいい。そもそも僕は甘いものが苦手であーもー論点がずれてきた！
面倒くさい。だから恋なんて嫌なんだ、僕は。
早く家に帰って寝てしまいたい。それで明日は何事もなく過ごせばいい。きっと源田はいつもどおりにこにこと僕に接して、それに僕は余計な皮肉を混ぜながらぶっきらぼうに返すんだ。それでいい。
なのに、なぜか僕の足は——少しうるさい呼び声の方に、向かっていた。
- ＊桃李様リク2 ( No.697 )
- 日時： 2011/02/14 18:52
- 名前： 氷橙風 ◆inazumaCHw （ID: yjS9W/Zh）
「おはよう、藤浪」
なんとなくもやもやしたまま、下を向いて歩いている僕の耳に突然声が飛び込んできて、びくっとして顔をあげた。
それはやっぱりいつもどおりにこにこしている源田で、急激に鼓動が速くなる。ああ、源田は平常なのに、僕だけこんなどぎまぎしちゃってバカみたいだ……。
そんな考えを裏付けるように、鞄からかさりと物音が出た。
昨日、勢いで買ってしまったチョコレート。可愛らしい空色の包装紙に、薄い桃色のリボンで結んである。こんなもの買ったって使い道なんてないのに。源田に渡すなんてそんな恥ずかしいことできるわけあるか！
少し僕の返事はぎこちなくなっていただろうか。
でもいつもどおりの会話を続けて、学校に着いて。
皆が皆、男子も女子もそわそわしてて、なんか息苦しくなって。茉莉沙は義理やら友やらはたまた本命か、チョコを渡すのに忙しいみたいであまり僕の方には来なかった。
どうしよう。
授業中も休み時間も源田の方ばかり見てしまって、ますます息苦しくなる。……ああ、もうやだ……。
チョコは、明日茉莉沙に一日遅れの友チョコってことであげよう。いや、今日自分で食べてしまおう。もうそれでいいや。
そんなこんなでもやもやしたまま学校が終わって、そのもやもやを背負ったまま家に帰るのかと憂鬱な気分になっていた時、源田が「今日一緒に帰らないか」と言ったのだ。
「……藤浪？ どうした、怖い顔して」
「はぅっ!? べ、別に怖い顔なんて……、し、してたらごめん……」
「……ま、まあ、別にいいんだけどな」
いきなり話しかけられて驚いたせいか——いや絶対それだけじゃないけど——僕らしくもなくしおれた口調で謝る僕の顔を、源田はちらりと見るとどこか落ち着きのなく視線を動かす。……源田？
僕の方を見たいのか見たくないのか、気まずそうに視線を合わそうとしないくせにちらちらとこちらに視線を向ける。僕まで気まずくなってきて、何か明るい話題でも出そうと口を動かそうとしても、喉がからからに乾いていてうまく動かせない。だんだん鼓動も速くなってきて、どうすればいいのかわからなくて混乱しちゃって、頭の中がぐるぐるになって、
「そ、……それじゃあな！」
ハッと急に火照っていた頬が冷えた。
いつのまにか分かれ道になっていて、源田が少しぎこちないけど明るい笑顔で手を振っている。これが最後のチャンスだっていうのに思わず普段の反射神経で「あ、じゃあね」なんて軽い返事をしてしまって、源田が一瞬悲しそうな顔をして後ろを向いて、いやでもこれでいいんだから……ああでも、
「待って、源田！」
さっきまではまともな会話ができなかったくせに、皮肉なことに今だけはきちんと口が動いて。
びくっとして、おそるおそるという風にゆっくりこちらに振り向いた源田の方に、走り寄る。
そして自分でも震えているとわかる声で、こう言うんだ。
「あのね、源田——」
- ＊宮園紫奔様リク ( No.698 )
- 日時： 2011/02/14 18:54
- 名前： 氷橙風 ◆inazumaCHw （ID: yjS9W/Zh）
「ヒート、パス……ってちょっ!?」
「う……うあぅ……」
はい本日二月十四日、プロミネンスのヒートこと厚石茂人君が練習中風邪でぶっ倒れました。
……えっと……これ、マネージャーの自分が看病する感じ？ そういう流れ？ だよね？
＊＊
皆でわーわー騒いだ結果、自分と茂人はどっか空いてた畳の部屋に移され。よっこらしょと体育座りをした自分の前には布団の中で苦しそうに寝ている茂人。
一応水で濡らしたタオルを額にかけてみたものの、回復する気配は全くない。当たり前か。とはいえ薬を飲ますのも、今は寝てるから無理だし……そもそも自分は看病とかの知識も経験も全然ないんだよ！ そういうのはいつも茂人の役割だったし……い、一応自分はマネージャーだけど。
ていうか、この前から調子悪そうだったからちょっと心配してあげてたのに無理するからだ。だいたい風ぐらいで倒れるとか病弱にも程がある。ほんっとにバカでどうしようもない奴。……そしてこんなどうしようもない奴が大好きで、看病なんて面倒くさいだけなのにちょっと喜んでる自分もアホらしい奴。
「どう？ いい雰囲気になってる？」
「バレンタインデー、恋人の看病なんて最高のじゃない」
「てちょ、あんた達!? いつのまに!?」
と突然後ろから声が聞こえ、慌てて振り向くとにやにやしている杏と穂香と華がいた。ほ、ほんとにいつのまに……！ 自分が考え事してたから気付かなかったのかな……。
て……てか、
「恋人ってなんだよ恋人って！ 変なこと言うのはやめろってば！」
「あはは、夏月照れちゃってかわいー」
「ちょ……照れとか！ 違うから！ もう全部違うから！ はいでてくでてく、あんたらは練習してろ！」
にやにやにやにや、面白そうに自分と茂人を交互に見る三人を思いっきり怒鳴りつけ、無理やりドアの外に押し出そうとすると杏がくすっと意地悪い笑みを浮かべた。
「全部違う？ じゃあ厚石のこと嫌いなのかなー？」
「え……そ、そんなことは言ってないでしょーが！」
「じゃあ好きなんだよねー？ 大好きなんだよねー？ うんー？」
「くぅぅ……」
焦る自分を見て、きゃははは、と楽しそうに(自分は全然楽しくない！)笑い始める杏に、穂香が自分に聞こえるようにわざとらしく囁いた。
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