二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- Knight of Cygnus
- 日時: 2011/10/02 05:43
- 名前: シャティ (ID: UcmONG3e)
シグナス騎士団の五人を主人公に、メイプルワールドとマガティア、アリアント、オルビス、エレヴ、ルディブルミアなどの各ワールドを中心とした話
主人公やピヨ族などが分りにくい場合、HPを見てください(シグナス騎士団と打てばでます)
とりあえず、1スレずつ各団長目線で話は進んでます。
★この話はメイプル公式サイトで投下した物です。
向こうは事情により投稿できなくなってしまったの でこちらで書いています。
公式のほうでは題名が『団長が団長になる前の話1 〜10話』
途中までですけど。
☆とりあえずパロディーです。アンソロかな?
*シグナスやナインハート等、その他脇役視点になる
こともあります。
- Re: Knight of Cygnus ( No.24 )
- 日時: 2011/08/25 16:51
- 名前: シャティ (ID: UcmONG3e)
宮殿の入り口には相変わらす寝ぼけ眼の門番が突っ立っている。
そのうち眠るんじゃないかと思うほどだ。
そのまま数分が経過すると、門番は持っていた槍に寄りかかって眠り始めた。
「この国が腐っていてよかった」
ナイフの人が言い、ついてきなさいと歩き出した。
オズたちは足音を立てないように彼女についていき、眠りこける門番のすぐ脇をすり抜けた。
こうして手際よく宮殿内に忍び込むことに成功した。
宮殿のホール内は目を見張るほどの美しさで、乳白色の壁は汚れ一つない。
天井には紫色に点滅する宝石が釣り下がっており目がちかちかした。
道の脇には両側とも噴水が置いてあり、石造のライオンの口から水がとめどなくあふれている。
「よく見ていなさい。ここに隠し扉がある」
ナイフの人が、廊下の大きな柱の後ろにある隠し扉を指差した。
「これは宮殿の中心に向かって伸びている。太い柱にだけ個の隠し扉がついているから、困ったら逃げ込むんだよ」
それでは私はコレで、とナイフの人は宮殿から出て行った。
- Re: Knight of Cygnus ( No.25 )
- 日時: 2011/09/21 13:04
- 名前: シャティ (ID: UcmONG3e)
「じゃぁ、いこっか」
いざ進もうとしたまさにそのとき、オズの服を誰かがギュウッとつかんで引っ張った。
慌てて振り返るとそこにはナイフの人・・・。
「ここでなにしてる・・・—?」
しーっとナイフの人が人差し指を立てて言う。
「騒がないでちょうだい。大事なことを言い忘れてたの」
大事なこと?と首を傾げるオズにナイフの人はよく聞きなさいと念を押した。
「これから言うことは絶対に忘れないで。いいね」
その迫力に少々怯えながらオズはこくんとうなずいた。
「この宮殿のどこかに、カシスの香りのする女性がいる」
オズはカシスという花を知らなかったので質問しようとしたが睨まれて黙った。
「その女性に会うんだ。誰にも見られないようにね。そして指輪の居所を聞くんだよ」
オズが頷くと、ナイフの人は優しく笑い何かを取り出した。
甘い香りのする美しい花だった。
(コレがきっとカシス・・・)
オズの予想通りナイフの人が言う。
「これがカシスだよ。甘い香りがする紅茶の原料でのどに良いの。落とさないようにもっていきなさい」
- Re: Knight of Cygnus ( No.26 )
- 日時: 2011/09/21 13:31
- 名前: シャティ (ID: UcmONG3e)
先に隠し扉に入って行った4人はオズがなかなか来ないので心配していた。
そこへオズがひょっこりと顔を出す。
「つかまっちまったのかと思ったぜ」
ホークアイが冗談交じりで言うが、イリーナに一睨みされ黙った。
イリーナが心配そうにオズに近寄って言った。
「ここは危険な場所だから・・・もっと注意して行動するのよ」
「ごめんね・・・さっきのはナイフの人に呼び止められたからなの」
そういうとオズはほのかに甘い香りがするカシスの花を取り出した。
先ほどからかすかに感じていた香りはコレだったのかとイリーナは納得した。
イカルトが赤いカシスの花を指差して言う。
「この花がどうかしたのか?」
「ある女の人を探すために必要な花なの。その女の人が、銀色の指輪のありかを教えてくれるんだって」
でも・・・とミハエルが首を傾げる。
「紅茶に使われる花だろう?でも何でこれが必要なんだ?」
- Re: Knight of Cygnus ( No.27 )
- 日時: 2011/09/23 02:05
- 名前: シャティ (ID: UcmONG3e)
「この香りのする女の人を探さなくちゃいけないの」
オズが赤いカシスの花をもてあそび言う。
「ちゃんと、よく覚えてね、この香りを」
一人ひとりにカシスを手渡しながら言う。
「けっこう甘い匂いだな」
ホークアイがカシスを両手で包むようにして持ち、香りをかいで言う。
「じゃあ、ばらばらになって探したほうが早いな」
すでに隠し扉の出口に手をかけているイカルトが言った。
「俺は姿を消しながら行ってくる」
「見つけたら、ここに戻ってきてね。私はここにいるから」
同じく姿を消すことができるイリーナも出て行った。
「俺は猛ちょっと先のほうに行くぜ。そこにいるかもしれないからな」
「僕はこの近くにいる。必要なときいは声をかけてくれ」
ホークアイとミハエルも同様に隠し扉の先へと進んでいった。
「うん。みんな気をつけてね。見つからないでよね!」
ちょっと心配そうなオズの声がただ残るだけだった。
- Re: Knight of Cygnus ( No.28 )
- 日時: 2011/09/23 02:16
- 名前: シャティ (ID: UcmONG3e)
ほのかな甘い香り。
それを頼りにアル女性を見つけること。
それさえすめば、あとは指輪を盗むだけ・・・。
だが女性が予想以上に見つからない。
イカルトはかなりおくまで着ていた。
頭上の針には、目が痛くなるほど激しく光る紫のリチウムがぶら下がっている。
よくこんなものをつけていられるな、と彼は思った。
すると誰かが話す声が聞こえた。
扉の向こうだ。
イカルトは期待して扉の前に立った。
真っ白くて清潔感あふれる豪華な石造りの扉だ。
とたんに扉が開く。
さっと沸きに飛びのいた彼は、ほのかな甘い香りがするのに気づいた。
「新しい話を持っといで!それは聞き飽きたよ!早く押し!」
大きな怒声の後、一人の細い女性がほんの束を抱えて転がり出るようにして部屋から出てきた。
その女性からはカシスの甘い香りがした。
間違いないこの女性が探していた人だ。
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