二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- ローゼンメイデン—ドール達が普通の女の子だったら—
- 日時: 2010/12/23 20:34
- 名前: クラリス ◆lpf/TAjzto (ID: quLGBrBH)
もしも、ローゼンメイデンのドールズが
普通の人間で、女の子だったら———?
ふと思いつき、考え付いた妄想小説。
よければお楽しみくださいねッ☆
(ほぼ蒼星石メインです;;)
- Re: ローゼンメイデン—ドール達が普通の女の子だったら— ( No.6 )
- 日時: 2010/12/23 23:08
- 名前: クラリス ◆lpf/TAjzto (ID: quLGBrBH)
咲亜紗様>
ありがとうございます!!
私も蒼星石ファンなんです、もう萌えですよ((tyw
「こんにちは、お譲さん。」
「鏡の中から……兎っ…!?」
「私はラプラスの魔、以後お見知りおきを。」
ぞくりとする。
このウサギは何だろう、新手のウサギ?
……でも喋ってるよね。
「ぼ、僕に何の用?」
「そんなに警戒なさらずとも。」
…これを警戒するな、と言う方が僕は無理だ。
今すぐ警察を呼びたいくらいなんだからね。
「はてさて、貴方が愛する彼の気持ちの矛先はどちらへ向いていらっしゃるのか…。」
そう言って、鏡に消えた。
僕は鏡に触れたけど、いつも通りだ。
ピーンポン
「はい」
「蒼星石、こんにちはーなのよ。」
「雛苺。あがって」
僕が唯一場所を教えたのは雛苺と水銀灯。
くぎを刺した。言わないように……ね。
(くんくんを燃やすって。)
「うにゅーあるの?」
「君は年中頭が祝日なのかい?」
「……翠星石、泣いてたのね」
「そうだね。でも僕は他人だから」
「雛はね、信じてるのよー。
いつかまた、二人で笑いあってる光景を見れるの。
雛ね、それを見ると幸せになれるの!!」
「……雛苺……。」
「えへへ。雛だけじゃないのよ。かなりあもなのよー。」
「…でも、僕はジュン君が好きなんだ。」
「遠慮するのってダメだと思うの…」
「やっぱり君は子供だね。
……僕なんかジュン君に好まれるはずないよ。女の子らしい翠星石のほうがお似合いだ」
「うゆ……げ、元気出すのよ。」
「ありがとう。」
雛苺は幼いのに、僕を元気づけてくれる大事な友達だ。
…怖いくらい冷静なんだよな。
微かな胸に残る希望。
それはどうしたら捨てられる?
「これ、いちご大福。巴さんとわけてね。」
「わぁー、ありがとーなのよ!!」
苺大福の入ったビニール袋を片手に持ち、その手を空にかざして走る雛苺に思わず笑う。
まだ大声で、「わーい!!苺大福なのーっ」
…なんて言っている。
無邪気な雛苺の背中を、僕は姉さんと重ねた。
「……あれ、蒼星石?」
「ジュ、ジュン…君…。」
「お前こんなとこにいたのか?」
「…ぁ…。」
うろたえる蒼星石に、ジュンは愛しさを感じた。
そして今日の昼間の出来事を、思い出した。
- Re: ローゼンメイデン—ドール達が普通の女の子だったら— ( No.7 )
- 日時: 2010/12/24 11:11
- 名前: クラリス ◆lpf/TAjzto (ID: quLGBrBH)
—屋上—
「チビ、別れるです」
「………は?」
「いいですか?蒼星石はお前の事が好きなのですぅ。
私は…」
「でも僕は、お前が…」
「お前がいつも見てたのは、蒼星石だったですよ」
ジュンがハッとした顔で見つめる。
「翠星石は、お前が好きです。…だけど、好きな奴の幸せすら願えねぇ奴じゃーねぇです」
「……翠星石…。」
「だから伝えてくるですよ。」
翠星石は泣きながら言った。
だけどその顔はとても美しく、かなしかった。
「……さよならです、ちび」
そして今に至っている———。
僕の気持ちを伝えるんだ
逃げてばかりじゃダメだ
「蒼星石」
「………何だい」
「好きだ」
- Re: ローゼンメイデン—ドール達が普通の女の子だったら— ( No.8 )
- 日時: 2010/12/24 12:15
- 名前: クラリス ◆lpf/TAjzto (ID: quLGBrBH)
「はぁ?」
蒼星石は口を開け、驚いたようにジュンを見つめた。
そりゃそうだ、姉の恋人が自分に告白してきたら誰だってそうなるに違いない。
「言葉通りの意味だ」
「……でも、姉さんが悲しむと思うよ。」
あぁ。蒼星石、君はやっぱりこうでないと。
翠星石想いで優しい。僕はそんな君に惹かれたから。
「だから……早く姉さんとこに…。」
「あー、もう黙れッ!!」
「!!!???」
驚いたのも当然だ。蒼星石は僕の腕中にいる。
顔を徐々に赤くしているのが見えるぐらい照れてる。
「あ、あの……///」
「翠星石は俺に別れてくれって言ってきた。」
「えっ?」
「……好きだ、蒼星石。」
「ふぇ……うっ、うぇえ…」
泣き始めた蒼星石に、僕はオドオドしながらも頭をなでた。
泣きやんだのは15分後のこと。
子供みたいに僕にもたれるように眠ってしまっている。
スースーと、規則のいい寝息をたてて。
「ただいま帰ったですぅー♪
今日はカレーで……って、何してるです!?」
「い、いや、あの、これは…」
「問答無用、蒼星石にふしだらなことをしやがってぇええ!!ですっ」
「えぇ—————!?」
バッチィイイイイン。
「ん………?」
豪快な音で僕は目覚めた。
「蒼星石ぃ———ッ、家に帰ってたですね!?
あぁ、蒼星石の純潔がこんな男にッ……。」
「え?…話が見えな「うえぇええええん、です—ッ」」
ドスッ
「ぐふっ」
いきなり飛び付かれた僕は、思わずそんな声を出す。
すすり泣く姉さんの背中をなでる。
「今日はてめーも泊まってくですぅ♪
ほら、蒼星石、カレー作るの手伝えやですー」
それからご飯を食べて、夜になった。
ジュン君は僕のベッドで寝ることになった(姉さんは反対したけど)
「……んぅ…」
目を瞑れば、今も鮮明に聞こえてくる。
—僕等姉妹を恐怖に陥れた、あいつの顔が。
- Re: ローゼンメイデン—ドール達が普通の女の子だったら— ( No.9 )
- 日時: 2010/12/24 13:16
- 名前: クラリス ◆lpf/TAjzto (ID: quLGBrBH)
僕たちは朝を迎え、3人で久しぶりの登校。
教室につき、すぐさま担任の梅岡が言いだしたのは。
「転校生の、桃原 ルカさんだ」
「……そ、蒼星石…あいつっ…。」
周りの雑音が耳に入らない。
僕はただ震えていた。
あいつがニヤリと笑う。イヤダ、キモチワルイ…。
「せ…ん、せい…。翠星石たち気分…わ、るい…ですぅ。
早退するです、行くですよ蒼星石!!」
「え、あ…うん…。」
ダダダダダッ
翠星石はマッハで走っている。
途中で、「翠星石が本気で走ればシューマッハより早いです——!!」だとか、「いやっは——!!国﨑最高——!!」…とか。
あいつのせいで狂っていた…。
駅のホームの階段付近で休憩していると、翠星石が誰かに押された。
…僕は見た、あれはルカだ。
「翠星石!!」
ぐいっ
僕は彼女の腕をつかみ、上へと放った。
ドシャッ。
「……すい、せ…石…
じゅ、ん…く…」
意識が途切れた。
翠星石が唖然としている。
「蒼星石!!しっかりするですっ」
そんな声が聞こえた気がした……。
「やあやあお譲さん」
「…兎…。あ、ラプラスの魔…だっけ?」
「そうです」
僕、死んだの?
ここは天国なの?
「ここは貴方とお姉さまが二つで一つの森。
記憶の森と現実の森です」
森?
「お姉さまの森は実に弱っておられます。
私が問います。
なおしますか? なおしませんか?」
「……頭、大丈夫かい」
「聞いているのですよ、森を治すかわりに
代償を貴方からいただきますが……ね。」
「代償?」
「えぇ。」
「………治す。」
その瞬間、あのウサギは消えて。
僕の森とやらも消えた…。
- Re: ローゼンメイデン—ドール達が普通の女の子だったら— ( No.10 )
- 日時: 2010/12/24 13:25
- 名前: クラリス ◆lpf/TAjzto (ID: quLGBrBH)
—ぱち。
「蒼星石……心配したのですよッ……。」
「…あ…。」
「どうしたんだ?蒼。」
「誰ですか?貴方達……。
私を、知ってるの?」
目の前の二人は、驚いた顔をしてる。
…私、おかしいこと言ったかな?
「…あ、あの。」
ピチャン。
鏡が揺れ動き、雫が落ちる。
「やあやあ、皆々様。」
「ウサギですぅ、喋る兎!!」
「何だこいつ…。」
「…知ってる気がする、あのウサギ…。」
「私はラプラスの魔、覚えておいていただきたい。
そして……」
パチン、と指を鳴らし蒼星石を眠らせ三人を連れてきた。
そう、あの森に。
「ここは貴方がた双子の森。」
「森……?」
「そう、先日まで貴方様の森は弱っておられました。
このままでは現実の貴方が死んでしまうくらいにね」
「なっ!!翠星石はしなねーですぅっ、てめー頭くるくるぱーです」
「そう。でも現に生きている。
それは……
あそこで眠る少女の、記憶で蘇らせたから。」
くるっと二人は後ろを向いた。
横たわる蒼星石。
「そこで考えました、はたしてこれでよろしいのかと。
しかし森は代償なしでは生き返らない。
お互いの森をよみがえらせられるのは双子であるあなた方のみ」
ラプラスは淡々と続ける。
シルクハットを触りながら。
「…てめぇ」
蒼星石を抱きしめながら、ラプラスを睨むジュン。
「まぁ焦らずとも。今回ばかりは特別です。
記憶のぜんまいを戻しましょう」
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